Fate Grand Order ~歴史を紡ぐ者~ 作:牧弥潤巳
俺はベースキャンプから少し離れた橋に立っていた。あの顔がずっと頭から離れない。ずっと違和感がある。
龍斗「・・・なんでだよ。」
あいつが俺にそこまで歩み寄るのか、何故動揺するのか、
龍斗「・・・わからない。もう俺は人間じゃないのに。なんであいつは・・・そこまで・・・!誰だ!!」
サーヴァントの気配がした為戦闘体勢にはいる。
???「おいおい。そんなに怖い顔すんなや。【存在するはずのない騎士】よ。」
龍斗「・・・お前は。」
クーフーリン「俺はキャスター・・・いや、【クーフーリン】って言や、わかるか?」
クーフーリンって、俺が巻き込まれた聖杯戦争のランサーじゃねぇか。
龍斗「あの時のランサーがキャスターにねぇ。なんか用か?冷やかしにきたのか?」
クーフーリン「まさか。俺はこの聖杯戦争を終わらせる。だがどうしても俺一人じゃ無理だ。・・・俺と手を組まないか?」
奴の提案にはのるべきだと考えたが、先に問わなければいけないことがあった。
龍斗「・・・一つ確認させてくれ。この聖杯戦争を狂わせたのは・・・【あいつ】で間違いないか?」
クーフーリン「・・・読みは当たってるはずだ。」
龍斗「・・・わかった。」
すると突然キャスターはおれを煽り始めた。
クーフーリン「にしてもおめぇ、なに一人寂しく泣いてたんだよ。」
龍斗「泣いてねぇよ。」
クーフーリン「ウソつけ。こーんな感じで空見上げて、うるうるしながら・・・」
瞬速ともいえる速さで剣を取り出しキャスターに向けた。
龍斗「てめぇ俺の知り合いにこの事話したら、その首は吹っ飛ぶと思え。」
クーフーリン「おぉ、怖い怖い。」
穂乃花「龍君見つけた!」
そこに松原がやって来た。正直今一番会いづらい人物だ。
龍斗「松原・・・」
穂乃花「近くを探してもいなかったから・・・どうしたのかと思ったよ。・・・いなくなっちゃったのかなって・・・そんなの嫌だよ。」
またあの顔────
────何故かわからない。なんでそこまで俺に踏み込む。
その疑問は言葉ででていた。
龍斗「いや・・・?なんで?俺はもう人間じゃない。俺はもうこの手を血で染めた!何人もの命を奪った!もう俺は人殺・・・」
穂乃花「そんなの知らないよ!!」
龍斗「!」
いつもは大きい声を出さない松原が怒鳴り声を散らした。俺は少し後ずさる。
穂乃花「剱崎龍斗君は・・・人類の希望なんだよ?」
龍斗「・・・!」
その言葉が俺にどこか亀裂を与えた。
穂乃花「ずっと一人で抱えてたんだよね?何人もの命を背負ってきたんだよね。」
龍斗「・・・違う。」
穂乃花「ホントは誰かに助けてもらいたかったんだよね?皆と同じように生きたいんだよね?」
龍斗「・・・違う。」
穂乃花「大丈夫だよ。龍君が人類の希望なら─────
私が─────────
───龍君の希望になるから。」
もう・・・我慢の限界だった。
龍斗「・・・ポロポロ」
穂乃花「あ・・・」
龍斗「は・・・?なんで・・・なんで・・・」
穂乃花「ギュッ」
龍斗「!」
穂乃花「大丈夫・・・大丈夫だからね。」
悪い・・・あの日から、涙は捨てたはずなのに。流したらいけないはずなのに・・・悪い・・・今日だけは・・・今日だけはこれを赦してくれ・・・
──────
クーフーリンside
ありゃりゃー。泣き出しちまった。
クーフーリン「(ガキだったこいつが簡単にあんな惨劇を受け入れられるはずがない。だから自分から歩み寄ったっつーことか。ん?てことはもしかして・・・)」
こういう勘は鋭い俺はこの嬢ちゃんに訪ねてみた。
クーフーリン「おい嬢ちゃん。もしかしてあんた・・・こいつに惚れてんのか?ボソツ」
穂乃花「へ!?え、えーと・・・///アワワ」
あーあ。これは当たりだ。
クーフーリン「あぁ、わかったわかった。バラさねぇから心配しろや。」
穂乃花「は、はい///」
──────
やってしまった・・・醜態を晒してしまった。そんな事を考えてるなかベースキャンプへと戻ってきた。
香奈「もう!二人とも心配したんだよ!?」
穂乃花「ごめんね香奈ちゃん。ほら龍君も。」
龍斗「わ、悪かった。」
香奈「珍しい。龍斗君がちゃんと謝るなんて。」
カルマ「君のなかの剱崎君ってどんなイメージ?」
香奈「えーと、クールで、周りをみてるけど不器用で、言葉足らずで、ほぼ無表情?」
龍斗「お前の中の俺がどんななのかがよーくわかった。」
こんな軽口を叩けるのも、こいつらのおかげなんだろうな。
香奈「あと・・・」
龍斗「あ?」
香奈「肝心な時に鈍感。・・・ね、穂乃花?」
穂乃花「か、香奈ちゃん・・・///!」
鈍感といわれて心当たりはないのだが、松原が急に黙りこんだ。
香奈「そういえば龍斗君、目が赤いけどどうかした?」
龍斗「え・・・!?な、なんでだろうなぁ?目にゴミが入ったのかなぁ!?」
目を反らしながら誤魔化すが、自分でもバレバレだと考えてしまった。
香奈「・・・そっか。龍斗君よかったね。」
龍斗「あ?」
香奈「ちゃんと受け入れてもらって。私も気持ちは同じだから。」
龍斗「・・・そっか。」
マシュ「なんかいい雰囲気です。」
すると所長さんが咳払いをした。
オルガマリー「お楽しみのところ悪いけれど、そろそろいい?剱崎龍斗君、あなたの事情は分かりました。ならこちらにある程度の情報を提供してもらってもかまわないかしら?」
龍斗「わかった。まず、この狂った世界をどう終わらせるか。それはあるサーヴァントを討つしかない。」
香奈「あるサーヴァント?」
龍斗「クラスはセイバー。奴の相手は・・・恐らく俺がやったほうがいいだろう。」
クーフーリン「こっちに来るまでにライダーとアサシンは仕留めた。」
龍斗「バーサーカーはほっといても大丈夫だな。」
オルガマリー「残すはアーチャー、ランサー、セイバーね。こんなことを聞くのはタブーだけど、真名はわかる?」
何故タブーなのか、真名を知れば、そのサーヴァントの経緯と弱点が露になってしまうからだ。
クーフーリン「ランサーの真名は【メデューサ】。アーチャーは【エミヤ】だ。セイバーは・・・」
龍斗「セイバーは俺から説明する。」
穂乃花「龍君?」
龍斗「セイバーの真名は・・・俺に力を与えた奴と同じ名前だ。」
オルガマリー「なるほど。」
龍斗「・・・その者は、とある剣をもってる。」
香奈「とある剣?」
龍斗「王を選定する岩の剣の二振り目。俺達の時代でも相当有名な剣だ。その名は─────
────エクスカリバー。」
オルガマリー「!?エクスカリバーってまさか・・・!」
龍斗「あぁ、俺がもらった真名・・・そして、この狂った聖杯戦争を起こしたのは・・・騎士の王とも誉の高い、アーサー王だ。」
穂乃花「アーサーって、ブリテンの騎士王だっけ?」
香奈「仲間の暴動で致命傷を負って亡くなったっていう。」
龍斗「あぁ。奴で間違いないだろう。」
マシュ「もしアーサーさんをマスターが、エミヤさんをクーフーリンさんが相手するとして、メデューサさんの相手は・・・私ですか。」
ちょっと待て。メデューサって事は・・・
龍斗「いや・・・作戦を変える。メデューサは俺が相手をする。」
クーフーリン「フッ。そう言うと思ったぜ?」
龍斗「マシュ・・・アーサーの相手・・・できるか?【その状態】で。」
マシュ「・・・」
それを指摘するとマシュは黙りこんだ。
オルガマリー「ま、待ちなさいよ。その状態ってどういうこと?」
龍斗「気づかなかったのか?こいつは力をもらったサーヴァントの真名を知らない。」
オルガマリー「・・・まさか!?」
龍斗「そう。真名を知らなければ、宝具は発動できない。・・・だが、この盾がある。最悪の場合、時間稼ぎ程度にはなる。俺達もなるべく他のサーヴァントとケリをつける。・・・行けるか。」
マシュ「・・・やります。セイバーさんの相手は・・・私がやります。」
オルガマリー「マシュ・・・」
龍斗「決まりだな。」
───────
クーフーリンが外の空気を吸ってるとオルガマリーが石に魔術を仕込んでいた。
クーフーリン「精がでるねぇ。」
オルガマリー「こんなものでもないよりましでしょ?」
クーフーリン「ほぅ?」
石を手に取り弄んでるクーフーリン。それを止めにかかるがやめなかった。
オルガマリー「あっ、ちょっと!・・・剱崎龍斗君はあなたとも戦ったの?」
クーフーリン「・・・あぁ、戦ったさ。で俺が負けた。あいつの心は強い。あいつなら多分、絶望を希望に変えられるかもな。」
オルガマリー「本当かしら?」
なんだかんだで龍斗を評価しているクーフーリンだった。
───────
一方、穂乃花達は外を見ながら話していた。
穂乃花「私達、なんかすごいことに巻き込まれたね。」
香奈「そうだね。・・・ねぇ穂乃花?」
穂乃花「なに?」
香奈「・・・私達、このままでいいのかな?」
穂乃花「・・・私も同じ事考えてた。」
二人「うん。」
二人は見合うと新たに決意をする。
香奈「できることを探そう。」
穂乃花「龍君達が勝つために。」
─────
一方龍斗はロマンと通信をしていた。
ロマン『どうしたんだい?剱崎君。』
龍斗「ちょっとあんたに聞きたい事がある。」
──────
その中、ある者はこの状態を見て笑みを浮かべていた。
???「フフ・・・ここを潰したところで何も変わらない。人類は─────
【終わる】のだ。」
はい。ここで終わりです。なんとか少しだけ説明いれられましたね。次回からいよいよ冬木攻略に入ります。それではまた!