次回もそれでいくつもりです。
ちなみに皆さんはバニーガールとメイド服、どっちがすきですか?
僕は今のところバニーガールが大好きです。
「日向さん!デートしましょう!」
「……ノックくらいしたらどうだ?」
各時代の勇者たちが集まって西暦を取り戻そうと造反神と戦う神樹の中。
用意された自室で休んでいた日向のところに高嶋友奈がやってくる。
「駄目、ですか?」
「いや、行くとしよう」
笑顔で出かけようと言ってくる彼女の提案を断る理由はなかった。
嬉しそうに引っ張って来る友奈についていく形で日向は部屋を出る。
その十分後くらいに複数の勇者と巫女が日向の部屋へ突撃するが、既にもぬけの殻だった。
街中にでたところで日向は目的地を聞いていなかったことに気付いた。
「そういえば、高嶋友奈」
「ツーン」
「……友奈」
「はい!なんでしょうか!」
「行先を聞いていなかったんだが、これからどこへ向かうんだ?」
ぴたりと友奈は立ち止まる。
「なんだ?聞いてはいけないことだったのか?」
「い、いえ、その……えっと、うわぁ」
何やら困ったという表情で友奈は右往左往していた。
自分は何か彼女を困らせるようなことを言ってしまったのだろうか?
疑問を抱いているところで意を決した友奈が顔を上げた。
「日向さん!」
「なんだ?」
「わ、私と一緒に結婚してください!」
「………………は?」
「あ!?ち、違います!いえ、違わないんですけれど、えっと、将来的には結婚したいと思っているんですけれど、今回はそういうことじゃなくてぇ、えぇっと、うわぁあああああああああ!」
「落ち着け」
ポンと彼女の頭を撫でる。
茫然とした友奈だが、次第に目をトロンとさせた。
「落ち着いたか?」
「ふにゃ~」
「……やりすぎたか」
「ハッ!危うく日向さんの手籠めにされるところでした」
「色々と誤解を招く発言をやめろ。ちぃちゃんに殺される」
少し前に乃木若葉と風呂場にいた時を目撃されたことがあった。
その際、若葉が誤解を招く発言をしたために鎌を振り回す千景から逃げるという騒動があったのだ。
どこで千景がきいているかわからない以上、日向は油断できない。
「それより、さっきの話の続きだが、どこへいくんだ?」
「えっと、その、ついてからのお楽しみってことで!」
頬を赤らめて上目遣いでいってくる友奈に日向はそれ以上、聞くことができなかった。
そうしてやってきたのは結婚式場。
「なぜ?」
あれよあれよという合間に日向は白いタキシードを身に纏う。
「彼女さんがもうすぐきますからね」
式場のスタッフが笑顔で日向へ告げる。
彼女ではないのだがという言葉を必死で飲み込む。
ここで余計なことを言えば後々、面倒なことになってしまう。
しかし、この格好をして何があるのだろうか?
その疑問はすぐに解消される。
広場の入り口が開かれてそこから高嶋友奈が現れた。
彼女の姿を見た日向は言葉を失った。
現れた友奈は普段の服装と大きく異なっている。
純白のドレス、プーケ。
結婚式で女性が纏う姿。
うっすらと化粧をしているようでいつもの彼女と大きく異なる。
その姿を見て日向は言葉を失ってしまった。
「日向さん、そ、その、どうかなぁ?」
「…………」
「あれ、日向さん?」
「綺麗だ」
「!?」
ぽつりと漏らした言葉はしっかりと友奈に届いていた。
トマトのように真っ赤な顔をした彼女に気付いて日向は失態に気付く。
「すまない、驚いて」
「嬉しいです」
にこりとほほ笑みながら友奈は近づいた。
片方の手で日向の腕を抱きしめる。
「友奈?」
「嬉しい、私、嬉しいです!日向さん!」
この後、二人は結婚式で行うようなことを一通り行った。
帰り道、友奈から「結婚を体験できる」ということでこの場に日向を連れてきたという。
「なぜ、このイベントに俺を?」
「だって、日向さんともう会えないんですよ?」
手を後ろへ回しながら友奈は微笑む。
いつもの笑顔と異なるどこか悲し気なものだった。
「西暦の時代だと日向さんがどうなったか、皆、知っているんです。ただ、ちゃんと思い出せないだけで」
遠くを見ながら友奈は言う。
西暦の時代、落合日向はゴウタウラスと共に天の神に挑んだ。
その結果。
「私もまだ、思い出せないです。でも、日向さんとはもう会えない。そのことだけは嫌でもわかっちゃうんです……だから、全てが終わって西暦の時代に戻っても、私が日向さんを忘れられないように強い結びつきが欲しいなぁと思って……無理やり日向さんを連れてきちゃいました……ごめんなさい、私の勝手で」
「別にいいさ」
驚いた顔をしている友奈に日向は言う。
「俺がどうなったかは俺がわかっている。みんなに寂しい思いをさせてしまったことも……少しくらいの我儘がどうした?俺はお前達に迷惑ばかりかけてきているんだ。これくらい問題ない」
そっぽを向きながら告げた日向に友奈は笑顔を浮かべて。
「じゃあ、誓いのチューを」
「やりすぎは駄目だ」
ペチンと友奈の額を叩く。
「ぶーぶー!」
文句を言う友奈から足早に離れながら日向は小さく呟いた。
「それにしても、指輪交換までなんてやりすぎだろ?」
銀の指輪を手の中で遊びながら日向は言葉を漏らす。
「えへへ、次は本当の結婚式をしたいです!」
「あと二年は待て、あと、いい男をみつけることだな」
「ブーブー!!」
余談だが、落合日向と高嶋友奈が結婚式をしたという少し歪んだ情報が西暦、神世紀のメンバーにばれた。
「高嶋ちゃん、羨ましいなぁ!」
「綺麗です!」
「結婚……いつか、タマっち先輩も」
「おい、杏、なんで、タマをみて手をにぎにぎさせる!?こっちにくるなぁああああ!」
「あらあら、これは面白いですわね」
「むぅ、私もこれくらい!」
「うーむ、結婚式をするなら農場でも!」
「うたのん……それは無理だよ」
祝福、羨ましいといっている者もいれば。
「バルバルバルバルバルバルバル!」
「最早、雪花が言語を話していない」
「そういいつつ、アンタ、その手の中にある藁人形と五寸釘、どうするつもりよ。さっき誰かの髪の毛をいれたわよね?今すぐにそれを手放しなさい!!」
人としての存在を保っていない雪花。
冷静なようにみえて、嫉妬に狂っている棗。そんな彼らを見たがためになぜか一番の常識人みたいなことになっている夏凜。
「あらぁ?おかしいわねぇ、日向は私とずっと、ずぅっと傍にいないといけないのにぃ、どうして、高嶋友奈とぉ、結婚なんてしているのかしらぁ?信じられないわぁ、そうね、これは夢よ。夢なんだわ?だから、日向、今すぐ、どこまでも、神速の如く!!私と結婚をするのよ!」
「いいえ、風先輩!日向さんは私と友奈ちゃんと結婚するんです!そうすれば、私は友奈ちゃんと日向さんの二人と結婚をしたことに……おっと、鼻血が、さぁ、日向さん、今すぐにでも指輪交換をしましよう。今すぐに!私と友奈ちゃんの分を!」
「うふふふ~、おかしいんよぉ、私を抱き留めてくれた日向さんが~、たかしーと結婚?そっかぁ、いますぐ法律をなんとかしないといけないよねぇ~、私と結婚させるんよぉ!よぉし、乃木パワーが火を噴くんよぉ!うふふふふふふ」
「おかしいわね、私と日向は将来を約束しあった関係。何があろうとその絆は未来永劫、決して切れることはないはずよ……高嶋さんと結婚したことは素直に祝福したい。けれど……そうだわ、日向、今から私の部屋へ来ない?え?目が笑っていない?そんなことないわ。私は寛大よ?最初はふらふらしているかもしれないけれど、最後は私のところへ帰ってきてくれるでしょ?ねぇ、ソウダトいってよ」
何も言わずに日向は全力で走る。
逃げる彼を犬吠埼風、東郷美森、乃木園子、郡千景が追跡していた。
それぞれの武器を手にして捕まえた先の未来を想像しながら迫る姿は恐怖しかない。
「最悪だ。全く」
そういって走る日向の首元にはチェーンで繋がれた銀の指輪があった。
ちなみに皆さんはバニーガールとメイド服。どっちが好きですか?
これ、次々回のヒントです。
もし、スーパー戦隊が絡んで新たな戦いがあるならどれがいい?
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パワーレンジャー
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リュウソウジャー
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ルパパト