鏡影鬼太郎   作:殺六縁起

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僕は狼谷快我。中学生だ。僕は明日転校する。親の仕事の都合で・・だが別に悲しむことは無い。そんなのは些細なことだ
弟を失う悲しみに比べれば

そう思い、僕は引っ越してきた。新しい家に持ってきた荷物を片付けなければならないからだ
だが荷物が入っている段ボールの箱を開けようとした、その時
シャリンという音が窓のほうから聞こえてきた

「もし、宿を貸していただけませんか?」

見ると古びた格好をした怪しげな坊さんが訪ねてきた
顔は皺だらけで口元は裂けており夜中に見たら正にホラーだった
今日はよく遭うな・・・さっきも魂を取られかけたばっかりなのに




夜道の通り魔

その日の午前中には浪谷快我は公園で本を読んでいた。黙々と読んでいたその本は特に好きでもなかったが暇つぶしとして読んでいのだが

そんな彼にとある男が近づいて来る

 

「ガキか・・・ついでに殺しとくか」

 

ご存知鏡影鬼太郎だ。人間であれば老若男女問わず殺してきた彼はふと目に留まった少年を殺そうと魂を奪おうとした

髪で彼の首を絞め、口に髪を入れ込み、浪谷快我の魂を取り出し一口で食べてしまった

 

「ふう・・・うぐっ!?」

 

 

「まっずーー!!」

鏡影鬼太郎は食べた魂があまりにも不味く吐き出してしまった

 

「なんだ?この魂!?不味すぎるだろ・・もういいや、感電死させよう」

 

そう思い、鏡影鬼太郎は魂が戻り生き返った浪谷快我を体内電気で殺そうとしたが

浪谷はさっき死にかけたのに無言で読書を続けていた

 

「なんだお前、死にたいのか?」

「?あなた誰だ。」

「ゲゲゲの鬼太郎の弟。鏡影鬼太郎だ」

「ゲゲゲの鬼太郎に弟がいたんだ・・・で?何か用ですか?今さっき僕を殺しかけましたよね」

「なんだ色々知ってるな・・・なのになんで逃げ出さないんだよ」

「魂を食われて死ぬのと、体を食い殺されて死ぬのとはどう違うんですか?

原型が残るか残らないかの違いだけだと思うんですよねーだって死ぬという意味では一緒でしょう?」

「食わないし殺害するだけだし、いや、そうじゃなくて俺が言いたいのはなんで逃げ出さないかだ。死の恐怖は無いのか?」

「無い訳じゃないけど。あなたから逃げられるのは不可能だろうから諦めただけだ」

「お前・・本当に人間か?」

「人間ですよ。あなたは妖怪ですか?」

「俺は・・・・・ああもう、もういい!帰る!!お前のような人間は初めてだ。世の中お前のような無欲な奴らだったらこんな事しなくてすむのにな・・・」

 

鏡影鬼太郎はそういうと帰っていった

「ぼくも帰ろうかな。明日の学校の準備もあるし」

 

狼谷快亜は、読んでいた本を閉じ、家に帰っていった

 

その日の夜、一人の奇妙なお爺さんが彼の家を訪ねてきた

 

「もし、宿を貸していただけませんか?」

 

 

「いいよ、泊めてあげる。あなた名前は?」

「ありがとうございます。あっしは夜道怪と言うものです」

 

『夜道怪』

 

 

その妖怪は闇を操りし人攫い。闇夜に現れ宿を借りる

 

浪谷快亜が夜道怪を泊めた事によりまさかあんな怪事件が起こるとはこの時は誰も知る由も無かった

 

 

 

 

夜道怪を泊めてから数日が経ったある日、浪谷快亜はボロボロの恰好で下校していた

 

「坊ちゃん、どうしたんですか?その恰好・・」

「なんでもないよ」

「いじめられたんでしょ?同級生から」

「!知ってたのか・・・」

「良ければあっしが消して差し上げましょうか?」

「そんなことが出来るのか?」

「ええ・・坊ちゃんが望めば・・・」

 

この日以降から男子中学生の失踪事件が多発した

夜道怪がいじめっ子達を誘拐していったのだろう・・・

俺にとってはどうでもいいが、人間の為に人間に悪さをするという行動に興味をしめしたので様子を見ることにした。

 

まあ、こんな事件があったなら兄さんも動くだろうが

ちょっとちょっかいを出しに行こう

 

そう思い、俺は兄さんを探そうとしたが、近くに知っている妖気があったので会ってみることにした

 

 

 

 

 

「猫ねーさん。最近学校の男子が次々と行方不明になってるの」

「ふーん。犯人は分からないの?」

 

とある喫茶店で猫娘と犬山まなが誘拐事件の事について話していた

 

「全然分からないんだって、夜中に起きたことらしいけど」

「どっかの通り魔なんじゃないの?まあ、それはそれで問題なんだけど」

「それで、もしかしたら妖怪の中に人を攫う妖怪とかいないかなと思って」

「うーん・・・・人を攫う妖怪ねー・・・いっぱいいるけど?」

「え?」

「だって以前いた妖怪で子供を攫うたんたん坊だったり他にもいるわよ」

「そうなんだ・・・」

 

2人が話している中、1人の男が近づいてきた

「おやまあ・・猫娘さん。こんな所で何してる?」

 

「きょ、鏡影鬼太郎!!」

「え?鬼太郎?」

 

猫娘の言動に不思議そうにこちらを見つめる犬山まなという人間

 

「そこの女が最近兄さんと友達になった人間か・・・なるほど、どうやら好奇心旺盛で何でも首を突っ込みたがるようだな。」

「兄さん?鬼太郎の弟?」

「弟なんかじゃない!!」

 

「おいおい猫娘さん。店の前で大声を出さないほうがいいですよ。他人の迷惑も考えなきゃ」

「どの口が言ってるのよ!!」

 

(夜道怪の事について知ってると思ったがまだ妖怪が起こしてるとも知らないようだったが俺が話しかけたせいで妖怪絡みの事件だと気づいたかもしれないな・・・)

 

 

「ねえ、」

「なにか?猫娘さん。」

「この事件はあんたがしたの?」

猫娘さんの質問に俺は慌てず冷静に答えた

「いや、俺はやってない。何も知らない・・・犯人が妖怪だろうが人間だろうが俺には関係ないことだ・・・そこの人間。」

 

「え、私?」

急に声を掛けられ犬山まなは戸惑っていた戸惑っていたが気にせず続けた

 

「夜道は怪しいから気をつけな。」

 

俺はあの人間にちょっとしたダジャレを言うとそのまま帰った

 

「あいつが人間を心配した?いや、何か裏があるんだわ!鬼太郎に連絡よ!!」

 

 

今回は手を出さずに高見の見物をするつもりだったが気が変わった。

徹底的に兄さんの邪魔をする事にした

 

 

 

 

その後、ゲゲゲの鬼太郎に連絡した猫娘と犬山まなは誘拐事件があったところをしらみつぶしに探していき、ついに夜道怪と遭遇した

 

 

「あなたが子供たちを誘拐した犯人ね!」

「何奴!あっしの恩返しの邪魔はさせませんよ!!」

「恩返し?何を言ってるの?」

 

夜道怪と猫娘さんとの戦いが見れそうだが、今は夜道怪の慈善活動を手助けしたいからあの場に乱入することにした。佐紀美を連れて

 

そばにあるカーブミラーから飛び出していった

 

「よう、また会ったな。」

 

「鏡影鬼太郎と、口裂け女!!」

「え、佐紀美先生!?」

 

「おや、犬山さんお久しぶり。元気にしてた?私はこの通り元気だけど」

 

なんだ、あの人間と佐紀美は知り合いだったのか・・そういえば助けたとき学校にいたな・・あの時の生徒だったのか

 

「おい、夜道怪。ここは俺達に任せて浪谷快我とかいう人間の恩返しをしに行けよ。」

「あなた、何故それを・・・」

 

「浪谷君・・?」

 

これは予想外、浪谷快我とも知り合いだったか・・・そういえば引っ越してきたんだったな。ならこの人間が通う学校に転校したという事か・・・なるほど世間は狭い

 

「兄さんも動き出してるんだろ?だったら急いだ方がいいだろう」

 

「ではお言葉に甘えて帰らせて頂やす。」

 

そう言うと夜道怪は足元に闇を作り出しその闇に潜っていった

 

「潜った!?あの妖怪は・・」

「あの妖怪を倒すのは兄さんには難しいと思うよ?」

「なんですって!?」

「彼の名は夜道怪。闇を操る妖怪さ。」

 

 

 

 

人攫いをするため、夜道怪はいじめっ子を追いつづける

宿を貸してくれた浪谷快我に恩返しをするために

 

 

「それがお前なりの恩返しか?夜道怪。」

 

夜道怪の前に鬼太郎が立ちはだかった

 

「あなたがゲゲゲの鬼太郎ですか。あっしのやってる事はあなたのやってる事となんの違いもありませんよ。」

 

「確かにそうかもしれない・・・でも、そろそろ子どもたちを帰してやってくれ!彼らも十分苦しんだはずだ」

 

「いいえ、彼らはまだ何も分かっていない、いや、今、痛い目を見てもいずれ忘れていきやがて同じことを繰り返す。だからもっと苦しみを、坊ちゃんが受けた屈辱をもっと味合わせてやる!」

 

「だったら力づくで取り返すだけだ行くぞ!!髪の毛針!!」

 

鬼太郎は髪の毛針を飛ばした。だが、夜道怪も前方に闇を展開し髪の毛針を呑み込んだ

 

「あっしの邪魔はだれにもさせません」

 

「だったら体内電気!!」

 

鬼太郎は体内電気で自ら光出し闇を打ち払おうとしたが

 

「光あるところ、必ず影あり」

 

鬼太郎の光により出来た影を使い鬼太郎の体を覆うほどの闇を作り出した

 

「しまった!!」

 

「闇に沈めーー!!」

 

「ぐわっ・・・」

鬼太郎は闇に呑み込まれてしまいそのまま暗闇に沈んでいった

 

「これで邪魔をする輩はいなくなった・・・」

 

だがその時、夜道怪の足元が光出した

 

「――これは――」

 

夜道怪の足元は闇が展開されており、光などできるはずが無かった。しかし眩い光が夜道怪を包み込む

 

「体が痺れる!なんだこの光は!!体に巻き付いてくる――」

 

そして鬼太郎が闇から勢いよく浮上してきた。そしてその勢いで飛び上がり闇が届かない場所へ着地した

 

「どうだ!夜道怪!!僕の髪と霊毛ちゃんちゃんこの威力は!!」

 

眩しさで分からなかったが夜道怪を絞めつけていたのは鬼太郎が伸ばした髪と霊毛ちゃんちゃんこだった。それらに体内電気を流す事で輝かせ、地上へ伸ばすことで闇から脱出できたのだった

 

「これしきの事で・・・あっしは諦めませんよ!!坊ちゃんに恩返しを!!」

 

万事休すの状況でも諦めない夜道怪だったが1人の男によってそれは変わった

「もういいよ!!夜道怪。僕なんかの為に死なないでくれ!!」

 

「坊ちゃん。」

 

「君が浪谷快我君だね。」

「そうです。僕が悪いんです。イジメられたのが悔しくて夜道怪に仕返しを頼んだんです」

「いいや、坊ちゃんは何も悪くはありません!悪いのは全部あいつらが」

「だからいいんです。もう・・・鬼太郎さん今回の件で悪いのは僕です。すみませんでした」

 

「・・・・分かった。君が謝罪するのなら見逃してあげるよ。夜道怪。攫った子供たちを返してくれ」

鬼太郎の髪とちゃんちゃんこに絞められた夜道怪かそのまま残念そうに頷いた

 

 

「分かりやした。」

 

 

その後闇に呑み込まれ誘拐されたイジメっ子達は解放され帰っていった

浪谷快我は学校で謝罪しようとしたが彼らは怖がり、二度と近寄らなかったそうだ

 

 

なんだ、結局和解したのか。浪谷快我・・・不思議な男だ。奴はなぜ、夜道怪の場所が分かったんだろうか…

結局猫娘さんとは戦いはせず足止めしかしなかったな・・・佐紀美を連れてこなくてもよかったな

後で詫びを入れたが佐紀美は

「気にしてない。鏡影と戦えてうれしかった。」

と言っていた。戦ってないんだけど

 

悪意のない妖怪なら兄さんは手を出さないと思っていたのだが・・・兄さんの線引きはどうやら細かいようだ。

さて、次は今回とは真逆な凶悪な妖怪をぶつけるか

 

 

そう思い俺は歩き出す。人間と妖怪の両方を守りたいという兄さんを試す為に

 

共存なんて実現する訳がない。

 

 

 

 

 

 

 




辻に現る妖怪。神と名乗る魔物を封じることは出来るのか?
今度ばかりは兄さんでも苦戦を強いるだろう・・・
まあ、俺は遠くで観戦するだけだがな



次回鏡影鬼太郎『道辻の邪神』



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