江ノ島盾子にされてしまったコミュ障の悲哀【完結】   作:焼き鳥タレ派

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第8章 続・(非)日常編

アタシは洗面所で歯を磨き、顔を洗うと軽く両頬を叩いて気合を入れた。

全く同じ動きをした鏡の中の自分。昨日よりはマシな面構えになったんじゃないかしら。

決めたの。もう一度、アタシは“超高校級の女神”になる。

 

この世界にくすぶる悲しみ、怒り、不安が再び絶望に変わる前に、

必ず真犯人を探し出してみせる。そして、今度こそ皆が生きるこの国に本当の平和を。

思春期の青少年が好みそうなクサイ台詞に自分で苦笑する。

だけどこれが今のアタシの正直な気持ち。

 

「さてと!」

 

その前に、身近な人の心から不安を取り除かないと。

みんなが落ち込んだままじゃ犯人の追跡なんてできやしない。

パジャマから着替えながら考える。

とりあえず食堂で朝食を取ろう。誰かいるかもしれない。

軽く化粧をして、髪にヘアスプレーをかけてブラシを通す。

出かける準備を整えると、自室から出て軽い足取りで階下の食堂へ向かった。

 

 

 

 

 

食堂に行くと知った顔が数人。花村君も厨房に復帰してる。

 

「みんなおはよう!」

 

努めて明るい声でみんなに挨拶すると、小さな返事がバラバラに帰ってきた。

誰もが少なからず心の傷をひきずったままみたい。

アタシは気にした様子を見せずにカウンターでモーニングのセットを注文した。

 

「花村君もおはよう」

 

「江ノ島さん……。おはよう」

 

「お腹空いちゃった。Aセットちょうだい」

 

「う、うん。ちょっと待っててね!」

 

彼は奥に引っ込むと、某ハンバーガー屋よりも早く、

しかも美味しそうな手作りの朝食を出してくれた。

香ばしく焼けたトースト、ポテトサラダ、茹でたてのソーセージ、ハム。

 

「まあ、いい匂い!昨日は朝食を食べそこねたから楽しみにしてたのよ?花村君の料理」

 

「そうなの……?ありがとう、昨日は…なんだか気分が悪くてさ」

 

「気持ちはわかるわ。しんどい時には休めばいいのよ。アタシもそうしたから。

じゃあ、また後でね」

 

「うん!また今日から性…じゃなくて精のつくメニューを振る舞うからね!」

 

花村君の下ネタをスルーして冷蔵ケースから牛乳瓶を取るとテーブルに向かう。

さて、誰と一緒に食べようかしら。

……うん、やっぱりあの娘にしましょう。きっと一番傷ついてると思うから。

いつもの二人組になって少しずつトーストをかじってる彼女に歩み寄る。

 

「アタシも混ぜてもらっていい?小泉さん、日寄子ちゃん」

 

「盾子ちゃん。もちろんよ」

 

小泉さんが目配せで日寄子ちゃんを示した。彼女も同じ考えみたい。

 

「おねぇ……。隣に来て」

 

「ありがと。アタシもさっそくいただきまーす」

 

遠慮なく日寄子ちゃんの隣に座ると、バターを広げたトーストにかぶりついた。

 

「んー、おいしい!香りもいいし、脳に元気が行き渡るわ」

 

朝食を口にしたアタシは、とりとめのない世間話を始める。

 

「ね、日寄子ちゃんもそう思わない?

支部に閉じこもってると娯楽らしい娯楽が花村君の食事しかなくって」

 

「うん、そうだね……」

 

「そうなのよ。花村って料理の腕は一流なんだけど、

セクハラ下ネタだけは何年経っても治らないのよね」

 

「天は二物を与えずっていうけど、まさにそのとおりだわ」

 

“聞こえてるよー。人は二物もいらない、ひとつでいいのさ。そう、イチモ”

 

「黙んなさい花村ァ!」

 

「アハハハ、ああおかしい」

 

ちらちら彼女の様子を伺いながら、少し大げさに笑ってみる。

日寄子ちゃんの浮かない顔にほんのちょっと笑みが戻った。

牛乳を一口飲むと、アタシは思い切って本題を切り出した。

これ以上彼女を傷つけないよう、そっと背中を抱くように。

 

「ねえ日寄子ちゃん」

 

「なあに?」

 

「実はね。昨日、未来機関の偉いさんや昔の知り合いに会ってきたの。

なんていうか、その人達はアタシ達が結構苦しい思いをしてることを知ってて、

駄目ならやめてもいいって言ってくれたの」

 

「うん……」

 

「どう言えばいいのかしらねぇ。アタシは自分の正直な気持ちを伝えたの。

だから日寄子ちゃんも自分の気持ちに正直になってほしい」

 

「……江ノ島おねぇは、なんて答えたの?」

 

「ごめん。それを教えるのは、日寄子ちゃんの答えを聞いてからにさせてほしい。

先にアタシの決定を言っちゃうと、あなたの考えを惑わせちゃうかもしれないから。

やめたって誰もあなたを責めたりしない。むしろ今までよく頑張ったと思う。

昨日会った人達もアタシにそう言ってくれた」

 

日寄子ちゃんがぽつぽつと語りだす。

小泉さんもアタシもじっと彼女の心の内に耳を傾ける。

 

「なんか、心に重たいものがあって、それがずっと苦しいんだ……。

でも、やめちゃいけない、やめたくないって思いもあって……。

わたしにもよくわからない。おねぇ、わたし、どうすればいいのかな」

 

「それはあなたの責任感と…罪悪感ね。

そう、久美子さんと喜男さんを有罪にしたのはアタシ達。

結果、二人は命を落とすことになってしまった。

それで日寄子ちゃんが罪の意識に苦しんでいるのは無理も無いことなの。

だけどあなたは少しでも社会を良くするために裁判員を続けなきゃいけないと思ってる」

 

「うん……。正直、わたし、だめなのかなって」

 

「なるほどね。アタシも同じように悩んでた。昨日まではね」

 

「今日は違うってこと?」

 

「そうよ。じゃあ、約束通りアタシの決定を教えるわね。裁判員は、続ける」

 

「おねぇ……」

 

「盾子ちゃん……」

 

「あのね、昨日こんな夢を見たの。久美子さんと喜男さんが出てきた。

二人はアタシにこう言ったわ。“犯人を許すな”って。

これは二人がアタシに託したメッセージだと思ってる。だからアタシ決めたの。

二人のためにも絶対にG-fiveを作った奴を許さない。この手で真犯人を追い詰める。

もう一度“超高校級の女神”として、

みんなが再び立ち上がろうとしてる世界を

また不安と混乱に陥れようとしている奴を必ず止める。……だけどね」

 

アタシは日寄子ちゃんの両肩に手を置いてその目をまっすぐ見つめて続けた。

 

「あなたがそれに直接的な方法で関わる必要はないの。

つまり……。裁判員を続けなくたって、今のお仕事で社会を支えることも、

日寄子ちゃんの日本舞踊でみんなの心にやすらぎを与えることも、

立派な社会貢献であって……」

 

その時、肩に置いた手が不機嫌そうにさっと振り払われた。

踏み込みすぎたかと思わずハッとなる。

 

「あーもう!今日のおねぇ話長いよ!パンが冷めちゃったじゃん!

なんかだんだん腹立って来ちゃった!

変な毒作ってるサイコバカのせいでここんとこ良い事なしだよ、もー!」

 

日寄子ちゃんはハムに乱暴にフォークを刺して一口で頬張る。

そしてアタシをずびっと指差す。

 

「もぐもぐ。おねぇ、まさかひとりで犯人探しやるつもりじゃないよね!?

わたしもやるから!ぜってークソ女に吠え面かかせてやるんだから!

裁判員もやめない。証拠品も全部自分でチェックしないと気が済まないし!?」

 

黙々とモーニングプレートを食べ続ける日寄子ちゃんを見て、

アタシと小泉さんはこれ以上なく安堵した気持ちになった。

また無言で目を合わせると、笑顔を交わして自分達も朝食の続きを口に運びだす。

 

 

 

「ごちそーさまー」

 

「はい、ごちそうさま」

 

「あー、おいしかった。ごちそうさま」

 

“おぞまづざみゃーだよ”

 

3人共ほぼ同時に食事を終えると、トレーを返却口に置いた。

すると日寄子ちゃんがアタシに駆け寄って早口でまくし立てる。

 

「今日はおねぇどうするの?また部屋でグータラ生活?

だったら暇な連中のところに顔出しに行こうよ。

なんか他にもいるんだよねー。葬式みたいな面したやつらがさ。

そいつらの尻叩きに行こうと思うんだけど、一緒に来るよね。来てくれるよね?」

 

「え、ええ。もちろん。小泉さんはどうする?」

 

「ごめん、今日は広報部の構成員募集ポスターの資料撮影があるんだ。

悪いけど、ここでお別れだね」

 

「えー、小泉おねぇからもビシッと言ってほしかったんだけど、しょうがないか~」

 

「ごめんね。何か分かったらアタシにも教えてね。じゃ!」

 

そして去り際に小泉さんがアタシの耳元でささやいた。

 

(ありがとね、日寄子ちゃんのこと)

 

(小泉さんも無理はしないで)

 

(当然)

 

フフッと笑うと彼女はエレベーターがあるスペースへ走っていった。

 

「日寄子ちゃん。それじゃあ、元気のない人達を勇気づけにいきましょう」

 

「たくさんいるからうんざりするよ~。近くにいるやつから順番にね」

 

こうしてアタシ達も二度の裁判員裁判で心労を抱えたみんなの重荷を取り除くべく、

第十四支部巡りを開始した。

 

 

 

 

 

彼が仮釈放後に得た最初の給料の使い道は、

あの個性的すぎるファッションを再現することだったらしい。

ぶっちゃけ、アタシ達の格好なんてどれを取っても個性的だけど、

とにかく後ろ姿だけでも見分けがつく彼に近づいた。

 

「……魔獣フェンリルよ。

俺様の魔眼をもってしても、真実という命題が孕む解に至るには、

人類が黙示録を迎える日が先か、俺の命が尽き果てるのが先か、結末は闇の中。

さあ、我が求めに応じ、俺に答えを示すがいい」

 

(チュチュッ)

 

「フッ……。尚も俺に光と闇の狭間に存する巨大な無を進めというのか。

冥王ハデスの申し子から、さすらい人に身を落とした俺には似合いの運命だな。フッ」

 

「フッフ、フッフ、うるせーよ!わたし達がわざわざ気合い入れに来てやったのに、

自分はネズミとおしゃべりなんて結構なご身分だよねー!」

 

「なっ!お前達、いつからそこにっ!」

 

「相変わらずリアクションもオーバーだし、おねぇからも何か言ってやってよ」

 

「あはは……。今来たところ。ちょっとみんなとお喋りしたいな、と思って」

 

背もたれのないシートがいくつも並ぶ休憩スペース。

肩を落としてひとりぼっちでネズミちゃんと会話する田中君に話しかけた。

 

「やめておけ。今の俺は守護神(ガーディアン)から見放されし存在。

左腕に封じられた瘴気を制御することは、俺にもできない。

忌まわしきカオスの波動に飲み込まれる前に立ち去ることだ……。フッ」

 

「“フ”はいらねーから」

 

「田中君。

一人になりたい気持ちはわかるつもり。二度もあんなことがあったんですもの。

アタシが伝えたいことはひとつだけ。今は自分を守ることを考えて。

あの二人の結末について自分を責めたくなるのは仕方ないわ。

アタシ達が下した結論でああなったのは事実なんだから」

 

彼はただ指先でネズミちゃんの首を撫でながらアタシの話を聞いている。

 

「落ち込みたいときは好きなだけ落ち込んでいい。

でも、そうしたいという動機は必ず田中君であってほしいの。

……どう言えばいいのか難しいわね。

とにかく昨日までのアタシみたいに、

初めからどうにもならなかったことに振り回されて、

やけになったり、自分を傷つけることだけはしないでね。

言いたいことはそれだけ。……ネズミちゃん、今度触らせてね」

 

「んんー!田中おにぃも、なんか言いなよー!」

 

「日寄子ちゃん、いいから」

 

「でも~」

 

「待て」

 

不満げな日寄子ちゃんを連れてその場を後にしようとすると、田中君に呼び止められた。

 

「……今の俺では、魔獣フェンリルを御することすらできない。

戦うことなど、できはしないのだ」

 

「戦わなくってもいい。裁判員を続けろ、なんて言いに来たわけでもない。

ただ、もしあなたがその気なら……。アタシが味方だから」

 

「俺の、味方だと……?」

 

「そーだよ!おねぇは毒を作った真犯人を見つけるって決めたんだよ!」

 

「フッ、そうか。そうだったのか!

堕天使ルシファーと契約し、再度覚醒したというのか!

江ノ島盾子、やはりお前の闇は深淵の果てまで続いているのだな!

いいだろう!お前がその気なら、俺様もソロモンの悪魔72柱と再契約をし、

共に修羅の道を歩もうではないか!フハハハ!」

 

彼の表情に覇気が戻った。その場で立ち上がると、大げさに腕を組んで高笑いをする。

 

「田中君……。アタシもあなたがいてくれると、心強いわ」

 

「やったー!おにぃも干からびたミミズ状態から立ち直ったよ!」

 

「さあ征け。感じるぞ、闇の十字軍の魂に宿るマナの灯火が消えゆこうとしている!

お前の降臨を待ちわびているのだ!」

 

「うん。他のみんなにも会ってくるわ」

 

(チュー!)

 

「ネズミちゃんも元気でね」

 

アタシ達は、なぜかまだ笑っている田中君の声を背に、

今度こそ休憩スペースから出ていった。

廊下を歩きながら、次に誰を訪ねるか日寄子ちゃんと相談する。

 

「他に時間がありそうな人、心当たりある?」

 

「左右田おにぃはいつも居場所がおんなじだけどなぁ」

 

「彼は……。大丈夫よ。支え合う人がいるから」

 

「あー、そうだったよね。リア充なんか心配するだけ損だったよ」

 

「フフッ。もう、そんなこと言わないの。

だとすると、ダメ元であそこに行ってみようかしらね」

 

一緒にいることが多い二人にもしかしたら会えるかもしれない。

アタシ達は次の目的地に足を運んだ。

 

 

 

 

 

「次は一本ずつ指を折り曲げてみてください」

 

「こうかな?」

 

「……はい、大丈夫です。電極パッドによるかぶれ、動作の遅延もなし。

他に装着して違和感を覚えることはありませんか?」

 

「なにもないよ。左右田クンが完璧な義手を作ってくれたし、

罪木さんがこうしてケアしてくれてるからね」

 

「今回も異常なし、と。霧切さんにも安心して報告できます~」

 

ドアを開け放った簡易的な治療や検査を行う医務室から

罪木さんと狛枝君の声が聞こえてくる。

指で壁を軽くノックすると、二人がこちらに気づいた。

 

「おはよう。お仕事中にごめんなさいね。お邪魔だったかしら」

 

「い~え~。そんなに滅多に患者さんが来るわけでもありませんから。中にどうぞ~」

 

「おはよう江ノ島さん、西園寺さん。ボクも今日は検査だけなんだ。気にしないで」

 

「じゃあ、お言葉に甘えて上がらせてもらうわね」

 

「おっじゃましまーす!」

 

陽の光が差し込む明るい部屋に入り、椅子に腰掛け採血用の台に左腕を乗せた狛枝君と

タブレットに何かを入力している罪木さんのそばに寄る。

 

「腕の調子はどう?」

 

「うん、罪木さんと左右田クンのおかげで、元の腕と全然変わらないよ」

 

彼の左腕は機械的な義手。そうなった理由はちょっと複雑だから、また今度ね。

 

「それは何よりだわ。今日はメンテナンスの日だったのね」

 

「私、機械のことはさっぱりですけど、直接肌につけるものですから、

左右田さんと二人三脚で定期的な検査をしていく必要があるんです~」

 

「見た目はともかく、動きは本当に生身の腕と変わんないよねー」

 

“見た目”か。二人共田中君のようにパッと見でわかるような落ち込みは見せていない。

今度は少しアプローチを変えてみましょう。

 

「江ノ島さんはその後お変わりありませんか?ちゃんとお薬飲めてますか?

いえ、あの、江ノ島さんが一回1錠の薬を間違えるような

お馬鹿さんだって言ってるわけじゃ…ご、ごめんなさい!」

 

アタシは苦笑して答える。この話題は使えそうね。

 

「いいのよ、本当に勢いで飲みすぎてぶっ倒れたことがあるんだから。

酒は飲んでないわ。本当よ?……今日はこの事で相談があって。裁判員のこと」

 

「……ボクは外すよ」

 

「あ、よかったら狛枝君にも聞いてほしいの。迷惑じゃなければ」

 

「ボクには聞くことしかできないけど、それでいいなら話してよ」

 

「ありがとう、助かるわ」

 

「わ、私も心療内科は専門外ですから、的確なアドバイスは出来ないと思いますけど、

お話しを聞くくらいならできます!」

 

「罪木さんもありがとう。実はね」

 

アタシは裁判員を続けることに加えて、

G-fiveを世に広げている犯人の捜査を始めることを決めたことについて説明した。

二人は黙って最後まで聞いてくれたけど、その表情には戸惑いが浮かぶ。

 

「危険だよ!裁判員はともかく、あんな毒を持っている奴に近づくなんて!」

 

「そうですぅ……。真犯人については、警察に任せたほうがいいですよ。ね、ね?」

 

「二人ならそう言ってくれると思ってた。ありがとうね。

でも、これだけはやらせてちょうだい。

久美子さんと喜男さんの人生を狂わせた犯人とは、アタシの手で決着をつけたいの。

アタシに“有罪”を書かせた犯人とはね」

 

わずかに二人の顔が暗くなる。

やっぱり罪木さん達も2つの事件について負い目を感じていたらしい。

 

「ボクだって犯人は許せない。だけど、一人で捜査するのはやっぱり危ないよ。

……そうだ、日向君に相談してみたらどうだろう。

超高校級の希望の彼なら、力になってくれるはずだよ」

 

「それはいい考えですね!日向さんならきっと危なくなっても守ってくれますし、

えーと、いろいろ手助けをしてくれると思います!」

 

「なるほど……。確かに彼がいてくれれば心強いわ。日向君を頼ってみる。

ところで、今度はアタシから質問。ふたりは、裁判員についてどう思ってる?

アタシはね、みんなにも自分の気持ちに正直でいてほしいの。

要するに、辛いのに痩せ我慢をしてまで裁判員を続けてほしくなんかないし、

そんなことを続けてたらアタシみたいに変になっちゃう。

世の中に貢献する方法は、特別な才能を持ったふたりなら他にいくらでもあるわ」

 

「それって……。裁判員を下りろってこと?ボク達を心配して」

 

「違う。あくまで自分の気持ちを最優先にしてほしいだけ。

二人にああしろこうしろ言う権利なんて、アタシにはない。

バカやらかしたアタシからの、単なるお願いよ」

 

「ふゆぅ……」

 

「そうだね、少し考える時間をくれないかな。今答えを出すのは、難しいかな」

 

「もちろんよ。あなた達自身の問題なんだから、じっくり考えて。

そろそろ行くわ。話に付き合ってくれて、ありがとう」

 

「いいよ。江ノ島さんこそ気遣ってくれて」

 

「お体を大事に、薬は用法用量を守ってくださいね?」

 

「罪木おねぇも、狛枝おにぃも、バイバイ」

 

医務室を出ると、ぶらぶらと廊下を進む。日寄子ちゃんもトテトテとついてくる。

次は誰に会おうかしら。

 

「ねー、江ノ島おねぇ。狛枝おにぃが言ってた通り、日向おにぃに会いに行くの?」

 

「そうね……。んー、彼は後にするわ。

今打ち明けても絶対“やめろ”って言われるだけだし」

 

「割と頑固なとこあるもんねー。じゃあどうする?」

 

「おい」

 

自販機コーナーの前に通りかかった時、奥から急に声をかけられた。

思わず足を止めると、両手に大きな菓子パンを持った彼。

 

「十神君」

 

「豚足ちゃんじゃん。確か朝ごはん食べてたよね……?」

 

「それがどうした。こんなものはただのデザートだ。それより江ノ島」

 

「な、なに?」

 

彼がその巨体で迫ってきたから一歩下がってしまった。

 

「裁判員裁判についてわざわざ俺たちを心配して回ってるそうだな」

 

「え、なんで知ってるの?まだ田中君や罪木さん達と話したばかりなのに……」

 

「俺の情報収集及び分析能力を甘く見るな。

馬鹿騒ぎしている田中を見ればそれくらい察しが付く。

だが、これだけは覚えておけ。お前がこの俺の心配をするなど、100年早い!

ジャバウォック島で俺が万引きGメンをしていたことを忘れたか?

強靭で高潔な精神を持つ俺が、自分の判断が招いた結果にクヨクヨするなどあり得ん」

 

「そう……。あなたは、強いのね。羨ましいわ」

 

「今更当たり前のことを言うな。それともう一つ!」

 

菓子パンを食べ終えた右手の人差し指でアタシを指差す。

 

「G-five製造の真犯人を追うらしいな。本格的な捜査を開始するときは俺を頼れ。

俺の明晰な頭脳なくして犯人逮捕は不可能だ」

 

「ありがとう。頼りにさせてもらうわ」

 

「ふん、もう行け。俺はともかく他の連中にはお前が必要だろう」

 

「ええ。また時間が合えば食堂でご一緒したいわね」

 

思いがけず出会った十神君と別れて、また廊下を歩き始める。

今度は地下階に行ってみましょう。

 

「うえ…。おねぇ、もしかしてあそこに行くの?」

 

「ええ。きっと彼女はいつものところにいるだろうから」

 

明らかに乗り気でない日寄子ちゃんと一緒に階段を下りていく。

 

 

 

 

 

♪♫♬♫♪♬♪♫~!!

 

《ストップ、ストップだよ澪田さん!

モニターを見て。さっきから周波数が危険ラインを超えっぱなしだよ!?》

 

「いいんすよ!誰かに聴かせるわけじゃないんすから!」

 

《私が聴いてるってこと忘れてないかな?》

 

「失礼するわね」

 

防音室の扉を開けると、一瞬部屋から漏れ出た彼女の歌を食らってしまった。

こめかみに一撃を受けたような衝撃でふらつきそうになったけど、

澪田さんがアタシに気づいてすぐ演奏をやめてくれたから助かった。

 

「盾子ちゃんっすか。

えーっと、唯吹これからオリジナルソング100曲メドレーに突入するから、

逃げたほうが懸命す……」

 

「そんな無茶したら喉を痛めるわ。

歌の前に、少しだけお話しに付き合ってくれないかしら」

 

「おねぇ、もう耳栓やめてもいい?」

 

「ハハ…日寄子ちゃんひでーっす。

まぁ、ガールズトークも気分を変えるには悪くないっすよね。

ふむむ、一体何を話したものか」

 

100曲メドレー。気分を変える。澪田さんも吹っ切りたい何かがあるみたい。

立てかけてあったパイプ椅子を広げて腰掛ける。

 

「話すと言っても、大した用事があるわけじゃないの。

なんだか急にみんなの顔が見たくなって」

 

「ちょい待ち!」

 

彼女の心持ちをどう探ろうか考えていたら、澪田さんの方から待ったが掛かった。

 

「……大体のこと、千秋ちゃんから聞いてるっす。

盾子ちゃんがこの前の裁判で落ち込んでたってこと。裁判員のことっすよね?」

 

《ごめんね、江ノ島さん。あの後江ノ島さんが荒れてたみたいだから、

澪田さんと新曲テストについて打ち合わせしているうちについ相談しちゃって……》

 

「いいの。今はもう腹をくくったから。うん、バレちゃってるなら仕方ないわよね。

実は辛くても無理に裁判員を続けようとしてる人がいたらやだな~、っていう

余計な心配をしにきたの。みんな、責任感が強いから」

 

「余計なんかじゃ、ないっすよ……」

 

少しうつむいて、澪田さんがため息のように言葉を吐いた。

 

「明るく楽しくをモットーに生きてる唯吹だって、やっぱりあれはキツいっす。

殺人罪って、絶対殺されなきゃいけない罪なんすかね?

特に二回目の人は、瓶の中身を知らずに利用されただけ。

そりゃ世界崩壊前の刑罰は甘すぎたっすけど、今度は問答無用で死刑って

両極端にも程がある……って、唯吹らしくないことを考えてしまうんすよ」

 

「あなたの考えは正しいわ。こんな悲劇は一日も早く終わらせなきゃいけない。

だからアタシは犯人を追うことにしたの」

 

「えっ、盾子ちゃんが?」

 

《私もそれは無茶だと思うよ!?手がかりだってほとんどないのに!》

 

「手がかりならこれから探す。

アタシには8人の江ノ島盾子がついてるし、彼女達が知恵を貸してくれるわ」

 

「わたしだって協力するよ!

つまり江ノ島おねぇが言いたいのは、無理すんな、自分の首締めんなってこと!」

 

「ありがとう日寄子ちゃん。アタシが言いたかったことはそれだけ。

説教臭くてごめんなさい。演奏の邪魔だったわね。これで失礼」

 

「う~ん、唯吹に出来ることと言えば……。難しいことはわかんねっす!

やっぱ歌うことだけが唯吹の全てっすね!

じゃあ頑張る盾子ちゃんのためにもう一回行くっすよ!

“電波時計買ったけど電波が届かない田舎だった”!」

 

《ストーップ!ふたりとも、早く行って!》

 

「おねぇ、逃げるよ!」

 

「はいはい、急ぎましょう」

 

避難が完了しないうちに澪田さんが演奏を始めようとしたから、

あわや大惨事になるところだった。

地下階から1階ロビーに上がり、一旦休憩を取ることにした。

日寄子ちゃんにジュースを買ってあげて、アタシはアイスコーヒーにすると、

ベンチに座って飲み始めた。

 

「けっこー回ったね。次はどうする?」

 

「弐大君と終里さんは外の学校で体育の授業があるから今はいないから……。

九頭龍君と辺古山さんはどんなお仕事してるか知ってる?」

 

「それも忘れちゃったの?戦刃おねぇと同じ体育館で警備兵に武道の授業してんじゃん」

 

あー、そうだったっけ。コツンと自分の頭を小突く。

 

「ごめん。まだところどころ肝心な記憶が抜けてるみたい。

今度は体育館に行きましょう。もう少し付き合ってくれる?」

 

「当たり前じゃん。今日のおねぇは話長めだからわたしが要約してやんよー」

 

「ふふ、ありがと」

 

 

 

 

 

天井の高い広大な空間に、

竹刀を打ち付ける音、ホイッスルを吹く音、九頭龍君達の指導の声が響く。

体育館を訪れると、訓練に明け暮れる警備兵の熱気が伝わってくる。

皆の様子を少し眺めてみる。警棒を使った格闘術を教えている九頭龍君。

 

「3番、お願いします!」

 

「よっしゃ、来いオラァ!」

 

「うおお!」

 

「あンだそのへっぴり腰はァ!踏み込みが足りねえつってンだろうが!」

 

辺古山さんは中央の四角いスペースで剣道を指導している。

 

「始め!」

 

「やあっ!」

 

「ふん!」

 

受講生の放った一撃を瞬時に弾き、小手に竹刀を命中させた。

 

「一本!」

 

「お前は面を狙いすぎだ。一撃必殺も結構だが、慎重に相手の隙を見計らえ。

攻撃と防御のバランスが重要だ」

 

「わかりました!」

 

そして、お姉ちゃんは逮捕術と殺人術の授業。うん、さすがにこれは覚えてる。

 

「その銃を私に向けたまま。奪われないように」

 

「はい!」

 

受講生がお姉ちゃんにモデルガンを突きつけてる。両者静かに見つめ合う。

実戦ならお姉ちゃんは絶体絶命だけど。いえ、実戦“でも”と言ったほうが適切かしら。

3、2、1。

 

「ふっ!」

 

同じ“超高校級の軍人”だから見えたけど、

お姉ちゃんの両手が相手の反応速度を上回る速さで銃と手首に襲いかかり、

一瞬にして銃を奪い取った。

あっという間に立場が逆転し、相手も何をされたのかわからない様子。

 

「えっ……?」

 

「皆にもこれを覚えてもらう。銃を突きつけられても最後まで諦めないこと。

あとは……」

 

不意にお姉ちゃんと目が合った。するとお姉ちゃんはパンと手を叩いて呼びかけた。

 

「休憩に入る。解散」

 

“はい!!”

 

 

 

アタシ達は体育館の中央でお姉ちゃん達と合流して床に座り、

十四支部をうろついている今日の目的を説明した。

話し終えた途端に九頭龍君の機嫌が悪くなる。

 

「そんでェ?オレ達が裁判員になったことで傷ついてるだろうから

お見舞いに来てくださったってことか?……ドアホ!」

 

「ちょっとー!ドアホはないじゃん!江ノ島おねぇが心配してくれたのにさー!」

 

「ううん。ごめんなさい、仕事中だったから後にしようと思ったんだけど……」

 

「んなことじゃねえよ!

オレとペコがあれしきのことで凹んでると思ったことに腹立ててんだっつーの!」

 

「組長。確かに私は平気ですが、彼女の意向も聞かなければ……」

 

面を取った辺古山さんがちらりとお姉ちゃんを見る。

ジャージ姿のまま体育座りをしているお姉ちゃんはアタシと目を合わせず、

床に貼られたテープのラインに視線を合わせている。

九頭龍君がボリボリと頭をかいて辺古山さんに続いた。

 

「まー確かに、全員が全員オレ達みたいにタフなわけじゃねえからな。

特に田中のヤローは幽霊みたいになってたし、何にもフォローなしで裁判員続けてたら、

いずれ誰かぶっ倒れてたかもしれねえ。……戦刃、お前はそこんとこどう思う」

 

そこでお姉ちゃんが初めて顔を上げて、寂しげにアタシに言った。

 

「私、盾子ちゃんが一緒なら裁判員を続けることは嫌じゃないよ。

だけど、真犯人を追うなんて危険なことは、してほしくないな……」

 

「わかって、お姉ちゃん。

G-fiveを作ってる奴を止めなきゃ、連続毒殺事件は終わらない。

きっと犯人は自分のしていることを正しいことだと思い込んでる。

たとえこれ以上後がない人や何もわからない人を踏み台にしていようと。

じっと手をこまねいているうちに新しい犠牲者が出て、同じことの繰り返し」

 

「だけど、警察や未来機関にだって足取りがつかめないんだよ?

盾子ちゃんひとりじゃ無理だよ……」

 

「アタシの中には8人のアタシがいるし、

この話をしたら協力してくれる人も見つかった。

できるとしたら、被告や証拠品を間近で見てきたアタシしかいないと思うの」

 

お姉ちゃんは自分の脚を抱く腕に更に力を入れてつぶやいた。

 

「なんだか、また盾子ちゃんが遠くに行っちゃうような気がする」

 

「心配しないで。絶対無茶はしないから」

 

アタシはお姉ちゃんの手に触れながら約束する。

それを見ていた九頭龍君が難しい顔をして尋ねてきた。

 

「この件についてよォ、日向は何て言ってんだ?」

 

「まだ打ち明けてない」

 

「なら、晩飯の時にでもナシつけるんだな。今夜は久しぶりに全員集合だ。

タブレットで連絡しとけよ」

 

「わかったわ」

 

「盾子ちゃん」

 

「なあに?」

 

「もう、どこにも行かないでね?」

 

「お姉ちゃんは心配性ね。どこにも行きようがないじゃない。

……あら、すっかり話し込んじゃったわね。また、今夜」

 

「うん……」

 

ぞろぞろと受講生達が戻ってきたから、アタシ達は失礼した。

体育館を去ると適当なベンチに腰掛けて、

ベルトのホルスターに入れていたタブレットを取り出し、

今晩食堂に集まってくれるよう、皆にメールを送った。

 

「最後に全員で晩ごはん食べたのっていつだっけ。またうるせーんだろうな~」

 

「うふふ、そうね」

 

ジャバウォック島での思い出が蘇る。

日向君や今日はまだ会えてない弐大君と終里さんがわかってくれるといいんだけど。

 

 

 

 

 

「危険すぎる!賛成できない!」

 

わかってくれなかったわ。

花村君のまかないの時間に合わせて夕食会のセッティングをして、

全員集まってくれたのはいいけど、

日向君はアタシのやろうとしていることには同意してくれなかった。

 

「お前さんがそんなことを考えとったとはのう……。

確かに犯人を野放しにできんという江ノ島の言い分はわかる。

じゃが、日向の言う通り危険行為には違いない。

大体、霧切支部長はこの事を知っとるのか?」

 

「あいつは関係ないわよ。

むしろ昨日は勝手に犯人について事情聴取のスケジュールをぶちこんで来たんだから、

自主的な捜査の邪魔をされるいわれはないわ」

 

「そんで昨日は遅くまで出かけてたのかー。オレには難しいことはよくわかんね。

危ないっていうなら、危なくない範囲でやりゃいいんじゃねえの?」

 

学校の授業や部活を終えて帰ってきた弐大君と終里さんの反応はまちまち。

 

「日向おにぃはそれでいいの?

犯人の野郎を捕まえられるのは江ノ島おねぇしかいないのに!」

 

「敵の規模も正体もわかっていないのに、闇雲に探し回ってどうなるんだ。

いくら江ノ島が万能でも、見えない凶器を使ってくる人殺しを相手にするのは、

やっぱり危険だ!」

 

「あのよー。日向も西園寺も落ち着けって。終里の言ってたことはテキトーだと思うが、

案外的を射てるとも思うぜ。危なくない範囲なら捜査を認めてもいいんじゃねえのか?」

 

「そうです。

わたくし、江ノ島さんが事情聴取を受けていたことなんて、今はじめて知りました。

知らない間に彼女だけに負担を強いるよりも、

全員で協力して犯人追跡に当たる方が、よほど現実的だと思うんです。

なにより……。寂しいじゃありませんか」

 

仕事上がりの左右田君とソニアさんは賛成してくれた。

 

「フッ、俺は既に翼をもがれた堕天使と契約をしてしまった。

輪廻の果てまで命運を共にするまで」

 

「だから“フ”はいらねーっての」

 

「唯吹としてはー。音楽以外のことはからっきしなもんでー。

赤音ちゃんと同じくごちゃごちゃしたことはわかんないっすから、

盾子ちゃんさえ指示してくれれば何でも手伝うっす!」

 

「ぼくは基本的に休みの日以外ここを離れられないから、みんなに任せるしかないかな」

 

「なんか証拠写真とか見つかったらアタシに見せて。

これでも写真家だから被写体の分析は得意」

 

「あの、あの、私は治療しかできませんから、もし怪我したら言っていただけると……。

あ、皆さんが怪我するのを期待してるわけじゃないです、ごめんなさーい!」

 

「とりあえず犯人の潜伏先が見つかったら教えろや。

オレとペコでカチコミ掛けるからよォ」

 

「待て、お前達!本当にそれでいいのか?取り返しのつかないことになったら……」

 

──喧しい!!

 

その時、誰かが机を殴って立ち上がった。そして高らかに宣言。

 

「お前ら、この十神白夜を差し置いて何を好き勝手言っている。恥を知れ!

G-five製造犯の捜査については俺が指揮を執る!

各々は江ノ島の指示に従い、各々の能力を活かし、確実に犯人を検挙しろ!以上だ!」

 

十神君が指示とも言えない指示を出して着席した。しばらくみんなポカーンとなる。

頭を抱える日向君。

 

「絶対……。絶対誰も犠牲になるな。俺からはもう、これしか言えない……」

 

「十神君、日向君、みんな。ありがとう、アタシのわがままを聞いてくれて」

 

「もう久美子さんや喜男さんのような悲しい人を出してはいけませんから。

これはわたくし達全員の思いです」

 

「ソニアの言うとおりだ。

オレも暇を見つけて生体探知機とか使えそうなガジェット作っとく」

 

「本当に、ありがとうね、みんな……!」

 

「わかればいい。さあ、花村。明日からの活動に備えて、追加の肉を持って来い」

 

「えっ、もう食べちゃったの!?食材余ってるかなぁ……」

 

とぼとぼと調理場へ向かう花村君を見て、彼には悪いけどみんな笑っちゃった。

みんな一緒。やっぱり、いいものね。

 

 

 

 

 

翌日。アタシはタブレットを起動して、ポータルサイトにアクセスした。

ニュースの見出し一覧に、“福祉施設殺人事件の死刑執行”の文字。

URLをクリックすると、

 

《本日、4月2日にいそかぜ障害者作業所で発生した殺人事件の被告、

中村喜男(25)の死刑が執行された》

 

それだけ。

 

彼が重度の知的障害を負っていたことや、謎の女から毒を渡されたこと、

そして喜男さんが被害者とされる施設長から凄惨な暴行を受けていたことは

一切記されていなかった。

アタシはタブレットを抱きしめて自分に言い聞かせるように口にした。

 

「必ず、必ず止めてみせるから」

 

 

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