Fate Grand Order ~歴史を紡ぐ者~ 作:牧弥潤巳
その名は・・・
???「俺の・・・全魔力を使う。だから・・・保ってくれー!!」
???「マスター・・・それでよいのですね。」
???「あぁ、この子の未来を・・・ここで絶やすわけにはいかない!・・・すまない【セイバー】。」
セイバー「いいえ。・・・あなたはきっと素晴らしい父親になれたはずです。私も、そうできていたら・・・」
???「心太・・・お前は・・・生きろ。魔術の世界ではなく、ただの・・・普通の人間達の世界で。」
――――――――あぁ、またこの記憶だ。曖昧になっているはずの記憶の一部・・・
―――――全てが炎に包まれたあの日。
―――――意識がなくなりつつも、手を伸ばしたあの場所で。
―――――俺は【人】ではなくなった。
そう俺は―――――
剱崎龍斗・・・【存在するはずのない騎士】だ
――――――――――――
龍斗「ん・・・」
朝の光で俺は目を覚ました。今でも鮮明に覚えているあの記憶から離れるかのように。
龍斗「・・・普通の人間の世界で・・・か。」
俺は胸に手を当てる。あの時に引き継いだ【二つの力】があるのだと・・・自分は人間ではないのだと思い知らされる。
あの時・・・俺は親父の魔力をもらって生き延びた。だがその時に――――【ある奴】を一緒に取り込んだのだ。
―――――
ここに入り込むのは久しぶりだ。
???『しぶといな。まだお前は俺に【喰われない】か。』
奥から悪魔と言ってもおかしくない奴が現れた。
龍斗『・・・悪いがおまかせに喰われるつもりはない。親父達が託したものを捨てない為に。』
???『フンッ!その思いがいつまで続くかな。』
龍斗「そもそも、【今のお前】じゃ俺は喰えない。【実体】を持たないお前じゃな。」
???『・・・』
龍斗『・・・』
俺達は黙りこむ。
???『フンッ!いいだろう。その時がくるまで待っていよう。だが忘れるな。お前が宿す俺の存在をな。』
すると奴は奥へと戻っていく。
龍斗『あぁ、分かってるさ―――
ソロモン72の魔神の1柱、バルバトス。』
―――――
龍斗「・・・」
奴は望んで入ったのではない。俺が親父から魔力を貰った時に偶然入り込んだ。奴の狙いは俺を器にして自分の姿を取り戻す事。【喰らう】とは、俺の人格、俺の精神を吸収し、体内に取り込む事。
ピンポーン
龍斗「・・・あ?」
ドアを開けると黒い服着た男が立っていた。
黒服「剱崎様・・・お迎えに上がりました。」
龍斗「・・・行くか。」
その日、俺はある場所へと向かう。そこは人理を守る為に戦う場所。あの時からそれを否定していたはずなのに・・・
俺は、いつも手にしているベースのケースを手に取り、見つめる。
龍斗「・・・これが答えなのか。」
それが俺の運命だと言うのなら、俺はそれを受け入れよう。なぜなら一度戦いに身を投じたのだから。
なぜなら、もう人である事を捨てたのだから。
ケースを左肩に背負い歩き出す。
人理を守る戦いに出るために。
今回ほ短いですが、次回から文字は長くなりますのでよろしくお願いいたします。