赤髪の貴公子がなぜか鎮守府に着任しました   作:kyote

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act.2:鉄血の少女

「こら、親潮。何を呑気に寝ているのですか?起きなさい」

親潮と呼ばれた艦娘は、赤髪の青年に首を絞められ、砂浜で気を失っていた。

訓練からの帰りが遅い親潮を心配し、彼女をとある少女が小橋海岸に探しにやってきた。

彼女を発見したのは良いのであるが、なぜか砂浜で寝ていたのである。

 

「う~ん、あと五時間。。。むにゃむにゃ」

「…」

親潮の寝言に対し、少女の眉間に皺が入った。

その少女は、ピンク色の髪にスカイブルーの瞳、

ほぼ無表情なので、クールな印象が強い。

服装は親潮とあまり変わらないブレザー型。

その模範的な服装で唯一特徴なのは、

胸の紐リボンが赤いという事ぐらいだろう。

 

「親潮…」

少女は、何を思ったのか、親潮の頬を力を入れて平手で叩く。

「ひでぶッ?!」

クラッカーを鳴らしたような盛大な音が辺り一帯に響くと、

同時に親潮から情けない声が漏れた。

その後、自身に起こった衝撃に吃驚したせいか、親潮が慌てて体勢を起こす。

「何? 敵襲かしら?!」

「何を寝ぼけているのです。早く起きなさい」

更に少女は裏拳で親潮の反対側の頬を殴った。

「ぶべら!」

首から顔が捥げそうな程の衝動が親潮を襲い、彼女を覚醒へと導く。

「起きましたか?」

渾身の力で親潮の頬を殴った少女は全くの無表情であった。

「え?あれ?不知火姉さん?」

ようやく親潮は目が覚めたようだ。自身の姉が目の前に居るのを改めて認識する。

「し、不知火姉さん。なぜここに?」

「貴女が訓練より帰ってくるのが遅かったので、心配したのです」

「そ!そうでしたか!すみません」

親潮は自分の姉に謝罪した。

不知火と言われた少女は、困惑した様子で腕を組みながら、親潮に尋ねる。

「で、貴女はなぜここで呑気に寝ていたのですか?」

そう不知火から問われると、親潮は困った表情で答えた。

「ええと…訓練の最中に民間人が倒れていたので、救助しようと思ったのですが…」

「それで?」

不知火は、無表情で親潮を追及する。

「あ、はい。その後その民間人はいきなり起き上がって、首を絞められ気絶してしまいました」

親潮は、その民間人があまりにも端正な顔であったので、

見とれていたという、不要な報告は。しないずる賢さはあった。

しかし、不知火の眉間には更に皺が増えた。

「そうですか」

不知火は、親潮の顎付近に威力の有る掌底打を放つ。

「あべし!」

あまりにの衝撃に親潮の顔全体が激しく揺ぐ。

「愚か者。軍人が民間人に気絶させられてどうするのです」

不知火は鬼軍曹であった。

(しかし、未熟者とはいえ、親潮を気絶させるとは…一体その民間人とやらは何者ですか?)

不知火が考えに耽っている間、親潮の意識は

不知火の強烈な一撃によって雲の彼方に駆け上がり、

再び砂浜に体を預ける形となった。

その後、不知火は気絶した親潮を見ると、深い溜息をついた。

 

(また、やってしまいました…)

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