一言だけ…
短いですが内容は詰めたつもりです。
ある妖怪がいた。
その妖怪は鬼であった。
鬼はとても幸せな暮らしをしていたが、ある日そんなに日常を壊されることとなる。
人間が疫病を広めてしまった。
それ対してその鬼は人間ではなく自身を憎んだ。
自身の不甲斐なさを憎んだ。
故に鬼は努力をした。
自身が傷つかない様に力を磨いた。
否、皆を助けるため知恵を磨いた。
そこで鬼はある人間と出会うこととなる。
その人間はかつて自身の幸せを壊した人物。
彼は地面に頭をついて言った。
「すまなかった」
その言葉に鬼は笑顔で『大丈夫!次は私が救ってみせるから!』と言った。
人間は顔を赤らめる。そして2人で笑い合う。
その後鬼はその人間と婚約することとなる。
2人はどちらの種族からも隠れて幸せな日々を送っていた。
鬼はいつも通り知恵を磨き、人間は畑を耕す。
やがて鬼には1人の子供ができる。小さな女の子だった。
2人はその子を大層可愛がった。何時も側から離さなかった。
しかし、そんな日々は続かなかった。
その子は半妖だった。
鬼を嫌う人間、人間を嫌う鬼。
どちらにも属せない子供。
人間と鬼は自身の持ちうる最大の力を使う。
ある場所に子を預ける。
そこに種を植えた。人間は自身の好きな木の種を、鬼は自身の気持ちを込めた花の種を。
そして忘れるためにそこから去っていく。その2人の目には涙があった。
しばらくして、女がまたその場を訪れることになる。
なぜか?
夫の死で思い出したから。
鬼が再び訪れた場は青かった。
群青色の花が辺りに咲き誇っていた。
まるで自身の気持ちを表すように…。
そして亡くなった夫を表すように1本の木が立派に育っていた。
その下には一人の少女が座っていた。
鬼はいつか起きるその少女へと手紙を木の下へ置いて元の場所へ帰っていく。
もはや鬼はは自身を見失っていた。少女のことを忘れ、夫のことを忘れ、名前さえ忘れていた。
縁下 凛蝶
『記憶を弄る程度の能力』
縁下 群秋
『空間を作り出す程度の能力』
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私が死ぬ2日前に思い出したのはそんなに古い記憶。あの空間に言ったおかげで思い出した記憶。
すべて思い出した。
彼女と彼と私の記憶。
思い出したならやるべき事は1つだろう。
私は筆をとる、綺麗な楓の葉が彫られた筆。
こんな私を見たらどう思うだろうか…
友ならば「アンタらしいねぇ…」と酒を飲みながら言うだろう。
夫ならば「君のやりたいことなら僕はそれについて行くだけさ。」なんてキザな言葉を選ぶだろう。
娘ならば「どんな母さんでも大好きです!」
…なんて言ってくれるのかな。
書こう、あとほんのわずかに残された時間で私の思いの全てを私と群秋の思いを全て。
『拝啓、我が愛する娘』
楓の葉は散った。
もちろんこの子の物語です。
詳細はこの小説が完結する際にしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました、