今回はゆゆゆいの続き。
次は西暦のギャグを予定していたのですが、思いつかないのでゆゆゆに行こうと思います。
展開が唐突でついてこれる人だけになるかもしれないが、頑張ろうと思います。
あと、今回は少し薄目のコーヒーを用意しておいた方がいいかも?
薄暗い蔵で女の子が泣いている。
声を押し殺しながら涙をポロポロとこぼしていた。
俺はその子を放っておくことができなかった。
彼らの言葉を破って、俺は――。
「あ、起きた?」
目を覚ますと目の前に友奈の顔がある。
俺が起きたことに気付いた彼女は笑顔でこちらをみた。
友奈。
俺にとって大事な存在。
いなくなった〇〇と同じくらい、いや、それ以上に。
「無理はしないでね?」
「大丈夫だ。体の疲れもとれた」
体を動かして、傍に置かれているブルライアットを手に取ろうとすると友奈はそれを遠ざけた。
「おい」
「今日はお休み!私とデートだよ!」
笑顔で言う友奈に反論する暇もないまま手を引かれて立たされる。
「デートって、やることが……あれ?」
俺は何をやろうとしていたんだっけ?
考えようとすると頭に靄がかかっているように何も出てこない。
どうして……?
「ほら、元に戻ってまだ日が浅いんだからね!服も新調しないといけないし、今日はデートです!」
「わかった、わかったからそんなに引っ張らないでくれ」
「じゃあ、こうする!」
嬉しそうに俺の腕に抱き着いてくる友奈。
抱き着かれたことで彼女の温もりが伝わってきて……。
「ん?」
「どうしたの?」
「いや、何でもない」
首を振りながら俺は友奈に手を引かれて部屋を出る。
今の奇妙な感覚は何だったのだろう。
「ああ、鬱だ、死のう」
「ぐんちゃん、私達、どうしょうもないよね。こんな私達、もう、ダメだよ」
「ええ、私達のライフはゼロよ。でも、高嶋さんと一緒ならもう、何も怖くないわ」
「おかしいわね、うふふ、ここに日向がいるのに、みんな、いないなんていうのよ?ねぇ、日向ぁ」
上から雪花、高嶋友奈、千景、風といった面々が瞳から光を失った状態で座り込んでいる。
その光景に誰もが距離をとってしまう。
棗が冷静に雪花の自殺を阻止していた。
彼らがショックを受けている理由。
それは黒騎士、落合日向が赤嶺友奈の手に堕ちたという話を聞いてから……何より、千景と友奈はそれを目撃していたことからショックが大きい。
実際、彼が敵になったということでショックを受けて寝込んでいる勇者もいる。
巫女であるひなたも少なからずショックを受けているようで元気がない。
恭介や実、菜摘達もケアを試みているがあまりうまくいっていなかった。
それほどまでに黒騎士が敵になったという事実は勇者たちにとってショックすぎた。
「痛々しいな」
「……」
寝ている彼女達の姿を見て力は呟く。
健太は拳を握り締めて外へ出ていこうとする。
「健太!」
「何だよ!」
「何をするつもりだ?」
「決まってんだろ!あの野郎を見つけて連れ戻すんだ!」
「それはどういうことを意味するかわかっているのか!?」
「日向と戦うことだ。それはわかっている」
「できるのか?」
「できるとかできないとかじゃねぇよ。俺達がやるしかねぇだろ?もし、日向を元に戻すことができず倒すことになったら……誰かに背負わせられるか?られねぇだろ?だったら俺達がやるしかねぇ!」
壁に拳を打ち付けて健太は叫ぶ。
自分達は彼がどうなったかという結末の記憶がない。
結末についても誰も教えてくれなかった。
だが、力と健太はわかる。
日向は神世紀の時代でも戦っている。ならば、彼は西暦で最悪の別れを自分達としているはず。
二人はその記憶がない。
だから日向がどんな悲しみを背負って神世紀の時代を生きていたのかわからない。
「アイツが暴走しているなら止めるのは俺達の役目だ」
「そう、だな」
デジタイザーとターボブレスをみながら彼らは頷く。
たった一度だけ、彼の汚名を晴らすために戦ったことが認められて神樹の世界に呼ばれた二人、今度は日向を止めるため、彼と戦う決意をした。
彼らの決意を古波蔵棗がこっそりみていたことに誰も気づかない。
四国の町中。
造反神と神樹が争っている世界において、赤嶺友奈は神樹側に勝利しなければならない。
だが、彼女はそんなことお構いなしにショッピングモールに来ていた。
浮き足たっている彼女は更衣室の向こうにいる相手へ声をかける。
「まだかなぁ?」
「ああ、出るぞ」
カーテンが引かれて落合日向がそこから姿を見せる。
赤を中心にした色合いに黒が混ざった服。
赤嶺友奈がチョイスした服はとても似合っている。
「うんうん、素敵だよぉ!似合っている!」
「コーディネートはお前がしたからな」
日向の言葉に赤嶺友奈はうんうんと頷いた。
「やっぱり、日向様は赤を中心とした色合いが良いよ!」
「そうか?まぁ、お前がそういうのならそうなのかもな……ところで」
「?」
首を傾げる赤嶺友奈に日向は真っ直ぐに見つめる。
「俺のことを様付けするの、そろそろやめたらどうだ?」
「え?」
突然のことに茫然とした表情を浮かべる友奈。
すぐに輝くような笑顔を浮かべて日向にだきついた。
「お、おい……危ないだろ」
「嬉しい」
ぽつりと胸元に顔をうずめながら赤嶺友奈は喜びの声を漏らす。
「ねぇ、日向様」
抱きしめたまま赤嶺友奈は顔を上げた。
頬が赤みを帯びて真っ直ぐに彼女の瞳は日向を見つめている。
「なんだ?」
「ずっと……ずぅっと、私の傍にいてくれるよね?」
「当然だ。俺はお前の――」
続きを言おうとした日向は言葉を詰まらせる。
その姿に赤嶺友奈は背伸びして、彼の唇にキスをした。
「ああ、そうだ。俺はお前を守る。そのために生きているんだ」
「嬉しい、嬉しいよ。日向様」
微笑みながら赤嶺友奈は日向の手を引いて歩き出す。
その手はとても強く掴んで離さない。
「ひなた、私達はどうすればいいのだろうか」
「若葉ちゃん」
「日向が敵になったというだけでここまでボロボロになって追い詰められている…………ここまで弱い存在だったのだろうか?私達は」
「違います。こうなるほどまでに私達は日向さんを支えにしていたんです。西暦の時代も……神世紀の勇者たちも……みんな、日向さんを支えにして戦ってこられたんです」
だから、彼が敵になっただけで皆の心はボロボロになった。
「わかっていなかったようだ。我々はどれだけ彼に助けられていたか…………そして、どれだけ彼のことを思い続けていたか……ということを」
若葉の言葉にひなたは何も言えなかった。
自分も同じように彼のことを思っていて、少し……少なからず深い傷を負っているのだから。
どうすればいいのか。
その答えをひなたや若葉達は持ちえていない。
今の彼女達はどうしょうもないくらい無力だった。
「やれやれ、女が涙を流すようなところはみたくないんだがねぇ」
「その声は!」
聞こえた声に若葉とひなたは振り返る。
そこにいたのは黒い学ランに学帽。
厳つい表情で学ランの背中には流れ星が描かれている。
彼を知っている。
西暦の時代。
若葉たちと出会い、四国を守るために協力してくれた存在。
「流星光……」
「三百年と少しぶりだな。乃木若葉、上里ひなた」
彼らの前に現れたのは流れ暴魔 ヤミマルこと流星光だった。
「そんなに買い物する必要あるか?」
「あるよ!私達のこれからの生活に必要だもん!」
「そういうものか?」
「そういうものだよ!」
笑顔を浮かべて腕にだきついてきた友奈に嫌な顔を一つもせずに合わせて町中を歩く。
赤嶺友奈と落合日向の手の中には大量の買い物袋がある。
彼らが住まう場所に必要な道具などが詰まっている。
「だって、これから私と日向が生活する新居だよ?色々と揃えたいんだもん」
「……俺にはわからないな」
「大丈夫!大丈夫!これから色々と教えていくから、うん、色々と」
ニコニコしている彼女の姿を見て日向も笑みを浮かべようとした。
だが、すぐに表情が険しくなる。
「見つけたぞ!」
「…………日向」
二人の前に現れたのは険しい表情をしている伊達健太と炎力。
「あれぇ、西暦のお二人様だぁ~」
「誰だ?」
「おい!赤嶺の友奈!日向を返せ!」
「日向を元に戻すんだ!俺達はそれを望んでいるんだ」
健太と力の言葉に指を顎に当てて考える仕草をする友奈。
「不思議なことをいうねぇ~、日向は自分の意思でここにいるんだよぉ?それに元に戻すってどういうこと?私は何にもしていないよ?」
「とぼけんじゃねぇ!お前が日向に洗脳か何かしたんじゃねぇのか!西暦の時代。彼女達を大事にしていた日向が、簡単に手のひらを返してあいつらに敵意を向けるなんてありえねぇんだよ!そもそも、お前は西暦の時代じゃないんだろ!日向と接点なんかないはずだ!」
健太の叫びにぴくりと赤嶺友奈の体が動く。
「同じ勇者で、人であるキミと俺達はできるなら戦いたくない……日向のことについて、何か知っているなら教えてくれ……元の日向に戻したいんだ」
力は戦わずに済む道を模索しているのか、懇願するように赤嶺友奈に訴える。
「…………あぁ、もう」
手で顔を隠して赤嶺友奈は呟いて。
「どいつもこいっつも本当に鬱陶しいなぁ」
ぞっとするほどの冷たい声で言い放った。
「元の日向?みんなのことを守っていた?色々というけれどさぁ、ここにいる日向を否定するっていい加減にしてほしいなぁ……そう思わない?日向」
苛立ちを隠さずに言葉を吐きながら友奈は日向に体を寄せる。
「友奈、こいつらは敵か?」
嫌がる表情せずに日向は問いかける。
「うん、叩き潰していいよ」
「わかった」
荷物を置いて、日向は腰からブルライアットを抜いた。
「騎士転生」
身構える二人の前で日向は黒騎士へ姿を変える。
「日向!やるしかないのか……健太」
「おうよ!」
黒騎士を前に二人は身構える。
「レッドターボ!」
「インストール!」
二人はレッドターボ、メガレッドに変身してGTソード、ドリルセイバーを構えて走る。
黒騎士のブルライアットとGTソード、ドリルセイバーが火花を散らす。
「なぁ!本当に忘れちまったのか!?」
「日向!俺達のことを、憶えていないのか?」
「何を言っている?俺はお前達のことなど知らん!」
叫びと共に二つの刃を弾いてレッドターボとメガレッドを切り裂く。
斬られた二人は派手に吹き飛ぶ。
刃を振るいながら黒騎士はゆっくりと吹き飛んだ二人へ向かう。
起き上がったレッドターボ。
目の前に立つ黒騎士が刃を振り下ろしてくるがGTソードで防ぐ。
「やめろぉ!」
斬りあっているところへメガレッドがドリルセイバーで黒騎士の背中を斬る。
黒騎士はのけ反り、前からレッドターボの刃を体に受けた。
ダメージを受けて後ろに下がったところで
「GT……クラァァァッシュ!」
レッドターボの必殺の一撃が黒騎士を切り裂いた。
「(なんで、なんでなんだよ!)」
メガレッドのドリルセイバーが黒騎士を貫く。
「(どうして、どうして、お前を斬らないといけないんだ!)」
攻撃の手を緩めることがないまま、黒騎士へ二人のレッドは攻撃を続ける。
仮面の中で二人は悲しみに顔を歪めたまま。
吹き飛び倒れた黒騎士。
「(頼む、頼むから!)」
「(もう、起き上がんな!頼む!)」
二人の願いも空しく黒騎士は立ち上がる。
「ああ、俺……は」
だが、先ほどと異なり様子がおかしかった。
頭を抑えながら黒騎士は周りを見る。
「おい……」
「もしかして」
黒騎士の様子から二人は武器を下した。
瞬間。
「勇者パーンチ」
横から飛来した一撃を受けて二人は倒れる。
同時にダメージが大きすぎて変身が解除された。
「滅茶苦茶なことをするねぇ、自分達の都合で私の日向を……黒騎士を殺そうとするなんてさぁ」
地面に降り立った赤嶺友奈は勇者装束の姿で力と健太を見下ろしている。
その目は恐ろしいほどに冷たい。
ダメージが大きすぎて動けない二人に彼女の言葉は届いていなかった。
「本当なら肉片も残さないくらい粉々にしてやるつもりだったんだけどさぁ……そんなことして、余計なショックを与えるのも嫌だし、そのままボロ雑巾のように転がっているといいよ」
笑みを浮かべて赤嶺友奈は振り返る。
だが、日向の姿はそこになかった。
「俺は、俺は、何を忘れているんだ?」
日向は頭を抑えながら町中を歩いていた。
おぼつかない足取りのまま、彼は宛てもなく進む。
頭の中では映像が消えては現れるということが起こっている。
自分の知らない筈の相手の笑顔。
悲しい顔。
怒っている顔など、
色々な表情を浮かべる少女達の顔が現れては消える、現れては消える…を繰り返していた。
「誰だ!誰なんだ!?俺の頭の中に出てくる奴らは…………そして、お前は誰なんだ!?なぜ、そんな、そんな悲しそうな顔をしている!?」
頭の中がぐちゃぐちゃになっていて落ち着かない。
そんな日向はバランスを崩して倒れそうになる。
「……危ない」
日向の腕を横から誰かが掴む。
見上げるとこちらをみている少女がいた。
カチリ。
頭の中でかみ合う音が聞こえた。
「古波蔵棗……」
「そうだよ、日向さん」
小さく微笑む彼女の顔を見て日向は意識を手放した。
今回はひたすらに赤嶺の友奈さんのターン。
実のところ、ゆゆゆいは色々あってデータがなくなったので、最新までいけていない。
なので、ゆゆゆい編は終わるかどうか未定なんだよなぁ。
次回は本編、ゆゆゆ編。
頭から色々と展開が進む予定です。
もし、スーパー戦隊が絡んで新たな戦いがあるならどれがいい?
-
パワーレンジャー
-
リュウソウジャー
-
ルパパト