Fate Grand Order ~歴史を紡ぐ者~   作:牧弥潤巳

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冬木第2章です。


合流

松原達を拾いマシュと合流した後、俺の事情を話した。

 

マシュ「・・・つまり先輩はこの冬木での【聖杯戦争】に参加していた、ということですね。」

 

龍斗「正確に言えば巻き込まれたんだよ。俺が【この力】を手に入れたのもその時だ。」

 

穂乃花「けど、すごかったね。あれだけの敵をあっさりと。」

 

カルマ「それは多分、剱崎君自身の力じゃない?剣術ってやつ?けど、魔術面の技術がすっからかんだね。」

 

龍斗「・・・こいつ、俺が気にしてることをズバズバと。」

 

キャァァァァ!!

 

マシュ「・・・敵影反応です。」

 

龍斗「俺達が先陣を切る。マシュは松原達を頼む。」

 

向かうとそこにはカルデアの所長さんがいた。あの骨軍団に魔術で作った弾丸で対抗している。

 

オルガマリー「なんで私ばっかりこんな目にー!!」

 

などと言っていた。なんだあんたは、子供かよ、と突っ込みたいところだったが、骨軍団を先に仕留める為に飛びかかった。

 

すると後ろには槍を持つ骨が所長さんに襲いかかっていた。

 

オルガマリー「助けてレフ!!」

 

だが、敵の攻撃が所長さんに届くことはなかった。カルマが敵を仕留めていたからだ。

 

オルガマリー「・・・あなたは!?」

 

カルマ「あなたがカルデアの所長さん?」

 

オルガマリー「ど、どうしてそれを!」

 

カルマ「いやー。彼から聞いたから。」

 

オルガマリー「彼?」

 

何かを話しているようだが、俺は剣を取り出し斬りかかる。俺が【あの人】から教わった剣術は一対多数が得意分野。この状態で負ける可能性はゼロに等しい。

 

マシュ「所長。お怪我は?」

 

オルガマリー「ま、マシュ!?」

 

龍斗「ふぃー。」

 

オルガマリー「あなた!・・・え!?どういう事!」

 

マシュ「・・・ここは特異点Fとした冬木です。信じがたい事だと思いますが、私は・・・」

 

オルガマリー「デミサーヴァントでしょ!そんなの見ればわかるわよ!私が言ってるのは、どうして今になって成功したのかって聞いてるの!」

 

カルマ「なんか、気迫がすごい人だね。」

 

龍斗「それだけが取り柄なんだよ。そういや、お前どうやってデミサーヴァントになったんだよ。そこ聞いてなかったからな。説明を頼む。」

 

マシュ「・・・カルデアには、特異点捜索の為にサーヴァントを何騎か保管しているのです。霊子ダイブをする際、ある英霊から『自分の力を与える代わりに特異点を消滅してくれ』と頼まれ、私がデミサーヴァントになったのです。」

 

オルガマリー「・・・なるほど、で。補欠採用した一般枠がマスターに?」

 

龍斗「はぁ?俺もデミサーヴァントだぞ?俺がマスターになれるわけ・・・って、はぁ!?なんで俺に令呪が!」

 

オルガマリー「それをみてもマスターじゃないと言えるかしら?それで、この子にどんな乱暴を働いて言いなりにしたのかしら?」

 

龍斗「・・・は?」

 

突然の問いかけに俺は驚いた。

 

オルガマリー「おかしいわ!あなたのような一般人がマスターになれるわけがないもの!」

 

あまりにも飛んだ偏見の為、俺はもう呆れることしかできなかった。

 

カルマ「とんだ偏見だねぇ。そこから乱暴働いたとか推理力がある意味ぶっとんでる。」

 

オルガマリー「おかしいのはそれだけじゃないわ!あなた達よ!」

 

穂乃花「え?」

 

香奈「私達?」

 

オルガマリー「なんで一般人がレイシフトしているのよ!あなた達のような魔力もない人達が一流魔術師と同じ事をしないでくれる!魔力をもたずにここに来るなんてむしろ邪魔なのよ!」

 

穂乃花「邪魔・・・」

 

香奈「・・・」

 

二人は少し顔を歪める。なんか腹が立ってきたな。

 

カルマ「・・・剱崎君。僕なんかイラッてきた。」

 

どうやらカルマも同じらしい。

 

龍斗「奇遇だな。俺もだ。」

 

俺達は武器を取り出しオルガマリーに飛びかかる。カルマは槍を所長さんの首元に向けるが、俺が剣で捉えてるのは【もっと別】のものだ。

オルガマリー「ひぃっ!」

 

カルマ「偏見でものを言ってるんじゃないよ。彼女達の気持ちも考えるんだね。」

 

龍斗「それから・・・」

 

オルガマリー「・・・あれ、剣が刺さってない?」

 

龍斗「ここで周りを見ずに説教垂れると命取りだから気をつけろ。」

 

所長さんが後ろを見ると剣が刺さっている黒いサーヴァントがいた。霊核を確実に刺してるからほっといても消滅する。俺は剣を抜くとサーヴァントは後ろに下がった。

 

シャドウサーヴァント「何故だ!?」

 

龍斗「お前の気配くらいここに来てから分かってたっつの。」

 

カルマ「大方不意討ちでこの人を仕留めて後は僕達を殺るって算段だったろうけど。あんまり僕達を舐めてると、痛い目見るよ?」

 

シャドウサーヴァント「クソー!!」

 

黒く染まったサーヴァントは消滅した。

 

穂乃花「龍君。あのシャドウサーヴァント?がいること知ってたの?」

 

龍斗「大方どこいらに隠れてるとは踏んでた。動き出せば気配でわかるから出たとこ勝負って感じだったがな。」

 

龍斗「さてと、後は・・・」

 

俺は所長さん・・・の手前に剣を刺した。

 

マシュ「先輩!」

するとそこに魔方陣が出て来て、キャンプらしきものが出てくる。

 

オルガマリー「・・・え?これって。」

 

龍斗「霊脈のターミナルってやつに宝具を触媒にして、ベースキャンプを建てる。そこから特異点の捜索をするんだったよな?」

 

オルガマリー「な、なんで、あなたは寝ていて聞いてなかったはずよ!?」

 

龍斗「ちょっとしたサボり魔に聞いたんだよ。」

 

prrrr!

 

龍斗「あ、噂をすれば。」

 

ロマン「よかった!やっと繋がった!無事かい皆。」

 

龍斗「ドクターロマン。」

 

オルガマリー「はぁ!?なんであなたが仕切っているのロマニ!レフは?レフはどこ?レフを出しなさい!」

 

ロマン「うひゃゃゃ!?しょ、所長!?生きていらしたんですか?あの爆発の中で!?しかも無傷!?どんだけ!?」

 

龍斗「(・・・そういえば―――)」

 

オルガマリー「どういう意味ですか!それよりレフはどこ!?医療セレクションのトップが何故その席にいるの!?」

 

・・・仕方ねぇなぁ。目撃者である俺が庇ってやるか。

 

龍斗「仕方ないんじゃねぇの?人材がいないんなら。」

 

マシュ「人材がいない?」

 

穂乃花「龍君どういう事?」

 

龍斗「あんな大惨事だったんだ。大怪我をする人もいれば、最悪落ちてるって可能性もある。そこにいるのも大方あんた以上のランクの人がいないからなんだろ?」

 

ロマン「・・・君って本当に頭がキレるね。まさにその通りだよ。」

 

オルガマリー「!?」

 

ロマン「現在生き残ったカルデアの正規スタッフは僕を入れて20人も満たない。レフ教授は管制室で指揮をとっていた。あの爆発の中心部にいた以上生存は絶望的だ。」

 

オルガマリー「そんな―――レフ、が・・・?いや、それより待って、待ちなさい、待ってよね?その話が本当なら47人の適性者は?コフィンはどうなったの!?」

 

龍斗「俺が見た限りでも相当外面は破壊されてた。危険なのは確かだ。」

 

ロマン「うん。剱崎君の言うとおり、全員が危篤状態です。医療器具も足りません。何名かは助けることはできても、全員は―――」

 

オルガマリー「ふざけないで!すぐに凍結保存に移行しなさい!死なせないのが最優先よ!」

 

ロマン「そうか!すぐに手配します!」

 

ドクターロマンが席から離れると松原と日暮は何かわからないという顔をしていた。

 

穂乃花「凍結保存って・・・?」

 

龍斗「自分の肉体をその名の通り凍結させるんだよ。それで延命させて、その間に治らない病気とかのワクチンとかをつくったりする。」

 

香奈「すごいなぁ。」

 

龍斗「・・・だが、凍結保存を本人の許諾なく行うことは犯罪行為だ。」

 

マシュ「所長として責任を負うことより、人命を優先したのですね。」

 

オルガマリー「バカ言わないで!死んでさえいなければ、後でいくらでも弁明できるからに決まってるからでしょ!?47人の命なんて、私に背負えるはずがないじゃない・・・!」

 

龍斗「・・・」

 

オルガマリー「死なないでよ、頼むから・・・ああもう、こんな時にレフがいてくれたら・・・!」

 

・・・もしかしてこの人。




ご閲覧ありがとうございます。次回には必ずいろんな事の説明を含もうかと思います。

それではまた!


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