漆黒が仕える! ー親衛隊 異界の地で斯く国防せりー   作:YJSN

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今回はちょっと短いです





第10話 敵の明確化

あれからリービヒアの支度ができて、数名の親衛隊員も携えながらぼくは集会場へと赴く。

 

「確かぼくの役割は終盤だったよね。」

 

そう予定の確認をし合う。

 

「そうですね閣下。

 

この集会は国内の国家社会主義政党の勢力を増すいいきっかけとなるでしょう。」

 

「そうだね。」

 

そうぶっきらぼうに答える。

 

この十数年間、国家社会主義帝国労働者党は順調に勢力を伸ばし、

言論院の1/3がNational Socialist(国家社会主義者)となった。

喜ばしいことだ。

 

そう思案していると、集会場の近くまで来たようで、人集りが徐々に出来ている。

 

ぼくは暫くの間役割が回ってくるまで待つのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間が経つのは早く、リービヒアと党本部から歩いて来たのが遥か昔のようだった様に過ぎていく。

 

党幹部の祝辞やその他諸々が終わって行く様を見届けるだけの作業だった。

 

その中で党大会の終了が近づいていき、ぼくの役割が回ってくる。

 

ぼくは席から立ち上がり、空けられた道を通っていく。

カツカツと軍靴が地面を蹴る音が響く。

 

(...改めて見てみると集会場を埋め尽くすほどの人数で大衆は来ているな...。)

 

周りの嬉々とした声が大らかに聞こえながら、ぼくはその間に空いている演説台までの道を進んでいく。

後ろに親衛隊員数名を携えながら。

 

そして演説台の上に立ち、音響技術を駆使したマイクなどが置かれた殺風景な場所を視界に入れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分待ち、観衆の昂りが収まるのを待つ。

 

そして観衆が静まり返ったと同時にぼくは息を深く吸い、その口を動かし始めた。

 

 

 

 

「今日 この日に集まった同志諸君らには感謝する。

 

...そしてこの集会場にいる人種は

民族共同体を十分な程に体現している。________ 」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辞令をして行きながら、ぼくは演説を続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして中盤に差し掛かった頃に、

ぼくは彼らの生存競争本能を最大限に引き出す段階に入る。

 

「何故、何故に我々の中に、

この国家の中に2人に1人の割合で貧困の人種が出来ているのか。

 

何故に諸君らは必死なる労働を担っているにも関わらず、

諸君らは何故にその労働による生存の栄光をもたらされていないのか。

 

誰が!! 一体誰が諸君らの労働を略奪しているのか!!!!」

 

体が火照っていくのが感じる。

 

「Judaea!!!!!!(ユダヤだ!!!!!!)」

 

そう大衆の1人が叫ぶ。

 

「そうだユダヤ人共だ。

 

私が言うユダヤ人とは!!!!

 

民族・人種・種族に囚われた者ではない!!!!

 

私の言うユダヤ人とは、我が生存のみを考え我欲に塗れた大資本家!!

 

ボロ儲け主義者共だ!!

 

奴らはこの国のすべての労働者と工場を手の内に収め、

そして究極的に国民を支配している略奪者だ。」

 

そう息を荒くしてぼくは続ける。

 

ナニカに操られてる感覚が体を走る。

 

「奴らは!!!!

 

何ら 何ら直接的に労働の手を加えずとも、

いとも簡単に金が入る。

 

金とは!! 生存のための生産の努力を変換した物だ!!!!

 

だがその金は、その労働は、生産は、

 

どこから来たと思う?

 

 

 

 

 

 

元を辿れば我々からだ!

我々の生産を奴らは経済という箱庭で略奪を開始し、

いくら我々が必死な労働と格闘を行なっても何ら略奪は止まらない。

 

奴らは経済という盾を使い、

我々から搾取を止めない!!!!

 

そんな連中が!!

 

経済という砦における略奪者が!!!!

 

 

 

成功者だと?

勝者だと??

 

 

 

笑わせるな!!!!」

 

 

そこまでいうと民衆は大いに闘争本能を叩かれ、我らの真の敵を認知し始めた。

 

「私は、我々は、

 

給与や我が身可愛さの為に労働をするのではない!!!!

 

諸君らのためにのみ行動するのだ!!!!!!

 

 

 

 

奴らは、我々を撲滅することをも厭わない!!!!

 

奴らは我々を殺すことをも厭わない!!!!!!!!

 

だが我々は決して降伏しない!!!!!!!!」

 

民衆は敵への憎悪を膨らませ、

これまで数世紀に渡り我々人間という人種を貪り尽くしたユダヤ人への殺意を持ち始めた。

 

周りからはHeilという声が聞こえる。

 

だが私は続ける。

 

これが私の義務だ。

 

「諸君らの持つこの世界で最も貴重で、大切なものとは!!!!

 

諸君らの民族である!!!!!!

 

この民族のために!!

 

この民族の利益のために!!

 

我らは格闘し、闘う!!!!

 

決してその力を緩めない!!

 

決して疲れを知らない!!

 

決して休むことはない!!!!

 

そして!!!! 二度と絶望しない!!!!

 

 

 

 

全ては我らが民族共同体に Sieg Heil !!」

 

そう締めくくると、彼らは右手を上げ、Heilと繰り返す。

 

 

 

 

 

______Sieg(勝利)とは 我らの生存である______

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのようにして党大会は締めくくれられ、

ぼくは今絶賛執務机の大量の仕事に戻る。

 

あまりいい気分ではない。

 

「今日だけであれだけの民族にTruth(真実)を伝えられたんだ。

 

我々にとってもきわめて利益的だったと思う...

 

そうは思わない?総統閣下。」

 

そう冷めない闘争本能の働く中でぼくはコツコツと書類の整理と任務報告を見ていくのだった。

 

 

 

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