漆黒が仕える! ー親衛隊 異界の地で斯く国防せりー 作:YJSN
「んんん...ふわぁぁ...ねむ...。」
目の前の執務室での皇帝への報告書を始末し終わり、あくびと背伸びをいっぺんに行う。
昨日の夜から徹夜で業務していたおかげで、今月の仕事は片付いた。やったぜ。
疲労や眠気は一切ない。何せ一度死んでいるのだから、そんな概念吹き飛んでいる。
「それにしても...あっという間だな...こんな生活がかれこれ1年も経つとは...随分と暇だったけど...。」
あの日からもう1年近く経とうとしているくらいには、帝都やこの世界での暮らしに慣れてきた。
ピニャ殿下やゾルザルなどの皇族も見かけたけど、ぼくにはあんまり関係なさそうなので、積極的には関わろうとしてない。むしろ避けてる。
ただ、突然現れたから、最初は警戒されてたけどね。
それに色んな人種や幻想のような 魔法 というものを見かけた。
魔法についてはぼく自身覚えなくていいと思っている。
使えるかどうかも怪しいしね。
そもそもぼくにはこの憎らしい死者の書があるから、へーき...なのかな...?
興味がわかないこともないんだけど、そこまで深入りする気にはなれなかった。
トントンッ
「失礼致します。」
ぼくの執務室に一人のこの城に配属されたであろう近衛兵が入ってくる。
スゥゥーッ ハァーッ
扉の両隣で門番をしていてくれてる二人の戦友 同志に手をあげて許可を出すと彼らは扉から退いた。
「何の用〜?今やっと終わったとこなんだ。
朝食にでも行こうと思ってたんだー。」
ほんとなら食事も必要ないけど、人間らしい生活はして起きたかったから。
「はっ、お疲れの所申し訳ありません、親衛隊長官。しかし、モルト皇帝が直ぐに謁見の間に来るようにとの通達でありまして。」
「皇帝が...?」
契約の日以来、何らぼくらは建前だけかのように威厳だけ示す近衛兵よりも腕の立つ亡者兵のように扱われ、いるのかいないのかはさほど気にならない程度には放置されていた...ような気がした...。
モルト自身、ぼくらにばかり頼るというのも帝国の強力なる君主の印象を与えられないから、控えているのか...?
まぁそれはいいとして、
「はっ、詳しくは皇帝陛下に直接お聞きください。では、失礼致します。」
最後にそう伝え、兵は帰っていった。
...ぼくを呼び出すということは、そういうことでしょぅ...荷が重いよ...。
菜食主義の代表メニュー サラダの昼食を後回しにして、謁見の間に向かう。
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コツ...コツ...コツ...
軍靴を鳴り響かせながら陛下へと近づく。
何歩か進んだところで、止まる。
して、右手を高く掲げて、(契約への)忠誠を誓う。
「 Heil 」
そういってから、右手を下げる。
「...楽にしてよい...。」
そう言われ、いつものようなちょっとダラけた姿勢になる。
「ありがと、昨日から仕事してたから。」
「そうか、実によいことだ。帝国の為に励んでくれているのだからな。」
「うん。...それで、用件はなに?」
手短に要求する。さっさと終わらせたかった。
ぼくがそう言うと、皇帝はより真剣な顔となり
「うむ...実は一週間前にアルヌスに門が開いてな。」
「...早くない?もうちょっとのびのびしておきたかったな。諜報から聞いてはいたけど。」
「流石は主だ。この情報をもう掴むとはな。」
「まぁ...ね...。」
ぼくの同志は君の近衛兵よりかは優秀だし、多少は...。
そう心の中で一言多く呟く。
「して、アルヌスの門の向こう側、異界の地へと送る軍を編成し、既に待機させておる。お主にも 」
「そこへ行き、陛下の軍と共に攻め入ろ...って感じ?
それは時間を要する上に多分拒否する。
それに殺し合う相手もわかないんじゃ、闘争心のカケラも出てこない。」
例え契約があろうとぼくはガン無視で仕事の値切りを始める。極度のめんどくさがりから、へっぽこ長官と同志に呼ばれたこともあった。
「...それは承知しておる。余が望むのはお主の殺戮などではない。余は情報を欲しておる。何ら門の向こう側は我らが立ち入ったところでないのだ。」
「...向こう側を調査してこい...ってこと?」
「そうだ。」
皇帝は大きく頷き、ぼくの了承を待つかのように鋭い目でぼくを見据える。
うぅむ...門...か...。
確かに興味は出る。こことは全く違ったところと繋がってるなど、食指が出ないわけない。
ちょうど暇な頃も合間って
「わかりましたよ。契約は契約です。
中世こそ我が名誉 My homie is loyalty にかけて。」
「そう言ってもらえると助かるな。」
渋々了承した。
皇帝は裏がありそうな笑顔でニンマリとしてる。
...こいつだけはムカつく...ふんっ
「けど、短期間だけですよ?
もし仮に軍が壊滅状態となれば、偵察不可能とみなして迷いなく帰って来るよ?」
「よかろう。ただの捨て駒に過ぎん。」
「...ではこれにてぼくは失礼します。そうゆうことならば早速支度せねばなりませんし。」
部下を粗末に扱うのは戦時中でも見たし、そうゆう奴はどこにでもいる。
けど、戦略上必要なところに必要な量だけ死にに行かせるなど、戦術として使う者もいた。
ぼく自身そうだった。
そう言ったものがCrazyでPsychoな奴なんだって、死んだ部下が逝く直前に吐き捨てて言ってた記憶が蘇る。
...今更こんなこと思っても無駄、か。
さっさと支度をして、門へと向かおうかな。
そうやってぼくは、数名の同志達を携えて、門へと向かうのであった。
主人公の名前を考えるのをド忘れする筆者の屑
ほんとに名前なしで進行させてた()
それでもいい...のか...(困惑)