赤髪の貴公子がなぜか鎮守府に着任しました   作:kyote

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ども、サボり魔のkyoteです。
もう一作の方がまだ完結しておりませんが、
試験的にちょっと新作を書いてみました。
駄作っぽいので(笑)、暇つぶしにどうぞ
(キルヒアイスファンの人にはすみませんw)。


act.1:赤髪の青年

「ライン…ハルト様…ご無事…ですか…」

ラインハルトを守ろうとした赤毛の貴公子は、

首筋に指輪型のブラスターの光線を

心臓付近、首筋に受けた為、出血が酷く瀕死寸前であった。

「キルヒアイス…お前のおかげだ…見えないのか?!」

 

普段動揺を見せない金髪の美男子は、流石にこの時は動揺を見せた。

自身の影の一つであるような存在が、

今まさに命の炎を消そうとしているからである。

 

「がはっ、もう、私は…ラインハルト様のお役に立てそうもありません…お許しください」

「馬鹿な!何を言う?!もうすぐ医者が来る!そんな傷はすぐ治る!!

 治ったら姉上の所に勝利の報告を行こう!なっ!そうしよう!」

 

「ライン…ハルト様ッ…!」

赤毛の貴公子は最後の力を振り絞ったように言葉を出した。

「医者が来るまで喋るな」

「宇宙を…手に…!お入れ…下さい…!!」

「あァ…ああ!!勿論だ!!お前と一緒に!!」

「そ…それと…アンネローゼ様に…お伝えください…」

赤毛の貴公子は少し微笑んだ。

「ジークは、昔の誓いを…守ったと…」

 

「いやだ!」

再び、赤毛の貴公子は金髪の美男子に顔を向ける。

「俺はそんなことは伝えない!!お前の口から伝えるんだ!!

 お前自身で!!」

金髪の美男子は赤毛の貴公子を握りしめながら続けていった。

「俺は伝えたいしないぞ!いいか!!

 一緒に姉さんの所に行くんだ!!キルヒアイス!!」

 

キルヒアイスと呼ばれた赤毛の貴公子の意識は、一瞬ここで途絶える。

 

その後、キルヒアイスの意識は再度覚醒した。

そこは一瞬暗闇の中であったが、その後、各光星が輝き始め周りの星々が一転の方向に向かって、

光速で動き始めた。

キルヒアイスにとっては不思議な空間であったが、

その光景はカレイドスコープの様にキラキラとした世界にも見えた。

 

しかし、キルヒアイスにとってはどうでも良かった。

どうせ自分は、死んでしまった身であるから。

このまま死んでヴァルハラに行くに違いない。

だから、この空間も永遠に続くものではない。

いずれ、ヴァルハラという地が待ち受けていると。。。

 

死んだ後のキルヒアイスの思念が虚しく漂っていた。

 

 

 

唐突であるが、地球の日本に舞台は移る。

日本の軍事勢力、大日本帝国海軍が統括している鎮守府の一つ、

舞鶴鎮守府の近くに小橋という名称の海岸が存在する。

 

その小橋海岸にて、訓練の一環でランニングをしている少女がいた。

 

「えっほ…えっほ」

そのランニングしている彼女は、黒色のセミロングに白銀色の瞳、

顔は端正な部類に入る。服装はブレザーベスト型。

性格は至って真面目であるが、

感情が昂ぶった時は、本音が出易いお年頃の少女であった。

 

息を切らせながら走りこんでいると、

砂浜に見慣れない格好した青年を発見した。

最初は死体と思い、驚きを隠せなかったが、

青年の胸の付近が微かに動いている。どうやら生きているらしい。

少女は改めて青年の服装を確認した。

その青年の格好は、襟元付近は煌びやかな装飾、その箇所以外は全て黒色の生地で

統一されている軍服のようであった。しかし、少女は今までこのような軍服を見たことが無い。

何よりも少女が目に入ったのは、青年の端正な顔であった。

好みのタイプらしい。

 

「あのォ…大丈夫ですか…生きてますか?」

声を投げかけるが、反応は無い。

 

「もしもし、あのお…

 へんじがない。ただのしかばのようだ…

 なんちゃって…」

 

訳のわからない独り言を言った少女は、

何を思ったのか、左手で青年の頬を不器用に撫でる。

「…はっ!もしかして私の王子様かな?

 え、えへへ…」

 

少女が他愛の無い妄想に耽っていると、

突然青年の右手が少女の左手を掴んだ。

 

「きゃっ?!」

少女は驚くと同時に、いつの間にか自分の体が宙に浮いている事に気づいた。

いつの間にか仰向けになっていた青年に片手で投げ飛ばされていたのである。

 

(私…宙を舞っている…!!)

左手を掴まれそこから支点とし、強引に投げられた少女は、

仰向けの青年の上空を舞い、ちょうど青年の右側に背中から着地した。

 

「ぐえっ!」

着地と同時に少女から素っ頓狂な声が漏れる。

着地地点が砂浜とはいえ、背中への衝撃は体に響く。

その反動で少女は一瞬呼吸が出来なくなり、むせかえった状態になった。

 

「ぐううっ…なっ…何が…??」

少女は混乱しながら起き上がろうとすると、首に強い圧迫感を感じる。

左側に仰向けになっていた筈の青年の姿はどこにもなく、

青年は軍隊式のチョークスリーパーで少女の気管を絞め上げていた。

 

「どこのどなたかは知らないが、

 少しでも変な動きをすると更に絞め上げますよ」

「ぐうっ?!」

少女は、手足をばたつかせながら混乱したと見せかけ、

自由になっている左手で青年の目潰しを狙ったが、

それを読んでいた青年は寸前で躱すと、更に力を入れる。

 

「ぐえええ…ぎ…ぎぶ…で…す、し…しぬ…」

少女が降参したかのように青年の腕を手でぱんぱん軽く叩くと、

青年は力を緩め、首絞めを解く。

 

「うっ…ご!!ごほっ!!」

少女が悶え苦しむ。

 

「…」

赤毛の青年は苦しむ少女を見下ろしていたが、

困惑した状態で言葉を発した。

「あなたは一体何者ですか?」

 

むせかえった状態で少女は答える。

「ごほっ!ごほっ…私は…艦娘で…

 陽炎型の四番艦…お!親潮です…

 も、もう…拘束…は…やめて…ほしい…」

「カンムス?カゲロウガタ?」

 

赤髪の青年は、聞き覚えの無い言葉を耳にし、

更に困惑したが、取り敢えずこの場から離れようと考えた。

 

「ちょっと何を言っているかわからないのですが…

 とりあえず、寝てもらいますね」

 

そう言うと青年は、再び首の拘束を強めた。

 

「ぐえェェ…し、死んでしまう…わ…わたし…」

少女は、必死に抵抗するが、結果的に気を失った。

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