東方義(偽)妹守護録   作:桔梗 桜

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お久しぶりです。あまりにも展開が早すぎるなどの理由で一旦削除しました。すみません。
内容が結構変わっていますが、読んで頂けると嬉しいです。


一話

紅魔館-大図書館

「パチュリー!」

今日もレミィの妹であるフランが私の図書館に遊びに来ていた。

正直、一人で静かに本を読みたいが、本に興味を持ってくれるのは私も嬉しい。

フランはいつも通り興味が湧いた本を私に差し出してきた。

「ねえ!パチュリー!これってなんて読むの?」

物の怪集 昔日本で著作された本で妖怪について書かれた本だった。

本の詳細をページをめくりながら説明する。

中盤に差し掛かった時だった。

ふと‘邪鬼`という妖怪が目に入る。

 

邪鬼…大きな怨念や憎しみを持ったまま死に人が鬼となった者のこと

 

「パチュリー?どうかしたの?」

名前を呼ばれ我に返る。いつもの癖で深い考察に入ってしまっていた。

「ううん。なんでもない」

「じゃあ、次これ読んで!」

…飽きっぽいのはレミィと同じね。

そう思いつつも、私は物の怪集を閉じ新しい本の一ページ目を開いた。

 

*

 

セミの声が聞こえる。木漏れ日が眩しい。

手で光を遮りながらゆっくりと起き上がる。

幻想入りした青年 柊零(ひいらぎ れい)が初めて見たものは、木々の隙間から無数の光が創り出す幻想的な風景だった。

感動に浸っていると、草やセミの音と混じり微かに楽器の音と人々の賑わう声が聞こえてくる。

ここはどこだ? 音が聞こえ、はっとなる。

どうやら森の中のようだが、ここにどうやって来たのか覚えていない...いや、それどころか自分の名前以外何も自分の事がわからない。記憶喪失という奴だろうか?

あれ?不意に視界がぼやける。目を擦りその拳についた水滴を見た時、初めて零は自分が泣いていることに気が付いた。

何故泣いているのだろう?記憶を失った不安からだろうか?それとはまた別のように感じる。

...まあ、いい。とりあえず腹が減った。

音がする方へと体を向けふらふらと歩き出す。

 

*

 

音を頼りになんとか森を抜け出し人里にまで来れた。夏祭だろうか?大通りでは、いろんな屋台が並んでいる。

う~ん。この匂いは焼きそばかな。おっ、こっちはたこ焼きか!匂いを嗅いでるだけで唾が口の中に溜まってくる。

腹が減って仕方がないのだが、それより気になる事がある。気のせいだとは思うが、さっきから多くの目線を感じる。それに、何故か全員俺を避けて歩いている。

そんな事を考えながら、美味しそうに焼きそばを食べる人々を妬ましく思い歩いていると、後ろから不意に呼び止められた。声がした方へと体を向ける。

そこには、白髪が特徴的な青い服を着た少女がいた。

「すみませんがあなたは何者ですか?」

俺自身も分からん。

森の中で目が覚め記憶がないこと、音を辿って来たらここに辿り着いたことを簡潔に伝える。

「あなたは里に危害を加えるつもりはないんですね?」

危害?何故そんな事を聞くんだ?俺は周りから見てそんなに怪しいのだろうか?

少々ショックを受けつつ俺は縦に頷く。

「分かりました。ですが、そんな格好でうろつくのはやめてください。」

格好?自分の体を見回す。

…確かにこんな格好でうろついてる奴がいたら誰だって警戒するな…。

白装束。それが今俺が着ている服だった。

 

*

 

上白沢慧音それがあの少女の名前であった。俺はあの後、慧音に保護され彼女の家でもあり職場でもある寺子屋に連れて来られた。

料理も作ってもらいご馳走になったのだが…腹に溜まった気がしない。おかわり、と言うのは初対面であまりにも図々しい気がしたのでやめておいた。

食事の際に聞いたのだが、ここは幻想郷というらしい。妖怪やら神などが沢山住んでいると言うので、へ~そうなんですか。と、適当に相槌を打った。神はともかく妖怪なんているはずがない。

そう思ったのもつかの間、慧音はクスリと笑って

「あなたも妖怪じゃないですか」とか言う。

はい?思わず口に出てしまった。この反応に慧音も首をかしげ、自分の頭をちょんちょんと指さす。

頭?自分の頭をさすって見ると何か尖っているものが二つ頭から飛び出ている。

うん!?なんじゃこれ!?何度も頭をさすってみるが間違いなくそれは自分の頭から生えていた。

すると慧音どこから取り出したのか、手鏡をこちらに向けて来る。

恐る恐る鏡を覗き込むとそれの正体が明らかになった。角である。二本の角が頭から生えていた。

 

慧音が用意してくれた布団の中で角を触りながら食事の際の会話を思い返す。

ふむふむ。なるほど、白装束を着た鬼が食べ物を持った人を睨みつけている。そりゃあ、怖いわ。そりゃあ、避けて歩くわ。

そんな事を考えている内にいつの間にか眠りについていた。

 

 




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