それは大妖怪酒呑童子と人間との間に生まれた半妖
人であり妖怪でもある彼は両方から嫌われ迫害を受けてきた。唯一の支えであった人間の母はこの世を去り彼には何も残らなかった…
不人「鬼童丸。私は貴様を否定しない。貴様は我々と友に行動すべきだ。鬼人・鬼童丸として」
鬼であり人である彼は母親以外で初めて理解者を得た。そして彼は現在、自分の父親と対峙している。全ての元凶である妖怪
かつて酒呑童子の犯した罪。攫った人間の女から生まれた鬼童丸は復讐に燃える
鬼童丸「テメェは俺が殺す。酒呑童子!!」
俺と佐紀美が神野悪五郎達と対峙していた際に突然現れた謎の妖怪・不人。
「お前は誰だ?」
「私の名前は一物語不人(ひとならず)。」
俺の問いかけに不人と書かれた仮面でその妖怪は名乗った。名前関係無く明らかに人間では無かったが妖怪ともいえない雰囲気をその妖怪は持っていた。なにせ俺の妖怪アンテナが不人が現れるまで反応しなかったからだ。
「悪いがお前達二人には退場してもらう。」
そう言うと不人は小槌を取り出した
「魔王の小槌」
不人は地面に小槌を叩きつけるとそこから樹木が出現しあっという間に俺と神野悪五郎を飲み込んでしまった
飲み込まれる際ちゃんちゃんこを広げ体を覆い難を逃れたが、辺りの音が静かになってからちゃんちゃんこを元の大きさに戻し、辺りを見渡すと一面森になっていた
「あの一瞬で森になっただと?」
全方位、樹木が生い茂る森だったが包囲されたわけではなく獣道だが歩くことが出来るくらいのルートがあったのでそこを辿っていった。だが
「何もない、どんなに歩いても似たような景色ばかりだな。」
歩いても歩いても景色は以前として森だった。仕方がないので生い茂る樹木の中から一番高そうなのを探し、樹木を登り遠くを見ることにした。
だが、上空から無数の蔦が俺を襲い掛かった
「なんだあれ?この!」
俺は髪の毛針を飛ばし無数の蔦に攻撃するがいくら貫かれ、千切れようとも蔦は何度も襲い掛かった
指鉄砲で消し飛ばそうとも、体内電気で焼き切ろうとも、霊毛ちゃんちゃんこで千切ろうとも、蔦は襲い掛かってくる。
「この蔦一体どこから?」
しかし、今度は地面からも蔦が襲い掛かり、俺の足を掴みそのまま地面に叩きつけた
俺は上からの攻撃に集中してたあまり、下からの攻撃に気づけなかった。
「ぐわっ!!」
背中に強烈な痛みを感じるが、地面から無数の蔦が出現し俺の体を拘束していく。やがて蔦は全身を縛り付け上だか下だか分からなくなる程に覆われてしまった
(体内電気で・・・焼き切らないと)
全身を縛り付ける蔦はそのまま締め付けてしまい俺の意識が薄れていく
「鏡影鬼太郎。お前の力はこんなものか?」
薄れゆく意識の中声がした。それと同時に俺を縛り付ける蔦が全て切り刻まれ、俺は意識を取り戻した。
俺を助けたのは誰だったのか、それは俺と共にこの森に飲み込まれた神野悪五郎だった
「鏡影鬼太郎。こいつは森全体が妖怪なんだ。どれだけ蔦を切ろうが何度でも襲い掛かる。」
「そうか・・だったら内部から攻撃したら倒せるのか!?」
「地面を潜り中から攻撃したら勝てるかもな。」
「それは俺がやる。お前は襲い掛かる蔦を食い止めろ。」
「分かった、早く行け!!」
土が電気を通すか不安だったが森の根が地面を埋め尽くしていたので問題がなかった。逆に潜るのが大変だったが、髪の毛槍を霊毛ちゃんちゃんこで覆い、威力を高めた突きで難なく潜ることが出来た。地中深くから体内電気を放ち森を完全に焼き尽くすことに成功した
焼き尽くした森は消滅し、俺と神野悪五郎は元の場所に戻ることが出来た
だが、俺と神野悪五郎が目にしたのは悲しい現実だった。
重傷を負った佐紀美と茨木童子そして・体を真っ二つに両断された酒呑童子だった
「鏡影鬼太郎。私が止めたいのはこういうことだ。手を貸してくれ。頼む。」
俺はこの後神野悪五郎と兄さんと共に妖怪百物語を阻止することに決めたのだった
人や妖怪を食べる最強の大妖怪
奴を止めるには俺だけではできない
兄さんと陰陽師、あいつらの力を借り、共闘するしかない!!
次回、鏡影鬼太郎『絶対に遭遇してはならない妖』
新たな世界の扉が開く