私、暁切歌は怒っているデス!これは今までの人生の中でも5本の指に入るぐらいに一大事デース!
冷蔵庫にしまっていたプリンが賞味期限切れてたりとか、授業中にシャーペンの芯が切れたりとか、間違って水溜まりを思いっきり踏んで制服汚れたりとかそういうのとは比べ物にならないほどに大変なことが起きてるデス!
「剪兄ぃからの連絡が少なくなっているんデスよ調ぇ!?」バンバン!
「うん、とりあえず落ち着こうか。お店の人達に迷惑だからね。」
「ごくごく、ぷはぁ!やっぱりファミレス来たらメロンソーダが一番デース!調もそう思わないデスか!?」
「メロンソーダも好きだけど、一番となると私はオレンジジュースかなぁ。」
「調の言うとおりオレンジジュースも捨てがたいデスね...。」
他にも白ぶどうとかもあったはず。いつかは、あのドリンクバーとかいう機械に入ってる飲み物全部飲んでコンプリートしてやるデス!F.I.Sにいた頃はこんな物があるなんて知らなかったデスし。剪兄ぃやマリアが連れてきてくれなかったら、一生知らないままだったかも?
「ドリンクバーの存在は私も衝撃的だったけど、とりあえずお兄さんの話をしよう切ちゃん。時間が来ちゃうよ?」
「はっ!?そうだったデスよ!一大事なんデスよ!」
危うくドリンクバーの存在で剪兄ぃのことを忘れるところだったデース。
「剪兄ぃから...。」
「お兄さんから?」
「剪兄ぃから来てたLINEの連絡が1日3回から1回に減っちゃってるんデスよぉ!」
毎日必ず送ってくる剪兄ぃのLINEが減るなんて天変地異の前触れデス!近いうちに槍の雨が降ってくるかもデス!?
「えっと、お兄さんにだって忙しい時ぐらいあるんじゃないかな?」
「でもでも!アタシは見ちゃったんデスよ!剪兄ぃが響さん達とファミレスや喫茶店に入っていく所をっ!しかもこっそり尾行して話を聞いてみたら新しく作るケーキの案の相談デスよ!?」
「そこまでは不思議なことじゃないかもだけど?」
「違うんデスよ調っ!剪兄ぃは響さんやクリス先輩には聞いてるのにアタシには一切その相談が来てないことが問題なんデス!なんでアタシには聞いてくれないんデスよぉぉぉ!!!」バンバン!
なぜかわからないけど剪理兄ぃはアタシには新作のしの字も話題に挙げてはくれなかったデス。何故アタシだけ仲間外れなのデスか!
「どうどう、とりあえずメロンソーダ飲んで落ち着こうね切ちゃん。」
「ごくごく、ぷはぁ。やっぱりメロンソーダは最高デース!」
「うーん、とりあえず皆がどんな感じでお兄さんと話をしてたか聞かせてくれる?」
「えっとデスねー...。」
剪兄ぃ&ひびみくの場合
「なんだかこうして3人で出かけるのは久々だね!」
「剪理さん、ホントに奢りでいいんですか?」
「あぁ構わないよ。その分、俺の話にちゃんと付き合ってもらうだけだから。」
「兄さんの奢りなら遠慮はいらないよね?今日はたーっくさん食べちゃうよ!」
「もう響ったら!」
「いいって。軍資金はそれなりにあるからな。じゃんじゃん食べるといい。」
「やったーーーー!!!!」
20分後
「さて、そろそろ話をしたいところだが。」
「はむはむもぐもぐもきゅ!」
「うん、響はそのままでいいや。未来ちゃんは新作のケーキについていい案ある?」
「うーん、やっぱり色は緑で...。」
10分後
「ごちそーさまでしたっ...!」
「お腹空いてたのはわかるけど、この量。剪理さんお金ホントに大丈夫です?」
「ん、問題ないよー。それより響はホントよく食べるよなー。というか今日はいつもより多くない?」
「昨日は遅くまでレポートをやってたから、寝坊して朝ご飯食べ損ねちゃいまして、たはは。」
「なるほどねぇ...そしてまぁほっぺにご飯粒はお約束かぁ。」ヒョイパク
「ふぁ?な、なに?お兄さん今何したの?」
「ほっぺについてたご飯粒を取っただけだよ。」
「...くぁwせdrftgyふじこlp!?」ダッ!
「あ、行っちゃった。やっぱ恥ずかしかったか?ねぇ未来ちゃん?」
「...私が食べたかったな。」ボソッ
「 うん、聞かなかったことにしよう。」
剪兄ぃ&クリス先輩の場合
「よーっす。」
「おう、呼び出すような形になってすまないな。」
「気にすんな。そのぶん一杯食わしてもらうからな、覚悟しとけよ?」
「あーうん。響を越えることはないだろうから怖いことは何もないね。」
「アイツどんだけ食ったんだよ。」
「まさか3人で1万いくとは思わなかった。」
「そういえば、切歌達の勉強をみてくれてるって聞いたぜ。ありがとうよ。」
「べ、別にたまたま時間があって、たまたますることが無かったから、やってるだけだ。あとはまぁアイツにも一応頼まれたってのもあるしな。」
「マリアさんか。あの人も最初に顔合わせた時は常識人だと思ってたんだけどなぁ。切歌と調ちゃんが絡むとあんなに性格変わるとは思わなんだ。」
「お前それ鏡見てから言えよ。」
「まぁとにかく。切歌の面倒をみてくれてる礼にコイツをあげるぜ。」
「おいおい礼なんていらねぇってのに...んでこれの中身はなんだ?」
「うたずきん変身セットだが。」
「ぶっは!?なんつーもん買ってきやがるんだてめぇ!?というかよく買えたな!?」
「俺の人脈をなめるなよ?大学の俺がいるクラスは色々と濃い面子多過ぎて混沌と化しているからな。コスプレ服用意するなんて軽い軽い(笑)というかそれ手作りだから大事にしろよ?」
「しかも手作りとか凝りすぎだろう!?というかサイズは大丈夫なのかよ?」
「その辺は問題ない。サイズは響達から事前に調べてもらって奴に渡したからな。あぁ、俺はクリス先輩のスリーサイズは聞いてないし、奴もクリス先輩が着ることは知らんから安心しろよ?」
「とりあえずアイツらには後で感謝の絨毯爆撃(物理)をしてやるか。」
「ま、ほどほどにな。」
「お前も入ってるからな?」
「まじか。」
「ざっとこんなもんデスかね!」
「新作の相談話が2割を切ってた気がする。」
「クリス先輩のうたずきん、早く見てみたいデスよ~。」
絶対に可愛いと思うデス。というか剪兄ぃの知り合いって一体どんな人達なのか、ちょっと気になるデスね。
「それには凄く興味あるけど、その前に私達は感謝と言う名のミサイルから逃げ切らないといけないんだよね。」
「あう~そうでした。でも調と二人なら乗り切れるハズデース!」
「そうだね、切ちゃんと一緒なら、もう何も怖くない。」
なんか今すごい寒気がしたデスが気のせいデスかね?
「あ、もうこんな時間。切ちゃん、そろそろ行かないと間に合わなくなるよ?」
「いけないデス!それじゃ調、行ってくるデスよっ!」
時間に遅れたらS.O.N.G.の皆さんに迷惑かけちゃうデスからね。全力でぶっとばしていくデスよー!!!
「...という感じらしいですよ?」
「まぁそうなるよなぁ。」
切ちゃんがお店を出ていったのを確認した後、私は自分の後ろの席に聞こえるよう声に出す。すると後ろの席のに座っていた男性がさっきまで切ちゃんがいた席につく。バンダナにだて眼鏡をしているけれど、間違いなく剪理お兄さんだ。
「切ちゃんがいるってわかってましたよね?」
「もちろん。後ろでメロンソーダ美味しいデース!なんて騒いでればなぁ。毎回メモ帳スケッチブックでスルーしろとか書きながら普通に会話とかね、右手首が少し痛いぜ。ついでに言えば切歌を尾行してた調ちゃんにも気づいてました。」
「やっぱりお兄さんにはかないませんね。」
そう、私は尾行する切ちゃんをさらに尾行してました。さすがに細かい会話内容までは聞けなかったけど。でもお兄さんの手書きスピードには驚いた。なんか残像が見えたし。
「そういえばあんな会話内容でケーキの案は大丈夫だったんですか?」
「それなら問題ないよ、後日また相談しにいったしな。ふふん、期待してくれていいぜ?」
「あ、そうなんですね。そしたら、わざわざあの時に聞かなくてもよかったんじゃあ?」
「...。」ニヤリ
私がそう聞くとお兄さんは悪い笑顔を浮かべた。あぁうんなるほど。
この人、単純に切ちゃんの反応を楽しんでただけだわ。
新作ケーキは切ちゃんをモチーフにした色合いのものでした。皆にも大好評、とても美味しかった。
あれおかしいな?調ちゃんをこんなキャラにするつもりなかったのに、どんどん変な方向へ。調ファンの方すいませんです。
今回もお読みくださりありがとうございました。