鏡影鬼太郎   作:殺六縁起

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ある日、とある古い倉に泥棒が入った
犯人は小汚い服装をしたねずみのような男・・そうねずみ男
倉にある骨とう品などの値打ちものを盗み金儲けをしようとしていた

「ひっひひ、ついてるぜ!この倉は誰も使わないからな。この中に埋まっているお宝ちゃんを質屋にでも売ってガッポリ金儲けだぜ」
「しかしあるのは古い書物や何に使うか分からない小物ばかりだな・・・」
勝手に入って図々しいがねずみ男は倉にしまってあった金になりそうな書物や置物をあさり風呂敷に包むとすぐ様とんずらしてしまった

ねずみ男は走り去る時とある男とすれ違った

「?なんだあのねずみ妖怪は?妖力も弱い・・半妖と言ったところか・・・・ほっとこう。」

彼の名は安倍刻堂。妖怪退治を専門とする陰陽師だ
刻堂は先祖代々受け継がれている妖怪を封印した札や書物などを閉まっている倉の点検に向かっていた。今まで使われていなかったのは定期点検の日程があまりにも開いていたからだった。点検は二十年に一回。そんなにも日が開いていたら埃まみれになるだろうが・・

最初の出来事を知ってるならお分かりだろうが、この安倍刻堂が向かう倉には現在点検するべき札やら巻物は無い
なぜならねずみ男がすべて盗んだからだ
「無い!妖怪を封じていた札や巻物が無い!!」

刻堂は急いでさっきすれ違ったねずみ男を追いかけた








陰陽師編
妖怪退治の専門家


 

倉から盗んだものを運んでいる最中、ねずみ男はとある人物に遭遇した

見た目は和服と忍装束を組み合わせたような妙な格好で顔には『不人』と縦書きで書かれた仮面をつけており、なんとも不気味な男がいた

 

「な、なんだよテメエ。」

「お前が持っているものをよこせ」

「なんだって?そんな要求飲むわけないだろ!」

「そうか・・なら百万円やろう。これならどうだ?」

「そんなもので渡すわけないだろ・・・・百万?」

「百万だ。」

「本当に?持ってるの?」

「もちろんだ」

 

そういうとその男は懐から札束を取り出しねずみ男に見せつけた

「ほ・・本当に札束だ!百万だ!」

ねずみ男は目を『\\』にしながら札束を凝視した。すぐさま奪い一枚一枚確認していった

 

「間違いない。全部本物だ!!まいど!」

そういうとねずみ男は風呂敷に包んでいたものを全て渡した。仮面をつけた男はそれを受け取ると何も言わず去っていった

 

「不愛想だが気前のいい奴だったぜ。さあてこの金で何を買おうかな!」

 

ねずみ男は儲けた金で何をしようかと考えた時、ふと背後からパチパチと音がしてきた。不思議に思ったねずみ男は後ろを見るとさっきまで百万円の価値があった札や巻物やらが燃やされていた

 

「ちょちょ、何してんのあんた!!」

「なんのことだ。私はただ燃やしてるだけだ」

「あんたが百万使ってまで欲しかったものだろ?なんで燃やしてんの?」

「私はこれらを燃やしたくてお前から買ったんだ。私は対価を払い、お前は品を売った。これらをどう使おうが私の勝手だ。それともお前は売ったもの使い方をいちいち買い手に言うのか?ねずみ男?」

「い、言わねえけど。あれ?なんで俺の名前を知ってんの?」

「ゲゲゲの鬼太郎の自称親友だろ?妖怪と人間のハーフ。金儲けが好きでいつも悪だくみばかりする」

「え?なんだお前・・・」

「今日の目的は果たした私は去る。」

 

そう言うと仮面の男は忽然と消えた

 

「なんだったんだ?」

その時、ねずみ男めがけて鬼の形相で走ってくる男がいた陰陽師・安倍刻堂だ

 

「見つけたぞ!!半妖が!!」

「え!?誰!?」

「倉から盗んだやつ返せ!!!」

「なんなんだよ今日は!!!」

 

突如追いかけてきた男にねずみ男は一目散に逃げだした

 

「!?全部燃やされてる!?あの野郎!妖怪ぶるぶるを復活させやがった!!」

 

 

 

 

その頃ゲゲゲの鬼太郎は別件で近くを通りがかっていた

 

「どうじゃ?鬼太郎?」

「父さん、やはりこの付近で妖怪が活発に動き出してますね」

「また鏡影鬼太郎が妖怪たちを復活させてるのかもしれんな・・・」

 

『あなたに決めた』

 

「?父さん何か言いました?」

「?鏡影鬼太郎が復活させているかもしれんなと言ったが?」

「そうではなく、決めたとか・・」

 

鬼太郎と目玉親父が話していると遠くから声がした

「おおーーい、鬼太郎助けてくれ!!」

 

「ねずみ男?また悪さをしたのか?」

 

鬼太郎がねずみ男の方を見るとそこにはねずみ男を追いかける謎の男

 

「待てこら!半妖野郎!!人のもの盗んだあげく燃やすとはどういう了見だ!!」

「燃やしたのは俺じゃねえ!不人って仮面をつけたやつだ!!」

「!?またあいつか!てことはあいつの仲間か!!なおさら待てや!」

 

「リモコン下駄!」

追いかける刻堂、追いかけられるねずみ男2人を見ていた鬼太郎はとりあえずねずみ男めがけて下駄を飛ばした

 

「げぼ!なんで俺?」

「お前があの人のものを盗んだんだろ?早く謝れ」

 

下駄を食らい倒れたねずみ男を見てようやく走るのを止めた男は鬼太郎に礼を言った

 

「いやあ、どうもありがとう。実はこいつ俺の家系が代々使う倉からものを盗んだんですよ。ってあれ?ちゃんちゃんこを羽織って下駄を履いている子供・・・・まさかお前、ゲゲゲの鬼太郎か?」

 

「?僕のことを知ってるのか?」

「ああ・・・知っている幽霊族の末裔だろ?」

「!?お前は一体・・・」

「俺は安倍刻堂・・・陰陽師だ。」

「陰陽師!?」

「せっかくだ。ゲゲゲの鬼太郎。お前を除霊してやるよ」

「何を・・・」

 

その時、鬼太郎に悪寒が走った。体中が震えだし、急に力が出なくなった

 

「なんだ・・体が寒い・・・」

「鬼太郎!どうしたんじゃ  ひゃあ!!」

 

鬼太郎は急に倒れてしまい、目玉親父もその反動で髪から落ちてしまった

 

「お・・おい鬼太郎?」

鬼太郎が急に倒れてしまい心配するねずみ男

 

「始まったか・・・心配するなゲゲゲの鬼太郎。すぐ楽になる」

 

「やめ・・ろ・・」

 

刻堂は札を鬼太郎の周囲に巻き円を描くように散らばらせると呪文を唱え始める

 

「なんじ、妖に告ぐ・・彼に憑りつきし魔のものよ!即刻立ち去れ!!悪霊退散!!」

 

「ぐわあああ!!!」

 

突如鬼太郎は苦しみだしもがき苦しみだした

 

「やめるんじゃあ!!」

「黙ってみてな親父さん。もうすぐ終わるから」

 

「うわあああ!!!」

『ぐおおおおあああ! おのれ陰陽師!数百年たってもなお我にはむかうか!!』

 

すると突然鬼太郎のうめき声と同時に謎の声がした

 

「誰だ!?」

「あれが鬼太郎に憑りついていた妖怪・ぶるぶるだ

 

『ぶるぶる』

 

「?何言ってんだ?なんもいねーぞ?」

 

鬼太郎には見えているのだが、目玉親父やねずみ男には見えないようだった

 

「ぶるぶるは憑りつかれた奴にしか見えない。もちろん俺にも見えない・・だから鬼太郎。後はお前がやれ!」

 

 

「礼を言うよ。陰陽師!」

鬼太郎は上空に逃げるぶるぶるに向けて両手をピストルのように構えた

 

「指鉄砲!」

 

鬼太郎の指から放たれた霊気の塊はぶるぶるを貫通し消滅させた

 

 

「まあ、これくらいはしないとな。日頃の感謝を込めて」

「日頃の感謝?」

「だってそうだろ?今まで俺の仕事をしてくれたんだから。まあ、陰陽師ってのは今や副業みたいなものだけど」

 

陰陽師の主な仕事は妖怪退治。だがその仕事はゲゲゲの鬼太郎が無償でしてきた

しかし、一度依頼された陰陽師はちゃんと依頼料を受け取っているため楽に稼げているらしい

 

「まあそういうことだ。俺はとある妖怪を追っているんだ。」

「ある妖怪?」

「ああ、そいつの名は『不人(ひとならず)』模様が変わる仮面をつけた和服だか忍装束だか良く分からない服装をした妖怪だ」

「え?そいつって・・・」

「ああ、お前が言っていた仮面の男だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖怪ぶるぶるが退治された様子をはるか遠くから見ている謎の男

 

不人と書かれた仮面をした男は呟いた

 

「妖怪・ぶるぶる・・残念ながら物語には記せない程の怪異だったか・・」

 

不人と書かれた仮面は突如ぎょろりと目を開いた

 

その目は不人と線がつながっている縦線が開く事で現れた

 

妖怪不人

 

正式名称:一物語不人(いちものがたり・ひとならず)

 




山に現る巨大な化け物
俺と兄さんそして陰陽師
互いの戦いが始まる・・


次回鏡影鬼太郎『三上山の怪物』



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