切札持った僕のヒーローアカデミア   作:ソナ刹那

5 / 8
タイトル通り、物語がある程度進んで時間が経った時点から思い返す形としての閑話です。
ヒロアカ4期ですね…オーバーホールたちとのエピソードは熱い、好きですね。
仮面ライダーコラボって事で久しぶりにバトルスピリッツをやったんですけど、昔やってたものって今やってみると面白かったりしますよね。
ってなわけで本編です。




Yたちの閑話/爆豪勝己の回想

 

 

 

 

 

 気に入らないことがあった。

 

 基本的に俺はなんでも上手いことやれた。恵まれた「個性」に恵まれた才能、選ばれた人間なんてそんなことを思った。実際俺こそがナンバーワンヒーローになるんだと信じて疑わなかった。確固たる自信だった。

 

 オールマイト。誰もが知るナンバーワンヒーロー。常に笑顔で誰かを助けヴィランを倒す。

 

 

「私が来た」

 

 

 その短いワンフレーズだけでこうも人を安心させられるのか。絶対的な信頼感。その存在を見ただけでみんなも笑顔になる。きっとそれは強さだけじゃない、その在り方そのものがヒーローなんだ。……今なら思う。

 

 他にも憧れたヒーローがいた。

 

「仮面ライダー」

 

 いつしかそう呼ばれたヒーロー。いつからか現れた異形系と世間一般にはなっているが、その実は全く違う未知の怪物。厄介なのは個性では倒しきれないということ。ダメージは与えられる。けれどどうにも決められない。それはまるで不死身、ゾンビのようだった。あのオールマイトでさえも手を焼いていた。一時的に戦闘不能にすることはできる。しかしその正体を暴くほどの決定打にはならなかった。

 

 そんな中現れた翠の鎧と仮面を纏った戦士がバイクに乗って颯爽と現れた。誰も知らないその姿。その謎の戦士はその怪物をものともせず倒した。倒したそのあと怪物が人間になったのはその場にいた人々を驚かせた。その後ガイアメモリというのを利用して生まれたドーパントという怪物だということが、その謎の戦士を通して警察やヒーローなどの一部の関係者のみに伝えられた。世間一般的にはあくまで異形系個性による犯行だと伝えられた。……実際不自然なところが多々ありいずれその虚偽も通じなくなっていくのではあるが。

 

 君は誰だ? 誰かが謎の戦士に尋ねた。

 

 

「僕かい? そうだね……仮面ライダー、そう呼んでくれたまえ」

 

 

 そして数日後には協会側から「仮面ライダー」として正式なヒーローとして認定されることになる。しかしその仮面の内側は世間の誰にも分からない。謎の戦士。その人気は瞬く間に上がっていった。

 

 常に笑顔でどんな事件も解決するオールマイト、そんな彼でさえ解決出来ない事件を唯一解決する謎の戦士仮面ライダー。世の子供たちの二大トップだった。そういう俺も大好きだった。憧れていた。強く、強く、ああなりたいと焦がれた。

 

 そんな俺と同じように強くその二人を好いていた奴がいた。緑谷出久、無個性の俺の幼馴染。小さい頃から一緒にいる一人じゃなにも出来ない弱っちいやつ。俺について回る家来のようなやつ。俺に負けず劣らずヒーローに憧れた馬鹿なやつ。

 

 俺はそいつを特になにも思わなかった。自分とは次元が違うところにいる格下の存在だと思ってた。けれどいつからだろうか。あいつの目がただ縋っていたような目からそこに強い闘争心のようなものが混じったものになった。身体つきも変わった。すぐに壊れてしまうようなひ弱なちびっころだったはずなのに、体格が良くなっていき偶に見える肌はゴツゴツと筋肉がついていた。

 

 いつものように胸ぐらを掴んで文句を言おうとすれば、引っ張れるはずのあいつの身体がビクともしない。怯えたような顔は変わらないのに妙に堂々としていた。

気味が悪かった。俺の知らない幼馴染がいた。一方的な俺とあいつの優劣の関係性はあやふやになっていた。あいつのなにが変わったのか。分からないままなのが気味が悪かった。

 

 気に入らなかったのは、あいつが俺と同じ雄英を受験することだ。しかもヒーロー科。それを担任のセンコウから聞いたとき、どうしようもないほどの激情が溢れた。グツグツとマグマが湧き出るような激情だった。

 

 

「なんでテメェが受けようとしてんだクソナード!!無個性のくせによおっ!!」

「……それでも、なりたいんだよ」

 

 

 そう言って俺を見る目はやっぱり俺の知る目じゃなかった。怯え狼狽えるだけの弱虫じゃない。確かにこいつはヒーローになると、それを願った強い感情でこちらを見つめていた。穿つような視線だった。圧倒されそうだった。んでもってやっぱり気に入らなかった。

 

 そのあとクソヴィランに捕まったところをデクに助けられてしまった。よりによってあいつに。悔しいとかそんなじゃなかった。もちろんそんな感じの感情はあった。けどそれよりも大きな衝撃があった。

 

 あの動きはなんだ?

 

 いくら身体鍛えてるって言ってもたかが無個性のガキがあんな動きをいきなりできるものか?スピード系の個性じゃないにしてもヒーローと比べたら遅い。けれど、個性を使わず生み出せる速度じゃない。発現したっていうのか? あの年で? ありえない。けれど無個性って方がありえないとすら思ってしまう。聞きはしなかった。あいつになんで聞かなきゃならねぇんだ俺が。

 

 

 

 

 それ以外のことは特に変わらなかった。しいて言えばあの仮面ライダーが黒や紫に変わったという噂があったことくらいだ。緑の仮面ライダーが変わらず現れていたこともあり、いまいち信憑性は薄かったが。

 

 そうして時は流れ、雄英高校ヒーロー科の受験の時がやってきた。

 

 

 




リアルでも創作の勉強だったりしてるんですが、そっちの方が今現在忙しいので投稿感覚空きます。ご了承ください。
気楽に感想等いただけると嬉しいです。
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