かっこいい六人が見れますよ!…多分。
そして…ななななんと…!ユイトのギャグが面白いという
メッセージをいただきました!
作者も予想外でした。
これからはもう少しマトモなギャグを書いていきたい所存です。
※曲が流れるシーンは、実際に再生していただくことを推奨します。
最近なぜか遅刻がなくなり健康的な生活を送っている俺、風間ユイトは
今日もまた、朝学活が始まるまでの時間、親友の小林シンイチと駄弁っていた。
「…おい小林、昨日TV何見た?」
ユイトは小林に問うた。
「なんだよ急に、そういえば昨日は高校生クイズやってたな」
おそらく昨日TVを見た大方の人は、口をそろえてそう答えるであろう。
全国の高校生が己とチームの知力で日本一を目指すクイズ大会。
視聴者は八割型問題が理解できず、
「俺これわかるし!」ドヤ顔で見ている家族にそう告げ、
問題に答えるが全く違う。
「そ、そうともいうな…ははは…てかこんな問題わかるわけねーじゃん!!」
そうテレビに苦しい言い訳をした人は少なくないであろう。それでも、
誰もが優勝チームに一度は憧れ、しかし現実を見れば諦めるしかない、
そんな感情を抱いたであろう崇高なクイズ大会。
だがしかし、ユイトが小林に求めたものはこれではない。
「お前…俳句甲子園見なかったのか…」
「なにそれおいしいの?」
説明しよう。俳句甲子園とは高校生クイズの裏で放送されている、
全国の高校生がチームで優れた俳句を作り上げ、そして相手チームの俳句を
批判をし、議論をしてポイントを取っていく大会である。
知名度は低い。
ユイトはそんな俳句甲子園を毎年楽しみにしている。
出場はチームで登録する必要があるのでユイトは諦めているが。
「あのなぁ…俳句甲子園っていうのは俳句を作る力だけじゃなくて作品を鑑賞する力も
ためされ「かっざまくーん!!!」
「人が話してる途中に耳元で叫ばないでください!」
普段はめったにユイトに話しかけてこない、高坂穂乃果が、
そわそわとした様子でユイトに話しかけてきた。
「高坂さん…何ですか?あ、もしかして告白?
まてよ、今朝しっかり歯磨きしたよな…」
なぜか口に手を当てて口臭を確かめるユイト。
「ちがうよー!新曲が完成したの!新曲!Mermaid festa vol.1が!」
「…あ、ああ、そっちですか…」
ユイトの目の輝きが失われる。
「放課後に、部室に来てね!ヨロシク!」
「わかった、そうだ、台詞の部分も大丈夫?」
「もちろん!ばっちりだよー!ぶい!」
「そういえば高坂さん昨日俳句甲子「ことりちゃんおっはよー!あ、じゃーね!」
「……」vサインをして
嵐のように去って行った穂乃果。
「俳句甲子園、来年楽しみ…だよな…ははは…」
小林がぎこちない笑顔で、ユイトの肩をポンポンとたたいた。
放課後
「高坂穂乃果……強敵だ…」
真顔でそんなことを呟いてすれ違った下級生の女子二人組に笑われながら、
ユイトは部室へ向かっていた。
「失礼します」
そういってユイトが部室のドアを開けると。
「なんじゃこりゃぁ!!!」
昨日まであんなに汚かっ…いや失礼、神聖なアイドルグッズで埋め尽くされていた
部室にステージができていた。
部室の半分もあろうか思われるステージの前に、椅子が二つ。
片方にはにこが座っていた。
「にこ先輩、どもども」
「始まるわよ、早く座りなさい」
にこの言葉で、ユイトはにこの隣に座った。
-そのころ舞台裏で-
「緊張するにゃ…」
いつも笑顔の凛が、緊張で氷のように固まっている。
「あ、足が震えます…」
花陽も相当緊張している様子。
凛と花陽、そして真姫にとってはこれが初めてのライブ、
緊張するのも仕方がない。
「あたしは全然緊張なんてしてないけど。だいたい観客がたったの二人なんて
緊張しろっていわれても無理な話よね」
真姫は全然緊張していないようだが。
「西木野さん、たったの二人でも、私たちを見てくれる人がいるのです、
全力でいきますよ!」
海末がそんな真姫をたしなめる。
「わかってるわよ…!」
まだメンバーに素直になれない真姫だが、やる気は十分。
「穂乃果ちゃん、風間君も来たみたいだからそろそろいこう!」
外の様子を見に行っていたことりが戻ってきて、穂乃果にそう告げる。
六人の緊張が高まる。
観客はたったの二人、しかし舞台裏では良い意味で張りつめた空気が流れている。
「みんな!いくよ!」
その緊迫を、穂乃果が破った。
穂乃果の言葉とともに、円になった六人がピースを作った手をのばし、
そして全員のピースをつなげ、星を形作る。
初めての六人でのライブ、繋いだ星型は少し歪ではあったが、
途切れることなく、しっかりと繋がっていた。
「μ’s、ミュージックスタート!!」
穂乃果の掛け声とともに、六人はステージへ駆けだした。
「そろそろかな…?」
ユイトがパイプ椅子に深く腰かけなおした瞬間、
ステージのライトが点いた。
「「「「「「No,とめないで あなたから熱くなれ…」」」」」」
夏の海を感じさせる熱いフラメンコサウンドの間奏が入る。
Aメロの出だしを、
ことりと花陽が手を繋ぎながら切なげに歌う。
さびしげな月の光を浴びる少女の表情を、ダンスで上手く表現する六人。
Mermaid festa vol.1は、もう二度と会えない「あなた」と「わたし」の
一度きりの夏の恋を歌った曲である。
人魚伝説のように、切なく、泡のように儚い恋の歌。
そんな曲をほんの一か月前、いや、一週間前に「アイドル」を
始めたばかりのメンバーもいるμ’sが完璧に表現していた。
ユイトも、そして隣のにこも、1stライブの時とは比べ物にならない六人の迫力に、ただただ驚くだけであった。
そしてサビに入る。
まるで人魚の尾ひれのように頭上で腕をゆらゆらと交差させる六人。
六人の息の合ったダンスに、そして六人の真剣な眼差しに、ユイトは
魅了されていた。隣を見ると、口をあんぐりと開けているにこの姿。
サビが終わり、曲も終盤に突入する。
ユイトが拳を握る。次が正念場である。
「くるぞ…!」ざわ…ざわ…
「ごきげんよう」クールに言い放つ海末。
「ありがとう!」持ち前の笑顔を見せる穂乃果。
「また…会えるよね?」いつもとは違う切なげな表情が光る凛。
「寂しいよ…」普段はおっとりしているが、その裏側に強い思いを感じさせる花陽。
「これっきり…かもね」いつものツンツンの中に寂しげな表情を見せる真姫。
「もう会えないの… 」絶対にもう一度会いたいと思わせる
甘いボイスと潤んだ目で懇願することり。
「「「「「「じゃあね…!」」」」」」
そして六人が声をそろえる。
「このラストのセリフがにこ先輩のセリフになるんですけど…」
ユイトがにこに呟いたが、すでに聞こえていないようだった。
六人を見つめるにこの目は、ステージに立っている彼女達と同じ目をしていた。
引き続き感想待ってます!
余談ですが、作者が代わりにかいてあげた友人の俳句が市の俳句コンクールに
入選しました。
そして作者のは落選…orz。
友人はなんか凄く表彰されてました…ぐすん。