次回は本編を予定。
そして、謝罪をします。
とあるキャラの存在を私は忘れていました!
「落合、どうすればいい」
「諦めろ。お前に逃げ場はない」
日向の腕にしがみついてくる大神の表情は真剣だった。
対する日向は冷静にけれど、残酷な事実を彼へ伝える。
「諦められるか!年の差がどのくらいあると思う!?俺に彼女を受け入れる資格はない」
「……だそうだぞ」
「え?」
日向の言葉に大神は振り返る。
「先生~、酷いなぁ、私はこんなにも先生のことを思っているのにさぁ」
入り口から現れる鶴姫。
ニコリと微笑んでいるがその瞳に光はない。
獲物は絶対に逃がさないという様に瞳は大神を見つめて離さなかった。
「あ、あぁ!」
「忍法!縄縛りの術」
逃げようとした大神目がけて、ロープが迫る。
しかし、日向が傍に置いてあった消火器を身代わりとして投げた。
ロープは消火器に絡みつく。
バキバキィ!と音を立てて形を変える消火器。
「邪魔するの?」
「邪魔も何も、大神を捕まえたら俺も捕まえるのだろう?」
「あ~、バレていたか、そりゃねぇ、親友の恋路を応援するのは当然じゃん?」
「“薬”で暴走しているだけだ。冷静になれ」
「知らないね!」
そういって迫る鶴姫から逃げる二人。
頭の中にはどうしてこうなったと思うと同時に二時間前の記憶がよみがえる。
「なんだ、これは?」
赤龍軒。
仕事を終えた大神は机の上に置かれている小瓶に気付く。
首を傾げながら瓶を手に取る。
その時にはらりと小さなメモ用紙のようなものが置かれていた。
不思議に思いながら大神は匂いを嗅ぐ。
別に悪臭のようなものはない。
喉が渇いていた彼はそれを半分、飲んでしまう。
「さて、ガオウルフにでも会いに行くか」
それが悲劇のはじまりになるなど大神は知らなかった。
しばらくして日向が戻って来る。
大神は席を外していた。
「これは」
日向は置かれている小瓶を手に取る。
ちらりと視線を地面へ向けると落ちているメモ用紙が目に入った。
『拝啓、黒騎士様。こちらは大赦の過激派が密かに開発していた薬になります。なんでもヤンデレを暴走させるというものらしく、不用意に廃棄することも難しいため、黒騎士様に処分をお願いします。仕事がお忙しかったため、伝言を残しておきます。決して服用しないでください 三好春信』
「誰が飲んだか知らないが……どこかで処分しない――」
「落合、助けてくれ!」
窓から大神が飛び込んでくる。
「窓から入って来るな。玄関からにしろ」
「そんなことをいっていられないんだぁっと!」
大神は床へ防ぐ。
少し遅れて、手裏剣が通過して壁に突き刺さる。
「器用だな」
手裏剣はハートの形を模して壁に刺さっていた。
「大神先生~、どこにいくのさぁ」
音を立てずに現れたのは鶴姫だ。
彼女は口の半分下が隠れているが笑みを浮かべていることがわかる。
ちなみに瞳に光はない。
「何をした、大神?」
「わ、わからない!勇者の森でガオウルフと話をしていたら急に鶴姫に襲われたんだ」
「……まさかと思うが、お前はこれを飲んだのか?」
「そ、それ!」
「何を話しているのか知らないけれど、私の邪魔をするなら容赦しないよ!!」
鶴姫が手裏剣を振り投げるより早く、日向は卓袱台を鶴姫へ蹴り飛ばす。
卓袱台を払いのけている隙に日向は大神を連れて駆け下りていく。
「ふふふ、逃がさないから」
「い、一体、どうなっているんだ!?」
「これだ」
隣で騒ぐ大神に日向は大赦が残していったメモ用紙をみせる。
その内容に大神の目が開かれた。
「大赦を叩き潰す!」
「早まるな。置いてあるメモに気付かなかったお前のミスだ」
向こうに今回は落ち度が少ない。
大目にみてやろうと思う日向。
それで今までのものを清算する気はさらさらないが。
「落合」
「なんだ?」
「解毒剤は?」
「メモの続きによると飲んでしまった場合、最低、一日は効果が消えないらしい」
「落合」
「なん――」
続きを言う前に小瓶の中身を日向は飲まされる。
ゴクンという音が静かな空間に響いた。
「大神、どういうつもりだ」
「一蓮托生だ!何があろうとお前は俺を助けることに協力しろ!俺も協力する!」
目がグルグルしながら叫ぶ大神。
どうやら鶴姫に襲われたことで相当参っているようだ。
「だったら私が癒してあげる!」
声にならない悲鳴を上げて逃げようとする大神。
「忍法!」
「よけろ!」
「援軍召喚の術!」
鶴姫が何かを呼び寄せる。
「…………最悪だ」
煙の中から現れたのは。
「日向~、お姉さんが癒してあげるわぁ」
「日向さん!全力で捕まえます!」
「友奈ちゃんの言うとおり、フフフフ、覚悟してくださいね?」
「お姉ちゃんと一緒に捕まえて、ふふふふ」
「覚悟しなさい!この前の雪辱を晴らしてやるわ!」
「えへへへ~」
勇者部が召喚された。
しかも完全武装状態。
逃げるという選択肢しか存在しなかった。
襲い掛かる勇者達から二人は逃げ出す。
そして、現在に至る。
「解毒剤を探す!それしか手はない!」
鶴姫に襲われて服を破かれた大神は濁った瞳で言う。
「大赦には連絡を入れてある。解毒剤についてはいずれわかる……と噂をすれば」
日向は端末を取り出す。
相手は三好春信だ。
「解毒剤については?」
「大赦が指定する場所に隠したそうだ」
「隠す?どういうことだ」
「偽物の解毒剤を勇者部に襲撃されて破壊されたらしい……そのため、破壊を防ぐための処置だという」
「そうか、では、俺達は」
「逃げ回りつつ、薬の回収を狙う」
「ならば、急ぎ」
ヒュンと弾丸が二人の目の前を通過した。
「あらあら、話し合いかしら?できるなら私と友奈ちゃん、日向さんの三人で話し合いをしたいのだけれど?」
ニコニコとけれど油断のない瞳で東郷美森はライフルの銃口を二人へ向ける。
東郷をみて、二人は同時に駆け出す。
「逃がさない!!」
上空から二刀流の夏凜が落下してくる。
「落合、ここは俺に任せろ」
大神はガオシルバーへ変身すると夏凜を蹴り飛ばす。
攻撃を受けてバランスを崩した隙をついて日向は走る。
「逃げられてしまったわね。でも、大丈夫。日向さんの相手は友奈ちゃん達にお願いするから……だから」
「アンタはアタシ達が捕まえるわ」
前後を挟むように東郷と夏凜の二人が戦装束で阻む。
「これは苦しいかもな」
ガオシルバーは勇者二人を前に身構えた。
ガオシルバーと別れた黒騎士は急ぎ足で目的地を目指す。
大赦の人間が目印として残しているらしい。
黒騎士が目的地を見つけた時。
「勇者パンチ!」
目の前の地面が陥没すると同時に衝撃が襲う。
咄嗟に身構える黒騎士。
鞘からブルライアットを抜かなかったのは奇跡に近い。
「えへへへ、日向さん!」
「友奈、お前が阻むのか!」
「当然です!だって他の人がいつリードするのかわからないもん!邪魔されないように拘束します!」
「…………っ!」
黒騎士は前に踏み出す。
少し遅れてワイヤーが黒騎士のいた場所を通過した。
「外した!」
「樹ちゃん!」
「そこか!」
振り返ると同時にブルライアットで狙撃する。
急所は外しているので動きを封じた程度だろう。
そのまま友奈の横をすり抜けるようにして走り出す。
はずだった。
「ドーン!」
横からのタックルを受けて黒騎士はバランスを崩す。
倒れたと同時にブルライアットが手から離れる。
「えへへ、日向さーん」
現れたのは乃木園子。
笑顔で槍による突貫をした恐ろしい少女である。
彼女の攻撃によって日向の姿に戻ってしまう。
覆いかぶさるように乃木園子は上から日向を抱きしめる。
離れようとした日向だが、万力のようにしがみついていた。
「は、離せ!」
「えへへ、日向さん成分、補充中なんだよ~」
笑顔でほんわかした声を出す園子。
ニコニコと樹がワイヤーで日向の足を拘束する。
「これで日向さんの動きは封じたよ!これで後は」
日向を包囲しようとする友奈と樹。
「くそっ」
これまでか、と日向が諦めた時。
「待て待てまてぇい!」
空から雲にのってニンジャマンが現れる。
「お前達!暴走はそこまでだ!」
彼の手には小瓶が握られている。
「ニンジャマン!」
「あ、間違えた」
ニンジャマンは日向を見ると雲に乗って去っていく。
「おい!?」
流石の日向も慌てる。
去っていったニンジャマン、呆然としていた二人(園子は日向の首筋に吸い付いていた)はすぐに再起動した。
この後、日向は冷静だった風の手によって救われる。
尚、風は助けた代わりにデートの約束を冷静に取り付けた。
大神はピンチだった。
「大神先生~」
口元を覆っていた布を外して素顔を晒す鶴姫。
大神は逃げたいが東郷と夏凜の手によって動きを封じ込まれ、Gフォンを奪われていた。
にこりと笑みを浮かべて顔を近づける鶴姫。
大神は逃げようとするけれど、両手が顔を抑え込む。
「ここまで、か!」
「そこまでだ!」
諦めようとした時、目の前にニンジャマンが現れて鶴姫を突き飛ばす。
「お前は……」
「俺はニンジャマン!解毒剤だ。ほら、これを飲め!!」
ニンジャマンは小瓶を大神へ差し出す。
「これをお前が飲めば、皆は元に戻る!」
「よ、よし!」
「させるかぁああああああ!」
叫びと共に鶴姫が刀でニンジャマンを切り伏せる。
宙を舞う小瓶、
掴んだのは鶴姫だった。
「これを飲み干せば!」
ニヤリと鶴姫は瓶を開けて、中身を飲み込む。
大神は後先考えず、鶴姫に顔を近づける。
ズキューン!
大神と鶴姫はキスをしていた。
もう一度、言おう。
大神と鶴姫はキスをしていた!
「あ」
目を見開いている鶴姫の口を大神は無理やりこじ開ける。
「チュ……ン……ァ………アハ」
「ググン!ゴクン!」
「あ、ヤバイ」
恥ずかしさからニンジャマンは目を逸らす。
その後ろで気絶して、目を回している東郷と夏凜の姿があった。
鶴姫とディープなキスをして、大神は解毒剤を飲み干す。
日向は効果がきれるまでひたすら逃げ続けた。
後日。
「助かったが、俺は鶴姫に会うことに抵抗がある」
「安心しろ、向こうはガンガンお前へ会いに行くぞ」
赤龍軒の休憩時間。
日向と大神は話をしていた。
解毒剤のおかげで難を逃れたが大神はしばらく鶴姫と会いたくないという。
しかし、日向は知っている。
鶴姫は遠くから大神を見ていることに。
チャンスがあれば猛アタックを仕掛けるだろう。
「頑張ることだ」
「どこへいくつもりだ?」
「風との約束だ。デートに行ってくる」
告げると日向は出ていく。
「……アイツの方がよほど大変だな」
ぽつりと大神は呟いた。
尚、風とのデートを察知した他の勇者部が妨害しようとした結果、暴走した彼女に肉体的な意味で捕食されかけたことは記憶に刻まれる。
ニンジャマンはどういうわけか助けに来てくれなかった。
忘れていました。ニンジャマンの存在を。
次回は本編。
その後は本編の予定、本編、残り二話ほどになります。
詰め込んで終わらせる予定です。
もし、スーパー戦隊が絡んで新たな戦いがあるならどれがいい?
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パワーレンジャー
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リュウソウジャー
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ルパパト