鏡影鬼太郎   作:殺六縁起

7 / 11
三上山・・・それはかつて凶悪な妖怪が封印された場所
そこへ1人の妖怪がやってきた
片眼が隠れるほどの灰色の髪に、ちゃんちゃんこの下に黒い学生服を着た男・鏡影鬼太郎だった

「随分と山奥にあるな・・・大妖怪を封印する要石。これを壊せば復活する訳だ」

そういうと鏡影鬼太郎は右腕にちゃんちゃんこを覆い要石を破壊した
要石が破壊された瞬間地面が揺れだし、巨大な妖怪が現れた

「さあ甦れ・・大百足」
「ギャアアアアアアアス!!!!」

『大百足』

大妖怪・大百足ここに復活!




三上山の怪物

数日後ゲゲゲハウスの妖怪ポストに手紙が届いていた

宛先は安倍刻堂だった

 

「あの陰陽師から手紙じゃと?」

「父さんどうやら妖怪退治の依頼ですね。場所は・・・三上山。」

「三上山・・・そこはたしか大妖怪・大百足が封印されていたはず。鬼太郎!急ぐぞ」

「はい父さん!」

 

鬼太郎と目玉親父は早速一反木綿に乗り三上山に向かった

 

 

 

 

 

三上山の麓に鬼太郎と目玉親父と一反木綿は陰陽師・阿部刻堂は待ち合わせし現在の状況を話し合った

 

「本来この仕事は陰陽師の仕事だが、大百足は強敵だ。俺1人じゃあめんどくさいんで鬼太郎。お前が行け!俺はここでゆっくり休んでるから」

「なんで他人任せ!?」

「だってめんどくさいから。だいたい何百年も生きてるやつにたった数十年生きた人間が勝てるわけないだろ。」

「・・・まなとは大違いだな」

「誰だ。まなって・・・」

 

 

話合いの結果、鬼太郎と一反木綿は大百足を対峙しに行き、刻堂は遠くから援護することになったが・・・・鬼太郎は薄々気づいていた

 

彼が妖怪退治に参加する気が無いことに

 

 

(さあて・・・目撃情報が正しければ大百足を復活させたのは・・・鬼太郎・・・お前のはず。なのになんで積極的に倒そうとする?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方そのころ大百足は山を降り人里を襲いに行っていた

 

 

「ギャアアアオオ!!」

 

「見つけた!!」

 

一反木綿に乗り上空から大百足を発見した鬼太郎は早速攻撃を開始した

 

「髪の毛針!!」

 

髪の毛針を放ったが大百足の装甲には傷1つつかず、逆に山を八巻きするほどの体を地中から出現させ鬼太郎に襲い掛かる

一反木綿は何とか躱すが、大百足は前方に顔を移動させ大口を開け食べようとした

 

「霊毛ちゃんちゃんこ!」

 

霊毛ちゃんちゃんこで大百足の口を封じ何とか回避した

 

「体内電気!」

鬼太郎は大百足に体内電気を浴びせた。大百足は電気なら通るらしく体をうねらせ苦しんだ

 

「ギャオオアアア!!」

 

 

「効いておるばい!!」

「よし、このまま・・・」

 

「させないよ!兄さん!!」

 

後一息の所で鬼太郎達に無数の髪の毛針が襲った

 

霊毛ちゃんちゃんこは大百足の口を塞いでいるので使えずもろに喰らってしまった

「ぐわあああ!!!」

 

 

そのまま森の中へ落下してしまった

ちゃんちゃんこも大百足の力には耐え切れずほどかれてしまい大百足の体の後ろ端の触手に捕まってしまった

 

木々がクッションになり大怪我はしなかったがすぐさま立ち上がり撃ち落とした奴を睨んだ

「鏡影鬼太郎!大百足を復活させたのはお前か!!」

「兄さん・・・ははは!ついでだ。まとめて倒してやる」

 

 

 

 

一方遠くからその様子を見ていた刻堂は状況を理解した

 

「ちゃんちゃんこを羽織った学生服の恰好をした男・・・なるほどあいつが封印を解いたのか結構似てるな。背以外は」

 

刻堂は式神に乗り、飛んで行った

 

 

鏡影鬼太郎は大百足の頭に飛び移り鬼太郎を見下げた

 

「大百足を使って人間を襲う気だったが・・・気が変わった。殺す!いけ大百足!!」

「ギャアアアアス!!!」

 

鏡影鬼太郎の命令で鬼太郎に襲い掛かる大百足。鬼太郎は指鉄砲を放とうと構えるが間に合いそうにない

 

「指鉄砲・・・」

(間に合え・・・)

 

大百足は鬼太郎が立っていた地面ごと食った

 

 

「よう。大丈夫か?鬼太郎。」

 

 

大百足の猛威に目を瞑った鬼太郎だったが自分を呼ぶ声にゆっくりと目を開けた

 

そこには自分を片手で抱え込む刻堂の姿があった

 

「お前は・・・」

 

鬼太郎は大百足に食われる直前、式神に乗った飛行する刻堂によって間一髪助かったのだった

 

空で鬼太郎を抱え込む人間に鏡影鬼太郎は不快感を抱きながら問いかけた

「あれは・・・陰陽師?誰だお前は!?」

 

「安倍刻堂だ。偽物野郎!!」

「安倍・・・?安倍晴明の末裔か」

「へえ初代を知っているのか?」

「最強陰陽師の名前くらい知ってるさ・・最もお前にそこまでの力があるとは思えんがな。やれ大百足」

 

命令された大百足は後ろ端の触手を出現させ襲い掛かった

 

「来たぞ!!鬼太郎!お前は大百足をやれ。俺はあの偽物をやる」

「分かった!一反木綿!!」

「ほいきた」

 

叩き落されていた一反木綿は体制を立て直し鬼太郎を向かいに行った

刻堂は鬼太郎を一反木綿に投げ飛ばし鏡影鬼太郎を追った

 

 

「陰陽師・・・妖怪の天敵!ここで倒しておくか!!」

 

そう言うと刻堂を森の中に誘い込んだ

 

これにより鬼太郎vs大百足  安倍刻堂vs鏡影鬼太郎 との戦いが始まった

 

 

鬼太郎vs大百足

 

一反木綿に乗った鬼太郎が上空を飛行し大百足の攻撃を躱していった

だが大百足に髪の毛針も通じない程の装甲を持つ大百足にはリモコン下駄の攻撃もあまり効かないだろう・・しかし目ならばどうだ

 

「リモコン下駄!!」

 

リモコン下駄を飛ばし大百足の目を狙った

目ならば攻撃が通るらしく苦しみだした

 

「ギャアアグオオオガ!!」

「霊毛ちゃんちゃんこ!」

 

鬼太郎はちゃんちゃんこを右手に巻き大百足の顔面を殴った

 

大百足は顔を殴られ地面に叩きつけられた。しかしすぐさま地面に潜り込み姿を消してしまう

 

「どこ行った?」

「鬼太郎!妖気を探るんじゃ!」

 

鬼太郎は妖怪アンテナを立て大百足を追いかけた

 

 

地面を空から見下ろしながら追いかけていく、大百足が地面を移動していくと地面は盛り上がり凄い振動が起こるので簡単にその場所が分かった

 

「どこに向かっているんだ?」

 

大百足を追いかける鬼太郎だったが視界がなぜか暗くなったのに気づいた

ふと背後を見るとそこには大百足の顔があった

 

「な!?」

「ギャアアアアアアス!!!」

 

鬼太郎が追っていた地面の中から大百足の後ろ端の触手が出てきた

鬼太郎が追っていたのは大百足だったが大百足の頭じゃなく体の端だった

 

 

「しまった。罠か!?」

 

鬼太郎は咄嗟の出来事に対処できずに一反木綿ごと食べられてしまった

 

「グワアアアアアオオオオオオ!!」

 

勝ち誇り大百足は地面に潜っていった。大百足は地中で大地震を起こし喚起を現しているのか動き回っていた

 

 

やがて地面から顔を出し大百足は奇声を発し棒立ちになった

なんだか様子がおかしい

 

大百足の体からは電流を発し体が硬直していた

すると大百足の頭にひびが入り装甲を破壊し何かが飛び出してきた

 

それは右手にちゃんちゃんこをつけ拳を前に突き出す一反木綿に乗った鬼太郎だった

 

「もおー口の中で死にかけたばい!」

 

「ようやく動きが止まったぞ!今じゃ鬼太郎!!」

 

そう言われ、鬼太郎は大百足の真上に飛び指鉄砲を放った

 

「指鉄砲!!!」

 

大百足の装甲も鬼太郎に砕かれた場所を攻撃されたらひとたまりもない

 

指鉄砲は大百足を貫通し止めをさした。体を貫通し行動不能になった大百足はそのまま消滅した

 

「鬼太郎!やったばい!!」

「あっちはどうなった?」

 

 

 

安倍刻堂vs鏡影鬼太郎

 

刻堂は森の中を走り鏡影鬼太郎を追いかけていく

刻堂は森の中を走っていく時に違和感を覚えた。森の中に何故か鏡があちらこちらに転がっていた

 

「鏡・・・?なんでこんなところに・・・」

 

「鏡は虚像・・万物を左右非対称に映す。」

 

今、目の前で追いかけているはずの鏡影鬼太郎の声がした。

しかも辺りにある鏡からまるで反響しているように

 

 

「左右非対称・・そういえば鬼太郎と前髪の位置が逆だ。そうかお前は鏡の妖怪か」

「だったらどうする」

「いや、別に倒すことには変わらない」

 

そういうと札を取り出し錫杖に変化させ鏡影鬼太郎に攻撃した

 

目の前を走っていった鏡影鬼太郎の姿が一瞬、鏡のように色を変化させその中からちゃんちゃんこを棒に変えた鏡影鬼太郎が現れた

方向転換することなく彼は後ろの刻堂に攻撃を仕掛けたのだった

 

 

両者、互いの武器をぶつけあいにらみ合った

 

「人間の中でもお前ら陰陽師は邪魔なんだよ」

「妖怪を復活させて何をする気だ!?」

「人間共を滅ぼすそれが俺の目的だ!単純明快だろ?」

「鬼太郎とは真逆だな」

「兄さんとは分かり合えないがな!」

 

互いの武器で攻撃しあい、両者共ほぼ互角の戦いを繰り広げた

 

(なんだこの妖怪・・俺の知らない妖怪だ。最近見たことも聞いたこともない妖怪が出てきやがって!)

 

攻防の中、一瞬の隙をつき札を取り出した

 

「閃光」

「!?」

 

札から眩しい光が放たれ鏡影鬼太郎の動きが鈍った

その隙に鏡影鬼太郎の周りに札をまき散らした

 

「封!!」

 

札から霊力でできた鎖が出現し鏡影鬼太郎を縛りあげた

 

「ほおーやるな。」

「これで終わりだな」

「今回は負けてやるよ。陰陽師・・・安倍刻堂だったな」

 

そう言うと鏡影鬼太郎の体に無数のヒビが入り鏡に変わった

 

「なに!?」

「次は生身で会おう」

 

鏡の中にだけ現れた鏡影鬼太郎はそう言う鏡が割れたと同時に姿を消した

 

「偽物・・・か」

 

鏡影鬼太郎は実は大百足の封印を解いた以降は偽物だった

鏡分身だった

 

舐められたと思った刻堂は怒り狂い辺りにある鏡を全て割った

 

 

 

 

 

今回は負けてしまった鏡影鬼太郎は道をとぼとぼ歩いていた

 

「またお兄さんに負けたのか?」

 

鏡影鬼太郎に声を掛ける人間がいた

以前夜道怪の事件の主犯格になった狼谷快我だった

 

「なんだ?まず飯。」

「まず飯じゃない。狼谷快我だ。」

「じゃあ快我。なに用だ?」

「からかいに来た」

「髪の毛針」

3本の毛を飛ばした

「うわっ!」

ぎりぎりで躱した。躱しやがった。

「よく躱したな。次は下駄で蹴り殺してやる」

「じゃあ蹴りが当たらないくらいの距離に逃げるだけだ」

 

リモコン下駄を飛ばしてやった

 

快我は吹っ飛んだ。やったぜ

 

 




俺と佐紀美の前に現れた謎の妖怪
強力な鬼を従え俺らに襲い掛かる
佐紀美との協力バトルが繰り広げられる



次回鏡影鬼太郎 強襲!大妖怪



新たな世界の扉が開く



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。