今年もよろしくお願いします。
この話も残るところ2~3話くらいで終わります。
次回は番外編を予定しております。
クリスマスから六日が過ぎて元旦。
初詣へ勇者部は来ていた。
「日向さんだぁ~」
着物をきて彼女達は初詣で参拝している。
「(今年も日向と樹と幸せな毎日を送れますように受験も合格しますように!)」
「(お姉ちゃんと日向さんと幸せな日々を送れますように、あと、日向さんと遊びに行ける回数が増えますように)」
「(今年こそ!日向に勝てますように!勝って必ず告白するんだから!)」
「(ふふふふ~、今年こそは日向さんと二人で生活することを目指すんだぁ~あぁ、考えただけで日向さん成分が欲しくなるなぁ~)」
「(友奈ちゃんと日向さん、皆が幸せに生活できますように、願わくば、友奈ちゃんと共に日向さんと既成事実を)」
「(えっと、皆毎日、元気で生活できますように……あ、あと、デートができたらいいです!)」
彼女達がお参りを終えたタイミングで私服姿の日向と大神を見つける。
「!!??」
笑顔で手を振る一同の中で、一人、過剰な反応を起こした者がいた。
幸いにも誰も気づかない。
「みんなも参拝か?」
「ええ!二人は?」
「俺達はこれからさ、これが終わったら勇者の森へいって、ガオウルフ達に挨拶するけれど」
「星獣に挨拶かぁ、お姉ちゃん。私達も行こうよ!」
「そうね!前は色々とお世話になったし……みんなもいいでしょ」
「ええ、問題ないです」
同意したところで一同は二人の終わりを待つことにした。
「落合は何を願ったんだ?」
「……バーテックスが滅びる事……あと、彼女が健康に過ごせますように……大神は?」
「平穏に過ごせますように……本当に」
「受け入れればいいだろうに」
「無理だ……まさか、あんなことになるなど、信じられるか?」
大神はため息を零す。
その事件に少しだけ関わった日向はそれ以上の追及をしない。
お互いの傷を刺激しないために。
日向達は勇者部のメンバー共に勇者の森へ足を運ぶ。
「大神先生~!」
「うぐっ!」
森へ入ると同時にどこからか鶴姫が現れて大神を拉致した。
「幸せそうだねぇ~」
「えぇ、幸せになるといいわ」
拉致られた大神と鶴姫の姿を見て園子と東郷がほのぼのした表情だった。
「アタシ、あの二人の言葉に疑問を抱くわ」
「考えるな。身のためにも」
「そうね」
「きっと、幸せですよ。鶴姫さんは」
「「(この子、いっちゃったよ)」」
夏凜と日向は同時に心の中でシンクロした。
「羨ましいわねぇ~、二人の仲が良くて」
「風、後ろから抱き着くな」
「いいじゃない~、新年よ?元旦よ。こういう時くらい甘えたいわよぉ~」
ニコニコと抱き着いてくる風。
日向は剥がそうとするも風は笑顔で強くしがみついてきた。
抵抗むなしく、日向は風を抱えるようにしたまま、森の中を進む。
そんな彼の姿を不満そうに見つめる者がいた。
「友奈ちゃん?」
「なぁに、東郷さん?」
「機嫌が悪そうに見えたけれど」
「そんなことないよ!それより星獣さんに会うのが楽しみだよ!」
「そうね。星祭りにあってそれっきりだから私も楽しみだわ」
友奈と東郷は笑顔で向かう。
森の奥ではギガバイタスが戦艦の状態になっている。
「ギガバイタス~!あけましておめでとうございます!」
友奈の大きな声にギガバイタスも巨大な口を開けて答える。
その直後、ギガバイタスはロボット形態に姿を変えて、ギガライノスとギガフェニックスを射出。
二体の鋼星獣は巨大な手を振り上げて友奈達を出迎える。
少し離れたところではゴウタウラスが吼える。
ガオウルフが地面を蹴り、友奈達の傍へやってきた。
嬉しそうに話す勇者達。
彼女達の様子を少し離れたところで日向は見ていた。
「っ!」
一瞬、日向は顔をしかめる。
すぐに表情を戻す。
なぜなら園子が嬉しそうにこちらへ駆け寄ってきたからだ。
日向はもたれていた木から離れて彼女達のところへ向かう。
「これが何かわかるか?」
流星から見せられたのは丸薬のようなもの。
「何だ、それは?」
「お前のアースの力を一時的に封じ込める薬だ。服用回数を重ねることにアースを封印する時間が長くなる。その間にお前はナイトアックスの力を使いこなしてもらう」
「そうか」
頷いた日向は丸薬を飲み込む。
少しばかり苦みを感じるがそれだけだった。
日向は戦斧を手に取る。
ずっしりとした重みを感じた。
先日のような雷撃は起こらない。
「制限時間は十分、始めるぞ」
流星の言葉に日向は頷いた。
「久しぶりだな。ここまでの疲労を感じるのは」
勇者の森を抜け出した日向は疲労を覚えながら歩いていた。
額には小さな汗が浮き出ている。
黒騎士になってからというものの疲労を感じたのは最期の戦いの時くらいだろうか。
それ以来は特に記憶していない。
「く、そ!」
歩き出した時、日向は顔をしかめる。
胸元を掴んで何かを堪えた。
しばらくして痛みが引いたのか日向は歩き出す。
「(呪いというのはこうも厄介なものなんだな)」
息を吐いた直後、日向の視界を青い影が過ぎ去った。
白い空間。
そういうべき場所に落合日向は立っていた。
「ここは」
「普通の時間とも違う、隔離された空間というらしい」
「その声は……乃木若葉だな」
「久しぶりだな、黒騎士、いや、日向」
目の前に現れたのは乃木若葉。
西暦の時代、バーテックスと戦い、生き残った勇者の一人。
当時の姿と変わらない彼女と日向は向き合う。
「遠回りしても意味がないから単刀直入に告げよう……日向、今すぐに呪いを本来の持ち主へ送り返せ」
「断る」
「わかっているはずだ。その呪いを受け続けていればお前は」
「死ぬだろう」
「だったら」
「あんな純粋無垢な奴が犠牲になることなど認められない」
「だが、今のままではお前は春を迎える前に死んでしまう」
「だったらやることは一つだ」
迷わずに日向は告げる。
「天の神を今度こそ滅ぼす」
「………………今度は、六大神も助けてくれるとは限らない」
「元々、誰かの助けを借りるつもりもない。俺は俺の目的のために行動する。そのために生きてきた。その寿命を目的のために費やすだけだ」
「…………それは」
「天の神を滅ぼして俺の復讐を果たす」
「私達がお前に生きてほしいと願っても?」
「すまないな」
日向は小さく謝罪する。
目の前の若葉は悲しそうな表情を浮かべる。
今にも泣きそうだ。
だが、日向は止まらない。
止まれない。
西暦の時代と同じだ。
落合日向の根本は変わっていない。
彼の目的はただ一つ。
「天の神、奴を滅ぼす」
大切な弟の命を理不尽にも奪い去った存在に思い知らせてやること。
それが落合日向の存在理由。
「やはり、私だけでは止められないか」
白い空間の中で若葉はため息を零す。
本当なら一人で止めるつもりでいた。
しかし、彼を止めるのに自分だけでは無理だという気持ちもあった。
「難しいな、全く」
全員で挑んで囲まないといけないのだ。
「時が近づいているな」
次回は番外編、短いけれど、ヤンデレ暴走がみれますよ?
今年もよろしくお願いします。
もし、スーパー戦隊が絡んで新たな戦いがあるならどれがいい?
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パワーレンジャー
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リュウソウジャー
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ルパパト