鏡影鬼太郎   作:殺六縁起

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私は彼女達が憎い・・・自分の美貌を守るために、自分より奇麗だった私の口を引き裂いた・・私の口を裂いて自殺に追い込んだ!!あいつらみたいな女を私は許さない!!
そう思い、私は妖怪になり彼女たちを切り裂いた。
恨みを晴らした後は口元を隠すためマスクをつけた
そしたら顔も知らない男達から声を掛けられた。あまりにもしつこかったから問いてみることにした。
『私・・綺麗?』
男たちは揃って綺麗だとか言うが、私の素顔を知ったらどう答えるのだろうと思いマスクを外して再び問う
『これでも?』
口が裂けた女を見た彼らは驚愕し一目散に逃げだした。
これがかつて世間を騒がせた怪異・・口裂け女・・
私は今日も人を襲う・・・静まらない怨念をぶつける為に・・醜い自分をさらけ出しいつか自分の素顔を見ても動じないような人物に会えるかもしれない
そんな事をふと思いながら・・・










口裂けの怪異

近頃とある都市伝説が復活した。その名も口裂け女

マスクをした美女で声を掛けると『私、綺麗?』

と問いかけ、頷くと『これでも?』とマスクを外し口が耳まで裂けた顔をだし相手を脅かす怪異

だがその都市伝説は数十年前にぱったりと途絶えていたのだが最近復活したようだ

 

 

「これがまなからの情報よ。鬼太郎」

 

現在、ゲゲゲハウス。猫娘と鬼太郎、目玉親父が話していた

 

「ふむう・・口裂け女か・・・あやつはトイレの花子さんみたいな危害を加えない妖怪とは違うからのう・・」

「父さん、知ってるんですか?」

「あった事は無いがの。姿はコートを着た長髪の美女でマスクをしておるらしい。そして以前は人間だったらしいぞ。」

「そうなんですか?」

「口裂け女には悲しい過去があったらしい。奴は怨念の塊のような存在じゃ。」

 

「早く解決したほうがいいかも。その噂が広まったの、まなの学校の近くらしいから」

 

 

 

 

 

 

 

 

まなの学校

 

まなのクラスには新しい臨時の先生が入ってきていた。名前は佐紀美先生。風邪気味らしくいつもマスクをつけていたがマスクごしでも分かるくらいの美女でクラスの男子は彼女に夢中だった

 

 

そして一か月が経ち、佐紀美先生は違う学校に行くことになった

 

 

「みんな、私は立派な教師になるために頑張っていくからね。」

 

クラスのみんな(特に男子)は残念がっていたが臨時の先生なので仕方が無かった

また会えることをみんな楽しみにして別れの挨拶をした

 

 

 

そして放課後、佐紀美先生が三階の廊下を歩いている時、まなが声を掛けてきた

 

「佐紀美先生!」

「あら、犬山さん。」

「今日で別の学校に行っちゃうんでしょう?だったら最後に先生の顔を見せてよ!」

 

「顔って・・いつも見てるじゃない」

「そうじゃなくて、マスクの下!」

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

「佐紀美先生は美人だからどんな素顔してるのかなーーて、一瞬でいいから!」

 

 

「いや、風邪気味だから・・・」

「でも一度もせき込んだことなかったよね?」

 

会話が進むにつれ、佐紀美先生はどんどん元気をなくしていたがまなはぐいぐいと話しかけてくる

 

 

 

「・・・分かった・・・・見せてあげる・・・・私の本当の顔」

 

 

佐紀美先生はマスクを外した   

 

まなが目にしたのは、予想通りの美人顔ではなく

 

 

口が耳元まで裂けた顔だった

 

 

「佐紀美・・・・さん?」

 

「ごめんね。本物の私は美人な先生じゃないの・・口裂け女・・」

 

『口裂け女』

 

 

「そんな・・嘘・・」

 

「さようなら。犬山まなさん。私じゃなくあなたがお別れするのよ」

佐紀美先生・・・否、口裂け女は一瞬残念そうな顔をしたが、すぐ口元をニヤッとした

 

「あなたが悪いのよ、しつこくするから・・・また切り刻まないといけないじゃない。また噂が広まっちゃう・・・そろそろ別の地域へ移そうかしら」

 

と口裂け女が悩みだした隙にまなは逃げだしていた

 

 

「あら、中学生にもなってかくれんぼ?いいわよ。見つけたら私のように耳元まで裂いてあげる」

 

口裂け女は髪切りばさみを取り出た。両手に持ち斜め下に構え堂々と外が暗くなる中まなを探した

 

 

 

 

(はあ、はあ・・・猫ねーさん、助けて!)

まなは急いで逃げながらスマホをタッチし猫娘に助けを求めた。途中奇跡的に鍵が掛かってなかった教室に逃げ込み鍵を掛け戸棚に隠れた

 

口裂け女の足音が近づいてくる

 

カツン・・・・カツン・・・・

 

まなは息を殺し助けが来るのを待った。だが足音が近づくにつれ恐怖が膨れ上がってくる

 

 

「まーなーさん。遊びましょう。フフ、私の顔綺麗だった?それとも怖かった?」

 

(!!)

 

何故か近くに来た途端に話し出す口裂け女に動揺してしまうまな。

 

ガチャリ

 

(え?ガチャリって?)

 

 

口裂け女は閉まっていた扉を開けた。どうやら職員室に一度戻りマスターキーを持ってきたようだった

 

口裂け女は鍵を開けるとマスターキーをそこらへんに投げ捨て教室を探索しだした。

 

戸棚は閉めているので音しかしないので余計に怯えてしまい目をつむるまな・・その時

 

 

「見いつけた」

 

その声に目を開くまな。目の前には耳元まで裂けた口でほほ笑む。口裂け女の姿が

 

「きゃあああ!!」

「まな!!」

 

その時教室の窓を蹴破り、二人の妖怪が乱入した

 

 

「鬼太郎!猫ねーさん!」

 

「鬼太郎? ああ、あなたが幽霊族の生き残りゲゲゲの鬼太郎かしら?」

 

「口裂け女。ここまでだ!」

「人間のためにご苦労なこと。でもいいのあなたの一族は人間に・・・」

 

「髪の毛針!!」

鬼太郎は問答無用で髪の毛針を発射した

 

「妖怪の話は最後までさせてよ!」

 

口裂け女は手に持った髪切りバサミで鬼太郎が放った髪の毛針を切り刻むことで無効化した

 

「何!?」

「はああ!!」

 

驚く鬼太郎に今度は口裂け女が攻撃してきた。

 

「させないよ!」

だが、猫娘が鬼太郎を守ろうと爪を伸ばし、獣のように襲い掛かった

 

「ニャアア!!」

 

ジャキン

口裂け女のハサミが猫娘の爪を絶った

 

「ぐうっ!」

猫娘は退避し斬られた爪を手で抑えた。

 

「猫にとって爪が無くなるのは痛いわよね。」

 

「口裂け女!!」

今度は鬼太郎が髪の毛を剣のように束ねて攻撃したが口裂け女は鬼太郎の背後へ一瞬で移動した

お互い背を向けあった状態になったが、突如鬼太郎が血を出した。それも盛大に、鬼太郎の斬撃よりも早く、口裂け女は斬りつけており、鬼太郎が束ねた髪は真っ二つに斬られ鬼太郎と共に床に倒れた

 

 

「これがゲゲゲの鬼太郎?」

 

「そんな・・鬼太郎が・・」

 

鬼太郎が口裂け女に敗れて驚愕するまな

 

「よくも鬼太郎を!!」

 

猫娘はまた爪を出し、切り裂きにかかるが紙一重で躱され、腹を蹴り上げられそのまま天井に叩きつけられた

 

「かはっ」

「元々口が裂けているあなたに用は無いわ」

 

「猫ねーさん!」

「まな・・逃げろ・・」

「でも!!」

「いいから!!」

 

鬼太郎の必死な訴えにまなは何も言わずその場を離れるしかなく、走って逃げていった

 

 

「これで邪魔者はいなくなった・・のかしら?」

 

「僕達でお前を倒す・・そのために巻き込まれたくなかったんだ」

その時、天井に叩きつけられ嵌ってしまった猫娘は脱出し鬼太郎の横に着地した

「本当の戦いはここからよ!」

 

「二人なら私に勝てるとでも?」

 

「勝つさ! 行くぞ!猫娘。」

「足引っ張らないでよね!」

 

鬼太郎は右手にちゃんちゃんこを巻き、猫娘は狂暴な猫の如く臨戦態勢に入り突撃した

 

「微笑ましいカップルね・・・切り刻んであげる!」

口裂け女も両手にハサミを構え2人を迎え撃つ

 

鬼太郎が最初にちゃんちゃんこで巻いた手で口裂け女に殴り掛かる。

だが、口裂け女は体を逸らし紙一重で躱す。

 

「甘いよ!!」

「!?猫妖怪か!」

 

口裂け女が躱した先には猫娘が伸ばした爪で切り裂きにかかった

咄嗟に口裂け女は両手に持ったハサミで切り裂き返した

お互いの刃が何度もぶつかり合うが爪と金属では相性が悪く猫娘の爪は再び切り裂かれた

 

「ぐっ!」

「これで・・・終わり!!」

 

爪が無くなり狼狽えた猫娘を口裂け女は蹴り飛ばした。猫娘は蹴り飛ばされ窓を破壊しそのまま外へ蹴り飛ばされてしまった三階の窓から。だがその時猫娘は窓から落ちる時猫娘は合図した

 

 

 

「鬼太郎、今よ!」

 

 

口裂け女は最初何のことだか分らなかったが猫娘を蹴り飛ばした後すぐに理解した

なぜなら体が髪でガチガチに固められていたからだ

 

「しまった!あの猫は私の注意を逸らすために・・本命はこっちか!!」

「そうさ!だがこれで終わりじゃない!体内電気!!」

 

鬼太郎は体内電気を放ち髪を伝って口裂け女に流した

 

「ぐわあああ!!!・・・・っち!!」

 

鬼太郎の体内電気で痺れた体でもなお、口裂け女は持っているハサミで鬼太郎の髪を切り裂き危機を脱した

 

 

「はあ・・はあ・・・よくもやってくれたね・・・・」

 

危機を脱したとはいえ、体内電気を全身に喰らい口裂け女にも限界が来ていた

そのために気づくのが遅れてしまった・・・破壊された窓から飛び出してくる猫娘に

 

「にゃおおおん!」

「!?まだ生きて」

「猫は高いところから落ちても大丈夫なのよ!!」

 

猫娘は三階から落下したが体を丸めることで着地に成功し、切り裂かれた爪を今度は短くそして尖らせた。先ほどの戦いでは爪を伸ばし相手を斬る戦闘スタイルだったが、爪を短く尖らせることで相手を引っ掻くほどの威力しかない状態にした。この状態は相手を倒す決定打にはならないが学校をよじ登ることにかけては長けており、猫娘はその爪で三階までよじ登ったのだ

 

「だったらもう一度切り裂いてやる!!」

 

口裂け女はすぐ後ろを振り向き猫娘を睨みつけハサミを構えた。さっきまで鬼太郎と戦っていたのを忘れて

 

鬼太郎はちゃんちゃんこを剣のように変え、構えた。

 

「僕を忘れるなよ!」

「・・・!・・しまっ」

 

口裂け女の前方には猫娘、後方には鬼太郎。咄嗟に鬼太郎を見たが武器のハサミは猫娘に向けたままの状態では攻撃などできなかった

鬼太郎は斬撃を猫娘は短い爪で切り裂いた

 

「あが・・・・」

 

2人の攻撃を食らい口裂け女は倒れた

 

苦戦を強いられた二人は口裂け女が倒れ、安心しホット一息ついた。

だが

 

「ちい、覚えてなさい!!」

一瞬の隙をつき、口裂け女は立ち上がって駆け出しそのまま窓ガラスを突き破り逃げ出した

 

 

「!待て!!」

 

鬼太郎が慌てて霊毛ちゃんちゃんこを広げ、口裂け女を捕えようとしたが鬼太郎の肩に激しい激痛が走った

 

 

「ぐう!!」

 

鬼太郎はそのまま倒れこむと血があふれ出した

 

「き・・鬼太郎!!」

血を出し苦しそうに悶える姿を見て思わず猫娘は駆け寄った

 

鬼太郎の肩には1本の白い針のようなものが刺さっていた

 

 

 

 

 

 

 

三階の窓から逃げ出した口裂け女は何とか鬼太郎からは逃げることが出来たが、猫娘のように着地は成功することができなかった。そのためなんとか学校からは離れたがその足取りはフラフラしていた

 

「はあ・・・はあ・・・フフッ憎しみにより誕生した妖怪口裂け女の死に様が野垂れ死に・・かしら?呆気ないわね・・結局私の顔を綺麗だ・・なんて言ってくれなかったわね・・・一度でもいいから生前のように言われてみたかったな・・・」

 

 

血を出しながらフラフラ歩く口裂け女は今にも倒れそうなくらい弱っており死ぬのも時間の問題だった

 

 

カラン  コロン  カラン  コロン

 

そこへ下駄を鳴らしながら1人の男が現れた

 

「やあ。そこの綺麗なお姉さん」

 

意識が朦朧としていた口裂け女はふと、声がしたほうを振り向いた

 

彼の姿は黒い学生服にちゃんちゃんこを羽織っており髪は右目を隠すくらい長い白髪で下駄を履いた男だった

 

 

「その恰好・・あなたは!?」

 

「俺の名前は鬼太郎。幽霊族の生き残りだ」

 

 

ゲゲゲの鬼太郎と服装が学生服以外そっくりなその男はそう語りほほ笑んだ

 

これが鏡影鬼太郎と口裂け女・佐紀美との出会いだった

 




兄さん。親父。なんで幽霊族の生き残りなのに人間の味方なんてしているんだよ
知ってるんだろ?幽霊族は人間によってどんな目に遭ったのか・・・
2人がやらないのなら俺がやってやるよ


次回鏡影鬼太郎『闇の鬼太郎』


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