勢いでプロットのない本作…矛盾点があったら、ちょこちょこ修正してます(汗
ハンター試験も後半、4次試験のゼビル島でターゲットを狩り終わったオレは、試験終了時間まで眠ろうと、ヒソカとの会話もそぞろに穴を掘る。出来た穴に身体を入れようとしたその時、携帯が鳴った。
「出ないのかい?」
ヒソカから問われ、面倒だなと思いつつ電話に出た。
「もしもし」
『もしもし、イルミ君?…相談があるんだけれど』
電話の相手は、そう切り出した。
_1996年。
暗殺者として、親父たちに一人前と認められ仕事をこなすようになって早数年。麻薬で成り上がったマフィアの幹部を一掃する大仕事をマハ爺と終えたオレに、親父から連絡が入った。
名の知れたIT企業、その社長夫婦の子供へ出された暗殺依頼。
依頼主は、そのIT企業に押されたライバル企業の元社長で現相談役。
株主総会が行われる3日後までに暗殺は行うこと。報酬は子供2人しては破格だ。
まあ、ウチにくる仕事としては割とあるもの。
現在地とターゲットの家が近く、オレに連絡がきた。マハ爺は、別の仕事が入っているらしい。_直前のマフィアが過剰な警備網を敷いていたこともあり、子供2人を殺すという楽な仕事にあまり動かないと言われる己の口角が自然と上がる。
親父に仕事を受ける返事をし、数分後にはオレの携帯にターゲットの情報が届いた。
・標的情報
…で授かった男女の双子(12歳)ソレイユ=レッド/リュンヌ=レッド……大変可愛がられているが両親とも仕事人間で……大変優秀で学校には通わず有名教師を家庭教師につけ自宅学習……双子は潤沢とも言えるお小遣いを貰い……平日は両親と共に一食でも多く食卓を囲むために本宅で過ごすが、週末は別宅で過ごす………本宅は警備が厳重だが、この別宅へは必要最低限の執事・又はメイドしか伴わない………標的は極力傷つけ………
一通り目を通したオレは、行動を開始した。
多種多様な花が咲き誇る大きな庭園。夕日に照らされた花々は、段々と橙に染まっていく。
そこに、花に水やりをする為かじょうろを持った少女が現れた。
薄手の白いワンピースが風に揺れ、少女の漆黒の髪がなびく。一つの画角に納めればどんなものも魅了する美しい芸術作品になる。
それを_壊す。
花を注視する標的を仕留めるのは雑作もない。
視界に入れて数十秒、針を使って処分した。『標的は極力傷つけない』という、依頼主のお願いも頷ける。今は死体になった少女_リュンヌ=レッドは死しても尚美しい、死体愛好家にさぞ…いや依頼主が使うのかもしれない。
「悪趣味だよね〜?」
「あが……」
さっさと仕事を終わらせようと、執事の一人に針を刺す。双子が休日を過ごす別宅、というには広すぎる屋敷の中にある人の気配を虱潰しに回って行く気など毛頭ない。執事を操作し、残り一人の標的の元まで案内させた。到着したのは、ジャポンの道場を思わせるような広い一室。枯れ草の様な素材で出来た床には、フィールドに見立てて記されたライン。その中央に、標的の少年はいた。
短い金髪に、黒い道着。先ほどの少女と同等の整った容姿。
目を閉じた標的は、脳内で架空の敵を相手しているらしい。ゆっくりとした動作で確認する様に攻守の切り替えを繰り返している。好都合、とオレは空かさず針を投げた。
が、…針は標的を掠め後方の床に突き刺さる。
「………?」
何故?微々で垂れ流しのオーラは一般人のそれだ。それに、標的は未だ目を瞑り鍛錬を続けている。偶然は、1回まで。再度_次は針に隠をし、標的に向かって投げた。そうして投げた針は、当るでも避けられるでもなく開眼した標的の手に取られた。
標的_いや、ソレイユ=レッドは手元の針とオレを交互に見つめ、「…似てる」と呟き溜め息を吐いた。同時に、纏をして。
___念能力者。情報の何所にもなかった…と、言うことは天然、いや我流で取得したのか?
「一応聞くけど、何の用だよ?」
ソレイユからの問いには答えず、オレは先ほど刺した執事を呼び寄せ『針人間』用の針を突き刺した。
針人間と化した執事は、常人の動きを外れ攻撃にでる。しかしソレイユは、そのトリッキーな攻撃を躱し、あるいは受け流し続ける。見たことのない格闘技なのだろうが、攻撃より防御に長けた、いや主とした技のようだ。隙がない。
ならば、それを作ればいい。
「リュンヌ?…とか言ったっけ、あの娘。かわいいよね。仕事じゃなきゃ勿体なくて殺れなかったかも」
ポキッ。
針人間の首が折られた。
「…おい、今なんて言った?」
「ん?かわいいよね」
「その後だ…!」
瞬間、背後から背中への蹴りと共に怒気もらう。
速い。受け身もままならず、壁に叩きつけられた身体が地面に落ちる前に、次は懐に入られ右・左・右…と拳の連打と下からの蹴りあげを受ける。蹴りで浮いた頭を掴まれ、膝をもらった。
「かはッ………」
ダメージに堪えられず床に伏すと、頭を踏まれる。
「俺のリュンヌに、何したって?」
先ほどまでの格闘技、それのお手本の様な戦い方は、どこにいったのか。喧嘩殺法宜しく容赦のない暴力とオーラの奔流。あと数手受ければ、回復不能なダメージになることが簡単に予想できる。
だからこそ、必要最低限のダメージで済んだことに、オレは安堵する。
「俺の、リュンヌに何したって聞いて…、!?ッ、なんで!」
今更焦っても無駄。
首を折った程度で針人間は壊れない。誰しも、頭に血が上ると視界が狭くなる。
オレの誘導にまんまと引っかかったソレイユは、針人間に背後から羽交い締めに拘束されていた。
「あー、痛かった」
「…ク、ソが!」
「それはこっちの台詞だよ。小さい割にバカ力だね、肋が2本折れたよ」
愚痴を言いつつ、針を取り出す。
「発使わないからってんだろ、しゃーねーわ!まだ使いはじめたばっかだぞ、実戦で使うには慣れてねーんだよ!」喚くソレイユに狙いを定め、眉間に針を刺した。
いっちょあがり。
「反省したから、さっさと助けろ!!!」
「!?」
何で死なな…いや、これは…操作すら出来ない……?!
困惑したオレに、当のソレイユから声がかかる。
「あ〜…、お前操作系だろ?なんだっけ、操作系は早いもの順って奴?
…だから俺にも針は効かない」
その言葉に、一つの可能性が脳裏を掠める。『俺にも』と言うことは、他にも予め操作されている人物がこの場にいたということ。そして『助けろ』などという言葉は、針人間にされるような使用人レベルに向けるお願い_否、信頼ではない。なら、その人物は…
「種明かししてんじゃねーよ。つまんねー!」
オレの足下から、それは聞こえた。下を向こうとするが、首どころか指一本も動かない。いつの間にか真っ黒な何かに締め上げられているせいだ。唯一動く眼球で捉えた声の主は…殺したはずの少女だった。
「さっきはどうも♪」
影…正確にはオレから伸びた影から、いたずらっぽい笑みを浮かべた少女_リュンヌが見える。一方、影は最早コールタールのようなものに変質している、リュンヌはそこから勢い良く這い出た。
気付けば、針人間も同じ様に締め上げられソレイユの拘束を解かされている。
「あ〜あ、オネーチャンの勇姿がもっと見たかったのになあ〜」
「噓吐くな。マジでムカつく…カゲ、てめーわざと殺されたフリしやがったのか」
「アレ?成長してほし〜ってこの弟の愛、伝わんね?」
「何が愛だ。万が一そうでも屈折し過ぎだろ…」
ソレイユが女で、リュンヌが男なのか。そして、リュンヌはこれが本性…?
「俺が捕まえたんだ、コイツで遊んでもいいだろ?」
冷笑を浮かべるリュンヌの遊びなど、まともなわけがない。こんなことならマハ爺と家に帰るんだった。
オレが後悔をしていると、ソレイユがそれに答えた。
「口の拘束を解いてやれ。この刺客に確認したいことがある。遊ぶのは、質問の答えが外れた時だけだ」
「外れたら、遊んで良いってこと?じゃあ、当たったら???俺にメリットないじゃん。誰のおかげでオネーチャンは助かったのかね〜?」
「………当たったら、俺で遊んでいい」
苦悶の表情を浮かべるソレイユに対して、「ならオッケー!」と瞳を輝かせたリュンヌがオレの首から上の拘束を解いた。絶対にリュンヌの遊びの相手になりたくないオレは、質問の答えが自分の答えうるものであることを祈る。
「質問は一つ、お前のフルネームを教えろ」
まさか名前で助けられるなんてね。しかもゾルディックの名前を出したオレに対し、双子は驚きもせず淡々と交渉がしたい、と言ってくるとは。
依頼者の情報開示と、オレの身の安全と解放_その二つの交換は滞りなく行われ、その翌日、依頼主は死んだ。世間には暴かれなかったその死が、双子の手によるものだということは、言うまでもない。
___死体はコールタールの様な油分と火傷に覆われていた。しかしそれが直接の死因ではない。爪や皮膚を剥ぐことから始まり、身体の部位を止血しながら切り離す、腹を切開して鼠に喰わせる、…etc……ありとあらゆる拷問の末、依頼主は失血死で死んでいた。
多分、これが双子の言う『遊び』だ。
うちに劣らない拷問を、『遊び』という。あの双子はオレからしても異端だった。そしてそれは、親父や爺さんたちにとってもだ。ゾルディック家と直接交渉し、情報を入手してからの仕事の速さに舌を巻く。
「イルミ。あの双子…特に妹の方は敵にまわすでないぞ」
「あ、やっぱわかる?ゼノ爺」
あれ、妹じゃなくて弟だけど。
「まあの。ワシたちはビジネスでやっておるが、あの双子は己らの『敵』と判断したモンからは殺すまで離れんぞ。目を見りゃわかるわい」
「じゃ、せいぜい敵認定されないように頑張るよ」
「…何?」
「戦闘訓練の相手、頼んだ。これから双子の家に行くから、手が足りない急ぎの仕事はミルかキルにやらせてよね。」
「なんと!…ハハ、そりゃいいわぃ!」
「ダメダメダメ!リュンヌはそんな道着よりこっちのフリル満載のスポーツウェアが似合うって!!!」
「え、でもこっちの方が…そのソーちゃん……何度も言ってるけどスカートだと股間が「あー!あーーー!イルミもそう思うよな!!?!???!」
…はぁ。
「別に。ていうか、試合の続きは?」
「オイふざけんなよ。協力しろよ、それでも同じ男か…?」
「いや、ソレイユは女でしょ」
「ジーザス」
双子と付き合っていくうちに、ソレイユはとんでもないシスコン(ブラコンというとキレる)だとわかった。リュンヌの見た目に関することになると、訓練が中断することはしょっちゅうある。髪が乱れた、服が破れたと一々うるさくて仕様がない。リュンヌバカなんだと思う。
一方、リュンヌは優しくて絆されやすい。会話するのが楽だ。ただもう一人の_「カゲ」は狡猾で冷酷だ。オレはあれに負けたし、正直出て来ない方が有り難い。多分、誰にとっても。
『イルミ君…?それでソーちゃんのお守り、頼めるかな?』
_昔のこと思い出し、返事が遅くなったオレにリュンヌが問う。
「ん。大丈夫、場所は?」
『風が教えてくれる』
「了解」
全く、便利な能力だ。
そして、どこかで無力化されているソレイユの事を考えた。
あ、寝てるなら…
『寝ててもエッチなお触りは禁止!…視てるからね』
「…まだつけてるの?」
『フフフ』
全く、厄介な能力だ。
次こそはハンター試験後編投稿します…
リュンヌとカゲは人格で首としたオーラの系統が変わります。
リュンヌ:特質系
カゲ:操作系
(どちらも互いの念能力が使用可。制約は人格によって変わります。力量差とでも思って下さい)
文章力と語彙力が欲しい。
あと評価が全然お手柔らかじゃなくて笑いました。
精進します。