「そう!『Mermaid festa vol.1』だ!」
「マーメイドフェスタ!?どんな曲なんですか!?」
海末が尋ねる。
「アンデルセンの『人魚姫』をモデルするつもりなんだ。
ちなみに、『人魚姫』に登場する人魚の姉妹は七人、
この曲は、七人そろってこそ完成するんだ。
だから、にこ先輩には絶対μ`sに入って欲しい。そんな思いも込めてあるんだ。
そのために、まずはこの六人で曲を完璧にして、
にこ先輩を感動させてやろうぜ!
だから、明日まで待っててくれ」
「よくわかんないけど、すごいにゃー。
凛たちは、曲ができるまで、ダンス練習してるにゃ」
「ありがとう、凛」
「じゃあみんな!曲ができるまでダンス練習だー!」
穂乃果が拳を空に突き上げる。
「「「「「「おーー!!」」」」」
五人も、それに続いて拳を突き上げた。
走って練習場の屋上へ向かう六人。
ユイトは階段を駆け上る六人の姿を見送ると、
自信も作業のため、教室へ向かった。
その時、誰かが駆け戻ってくる。
「ちょっと待ちなさい!」
息を切らせて駆け戻って来たのは、
真姫だった。
「歌詞が書けたら持ってきて頂戴、作曲してあげるからっ!」
そう言ってすぐに踵を返し、走り去って行った。
「.......あ、ああ」
ポカンとするユイトだったが、
素直じゃないなぁ、とため息をつきつつ、
小さな優しさを感じて、教室へ向かった。
「うーん...熱い恋の歌にしたいなぁ...」
風間ユイトは太陽が傾き、オレンジに染まった教室で
机に向かい、絶賛作詞中である。
カリカリ...とシャープペンシルが紙を滑っていく
音だけが静かな教室に響く。
ある程度書き終えると、ふぅ...と一息つき、
ペンを置く。
音ノ木坂学院には、一階に一年生の教室、
二階に二年生の教室が、そして三階には三年生の教室がある。
そしてユイトは二年なので、二年生の教室にいる。
その教室の窓から下にあるグラウンドを
見下ろすと、
グラウンドでは、サッカー部、陸上部、
そして野球部が練習をしている。
「しまった…練習行くの忘れてた…」
ユイトは昨日、助っ人として野球部に入った
ばかりである。
「明日は絶対行く。
うん、そういうことにしておこう。
……そろそろ続きを書かないと」
再び紙にペンを走らせる。
「曲中にセリフも入れたいな…。
そういえば、にこ先輩は、
アイドルは「キャラクター」を作ることが
大切って言ってたけど………」
ユイトは、先のにこの言葉に、少し疑問を
覚えていた。
「あの六人は、
そんなことをする必要はないよな…」
……何故かって、それぞれが
とても強い「個性(キャラクター)」を持っているのだから。
そして、にこ先輩も……。
ユイトはそう思った。
ちなみに、曲名に「vol.1」とあるのは、
この曲がヒットしたら「vol.2」を書いてやる
というユイトの野望によるものである。
希望的観測だが。
曲などの解釈は、
作者の独断と偏見によるものになっていくと思いますが、
作中でギャグがつまらない以外で何か問題があればコメントください。
修正しますので。
ギャグのセンスは修正できません。