江ノ島盾子にされてしまったコミュ障の悲哀【完結】   作:焼き鳥タレ派

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第13章 死に別れた偽物同士

人の一生は、旅に似てると言いますが本当にそうでございますね。

一寸先は奇妙奇天烈摩訶不思議。目の前の少女も手前が姉だと申して聞かないもんで、

あっしもほとほとに困り果てて居るところでございやす。

こいつをご覧の皆々様方、物語の終わりも近うござんす。

どうぞよっくご覧の上、幕引きまでお付き合いのほど、宜しくお頼み申し上げます。

 

……こんな風に必殺シリーズのオープニングみたいな独り言を脳内で垂れ流すほど、

僕は混乱してたんだ。

 

その日は午前の作業を終えて、昼食を食べに一旦ホテルに戻ろうと野道を歩いてた。

 

「木の伐採ってやっぱりキツいなぁ……

なんか日向君、集中的にシフト入れてくる気がするんだけど、

ひょっとしてまだ指輪の件怒ってたり?」

 

一人ブツブツ言いながら帰り道を進んでいると、森の脇道からガサガサと音がしたんだ。

獣かな?でも、プログラム内の生き物は、

ユーザーを襲わないよう設定されてるから大丈夫。

イノシシかなにかだろうと思った瞬間、“それ”は僕の前に飛び出してきて、

いきなり突拍子もないことを言った。

 

「盾子ちゃん!……会いたかった!」

 

「えっ、君、誰!?」

 

この希望更生プログラムに僕を含む17人のメンバー以外が居るはずなんてないのに!

見た目は夏用セーラー服を着た普通の女子高生。白のシャツにブラウンのミニスカート。

胸元に細いリボンを結んでる。

黒のショートカットで、顔にうっすらそばかすのある女の子が、

僕を見て感激したように目を潤ませている。

 

「ねえ……本当に君、どうやって」

 

その疑問に答える前もなく、今度は僕に抱きついてきた。

女の子に抱きつかれる経験なんて、ほぼゼロだったから、少々うろたえる。

 

「本当に、無事で良かった……

盾子ちゃんが酷い目に遭わされてるって、モナカちゃんから聞いて、

私、居ても立ってもいられなくて」

 

「モナカちゃん……?」

 

聞いたことのない名を耳にすると、ようやく目の前の彼女は身体を離した。

そして、顔が近づいた時、僕はようやく気づいた。

確かダンガンロンパ2のオマケモードでやっとその姿が明らかになったその人。

思わず身を引いた。間違いない。彼女は──

 

 

○超高校級の軍人

 

イクサバ ムクロ

 

 

「戦刃、むくろ……!!」

 

「どうしたの、盾子ちゃん。

やっぱりそんなに臭う?もう、臭いならいつもみたいに臭いって言ってよ~」

 

自分の腕をくんくんと嗅ぐと、

本当に、実の妹と話すように笑顔で気さくに話しかけてきた。

それがかえって不気味で、後退りする。

 

「私に、近寄らないで!」

 

「あっ、ごめんね?電話もしないで押しかけちゃって。迷惑だったよね……

でも、これをどうしても渡さなきゃいけなくて」

 

戦刃が右手を差し出すと、手のひらの上に、ブルーの立体的なホログラフの塊が現れた。

 

「これが一体何?」

 

「デバイスをかざして解凍して。大切なメッセージがあるから」

 

「これで、いいの?」

 

とりあえず電子生徒手帳をかざしてみた。

画面に“解凍中…”の文字とプログレスバーが現れ、

90%あたりで一度止まった後、一気に100%になった。

すると、画面にまた見たことのない女の子が現れた。

緑の髪をツインテールにした、小学生くらいの子。

画面の向こうの少女は、カメラの位置を調節した後、モニターに向かい合って、

やっと喋りだした。

 

“あっ!盾子お姉ちゃん!むくろお姉ちゃんが上手く接触出来たんだね!

通信速度も良好!会いたかったよ……モナカだよ。

いつもテレビ中継で見ることしか出来なかったけど、

やっとプログラムのセキュリティーを突破して、

アバターを侵入させるところまでこぎつけたんだよ!ほめて、ほめて!”

 

「モナカ?君、誰……?」

 

“かわいそうに。モナカの記憶も消されちゃってるんだね。でも、心配しないで。

そこから脱出したら、ちゃんと復元してあげるから”

 

「さっぱり意味がわかんない!何言ってるの!?」

 

“答えは、目の前にいる、むくろお姉ちゃんだよ。……ねえ、わかってるだろうけど、

むくろお姉ちゃんは盾子お姉ちゃんが殺したんだよね?

えー、その時の記録によると、

78期生のコロシアイが行われた希望ヶ峰学園の遺体安置所には

死者の遺体が保存されてたから、まず、むくろお姉ちゃんの脳を取り出して、

それからおしおき部屋に行って盾子お姉ちゃんのほんの一部を回収して、

人工的に双子の姉を復元したんだー。

まぁ、脳の摘出とか、肉体の培養とか、

エグい工程はモノクマちゃんに任せてたけどねー”

 

「いやいや、さっぱりわかんない。

君みたいな小学生が、ええと、名前思い出せないけど、

超高校級のマッドサイエンティストみたいなことできるわけないじゃないの!」

 

“お願いだから、あんなのと一緒にしないで。モナカ寂しい。

あいつは、盾子お姉ちゃんを完全に蘇らせようとして失敗した。

だからお姉ちゃんがそんな所で働かされている。でもモナカは違うよ?

回収に成功した盾子お姉ちゃんの欠片。そのミトコンドリアの内部に、

人間の記憶のコピーがバックアップとして残ってることを突き止めたの。

世界中の研究者が抽出方法や存在すら知らない、モナカの新発見。

名付けて、JK質量体なんてどうかな。盾子お姉ちゃんの名前を付けたんだー”

 

「戦刃むくろをこっちに送り込んで……

いや、そもそもどうやってこのプログラムに干渉してるの?

なんかよくわからないけど、

ものすごく厳重なセキュリティシステムが施されてるって聞いたんだけど」

 

“うん、それにはかなり手を焼いたけど、そっちが隙を見せてくれたから突破できたよ”

 

「隙?」

 

“そうだよ。お姉ちゃんが遊園地で遊んでる時に、自殺志願者が毒を飲んだでしょ?

その時、現実では起こりえない現象を起こすために、

セキュリティシステムの処理能力を、一時的にそっちに回したよね。

その瞬間にクラッキングプログラムが侵入経路を作って、

気づかれないようにバックドアを仕込んどいたの。

まだその時はむくろお姉ちゃんが完成してなかったからね”

 

「強制システム変更プロトコル……!」

 

あの時だ!

毒を飲んだソニアさんや保健委員の罪木さんを病院へ瞬間移動させた時、

日向君が言ってた。

あのコマンドは、希望更生プログラム内でどんな事でもできる代わりに、

セキュリティシステムの防御力を弱める。

まさか、今になってそのツケが回ってくるなんて!

僕は、再び戦刃むくろに向き合って尋ねた。

 

「君は、私をどうしたいの?」

 

「一緒に帰ろう!

モナカちゃんがモノクマに守られた塔和シティーってところで、3人で暮らそうって。

盾子ちゃんが夢見た絶望に満ちた世界を、また目指せるんだよ?」

 

「君を殺した犯人と?」

 

戦刃むくろは希望ヶ峰学園でのコロシアイ学園生活で、

江ノ島盾子に裏切られて殺された。でも。

 

「何言ってるの、私はちゃんと生きてるじゃない。

……ああ、記憶までいじられてるのね。許せない!」

 

“いじられてるのはどっちかっていうと、むくろお姉ちゃんの方だけどね……”

 

右手の中のモナカがこっそり告げる。でも、彼女には聞こえていたらしく。

 

「もう、さっきから変な事ばっかり。

私は、お姉ちゃんの代わりに潜り込んだコロシアイ学園生活でクロに殺されたの。

誰かは忘れたけど。

……モナカちゃんてば、時々変な事言って気を引こうとするのよ。怒らないであげてね」

 

“ごめんなさ~い。ジャバウォック島にある盾子お姉ちゃんの身体は、

ちゃんとモノクマちゃんが取り返してくれるから。もう船が出る頃だよ!”

 

勝手に話を進めるモナカという少女。当然拒否する。

 

「そんなことどうでもいい。もし、私がいやだって言ったら?」

 

「またまた、そんなこと言っちゃって。

この箱庭だって、盾子ちゃんの遊び場なんでしょ?

どこまでも優しくって誠実な別人を演じながら、

皆が信じ切った時を見計らって、誰でもいいから目の前で惨殺する。

それって凄く絶望的な演出だと思う!盾子ちゃんらしいよ!」

 

一人で納得している戦刃は、両手で僕の手を握る。右手の甲に入れ墨は……ない。

それを確かめてる僕に気づいたむくろは、はにかみながら言った。

 

「フェンリルのタトゥーなんてないよ~。モナカちゃん言ってたじゃない。

私は記憶だけをオリジナルの脳から取り出して、

双子の盾子ちゃんのDNAから再生された、新生戦刃むくろなんだよ?

盾子ちゃんから生まれて来れるなんて、嬉しい。

私の肉体は損傷と腐敗が進んでて脳のデータしか使えなかったらしいの。

身体をくれてありがとうね、盾子ちゃん……」

 

僕の手に頬ずりしながらおぞましい事実を口にする戦刃。

表情を変化させないように努力しながら、問い直す。

 

「……ねえ、もう一度聞くわよ?私は、君と行くつもりはない。

断ったら、どうする気なのかしら」

 

「うん。その返事も想定済み。

記憶を改変されてる盾子ちゃんは、私達を信じられないかもしれないって。

だから、少しだけ窮屈な思いをさせるね。……ごめんなさい!」

 

そういった瞬間、戦刃は握ったままの両手を引っ張り、強引に身体を近づけ、

僕の身体に両腕を回して拘束し、押し倒した。

地面に押さえつけられた僕は懸命にもがくけど、身動きが取れない。

 

「お願い、大人しくして盾子ちゃん!私と一緒に来て!」

 

凄い力だ!力勝負じゃ敵いそうにない!

助けを呼ぼうと、転がった電子生徒手帳に手を伸ばそうとするけど、

腕もほとんど動かせない。

 

「じっとして、盾子ちゃん!あなたを傷つけたくないの!」

 

僕に馬乗りになって訴える戦刃むくろ。

前にもこんなことあったな、思い出したくもないけど!彼女と目が合った瞬間。

 

「……!君の、才能は、超高校級の、軍人……」

 

脳に未知の情報が満たされ、全身の神経回路に経験のない経験が張り巡らされる。

気づいた時には、考える前に、戦刃の目に渾身の頭突きを食らわせていた。

 

「あぐっ!!」

 

思わぬ反撃に拘束一瞬解いてしまった戦刃。

その隙に彼女の上半身を突き飛ばして、距離を取る。

“超高校級の軍人”の才能を解析し、自分のものにした僕は、

逃げるより戦うことを選んだ。

 

「くっ、そうだよね……盾子ちゃん、そういう才能もあったよね。

なら、本気を出さなくちゃ、ね」

 

目を抑えながら、素早く立ち上がる彼女。僕も無意識に殺人術の構えを取る。

 

「君達が何をしたいのか全然わかんないけど、

私は江ノ島盾子のクローン。それに宿った別人よ」

 

「記憶が曖昧になってる……早くモナカちゃんに診せないと。

未来機関に、盾子ちゃんは渡さない!」

 

戦刃が地を駆け素早く接近し、拳や手刀の連打を浴びせてきた。

僕もそれぞれの軌道を見切って、手で払う。

お互い腕をひねろうと相手の腕を取ろうとするけど、身体を回し、肘打ちを叩き込み、

攻撃を回避、ブロックし合う。

ローキックや左フックを繰り出すけど、同一の能力を持つ戦刃に全て防がれる。

でもそれは向こうも同じ。千日手になるかと思われた戦いに、変化が訪れたのはその時。

 

ピロロロ……

 

戦刃が一瞬、電子生徒手帳の着信音に気を取られた。

モナカとやらの連絡だと思ったのかもしれない。その油断が命取りとなる。

その瞬間、僕は彼女の肩を掴んで強引に身体を回し、

逃さないよう相手の背中に自分の身体を密着させた。そして、頭頂部と顎に両手を回す。

お互いすっかり息が切れていて、彼女の激しい鼓動が伝わってくる。

 

「このまま、思い切り、腕を回せば、首が折れるけど、どうする?」

 

「やっぱり、盾子ちゃんは強いね。降参。今の所は引き下がるよ。

本当だよ?私が盾子ちゃんに嘘つくわけないじゃない」

 

「……みんなに、何かしたら、次は本当に折るよ?」

 

思えばここで始末しておくべきだったのかもしれない。

でも、プログラムのセキュリティを突破したモナカが何をしてくるかわからない以上、

早まった真似もできなかった。

戦刃を投げ出すと、彼女はこんな言葉を残して森の奥へ逃げていった。

 

「また迎えに来るからね!大丈夫、盾子ちゃんの獲物を横取りなんてしないよ!」

 

黙ってその白い後ろ姿を見送ると、落ちた電子生徒手帳を拾い上げた。

大量のメールや着信履歴。とりあえず日向君のメールを開く。

 

 

送信者:日向創

件名:何が起きている!

 

さっきのビデオ電話は一体何だ!江ノ島、今どこにいるんだ!?

とにかく早く連絡をくれ!

 

 

日向君達にも届いてたのか!

他のメールも件名を見るとモナカの映像に関するものばかり。

すぐさま日向君に電話する。2コール目が鳴りかけたところで彼が出た。

 

“江ノ島!?”

 

「日向君!そっちに戦刃は行ってない!?すぐにみんなを一ヶ所に集めて避難させて!

戦闘向きの才能を持つ人たちでみんなを守って!」

 

“戦刃?ビデオ電話の女の子か?”

 

「そうじゃない!もうひとり会話に誰かいたでしょ?

そいつはとんでもなく危険な奴なの!超高校級の軍人!江ノ島盾子の双子の姉!」

 

“なんだって!……そうか、苗木が言っていた双子って”

 

「彼女も遺体から再生されたクローン。

とにかく、私がホテルに行くから、迎えに来ようとはしないで。

長くなるから詳しい事情はそこで」

 

“わかった、江ノ島。お前も気をつけろよ”

 

「私は平気。また後で」

 

 

 

 

 

平気、とは言ったけど、実際はあちこちが痛かった。

鍛えた軍人と散々身体をぶつけ合ったんだから。

痛む身体を引きずりながらホテルに辿り着く。階段を上るのも少々辛い。

 

”申し訳ありません!わたくしのせいで、システムに侵入者が!”

 

”ソニアさんのせいじゃないって!”

 

レストランから声が聞こえてくる。皆、大体の状況は把握してるみたい。

中に入ると、ただならぬ様子の僕にみんなが駆け寄ってきた。

 

「江ノ島、しっかりしろ!手足が痣だらけじゃないか!」

 

「あぁ、ひどいですぅ。すぐに湿布を貼りますから……」

 

「それはいい!私の話を聞いて、一刻を争うの!」

 

「罪木……まずは江ノ島の話を聞こう」

 

「はい、話が終わったら必ず治療を受けてくださいね?」

 

「わかったわ……」

 

しがみつくようにテーブルの席に座ると、みんなも急いで席に着いた。

話を始めようとすると、日向君の生徒手帳に着信。彼がすかさず通話ボタンを押した。

全員が集まったこの状況で電話を掛けてくるのは、未来機関、つまり苗木君くらい。

わざわざ戦刃むくろを使っているモナカが、

監視カメラまで掌握できているとは考えにくい。

日向君は通話をハンズフリーモードにしてテーブルの上に置いた。

 

“前置きは省くよ?そっちでも異常が確認されてると思う”

 

「ああ、江ノ島が戦刃むくろと接触した。

ビデオ電話だけだが、モナカという女の子もいて、その子がむくろを手引きしたらしい」

 

“そのやり取りはこちらでもキャッチしたよ。

さっきそのモナカからメールが届いたんだ”

 

「どんな内容だ?」

 

“希望更生プログラムのあるジャバウォック島に近づいたり、

セキュリティホールの修復を試みた場合、

戦刃むくろに江ノ島以外の住人を皆殺しにさせる、という内容だよ”

 

「まずいな。

セキュリティホールを放置しておけば、他のクラッカーに侵入されかねない」

 

“今の所その可能性は無視していいと思う。システムの穴と言っても、

セキュリティは並のクラッカーには理解不能な言語で構築されていて、

現在プログラムに干渉できているのは、モナカという少女だけだ。

現に、今も他のクラッカーからのサイバー攻撃は全てシャットアウトできてる”

 

「その点については、大丈夫だと信じるしかないな。

そろそろ、実際戦刃むくろに出会った江ノ島に話を聞こう。頼めるか」

 

「うん……苗木君なら知ってると思うけど、

戦刃むくろは、コロシアイ学園生活で、江ノ島盾子に変装して潜り込んだ、彼女の姉。

結局は妹の盾子に殺されたけど……戦刃とモナカは、私を助けに来たって言ってた。

私を絶望の江ノ島盾子だと思い込んでるの。きっとまた来る。

一度は追い返したけど、そう言ってたから」

 

「しかし、お前さん、そんな奴に狙われて、よく無事で帰って来れたのう。

日向によると、敵は超高校級の軍人だとか」

 

「……その事についても話さなくちゃね」

 

「何なら、ボクから説明しようか?」

 

「狛枝君は黙ってて!

……簡単に言うと、私には相手の才能を分析して自分のものにする能力があるらしいの。

どうしてそんなものが身についたのかはわからない。

だけどそのおかげで、戦闘経験がまるで無い私でも、なんとか戦刃と互角に戦えた。

つまり、今は私にも超高校級の軍人の能力がある」

 

「なんだと!敵の能力を奪い、無限に力を膨張させる。

俺の邪眼に匹敵する魔眼の持ち主であったとは。

やはりただの女ではなかったのだな、江ノ島盾子!」

 

「田中おにぃうっせーよ!江ノ島おねぇが喋ってんだろ!

……ねぇ、それがおねぇの超高校級の才能なの?」

 

「ごめん。具体的にどんな才能なのかはわからないんだけど、

この能力自体はだいぶ前から知ってたの。

ちょっと事情が複雑で言い出せなくて……黙ってて、ごめんなさい」

 

「……あの、皆さん。どうかこの能力の出処については、

そっとしておいてあげてくださいまし。本当に事情が込み入っているので」

 

「ああ。俺も知っていたが、特に皆に危害が及ぶ恐れがないと判断したから、

リーダーの権限で伏せておいた」

 

ソニアさんと日向君が助け舟を出してくれた。

今はあの出来事を蒸し返して、余計な混乱を招くべきじゃない。

 

「日向はともかく、ソニアまで?

じゃあ、江ノ島はオレ達の才能全部身につけてるってことか?」

 

「うん、毎日みんなと会ううちに、能力を分析して気づかないうちに習得してる。

実際、終里さんの才能で危ない所を助かったこともあるから」

 

「体操部の才能で?崖から落ちそうにでもなったのか?

まぁ、聞くなっていうならこれ以上聞かねえけどよ」

 

「とにかく、今後安全が確保されるまで労務は全て中断だ。

戦刃むくろを希望更生プログラムから排除するまで、全員ホテルで避難すること」

 

“日向クン。その事についてなんだけど、

未来機関はこのプロジェクトの放棄を決定したよ。

たった一人とは言えVer2.01の欠陥を突かれたら、どんなセキュリティも無意味だし、

ずいぶん前から江ノ島一人を追い込むやり方には視聴者からの反発もあったんだ。

絶望の残党も大きく数を減らしたし、一定の成果は得られたとして、

希望更生プログラムは中止されることになった。

今後は、江ノ島盾子のカウンセリングを行い、

絶望を捨てた彼女の言葉を配信することになる”

 

「相変わらず勝手な……!

まあいい、とにかく江ノ島をこの空間から脱出させる方が先だ。

彼女と面談とやらを行うなら、

当然このプログラムから脱出する方法があるってことなんだろうな?」

 

“もちろん。君達も経験したはずだよ?……強制シャットダウン”

 

強制シャットダウン。かつて日向君達が江ノ島盾子のアルターエゴを消滅させ、

希望更生プログラムから脱出するために実行した処置。

 

「一度絶望の江ノ島の手が入ったシステムを、まだ残していたのか!?」

 

“言いたいことはわかるけど、形だけのものだよ!

Ver2.01の構築に時間がなかったのは日向クンにも説明したはずだよ。

使い回せるものは使い回してるけど、安全性は確認してる。信じてくれ。

今回のような不測の事態に備えて残しておいたんだ。

あの時みたいに、強制シャットダウンには、全員の承認が必要になる。

ただ、その障害になるのが……”

 

「戦刃むくろか」

 

“うん。モナカはきっとこちらのシステムは知り尽くしてると考えた方が良い。

既に遺跡に戦刃むくろを配置してるはず。きっと、キミの力が必要になるはずだよ”

 

「……わかった。俺が行って無力化してくる。その後全員で強制シャットダウンだ」

 

“パスワードは覚えてるよね。

きっとこの会話も全部向こうに筒抜けだから、口にはできないけど”

 

「当たり前だ。忘れもしない」

 

“あらら、意外と用心深いんだね。

うっかり電話口で確認してくれるかな~って期待したんだけど”

 

通話に割り込んできた声は、やっぱり彼女。

 

「モナカか!」

 

“キミも、絶望の残党なのか?”

 

 

○元・超小学生級の学活の時間

 

トウワ モナカ

 

 

“う~ん、モナカとしては…あ、モナカは塔和モナカっていうの。よろしくね。

モナカ自身は絶望を広めること自体には、あんまり興味はなかったんだ。

死んじゃった盾子お姉ちゃんの夢見た、絶望に満ちた世界を引き継ぐことが目的。

でも、盾子お姉ちゃんは生きててくれた。

どんなに酷い目に会っても、

やっぱり絶望を追い求める盾子お姉ちゃんの姿は変わらなかった”

 

「ふざけるな!この江ノ島のどこが絶望だ!

希望すら与えられたやつがたくさんいるんだぞ!」

 

“違うよー。盾子お姉ちゃんは、温めてるんだよ。絶望の卵をさ。

例えば、盾子お姉ちゃんが、そこにいる小さな女の子をいきなり刺し殺したら、

みんなは味わうんだろうね。逃げ場のない絶望ってやつを!”

 

「てめーの方がチビだろうが!江ノ島おねぇがそんな事するはずねーじゃん!

おねぇは……おねぇはわたし達の仲間なんだよ!

ゲーム終盤で帳尻合わせに出てきたポっと出のガキの出る幕じゃねーんだよ!」

 

“そうだといいね、ウププ”

 

「もういい、耳を貸すな西園寺。

俺は今から遺跡にいる戦刃むくろを排除して、ロックを解除してくる」

 

「ワシらも加勢するぞい!」

 

「オレも超高校級の極道だからよ、ドスの扱いじゃ誰にも負けねえ」

 

弐大君が拳を握って指を鳴らし、九頭竜君がスーツの内ポケットから短刀を取り出す。

 

「いや、ここは俺に行かせてくれ。相手が軍人なら、銃器で武装してる可能性もある」

 

“ピンポーン!既に武器はアップロード済みで、むくろお姉ちゃんも準備万端だよ!

ナイフ、ピストル、アサルトライフル、ロケットランチャー、各種色々取り揃えてるし、

弾薬満載で弾切れの心配なし!ハチの巣になりたい人はチャレンジしてね!”

 

「なんじゃとう!それでは手出しが出来んではないか!」

 

「弐大達はここに残って、戦闘向きじゃない能力のみんなを守ってくれ。

戦刃とは、俺が決着をつける」

 

“がんばってねー”

 

「待って」

 

最後にモナカに確認したいことがひとつだけ。

 

「戦刃むくろにデタラメを吹き込んで、何がしたいの?」

 

”最初に言ったじゃん!盾子お姉ちゃんの理想の世界を作るの!”

 

「そう。君の願いは叶わないよ。それは私の理想じゃないから」

 

”よっぽど未来機関の洗脳がひどかったんだね。

心配しないで、外の世界でまた会いましょう!モナカが治療してあげるから。じゃね!”

 

そこでモナカの通話が切れた。

 

“逆探知はできた!名字から見当は着いてたけど、モナカは塔和シティーのビルにいる”

 

「苗木、今から強制シャットダウンのための準備を始める。

これ以上Ver2.01のセキュリティホールが広がらないよう、監視を強めてくれ。

モナカへの対処もな」

 

“わかったよ。力を使うんだね?”

 

「……そうだ。行ってくる。もう切るぞ」

 

“うん。気をつけて”

 

「ウサミ、一緒に来てくれ。何をするかは、わかってるな?」

 

「はいでちゅ。既に3番、2番セーフティは解除してまちゅ。

いつでも最終セーフは解除可能でちゅ」

 

「頼むぞ。じゃあみんな、行ってくる……」

 

「お願いだから、死んだりしないでよね?」

 

「大丈夫だよ、小泉さん。だってほら」

 

「そうだけど……」

 

自分も行くよ、とは言わなかった。

相手が銃を持っている限り、僕達が行っても足手まといになる。

それに対抗できるのは日向君の力だけ。その才能だけは分析できなかったけど。

ウサミと一緒にレストランの階段を降りていく日向君を、ただ見送った。

 

 

 

 

 

しばらくすると、絶え間ない銃声や爆発音がこちらまで届いてきた。

テラスから不安げに遺跡の方角を見る罪木さん。

 

「日向さん、一人で大丈夫でしょうか……」

 

「案ずるな。

丸腰であれだけ撃たせているということは、敵の攻撃を上手く防いでいるということだ」

 

辺古山さんが彼女を筋の通った理屈で安心させる。

 

「……ねえ、みんなは日向君の能力のこと、知ってるの?」

 

聞いて良いことなのか不安だったけど、

知らない人がいたら、今のうちに説明しておかないと後で混乱させる。

ゲームでは、彼の真の姿を見た人は、ほんのわずかだったから。

 

「全員、一度は死んだ者も含めて、日向の事情は未来機関から聞いておる。

それに限らずVer1.0で起きたことは大体のう。だから心配はしておらぬのだが、

分からぬのは、なぜ狛枝だけが絶望に毒されたままなのか、じゃ」

 

「やだなあ、ボクは絶望に魅了されているわけじゃないよ。

絶望を乗り越えた先に待っている希望を見てみたいんだ」

 

「……どんな手を使ってでも?」

 

携帯ゲーム機で遊びながら他人事のように訪ねる七海さん。

 

「2代目の七海さんには悪いことをしたと思ってるよ。

でも、ボク達に正体を隠してたキミとモノミにだって、

全く非がないとは言えないと思うんだけど。アハハ」

 

「笑ってんじゃねえぞ、テメエ!」

 

「待って、終里さん」

 

……何かがおかしい。分析能力を意識し始めてから彼に違和感を覚える。

なんとなく引っかかった僕は、立ち上がって狛枝君に近づいた。

床に座り込んでいる彼の前にしゃがんで、目を合わせる。……なるほど。

 

「おい、何やってんだ、江ノ島……?」

 

「どうしたの?キミみたいな美人に見つめられると照れちゃうな、ハハ」

 

彼の軽口にも、もう腹は立たなかった。彼を蝕んでいるのは。

 

「わかった。狛枝君の精神はまだ濁ってる。

カムクライズルが残した“種”が深く根を下ろしてるのよ」

 

皆の間に衝撃が走る。カムクライズル。またの名を──

 

 

 

 

 

俺は、ホテルから出た後、遺跡のある2番目の島を目指しながら歩いていた。

ウサミと打ち合わせながらアスファルトの橋を渡る。

 

「遺跡に着いたら俺の合図で最終セーフティ解除だ。なにしろ抱えてる能力が多すぎる。

あまり長く解放し続けたくはない」

 

「わかりまちた。特になんでもありのプログラムの世界じゃ、

うっかりハリケーンを呼んでしまう恐れもありまちゅからね!」

 

またしばらく歩くと、太い木が絡みついた、見上げるほど大きな遺跡が。

その入口らしき鉄の扉の前に、コンバットスーツの少女がいた。

アサルトライフルを構え、背中に様々な銃器を背負っている。

彼女は俺に気づくと、立ち上がって銃を向けてきた。

 

「その遺跡に入りたい。邪魔をしないでくれ」

 

「……盾子ちゃんを、返して」

 

「江ノ島盾子に見えているのは、俺達の仲間だ。

テレビ放送を見たのかどうかは知らないが、

君の妹は、本当に誰かのために痛みに耐えたり、涙を流したり、

友と喜びを分かち合ったりする人物だったのか?」

 

銃声。赤く燃えた銃弾が闇夜を駆け抜けた。威嚇射撃と共に戦刃が吠える。

 

「うるさい!お前に何がわかる!盾子ちゃんはたった一人の家族!

それを寄ってたかって痛めつけて、家畜のように扱ってきたお前たちが、

妹を語らないで!」

 

「それについては……いつか何かの形で彼女に詫びなきゃならないと思ってる。

そのためにも、プログラムを強制シャットダウンして、

全員元の肉体に戻らなきゃいけないんだ。協力してくれ、頼む」

 

「嘘。盾子ちゃんはね。お前達にとびきりの絶望を与えるために準備をしているの。

すっかり盾子ちゃんと仲よし気取りだけど、

心を許したタイミングで、背中から刺されるのよ!その時お前達は絶望するの。

どうして、仲間だったのに、許してくれたはずだったのにってね!」

 

「退く気は、ないんだな?……ウサミ」

 

「これが返事よ!」

 

再び銃声。だが、ウサミの宣言が先だった。

 

「対象者日向創、ID: The Hope Pass: Chiaki Nanami 認証完了 最終セーフティ解除」

 

同時に俺の身体から、光る波動が放たれ、両目が真っ赤に光る。

そう、俺は再び超高校級の希望としての力を取り戻した。

5.56mm弾は俺の額に命中する直前で停止。地面に転がる。

無数の才能の中から“超高校級のサイキック”が発動され、念動力で銃弾を停止させた。

 

「どうして!?確かに手応えがあったのに!くそっ」

 

敵はアサルトライフルのトリガーを引き、銃弾をばらまく。

俺はすぐさま頭脳から次の才能を選び出した。“超高校級のアサシン”。

身を低くして、流れるような足運びで、弾幕を回避しつつ、戦刃に接近する。

しかし相手も黙っていない。

 

「食らいなさい!」

 

背負ったRPG-7を構え、俺に狙いを付けてトリガーを引く。

いわゆるロケットランチャーが放った榴弾が、

正確な射撃で俺に向かって一直線に飛んでくる。だが、“超高校級の幸運”が発動。

何の前触れもなく、猛烈な突風が吹き、榴弾を運び去った。弾は遥か後方上空で爆発。

 

「どうして!?」

 

驚愕する戦刃むくろ。次の武器を探して武器ケースに目をやった瞬間、

俺は思い切り跳躍して、一気に彼女の背後に着地した。

そして、腕を捻り上げ、伸ばした右手の指先を彼女の首にそっと当てた。

 

「……動くな。俺の爪でも、頸動脈は切断できる」

 

「ううっ!盾子ちゃんを、返せ!返してよ!」

 

「彼女は、誰のものでもない」

 

「ぐあっ!!」

 

俺は、彼女の首筋に手刀を食らわせ、彼女の意識を奪った。

“超高校級の軍人”、その能力で。

敵が完全に意識を失ったことを確認すると、素早く彼女を武装解除した。

 

「やりまちたね!これで強制シャットダウンを実行して現実世界にもどれまちゅ!」

 

ウサミが周りを跳ねながら喜ぶ。でも、まだ重要な仕事が残っている。

俺は、遺跡の入り口のそばに設置されている入力装置に、暗証番号を入力した。

11037を。

すると、重い鉄の扉が開く。それから念の為、大きめの石を拾い、

入力装置に振り下ろして破壊した。これで、誰もここを閉じることができなくなった。

内部は……まだ見ないでおこう。

 

「はわわわ!何をしてるんでちゅか日向君!」

 

「これで、モナカが誰を送ってきても強制シャットダウンの妨害はできないだろう。

戦力的な問題は俺が片付ける」

 

「そうでちけど……」

 

「一旦帰ろう。こいつをなんとかしなきゃな」

 

眠る戦刃むくろを背負って一旦ホテルへ逆戻りする。

彼女を野放しにしておくわけにはいかない。

だが……俺はさっき“超高校級の幸運”を使った。

これは幸運と不幸がセットになった才能だ。不幸がどんな形で訪れるか想像がつかない。

あまりキツいのは勘弁だな。そう考えながら、帰り道への一歩を踏み出した。

 

 

 

 

 

「つまり、狛枝は次のコロシアイのために利用されてたってこと!?」

 

小泉さんが驚くのも無理はないけど、事実なんだ。

よくよく考えたら、僕は未来機関に保護されていた頃の狛枝君について、

全く聞いたことがなかった。

 

「ア、ハハ……これにはさすがに驚きかな。

まさかカムクライズルがボク達の次を見越して、種を蒔いていたなんてね」

 

狛枝君が、自分の左腕を見ながら乾いた笑い声を上げる。

 

「希望は絶望の裏返し。カムクライズルは、このメンバーの中で異常とも言えるほど、

希望への憧れが強かった狛枝君の精神に働きかけて、その憧れを固着させたんだと思う。

善悪の判断より優先されるほど強くね。

あらゆる超高校級の才能を持つカムクライズルなら十分可能だと思うわ。

狛枝君が学級裁判を逃げ延びて、現実世界に帰ったら発動し、

また次のコロシアイに参加、あるいは、自ら画策する」

 

「そのようなことが可能なのか?にわかには信じがたいが……」

 

「Ver1.0に滞在できた期間が短い十神君がピンと来ないのも無理はないけど、

彼なら可能よ。狛枝君がいつカムクライズルと接触して、

精神に絶望すなわち希望への抗いがたい欲求を刷り込まれたのかは、

今となってはわからない。

でも、ここに狛枝君がいることがなによりの証明。

誰が犠牲になろうと、絶望を乗り越えた先にある希望を求める。そんな彼がね」

 

みんな、困惑した表情で狛枝君や周りの人に視線を送る。

ふと気になった僕は、基本的なことについて尋ねた。

 

「誰でも良いから教えて。

彼の左腕だけど、この希望更生プログラムに来る前から女性の手だった?」

 

「い、いや!そう言えば現実世界での狛枝は隻腕だったぞ!

未来機関の医療機関で切除されたはずじゃが……!」

 

「ひぇー!凪斗ちゃんの片腕が女性っすー!!」

 

「いや、せめて腕が復活してることに……ああ、お前はそれどころじゃなかったな。

江ノ島、お前が考えてることはわかるぜ。

確かにVer1.0から蘇生したやつらの中で、狛枝だけが絶望に染まったままだった。

俺達がこいつを警戒してたのはそのせいだ。

今回の希望更生プログラムは、実は狛枝の再治療を兼ねてたんだよ。

今まで当たり前のように旧館に閉じ込めたまま生活してたけどよ、

なんつーか、みんなお前に気を取られてたんだ。悪い……」

 

「いいの。そっか、やっと全部わかったわ。ありがとう、左右田君。

まずは、日向君の帰りを待ちましょう。

彼の力を借りれば、狛枝君から、絶望の種を取り除くことができるかもしれないわ」

 

「そ、それでは、彼のあのような行いは、

カムクライズルに植え付けられた暗示のせいだと言うのですか!?」

 

「その通りよ、ソニアさん。彼も1回目のコロシアイに縛り付けられた……うわあ!」

 

突然、空中で何かの爆発音が聞こえた。皆思わず身をかがめる。場所は遺跡のある方角!

 

「行かなきゃ!」

 

「あ、待って下さい!」

 

僕は思わずホテルを飛び出して、日向君を目指して走っていった。

 

 

 

 

 

もうすぐ、みんなが待つホテルだ。“超高校級のハンター”の技術で、

絶対逃げられないよう縛った戦刃むくろを背負って、道を急ぐ。

すると、俺を呼ぶ声がいくつも聞こえてきた。

中央島とホテルのある1番目の島を結ぶ橋の中央で、俺達は再会した。

だが、その後俺は思い知る。幸運の代償が迫っていたことに。

 

「日向くーん!」

 

聞き慣れた江ノ島の声。俺の姿を見たら驚くだろうな。

でも、彼女が本当に異世界から俺達を見ていたのなら?だとしたら笑える話だ。

 

「おかえりなさい!よかったー無事で!」

 

「ああ、江ノ島。驚いたか?この目なんだが……」

 

だが、現実は笑い飛ばせるほど甘くはなかった。

 

「大丈夫。それって超高校級の希望なんでしょう?

すごいね、戦刃むくろに勝っちゃうなんて!」

 

その澄んだ青い瞳の奥に俺は見た。超高校級の心理学者、神経学者、脳科学者、

それらが総合的に導き出した答えは──

 

 

 

江ノ島盾子は、別人だ。

 

 

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