俺、風間ユイトは学校の帰り道に高台にある神社に行こうとしていたところ、クラスメイトの高坂穂乃果、園田海末、南ことりと遭遇した。なんと彼女たちは音ノ木坂学院のスクールアイドルだというが……
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「みゅーず?薬用石鹸?」
「ちがーーう!薬用石鹸じゃない!ミューズだよミューズ!」
地団駄を踏みながら穂乃果が叫ぶ。その様子に、俺を含め3人は思わず笑ってしまった。
「穂乃果、それじゃ伝わりませんよ。
風間君、『μ's』でミューズと読むのですよ」
海末が携帯で文字を表示させ、ユイトに見せる。
「確かこれって...ギリシャ文字だっけ?」
「ええ、9人の女神を表しているの……」
「9人か…他のメンバーは?」
「まだいないんです……グループの名前を募集したんですが、応募は1件しかなくて、そのまま『μ's』に決まったんです」
ため息をつく海末。
「だから、今部員を募集してるの、風間君も入りたい?」
破壊力バツグンの笑顔のことり。こうやって勧誘をして行くのだろうか。選択肢は2つ。「はい」か「はい」である
「はっ、はいっ!!」
声をうわずらせながら答えるユイト。
「ことり、ちょっと待ってください、ダメですよ」
だがしかし海末に即却下される。ダメなの!?じゃあ聞かないでくれよ……
「いやわかってますよ……僕なんかがアイドルなんてね……」
「……だ、ダメというわけではないんですが、やはり女子3人に男子1人はバランスが悪すぎます、歌うだけでなく、ダンスもありますから、運動神経も必要になりますし……」
「風間くん帰宅部だからねー」
穂乃果にはっきりと言われてしまった……。
もう少しオブラートに包んでものが言えないのかと言いたいところだが、取り敢えず納得しておく。
「は、はぁ」
元野球部なんだけどな……と言いかけたが、やめておく。
そのことは3人、いや、もう誰にもに知られたくなかった。
あと、俺男だしな。男1人はやっぱりバランス悪いしね。
「海末ちゃーん、ことりちゃーん、そろそろいくよ!じゃーね、風間君、私たちが、学校を守るんだからね、応援よろしく!」
「高坂さん、それじゃ」
三人は階段を駆け上っていく。
そんな後ろ姿をみていると、不意に昔の自分のことを思い出す。
中学生の頃、野球に熱中していた自分の姿を。
地区大会の決勝でマウンドに立っていた、自分の姿を。
好きなことに一生懸命になっていたあのころを。
「スクールアイドル…学校を守る…か…」
神社に行きたい気分でもなくなったのでユイトは帰路についた。
「『ラブライブ!』……?」
家に帰っても特にすることないユイトは、パソコンに向かっていた。
「スクールアイドル」と検索してみたところ、スクールアイドルというのは、その学校に所属するアイドルということらしい、部活動みたいなものだろうか。
そして、
「ラブライブ!」というスクールアイドルの全国大会
があるらしいことがわかった。人気投票ランキング上位20位が出場条件だという。
3人もこれに出て学校の知名度を上げようというのか、しかし失敗すれば逆効果なのではないか……
「ラブライブ!、か…」
それでも、階段を駆け上る三人の姿が、ユイトには忘れられなかった。
まぶたに三人の姿を焼き付けたまま、ユイトはベッドに体をゆだねた。