(仮)強い漢になりたい   作:トーマ@社畜

3 / 18
ハンター試験/中編

飛行船は、3次試験会場のトリックタワーに到着した。

制限時間72時間。

 

先手必勝だ!ゴンたちに誘われたリュンヌが多数決の道を行くのは回避したい。男の娘とはいっても、天使のようなリュンヌが密室にむさ苦しい狼といれば、どんな間違いが起きるか…To L●VEる展開、ダメ。ゼッタイ。

 

有無を言わさずリュンヌの腕を掴み、ゴン達から離れる。

 

「?…ソーちゃん?」

不思議そうに見つめる顔可愛過ぎ…じゃなくて、

「……塔の中、暗い、タスケテ」

己の棒読み具合に辟易する、対してリュンヌは「あ。そうだよね。気付けなくてごめんね、一緒にいこう!」と言ってくれた。なにこの天使。

 

そう、俺の念能力は暗い所ではあまり役に立たない。

 

念能力

【全ては光から生ず/バース・ライト】

・変化系能力

オーラを光に変化させる。また光を集結させ、熱に転化できる。

<制約>

能力使用前に一定量の太陽光、もしくは人工光を浴びなければならない。

 

【虚な光/イリュージョン】

・変化系+具現化系能力

光で対象の視覚情報を捻じ曲げ、虚像を作り出す。

<制約>

対象との距離は半径30メートル以内。

 

能力的には操作系が理想だったけど、変化系だったのだからしょうがない。

光に関してはインスピだ。断じてライトセー●ーに引っ張られたワケじゃない!剣術も齧ってるし。呼ぶなら…レーザーブレードって言え!

ちなみにヒソカやキルアの攻撃が当たらなかったのは【虚な光/イリュージョン】、キルアの肩を熱したのが【全ては光から生ず/バース・ライト】だ。

 

ぶっちゃけ、念なしでもこの塔はクリアできるだろうが、そうするとゴン達と一緒に行かない理由がない。念が使えなくて心細いアピールで情に訴える作戦だけど、何か???

 

「んと、…この塔、石で出来てるし『ノーム』さんに頼もうかな」

そう言いながら、リュンヌが自身の能力を発動する。

 

念能力

【四大精霊のお手伝い/レンタル・エレメンタル】

・特質系能力

四大精霊を召還・もしくは己に憑依させその能力を使用できる。

憑依状態では精霊の属性によって瞳の色が変化する。精霊は同時に2体までしか召還・憑依できない。また、相反する元素も同時に召還・憑依できない。

<制約>

召還時:精霊が自身から遠くへ行く程オーラが減少する。憑依時:憑依の影響で自我が薄くなり、精霊の個性が前面に出る。

 

ふぅ…能力まで可愛いかよ。俺と比べてチートすぎるのには目を瞑る。(そもそも特質系が割とチートだろ?)

 

「そう、この塔の下に行きたいの」

四大精霊とやらは、他者…俺には視認できない。『精霊を信じるタイプの人間には見えるby四大精霊』らしいが。

リュンヌとノームとの会話が終わったのか、瞬きをしたリュンヌの瞳は宇宙のような暗色から、グリーンに変わる。リュンヌに憑依したノームは開口一番、

 

「んじゃ、いくかのぉ」

 

と宣った。その見た目で、その口調ヤメロっていつも言ってんだろうがジジイ…!

俺の怒りに気付いたのか、ノームは「ヒッ…」と声をあげ、さっさと手伝いを済ませようと俺の手をとり、俺共々塔の中へとダイブした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

忘れてた。

試験終了ギリギリまで塔の上にいれば良かった。そうしてたらなぁ…

 

『44番ヒソカ、3次試験通過第三号!!所用時間6時間17分』

「…先客は君たちか♦ボク、1番乗りだと思ったんだけど♠一体どんな道だったんだい?」

 

ヒソカと接触することもなかったんだ…!

 

「道なき道だよ!!!答えたからもう話かけんなよ!!!!!」

噓は言ってない。簡単に言うと、地属性のノームの力で塔の中を落下してきただけだ。固い壁をすり抜けて。

「ん〜…?嫌われちゃったのかな♥ボク」

「ソーちゃんは、追われるよりも追うほうが好きなんですよ」

「なるほど♠」

そこ!!!優しくお返事なんてしなくていいんだよッ!!!!?

 

 

 

3次試験は最悪だった…なんで俺のい…弟はヒソカと普通にトランプで遊べるの?コミュ力お化け怖い。さよならトリックタワー、こんにちはゼビル島!

 

…なんて思って気を抜いた罰か。

 

お、俺のターゲットが270番…リュンヌなんですけど……?ハァ…、原作より3次試験の通過者も多いようだし、始まったらさっさとモブを3人狩って、リュンヌと合流しよう。そうと決まれば…

 

「…て、わけで俺はリュンヌのプレートは狙わない」と、告げると何故かリュンヌの表情が曇る。不思議に思っていると、リュンヌが引いたのであろうカードを取り出す。そこには269番…俺の番号が記されていた。

 

 

 

 

 

<リュンヌ視点>

お互いが狩る・狩られる者だと分かると、ソーちゃんは顔を青くし「…クソが」を連呼しながらブツブツ何やら呟いている。う〜ん…考えてる。別に考えるまでもないのに。

 

 

 

『滞在期限はちょうど1週間…』ゼビル島までの乗船スタッフが、4次試験のルールを説明する。私は耳を傾けつつも、下船間際、ソーちゃんから聞いた原作における4次試験通過者の名前を記憶しようと脳内で反芻する。他の試験と違って、ハントとなると私たち異分子の介入で試験結果が大きく変わりそうだったから。

 

『それでは1番の方スタート!!』

カードを引く際にも浴びた視線を受け流し、森へと歩き出す。森の中に入って500メートルほどの地点で2分後に来るソーちゃんを待つ。一端、ここで待ち合わせてから森の奥へ進む計画。

なのだけれど、

 

「…おいでシルフ」

 

【四大精霊のお手伝い/レンタル・エレメンタル】を発動し風の精霊、シルフを召還する。

《はいは〜い!シルだよ〜〜〜!今日はどんなお願い?》

黄金に輝く綺麗な羽を揺らしながらシルフが現れた。見た目は、元気いっぱいの幼女といっていい。だから、非常にお願いしにくい…。

 

 

 

 

 

<ソレイユ視点>

リュンヌと話し、結果二人で協力して6人狩ることにした。お互いに互いのプレートを押し付ける様は、他の受験者から憐れみの目で見られたことは言うまでもない。

 

そして、スタートの合図でリュンヌが一足先に森へと入る。2分後、待ち合わせ地点へ向かう俺の脳内にはリュンヌに付いている試験官のことでいっぱいだ。リュンヌをエロイ目で見たら許さん…っと、待ち合わせはこの辺りだよな?

 

「リュンヌ?」

声を掛けるが返事がない。おかしい…

 

「…?リュ、……あ…!?」

もう一度声を掛けようとした俺の口は言葉を紡がず、変わりに出てきたのは胃からこみ上げてきたゲロだった。

「ぐ……アッ…ゲホォ……!」

 

これは、念による攻…撃…………!

 

 

 

 

 

<リュンヌ視点>

倒れたソーちゃんの口の中に指を入れ、喉に詰まっている吐瀉物を掻き出す。

 

《リュ、リュンヌの人でなし…!攻撃対象がソレイユだなんて聞いてない!》

「言ったら協力してくれなかったでしょ?」

《…》

「アハハ、ごめんごめん」

 

シルフに頼んだのは、この…待ち合わせ地点の酸素濃度を下げることだった。よってソーちゃんは、めまいと吐き気を催し意識不明で倒れた。

 

「だって…こうでもしないとソーちゃんってば、1次試験の時みたいに無茶するだろうし」

そう。口では一緒に6人狩ると言っていたが本当は自分一人で狩る算段を立てていたのは明白で。全く、いくつになっても噓がヘタで困る。

 

大体分かっているのだろうか?

今、女なのは私ではなくソーちゃんであるということを。

金髪ショートの碧眼俺っ子とか、ストライクゾーンの人には凄く刺さるのでは…。特にどこぞのピエロ…あれ、私たち二人の性別見抜いてるでしょう……。ソーちゃんを見る目が真剣ものだったもん。(特にサラシで潰した胸を見る目が…。ソーちゃんが鈍くて良かった)

 

「…っと、ヒソカが来ないうちにここを離れよう。シルフ、何処かいい隠れ場所まで案内して」

ソーちゃんを背中に担ぎつつ、シルフに頼む。

《はぁ…了解。その後は?》

「ソーちゃんのお守りを頼む。私はウンディーネと狩りに行くね」

経験と持論、勝負は短期決戦に限る。

 

 

 

私はシルフへの宣言通り、水の精霊ことウンディーネと狩りに出た。(自分とソーちゃんのプレートは置いてきた。)

ウンディーネを自身に憑依させると、瞳はブルーに変化する。

他の精霊と違って、性格が近いせいか彼女が憑依する際は自我を保つのが楽だ。身体を半分ずつ使っている感覚。他の精霊だと、相手に7割持っていかれてしまう。

「ゴンたち原作合格組以外…水場に近付いたものから狩りましょう。」

 

水は万人の生命線かつ、こちらのフィールドだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<ソレイユ視点>

夢…

夢の中で誰かが頭を撫でてくれる。

 

優しくて温かい。

 

ん……夢?

今…ここは………そうだ!

 

「リュンヌ!!」

伸ばした手が、誰かに触れた。

 

「あ、起きた?」

「イ、ルミ…?」

「そ。リュンヌじゃなくて悪いね」

「ここは…一体…?なんで俺は」

 

頭の中がグチャグチャだ。4次試験がスタートして、リュンヌとの待ち合わせ地点まで行き…そこから記憶がない。

 

「ん。説明するから手離してくれない?寝起きなのにすっごいバカ力」

「わ、悪かったなバカ力で!」

慌てて掴んでいたイルミの腕を放す。イテテ、と腕をさすりがらイルミが語り始めた。

 

「試験中にリュンヌから連絡がきたんだ…

 

自分のプレートを集め終わったら、子守りのバイトしないかってね。

あぁ、ソレイユのこと。リュンヌは金払いがいいし、プレート集めたら期限まで寝るつもりだったから丁度いいかなって。

リュンヌの能力なの?あまりにも長く爆睡するから死んでるのかと思った。…あ、何か食べる?」

 

情報処理が追いつかない。と、言うことはなんだ…?

思っていることが顔に出ていたのか、「リュンヌの方が一枚上手ってこと」とイルミが俺を諭す。

 

う、る、せ、え!

その言葉を振り払うかのように、立ち上がった俺にイルミが声を掛ける。

「ちょっと、勝手に出て行かれると困るんだけど」

 

人目を避ける為に連れて来られたであろう、洞穴での子守りがバイト内容ってか…?

「バイトはもういい!俺はリュン『ボーーーーーーーーーーーーーー!!』

 

遠くから、船の汽笛が聞こえた。…え?

試験終了のアナウンスとか聞こえますけどご冗談を…???

い、一週間も寝てたのか!?

 

「…『試験終了後、スタート地点に連れて行く』ってとこまでがバイトだから。シャキッとしてよね」

 

………はぃ。




後編、あんまり日を空けずに投稿したいです。
仕事を早く殺すぞ…!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。