「マッスル様。最近、俺ばっかりプレイヤーになってる気がするニョロ」
巨大ヘビが、筋肉ガエルに問いかけた。
このところ、連続で巨大ヘビが『ゲーム』のプレイヤーになっている、と。
もう一人のプレイヤーである巨大ナメクジの姿が見えないのも、巨大ヘビは気になっていた。
アジトとして使用している薄暗い廃墟には、巨大ナメクジは暫く訪れていない。
「良いところに気づいたね。それには理由があるんだ」
朗らかな笑顔を絶やさずに。
全高2メートルに及ぶ筋肉質な二足歩行のカエルが、問いに答えた。
緑色の身体の表面を覆う粘液が、薄暗い廃墟の中で怪しげな光を発していた。
「ゲームも大詰めだからね。こういう時の悪の組織の幹部の御約束といえば、限られているだろう?」
「一斉出撃ニョロ?」
巨大ヘビの回答を聞いて、そういう選択肢もあったね、なんて巨大ガエルは笑った。
どうやら、巨大ヘビの回答は正解ではなかったらしい。
では、果たして正解は?
「正解は……強化改造手術さ!」
その言葉を聞いて、巨大ヘビは気づいた。
アジトの中に、巨大ヘビとも筋肉ガエルとも違う、第3の足音があることに。
しかし、その足音は多足生物の歩く音に聞こえた。
普段は巨大ナメクジが移動する時は、這ってグチャグチャと音を立てるはずなのに。
「ナ……メェ……」
つい最近まで巨大ナメクジであったハズの、その生物は。
既に、ナメクジのシルエットをしていなかった。
『ふたりはVSプリキュア!』
第十二話:SHINE!! 本当に大好きなのは?
「いっただきまーす! むぐ。やっぱり、いつもの朝が来て、いつものゴハンが食べられるのが『幸せ』だよなぁ」
「……いただきます。どうしたの、急に?」
いつもの朝加家で、いつもの朝食を頬張りながら。
朝加ショーコは、何となく思った。
やっぱり、ショーコにとっての『幸せ』は、朝加家での日常なのだと。
――その大切な人との生活に、幸せは無かった?
「最近、ちょっと考えるきっかけがあってね。あたしにとっての『幸せ』って何だろう、って」
「……沖田さんの件ね」
沖田ラブの一件も、きっかけの一つだった。
商店街の人たちがそれぞれの『幸せ』の対価に土地を手放し、商店街が消えて沖田ラブが悲しむ。
誰かの『幸せ』が別の『幸せ』と両立しないことは、さして珍しくもない。
……『黄昏の園』のために戦うサイレントと地球のために戦うビクトリーが、激突してしまうように。
――娘は夢を追えて幸せ、店長は娘を見守りつつ最後の財産を残せて幸せ、ってか。
「まぁ、他にも一杯『幸せ』はあるんだけどね。日曜の朝は待ち遠しいし、学校の皆と騒ぐのも楽しいし」
「……騒ぎといえば、最近『失恋メイツ』は最近ずいぶん静かになったわね」
失恋メイツといえば、失恋した中島メグミと美山イチカのことだ。
片思い中の子にちょっかいをかけて失恋仲間を増やそうとしていた、ちょっと目が死んでた感じの二人組である。
一応、ショーコが美山イチカを説得したことで、失恋メイツは自然消滅したはずだが……。
「念のために、イチカちゃんの様子を見に行ってみようかな」
「……今日は料理部に遊びに行くのね。私も付き合うわ」
なお、ショーコが料理部に遊びに行く日は、ショーコは夕飯を食べない。
試食品が腹に溜まる場合が多いからである。
で、その日の放課後。
朝加ショーコと夜野シズエは料理部を訪問したのであった。
教室で話しかけても良かったのだが、元失恋メイツの中島メグミの反応が読めなかったので料理部に来たという経緯もあったりして。
「たのもーっ!」
「……お邪魔します」
扉を開けて直後、ショーコの声が家庭科室に響いた。
すると、機材の準備をしていたらしい美山イチカと目が合った。
美山イチカは、茶色のかかった長髪をツインテールにしていて、苺柄の髪飾りがワンポイントな女子だ。
イチカと目があったショーコは、即座にイチカへと駆け寄って声をかけた。
「ラビット!」
「ショートケーキ!」
「「ベストマッチ! イェーイ!!」」
ショーコからの突然のネタ振りを受けて、しっかり美山イチカが応じてくれた。
ハイタッチを交わしながら、ショーコは確信した。
美山イチカは、どうやら失恋のショックから立ち直ったようだ。
……そんな二人を、夜野シズエが困惑した目で見つめていた。
「……美山さんは、ショーコの御同類だったの?」
「違うよ。ネタはあたしが仕込んだけど」
「うさぎショートケーキの話をショコタンにした時に、なんか仕込まれたんだよね」
明るい調子の美山イチカを見るに、失恋メイツ再結成の危険性は無さそうであった。
これにはショーコとシズエも一安心である。
「何にしても、イチカちゃんが立ち直って何よりだよ。告白は成功したってことだよね?」
ところが。
ショーコの一言を聞いて、イチカの笑顔が固まった。
あれ? アキラ先生への告白って成功したんじゃないの?
「それが……実はまだ、だったりなんかしまして……」
一安心なんて無かった模様。
美山イチカが少しばかり奥手なのかもしれないが、おそらく別の問題もあるものと思われる。
学校医の森アキラ先生はイケメンっぽいけど一応女性なのだ。
ショーコは、同性だろうが恋愛すりゃ良いじゃん、的なアドバイスをイチカに吹き込んで立ち直らせた訳だが……。
「可能性がゼロでは無いとは思うけど、やっぱりハードルは高いと思うでござる……」
「っていうかさ、ぶっちゃけイチカちゃんはアキラ先生とドコまで行きたいわけ? Aで満足なのか、BやCまで想定してるのか、Dまでいきたいのか」
(……Aがキスなのは知っているけれど、BCDって何なのかしら)
ショーコの隠語オオモリゴハンな問いかけに、美山イチカは顔を赤らめて反応に困っている様子。
一方、隠語の意味が分からなかったシズエは、携帯端末を使ってググり始めた。
検索ワードは「隠語」「B」あたりだろう。
「それは、その、学生の間はAまでのプラトニックなお付き合いだけど、最終的にはDまで行きたいですぞ……」
(……なるほど。Bがボディタッチで、Cが本番? 同性だとBとCは何が違うの?)
恥じらう乙女の表情で、両手の指を絡ませながらイチカが答えを返してくれた。
言っている内容が恥じらう乙女に相応しい内容であるかどうかは、置いておくとして……。
なお、シズエは順調に検索を進めている模様。
ショーコは、思った。
これは想定以上にガチなヤツだ、と。
正直、ショーコは同性婚に関する知識をそれほど持っている訳では無いので、ショーコの手に余る案件かもしれない……。
「ボンジュール! 話は聞かせてもらったわ! そういうことなら私に任せなさい!」
……唐突に、ハイテンションな金髪ちゃんが話に入ってきた!
頭に派手な羽飾りをつけた、それっぽいフランス語を交えて話す小柄な女子が、会話に入ってきたのだ。
ショーコの記憶によれば、この特徴的な女子の名前は水瀬シエルといったはずだ。
料理部の自称天才パティシエである。
「シエルちゃん、力になれそう? 激しく不安なんだけど?」
「ウィ! 何を隠そう、私はアムールの国からの使者よ! 大抵の色恋問題はスイーツの力で解決できるわ!」
(……そして隠語のDの意味は? えっ? これって同性だとどうするのかしら?)
薄い胸を叩いて、自信満々な顔をしている水瀬シエル。
なお、パティシエとしてのスタンスから実弟との仲が超絶に拗れた過去がある模様。
本当に大丈夫なの?
あと、キュアアムールさんと王国民の皆さんは、呼んでないので座っててください。
「強いお酒の入ったスイーツで、相手の判断力を奪いましょう! 日本のコトワザにもあるわ! 酒(しゅ)に交わればワインレッド、ってね!」
「シズちゃーん! このレッドゾーンな危険人物を摘まみ出してー!」
「……ウィ」(訳:分かったわ)
シズエは、目にもとまらぬ早業でシエルを羽交い絞めにした。
そして、料理部にあったと思しき謎のボトルをシエルの口に突っ込んだ!
顔を赤くしたり青くしたりして、あっというまにシエルは地に倒れ伏した。
「シエルぅっ!? 夜野さんっ、シエルに何を飲ませたの!?」
「……知らない方が良いと思うわ」
「とれびあーん……キラぁ……」
目を回しながら謎のウワゴトを呟いているシエルを背負って。
がらっ、なんて小気味よい扉の音を残して、シズエは料理部を後にしたのであった。
多分行先は保健室であろう。
まさかABCDの実験をするために保健室に連れ込む訳では無いだろうが。
危険人物は夜野シズエの方だった……!?
家庭科室に残されたのは、美山イチカと朝加ショーコであった。
「ショコタン。今更だけど、シエルには真面目に相談しても良かったんじゃない? 確か、フランスって同性婚アリの国だったよね?」
「シエルちゃんはフランス留学の経験はあるのは本当らしいけど、基本日本生まれで日本育ちの似非フランス人だよ」
イチカは、シエルがまともな相談相手になる可能性を若干期待していたようだが。
残念ながら、水瀬シエルにはあまり期待しない方が良いだろう。
なお、出生情報の出所は、水瀬シエルの弟の皆川リオ君である。
苗字が違うのは、色々と複雑な事情があるらしい。
「たださ。あたしも、正直力になれるかどうか怪しいっていうのは思う」
「しょ、しょんなぁー……」
呂律が若干崩壊しているイチカのことは気になる。
しかし、ショーコとて出来る事と出来ない事があるのだ。
人助けメイツは、万能とは程遠い。
「こればっかりは宗教的な偏見や政治的な弾圧が絡んでくるからね。率直に言って、あんまり背中を押しすぎるとイチカちゃん達の将来に対する責任が重くなり過ぎて背負いきれないよ」
正直、今日イチカから話を聞くまでショーコは、精々Aまでのプラトニックな愛ぐらいしか想定していなかったのである。
ところが、(どのぐらい実現可能性があるか分からないものの)一応イチカはDまで視野に入れているようなのだ。
「でも、ショコタンって、夜野さんを筆頭に5人ぐらい女の子を囲ってるレズハーレムエロゲ主人公だって聞いたけど……?」
「誰だそれ言った奴」
エロゲ主人公なんて不名誉な通り名を呼ばれることが頻繁にあるショーコだが、さすがに特定の相手とのB以降を真面目に検討したことは無い。
大体、その5人って誰だよ? 戦隊を組めちゃう人数じゃん。
シズちゃんとヤヨちゃんは良いとして、残りの3人は冤罪だよね。
もしかして、ツボミちゃんに壁ドンしてたのが噂の原因になった?
……その場合、噂の元凶って青い珍獣しか居ないやんけ!(名推理)
「ホントのところ、どうなの? ショコタンと夜野さんって、どこまでいったの??」
「どこまでって……。マジレスすると親友としか言いようがないんだけど」
ショーコは、自身が夜野シズエを好きだということは自覚している。
そして、それが『愛』という思考にカテゴライズされることも自認している。
ただ、愛と性欲がセットになっていないので、同級生たちの喜ぶ『恋心』とは毛色が違う気はしていた。
「またまた御冗談を! 毎日アツアツの愛妻弁当を見せつけてるじゃないですかー!」
「それよく聞かれるんだけど、あれって無償じゃないからね? 生活費とは別枠で、ウチの保護者からシズちゃんに御手当は出てるんだよ?」
ショーコが直接の雇い主というわけではないので、ショーコとシズエの間では特に気をつかっていないが。
一応、夜野シズエは家政婦的なポジションだったりするのだ。
なお、御給金の額はナイショである。
「あの……ショコタン。もしかして、なんだけど。夜野さんが家政婦みたいなことをしてるのって、さっき『親』じゃなくて『保護者』って言葉を使ったのと、繋がってる……?」
どきり、とさせられた指摘だった。
これって聞いても良いのかな? なんて迷いが美山イチカから伝わってきていた。
イチカがどこまで察しているか分からないが、おそらく正解だろうと朝加ショーコは思った。
「たぶん、イチカちゃんが思ってるのが正解だよ」
「私、聞いちゃいけないことを聞いちゃった……?」
ショーコとしては、無暗にシリアスを振りまくのが嫌なので話さないだけで、別に隠している訳でも無い話題だったりする。
朝加家に、何故大人の姿が無いのか。
13歳のショーコが一軒家で一人暮らし(+家政婦モドキ)が出来ているのは何故なのか。
その辺りを深く突っ込み始めると、おのずと推論は出てきてしまうのだ。
というか、美山イチカは基本的にはアホの子のはずなのに、変なところで鋭かったりするのが不思議である。
「別にいいよ。大切な人達のことは……あたしが覚えていれば、それでいいと思ってる。それに、今はシズちゃんが居るからね」
うちに帰ったら、シズちゃんが夕飯を作って待っててくれる。
あたしにとっては十分すぎる幸せだよ。
そう、ショーコは笑って見せた。
「それで気が晴れないってことなら、料理部の食材と機材をちょっと貸してプリーズ。シズちゃんに何かお土産持って帰ろうかなって」
「アキラ先生用のチョコレートを多めに用意してあるから、使って!」
アキラ先生ってチョコレート好きなのか。
っていうか、食べ物の好みを聞き出してあるのは、何気に抜け目がないというか。
何だかんだでイチカも頑張ってるんだなぁ、なんて思ったショーコであった。
で、せっかく料理部の設備を借りられることだし。
ショーコは、とりあえず鍋に水を入れて火にかけた。
適度に温まった湯鍋に、一回り小さい鍋をいれて、その中へと砕いたチョコを投入した。
「ちょっと待った!? ショコタンなんでそんな手慣れてるの!? そういうの全然できないイメージあったのに!?」
「うん……? いや、初めてだけど作業自体を見たことはあるよ」
ショーコは特に日ごろ料理をするわけでもないし、スイーツ作成の経験も無い。
ただ、ショーコが頼むとシズエは大抵のものを作ってくれるので、料理過程を見る機会はあったのだ。
両手を床について凹んでいるイチカは……もしや?
まさか、チョコを入れた鍋を直火で加熱してしまった経験があるのだろうか?
そういえば、部屋の中が少し焦げ臭いような気もする。
それでいいのか、料理部員……。
「あっ、そういえば昨日ヒマリンがグミを作るのに型を使ってた……」
「あちゃー、やっちゃったか」
家庭科室の冷蔵庫の中を見ると、色々な動物のシルエットを模したと思しき型で、グミが冷やされていた。
おそらく作成者は帰り際にグミを冷蔵庫に入れていったのだろう。
既にグミは固まっているようではあるが、作成者以外が勝手に容器の中身を取り出すのは、あまりやらない方が良いだろう。
どうせ普通のグミ(ry
「どうしよう……」
「ううーむ……」
イチカが作成者に電話をかけてみたものの、不通であった。塾か何かだろうか?
ともかく、一度溶かしてしまったチョコレートを放置するのも勿体ない。
一応平たい板の上に溶けたチョコを盛れば、無地で円盤型のチョコは作れるが……それだと何だか味気ない。
「何か方針が欲しいでござる。ショコタン、夜野さんを動物に例えると?」
「動物に? そうだなぁ……」
――夜野さんは何だか猫っぽいわよね。
どこで聞いたんだったか。
夜野シズエを猫っぽいと言っていた子がいたような?
たしか、樹元サキか榎本マイのどちらかだった気がする。
「ネコ、かな」
ただし、ネコをチョコレートで表現するのは難しい。
顔やヒゲや耳といった細かい特徴を出すためには、型が必須である。
その型が使えないから困っている訳だが……?
……と、そこまで考えて、ショーコは思いついた。
細かいパーツが用意できなくてもネコを表現する方法はあるじゃん、と。
瞬間、美山イチカと目があった。
おそらく同じ結論に至ったのだ、と朝加ショーコは直感した。
「「キラっと閃いた!!」」
二人は、本日2度目のハイタッチを交わした。
で、翌日の放課後。
家庭科室の冷蔵庫の中のチョコを引き取りに行ったショーコは、家庭科室に美山イチカの姿を見つけた。
他の部員は、今日は来ていないようだ。
「あっ、ショコタン! これ、新作のスイーツだよ! ちょっと試食していって!」
「なるほど、コレは犬だね。可愛いじゃん」
板チョコで犬小屋を作り、小屋から犬が顔を出しているという構図の皿だった。
犬の頭はイチゴで、耳はアーモンド、鼻はホイップクリームか?
目はチョコレートで描かれた黒丸のようだ。
全体的に可愛らしい仕上がりであった。
ショーコは、板チョコの一部を剥がして、クリームを少しつけて食べてみた。
……塩味がした?
ショーコは、嫌な予感を嗅ぎ取った。
なんというか、直感である。
チョコレートはアキラ先生のために買い込んだと言っていたはずだから、犬チョコもアキラ先生へのものだろう。
そんな大事なものを、試作品とはいえ、砂糖と塩を間違えるようなミスをするだろうか?
「イチカちゃん、あーん」
「あーん?」
ショーコは、再び板チョコを犬小屋から剥がし、少量のクリームをつけてイチカの口に突っ込んでやった。
口の中でチョコとクリームを溶かしているであろう美山イチカは、特に顔色を変えなかった。
塩味のクリームに対して、何の疑問も抱いていないのだ。
美山イチカという人間はケアレスミスをすることは多々あるが、味オンチだという噂は聞いたことがない。
……まさか?
「率直に聞くけどさ。イチカちゃんは昨日の夜、巨大ナメクジに襲われたんでしょ?」
「えっ、ど、どうしてそれを……って、しまった! ええっと、その、今のナシ! 何も聞かなかったことにして!」
ショーコとて、確証があった訳では無かった。
ただ、違和感の匂いを感じ取って、カマをかけたら当たってしまったのだ。
巨大ナメクジ製のカナシミーナは宿主と別行動をとり、宿主は魂に継続ダメージを受けて日常生活に支障が増えていく。
イチカの場合、その悪影響が味覚に強く現れたということなのだろう。
「聞かなかったことになんて、出来るわけ無いじゃん」
「そう、だよね……」
まったく、嶋村ハルカや水樹ツボミの時もそうだったが、死期を悟っても意外と人間は態度に出さないものである。
水沢エリカとか藩田ヒメとかだったら、「シニタクナーイ!」みたいなネタに走りそうな気もするが。
何はともあれ、ショーコの方針は決まった。
このままイチカとの会話からキーワードを抽出して、カナシミーナの居場所を特定する手掛かりを得るのだ。
「イチカちゃんが、死ぬ前にやりたかったことは、やっぱり告白?」
「ううん。ラブじゃなくてライクに見えるぐらいの感じで、スイーツを食べてもらおうかなって思ってた」
ラブの方の告白をして直後に私が死んだらアキラ先生も気にするだろうし、なんてイチカは補足してくれた。
確か、水樹ツボミも似たようなことを言っていたような気がする。
ツボミの場合は、そもそも恋よりも園芸部を取る決意が出来ていたようだが、イチカの場合は折衷案といったところだ。
「スイーツで相手が笑顔になってくれると、私も嬉しいんだ」
「イチカちゃんはさ。どうしてスイーツ作りにハマったの?」
ショーコは、一歩踏み込んでみた。
カナシミーナの居場所の手がかりを得るために、さらに美山イチカの内面を覗き込む必要があると感じたからだ。
ところが、質問を投げかけられたイチカの目が泳いだ。
言葉を選んでいるというよりは、方便を選んでいるように思えた。
何か、言えない事があるようだ。
これはマズい傾向だとショーコは察した。
イチカ側の事情は分からないが、ここでウソが混じると、カナシミーナを発見できる確率が下がってしまう。
何が何でも、イチカには正直に喋ってもらわねばならないのに。
ショーコは、今一度家庭科室の中を見回した。
先程と変わらず、家庭科室の中にはショーコとイチカ以外の人間は見当たらない。
確認を終えたショーコは、軽く息を吐いて一思いに、
「プリキュア・ビクトリー・チェンジ!」
プリキュアへと変身した。
白地に桜色の上着を羽織り、ピンクのツインテールの先に金環を輝かせて。
都市伝説の戦士プリキュアへと、瞬く間に姿を変えたのである。
「なっ、なんですとぉー!? ショコタンがプリキュア!?」
「勝利の光! キュアビクトリー!!」
茶髪の先をびよんびよんに伸ばして驚いている美山イチカに対して。
手の甲を相手に向けた独特なVサインを見せながら、ビクトリーは名乗りを決めた。
「話を戻すよ。あの怪人を倒してイチカちゃんを助けるために、イチカちゃんの印象に強く残ってるものや大好きなものを知りたいんだ」
カナシミーナは、宿主の記憶と印象に強く残った場所に潜伏することがある。
嶋村ハルカのカナシミーナが裏山の花畑の近くに隠れていたのと同様のケースは、あり得るのだ。
だから正直に答えて欲しい、とビクトリーは続けた。
すなわち、最初に美山イチカをスイーツ作りの道へと導いたものは何ぞや、と。
「実はね……イチゴ坂の峠の近くに、妖精たちの隠れ里がありまして」
「マジか……」
偶然その隠れ里の妖精と知り合いになった美山イチカは、妖精達とスイーツを作るうちに、スイーツ作りが趣味になったらしい。
ツッコミどころしか無かった。
山の中で妖精が作ってるスイーツって衛生的な意味で大丈夫なのかよ!
なお、メタ的なネタだと、プリアラの一時間後の戦隊では犬が寿司を握っていた模様。衛生観念なんて無かった。
あと、『黄昏の園』と無関係な妖精って意外と居るのかよ、なんてツッコミもある。
「というわけ。隠れ里のことは本当は秘密なんだけど……」
ツッコミ始めたらキリがないので、とりあえず後回しにするとして。
一応、イチゴ坂に行ってくるのが良さそうである。
……と、その前に。
ビクトリーは、チョコレートで構成された犬小屋を全て食べた。
やっぱり、塩味が拭い切れない違和感の発生源になっていた。
「イチカちゃん。この生クリーム、塩と砂糖を入れ間違えてるよ」
「ええっ、ホント?」
イチカに対して、先程は言えなかったことを言ってやりながら。
大丈夫だよ、なんてうそぶいて、ビクトリーはニヤリと笑いながら言葉を続けた。
「予告する! イチカちゃんは、『明日』はもっと美味しいスイーツを作れるよ!」
それだけ言い残して。
ビクトリーは、一陣の風を残して校舎を後にしたのであった。
なお、カナシミーナの被害者は1週間前後の昏睡を強いられるからして、あくまで『明日』というのは気持ちの問題である。
「あれ? ショコタンがプリキュアってことは、もしかして夜野さんがもう一人のプリキュアだったりして?」
美山イチカの呟いた一言は、キュアビクトリーの背中には届かなかった……。
風のように走り切ったビクトリーがイチゴ坂の峠付近に差し掛かると。
すでに、3メートル級の黒いマネキン人形が暴れていた。
カナシミーナの交戦相手は、十中八九キュアサイレントだろう。
ビクトリーが物陰に隠れて様子を見ていることに、両者は気づいていないらしい。
「カナシミ・ホイップゥ!!」
「……」
跳び蹴りにてサイレントに肉薄するカナシミーナに対し、サイレントは影の丸鋸を練り上げてカウンターを狙った。
カナシミーナの跳び蹴りをギリギリで避けて、すれ違いざまにエグい斬撃にて反撃を行うつもりなのだろう。
ところが、跳び蹴りの最中、カナシミーナが両腕から白い雲のような物質を放出してサイレントの反撃を防いだ。
カナシミーナの両腕から湧き出てきた白いモヤモヤは……雲というより、ひょっとしてクリームか?
「カナシミーナァ!」
「……っ」
相変わらず足技主体で、カナシミーナはサイレントへと近接戦闘を挑んだ。
踵落としを繰り出したと思えば、足払いが飛び出してサイレントの足をすくった。
サイレントとて近接戦闘が出来ないわけではないのだが、今回のカナシミーナは身のこなしに優れているのだろう。
しかも、時折カナシミーナの脚部から謎クリームが噴き出しているのが曲者である。
謎クリームは粘着性をある程度使用者の意思で変えられるらしく、サイレントは敵の攻撃をガードした部分に謎クリームを紐付けされて、動きを制限されているようだった。
一応サイレントの影刃で謎クリーム紐を切断することは出来るようだが、近接打撃のたびに謎クリームを付けられてしまっては、焼け石に水であった。
逆にサイレントが影の槍を伸ばして攻撃しようにも、カナシミーナは機敏なステップで回避し、時に謎クリームで堅実な防御をみせた。
ビクトリーは、戦況を分析してみた。
カナシミーナが手足から放出している謎クリームは、多少用途の違いはあれど、根本的にはサイレントの影に近い性質のものだ。
サイレントが苦戦を強いられているのは、機動力の差によるものと考えられた。
さて、この後どうするか?
今回のカナシミーナとビクトリーが1対1で戦う場合、謎クリームによる行動阻害がある分、カナシミーナが若干有利かもしれない。
サイレントとビクトリーで二人がかりならば、適当に囲って凹れば何とかなるだろうか?
「ナメェッ!!」
……そんな悠長なことを考えていたら、戦場に巨大ナメクジが現れた。
ドタドタと足音を立てながら、巨大ナメクジが乱入してきたのである。
足音が不自然だと気付いたビクトリーは、次の瞬間には驚きのあまりに身を乗り出してしまっていた。
巨大ナメクジが……胴体の側面からカナシミーナのものと思しき手足を生やし、四足歩行で移動しているのである。
あたしが知ってる巨大ナメクジと違う!
ビクトリーの内心のツッコミをあざ笑うように機敏な動きを見せた巨大ナメクジは、四つ這い走行でサイレントを跳ね飛ばしながら、カナシミーナの元へと駆け付けた。
と同時に、カナシミーナの頭の花が落ちて、『不幸の果実』が完成した。
巨大ナメクジは、一切の躊躇いなく『不幸の果実』ごとカナシミーナを丸呑みにした。
「……えっ?」
突然の乱入者を前に、思わず驚きの声を零してしまったサイレントをよそに。
巨大ナメクジは……さらに側面の脚を増やし、蜘蛛のごとき八足形態へと変態を遂げた。
せっかく実った『不幸の果実』もろとも、カナシミーナは巨大ナメクジに吸収されてしまったのである。
ビクトリーは……ショーコは、直感的に現在進行中のイベントを理解していた。
普段戦わない巨大ナメクジが、普段は絶対にやらない奇行に走ったのだから。
頭の中に思い浮かんだ予測は、一つしかない。
いわゆる、中ボス戦だ。
「サイレント! ちょっと大人しくしてて!」
変異体ナメクジに気を取られていたサイレントは、ビクトリーから見て隙だらけだった。
ビクトリーは迷いなく物陰から抜け出し、サイレントの背中と膝下をかかえて走り出した。
行先は、郊外の採石場である。あそこなら誰にも迷惑はかかるまい。
ついでに左手に2つの金環を重ね掛けして、全体的な身体能力ブーストをかけながらビクトリーは走った。
「あたしに思うところがあるのは知ってるけど……」
サイレントをどうやって説得するか。
御姫様抱っこをキープしつつ走りながら、ビクトリーは考えた。
あの巨大ナメクジの中ボス感を、どう説明したらいいものか?
ショーコとしてはニチアサ民的な直感で、あの変異体ナメクジがイベントボスであると分かるのだが、その感覚をどうやって言語化すればいいのやら……。
「……分かっているわ。力を合わせた方が賢明でしょうね」
ところが、意外にもサイレントはビクトリーの言葉を先読みしてくれた。
やはりビクトリーと共闘することに思うところがあるようだが、状況は的確に理解しているらしい。
まさか、サイレントもニチアサ民だった……??
「……普段戦わずに逃げ出すナメッグが、今日に限って戦いに来ているのだから、勝算があって来ていると考えるのが自然ね」
ああ、そうか。
言われてみるとそうだな。
ってか、巨大ナメクジって、ナメッグなんて名前だったのか。初耳なんだけど。
「もしかして、サイレントはあの蜘蛛モドキな形態を前に見たことあったりする?」
「……前の戦争の時に、1体だけ見たことがあるわ」
サイレントを腕の中に抱えて爆走しているビクトリーの後ろを、八足走行の変異体ナメクジが追って来ていた。
変異体ナメクジに食われたカナシミーナがどうなるのか、ビクトリーとしては気になるところなので、サイレントが知っているなら僥倖である。
だが、若干嫌な予感をビクトリーは嗅ぎ取っていた。
サイレントが口にした『1体』という言い回しが気になったのだ。
『1回』ではなく『1体』だ。
今回と同じく巨大ナメクジが変異体になったのならば、『1回』と言いそうなものである。
つまり、その時に変異体になった敵幹部は、おそらく……。
「吸収されたカナシミーナの被害者は、助かるの?」
「……前に戦った個体は、持久戦をしているうちに活動限界を迎えて自然死したように見えたわ。宿主は助からなかった」
持久戦をしたっていうか、たぶんそれ、サイレントは逃げ回ってたんだろうなぁ……。
何度か感じることがあったのだが、サイレントは素のスペックがビクトリーより全体的に一回り低いので、単純なパワーゲームに持ち込まれてしまうと厳しいのだろう。
変幻自在の影衣はスペック差を覆すポテンシャルを持っているが、それにも限度があるということだ。
それはともかく。
変異体ナメクジを放置したら美山イチカが死ぬのは確定と見て良いだろう。
一方、変異体ナメクジを倒した場合に美山イチカが助かるかどうかは不確定だが、試すしかない。
街はずれの採石場へとたどり着いたビクトリーとサイレントは、並び立って変異体ナメクジを迎え撃った。
変異体ナメクジは、相も変わらず8本の漆黒の手足を蜘蛛のように動かして、地鳴りを引き連れて迫ってきた。
「プリキュア・ビクトリー・ウォールっ!」
「……プリキュア・サイレント・リッパー!」
重量に任せて体当たりをかましてきた変異体ナメクジを、防御特化の障壁でなんとか食い止めたビクトリー。
時を同じくして、サイレントは反撃の刃を繰り出していた。
とっさに変異体ナメクジは回避を試みるが、
「逃がさんっ!」
「ナメェッ!?」
ビクトリーが、空いている右手で変異体ナメクジの脚の一本を掴み取り、回避を妨害した。
変異体ナメクジは、回避に失敗して、影刃で後ろ足2本を切断されてしまっていた。
どうやら、切断攻撃は問題なく通用するらしい。
「残り6本だ!」
案の定、ビクトリーが左手に金環を重ね掛けして打撃以外の身体能力を上げている状態ならば、変異体ナメクジにも遅れはとらない。
そして、ビクトリーが相手の脚を止めれば、サイレントの攻撃は通る。
つまりビクトリーとサイレントが力を合わせれば、勝機は十分にある!
だが敵も能無しではない。
接近戦を仕掛けようとしたビクトリーを前に、変異体ナメクジは距離をとって戦い始めた。
しかも、毒液らしきものを口から吐いて牽制を仕掛けているようだ。
地面に落ちた緑色の体液が本当に毒液なのかどうかは分からないが、どうせ食らったら碌なことにならないだろう。
多量に吐きつけられた毒液を障壁で受け止めたビクトリーは、
「プリキュア・ビクトリー・リフレクション!」
盾の裏側を全力の右拳で叩いた。
衝撃で、盾に張り付いていた毒液が弾かれて変異体ナメクジへと殺到した。
リフレクション(力技)
「ギャアアアアッ!!?」
硫黄のような異臭と煙をあげている変異体ナメクジへと、ビクトリーが距離を詰めた。
瞬時にサイレントも影刃を三日月状に練り上げ、投擲する姿勢に入った。
変異体ナメクジは、残る6本の手足を両断されないように、サイレント・リッパーを回避した。
「……プリキュア・サイレント・リッパー!」
「プリキュア・ビクトリー・マグナム!!」
サイレント・リッパーを回避したと同時に変異体ナメクジの胴体にビクトリーの強打がクリティカルヒットした。
とびっきりの衝撃が変異体ナメクジの胴体を貫き、轟音が木霊した。
「ナ、メ……??」
「……えっ? ……脚が狙いでは無かったの?」
急所への容赦ない一撃を受けて、変異体ナメクジは横倒しになってしまっていた。
一方、サイレントも事態が呑み込めていないらしく、ビクトリーと変異体ナメクジへと交互に視線を向けていた。
どうやら、最後の接近の際にビクトリーが密かに金環2つを右手に付け替えたのを、サイレントも見逃していたらしい。
「いやぁ、脚狙いだと思わせとけば一発ぐらいビクトリー・マグナムを打ち込める隙が出来るかなー、と思ってさ」
まさかこんなに奇麗に決まるとは思わなかったけど、なんて呟きながら。
ビクトリーは、ダウンしている変異体ナメクジの残った脚を順に圧し折っていった。
サイレントが白い目でビクトリーを見ている気がしたが、ビクトリーは気づかなかったことにした……。
なんだか良いように使われた感が拭えないサイレントであったが……。
まあ、元々サイレントとビクトリーの間に信頼関係なんて無いようなものだった、と思い直した。
一時的に共闘することはあるけれど、基本的には味方という訳でも無いし。
「で、後はどうするんだろ。不幸の果実の摘出オペか? 麻酔無しでなぁ!」
「……前の個体も、死体を解剖したけれど目ぼしい収穫は得られなかったわ。殺処分するしかないわね」
サイレントは影で形成したギロチンで、変異体ナメクジの頭部を切除する態勢に入った。
八本全ての脚を失った変異体ナメクジは、胴体のダメージも相まって、逃げ出すことすら出来ないだろう。
「や、やめてくれナメェ!!」
だがここで、変異体ナメクジが最後の命乞いに出た。
文字通り必死である。
「俺は今でこそ改造に次ぐ改造でこんな化物になっちまったけど、本当は人間なんだナメェ! 人間を守るヒーローなら、見捨てないでくれナメェ!」
これは宜しくない、とサイレントは思った。
キュアビクトリーは、人間を守るためにプリキュアになったと豪語するタイプの人間だ。
その方針のせいで、サイレントとビクトリーは対立してきたのだ。
ビクトリーが変なことを言い始める前に殺処分を敢行しなければ、と思ってサイレントが影の大刃を振り下ろそうとすると、
「ナ、メ……ぇ」
緑色の体液が、雨のように降り注いだ。
キュアビクトリーの抜き手が、変異体ナメクジの眉間に深々と突き刺さっていた。
「その程度のどんでん返しは、想定内だよ」
「……ビクトリー、貴女、どうして……?」
力なく地面に倒れ伏した変異体ナメクジの身体は、毒々しい緑色のヘドロになって解け落ちていった。
変異体ナメクジにとどめを刺したビクトリーの右手は酷く焼けただれて、鼻を突く異臭を発していた。
サイレントは、困惑していた。
人間を守るためにプリキュアになったビクトリーが、こんなにも簡単に人間を殺せてしまうという状況に、サイレントは頭が追い付かなかったのだ。
「サイレントは、前にあたしに聞いてきたよね」
「……!」
――もしも、滅んだのが『黄昏の園』ではなくて地球だったら。
――貴女は地球を救うために『黄昏の園』の人間を犠牲にしてでも戦えていた?
そうだ。
以前、三瓶ノゾミのカナシミーナと戦ったあとで、心が折れかかっていたサイレントが聞いたのだ。
取り戻したいもののために、他の人間を犠牲にできるか、と。
「自分でもどうかと思ったけど、あたしは『やれる』側の人間だったみたいだ。宿主を助けるためとはいえ……ね」
血塗られた右手に少しだけ視線を落としつつ、ビクトリーは続けた。
多少の罪悪感はあるが、後悔はしていないという顔だった。
確かに、ここで躊躇って美山イチカが死んだら、それが一番の最悪なのだろうけれど。
それでも……罪悪感に圧し潰されそうになりながら戦っていたサイレント自身の葛藤を思うと、サイレントは恐怖を感じた。
他人を犠牲にするというのは、絵面として見せられると、思っていた以上に重い。
そして、サイレント自身がやってきたのも、そういうことなのだと突き付けられた気がした。
「それに、あたしが殺らなきゃサイレントが殺ってたでしょ。なら、カナシミーナの被害者を救いたいあたしが手を汚す方が、筋が通ってるって思ったんだ」
人間は正義のためにここまで合理的になれるものなのか。
確かに言っていることは道理に適っているが。
サイレントは、凄惨な跡の残る戦場から、逃げ出した。
駆けだしたサイレントは、瞬く間にイチゴ坂の森の中へと消えていった。
料理部の冷蔵庫の中で、ぱきり、と何かが割れる音がした。
ネコの肉球を模した白黒のチョコレートのうちの一つに、ヒビが入った……。
・今回のNG大賞
ビクトリー「大丈夫! イチカちゃんは『明日』は、もっと美味しいスイーツを作れる!」
イチカ「そうだよね! 明日に、ホイップ・ステップ・ジャーンプっ!!」
???「明日? なぜ今日跳ばないのだ!?」
・次回予告!
変異体ナメクジの末路を見て怖気づいた巨大ヘビが、投降してきたんだって!
しかも『悲しみの種』を手土産に持ってきて、キュアサイレントに提供したみたい!
サイレントが必要とする『不幸の果実』はあと一つ。サイレントの決断は……!?
次回:「ラ♪ラ♪ラ♪ もうすぐ不幸の果実が集まるニャ♪」 そんなの絶対に許さない!!