ラブライブ!if-モシモノ世界、カガヤク未来-   作:あさと

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とても遅くなって申し訳ありません。久しぶりの更新です。

前話以前から伏線を貼りまくっていた、大事件が発生。
笑えないヤツです。
乗り越えるヒントも、伏線として隠されているので、一緒に考えてみていただいても楽しいかもです(笑

μ’s始まって以来の、シリアス展開!
ユイトはどう乗り切る?


23話 「μ’s、最初にして最大の危機!? ユイトの決断!」

「まだ始まらないのか?」

「6時開始だから、もうそろそろだな」

 

「ことりタソ……ハァハァ」

 

現時刻、午後6:00。

 

紅く染まった夕空に、ステージを照らすライトが輝く。

 

 

「みなさーん!こんばんは!」

 

夜公演は、その穂乃果の挨拶から始まった。

 

(昼公演よりも、人が集まってる……)

 

穂乃果が、客席を見渡す。

 

客席、だけではなくグラウンドが、μ’s

を見るためにだけに集まった客でいっぱいだ。

 

多くは学生だが、

推すメンバーが背中に描かれた法被を着たり、缶バッチを付けたりしている客もいる。

 

客それぞれが思い思いの格好で、μ’sを応援している。

 

そして、それぞれが、配布された、思い思いの色の、ペンライトを持っている。

 

ここに集まった多くの人は、『ラブライブ!』のサイトや、生放送、その他SNSでμ’sの事を知ったのだろうと、穂乃果は推測する。

 

『ラブライブ!』だけでなく、インターネットを通しての人々の繋がりの強さ、穂乃果は、全身で感じていた。

 

ーー40分前ーー

 

(μ’sのライブ……来てくれた人はどう思ってるんだろ……)

 

本当は、他人の評価を気にすることなんて、イケナイ事だと分かっていながらも、穂乃果は、スマホを使って、短文投稿SNS『つぶやいたー』で、『μ’s』と検索をかけてしまう。

 

すると、μ’sに関しての、たくさんのつぶやきが現れる。

 

 

「メチャクチャ良かった!曲が耳から離れない!」

 

「本物、ヤバかったwwかわいすぎるw」

 

「あんな可愛い子がいたら、絶対入学するお。だけどワイ、30代ニート」

 

時には、辛口のそれもあった。

 

「パフォーマンスは頑張ってたけど、やっぱりまだ素人感がね……」

 

しかし、穂乃果の目を1番引いたつぶやきは、これだった。

 

「彼女達は、この半年、学校のために、また、夢のために頑張ってきました。今、世の中では、『夢』を見ることが難しくなっています。しかし、だからこそ『夢』の持つ力は大きいのです。輝きたいという、楽しみたいという、単純で、それでいて大きな、『夢』です」

 

「これをつぶやいた人は……風間……ユイト!?」

 

「【拡散希望】 μ’s夜公演、午後6時から音ノ木坂学院グラウンドで行います。ぜひおこし下さい。来れないという方は、同時に生放送もしますので、そちらをご覧ください」

 

「宣伝も、ちゃんとしてくれてるのね……全部、私達のため……」

 

ーーーーーーーー

 

(風間くん……思えば、やはり風間くんのおかげで、μ’sはここまで来れた気がする。それはみんな思ってるよ。

言えなかったけど……ありがとう)

 

「一曲目!『ススメ→トゥモロウ』いっきまーす!」

 

音ノ木坂を揺るがす、歓声が沸き起こった。

 

 

「彼女達にとって、ここからが正念場ね……」

 

そして、グラウンドの隅で、μ’sを見守る影が3つ。

 

 

ーーーーーーーーー

 

4曲目まで、昼公演と同じラインナップが、終了した。

 

そして、夜公演は、遂に新曲を披露する。

 

「みなさん……次は、新曲、『僕らのLIVE 君とのLIFE』です!」

 

穂乃果の言葉に、再び会場が湧く。

 

 

(凄い盛り上がりですね……燃えてきます)

 

海未は、心の中できつく拳を握る。

 

(やっぱりまだちょっとだけ恥ずかしいけど……楽しい!)

 

今回の衣装をデザインもしたことりは、ライブに楽しさを見出していた。

 

(ふ……真姫ちゃんがいるとなれば、このくらいの動員数は当たり前よ!)

 

真姫のテンションも、既にマックスだ。

しかし、真姫目当てのファンが多いのも事実……!

恐るべし、第6回人気投票を制覇しただけの実力……!

 

(終わったららーめん食べたいニャー。

かよちんと真姫ちゃんといくニャー!)

 

全てのエネルギー源は、その留まることを知らない食欲……!

しかしそこが魅力でもある。

安定の凛クオリティ!

 

(新曲……初めのステップは……あれ、どどど、どうするんだっけ……?誰か助けてー‼)

 

緊張のあまり、ダンスをド忘れしてしまう花陽。

しかし、緊張する、という事は失敗を恐れているということ。

つまり、本人に自覚はないかもしれないが、より良いパフォーマンスをしたいと思っているということだ。

その誠実さと謙虚さが、緊張につながっているのだ。

 

(生放送でにこの存在をアピールするニコ……!そうすればここあとこころも、あんな貧乏生活から脱出ニコ。ありとあらゆる企業、アイドルグループからオファーが殺到するに違いないニコ……!)

 

飽く無き野望を抱くにこ。

しかし、兄弟を想う姉の気持ちは、本物だ。

 

ユイトが舞台裏で、シンイチに合図を出す。シンイチの操作で、新曲のイントロが流れ始める。

 

9人はそれぞれのポジションにつく。

 

 

しかし、ユイトの胸騒ぎは、収まらない。

 

丁度その時だった。

 

バチン! という大きな音。

 

そして、ステージのライトが……消えた。

 

 

「何があった!?」

 

ユイトが叫ぶ。

 

「わかんねえ!だけど、電気が供給されてないみたいだ……!」

 

シンイチの悲痛な叫び。

 

 

その時、ユイトの脳裏に予想されたのは、最悪の事実。

 

ライブに用いる電気は、学校から引っ張ってきているものだ。

 

当初予定では、日頃から大量に電気を消費する場所であるがために、電気量は充分だと予想していた。

見積もりの段階で、その予想は正しかった。

 

しかし、グラウンドや校舎内では、予想以上に屋台などが出店されており、さらに、μ’sのライブの効果で、賑わっている。

 

結果として、学校が供給できる電気量をオーバーしてしまったのではないか……!?

 

それしか、考えられない。

 

失態……!軍師として、決して犯してはならないミス!

 

甘い……! 甘かった……!

 

「ブレーカーを上げに行ってくれ!」

 

近くにいた生徒会役員を、校舎内へ走らせる。

 

しかし、これでライブはもうダメ……!

 

ーーーーーーーーーー

 

舞台上では……

 

突然の事態に、客席がざわつく。

 

「みんな、落ちつくのよ……」

 

(何があったの……?恐らく、非常事態だわ……)

 

絵里は、戸惑うメンバーを、必死になだめる。

それでも、彼女もパニック寸前だ。

 

しかし、1人、動じない少女がいた。

 

(ユイトなら、この困難を乗り越えられるはずや……

タロットカードが……ウチの心がそう言ってるんや……!

頼むで!ユイト!)

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「ダメでした……!ブレーカーを操作できるのは職員だけなのですが、先生方がいらっしゃいません!」

 

「使えねえ……ッ!!」

 

ユイトが声を荒げる。

 

「内部電源があったから、曲だけは流せそうだ!しかし照明が……」

シンイチも復旧に急ぐが、電気が来なければ無駄……!

 

(どうすればいい……)

 

ユイトは考える。

 

(考えろ……考えろ……俺は、こんなところで彼女達の夢を断ちたくないッ‼)

 

中止するしかないのか……

しかし、μ’sは全国に失態を晒すことになる。

 

「くそぉぉぉっっ‼」

ユイトが、叫んだ。

 

その時、ユイトの必死の想いが、天に通じたのだろうか、神が舞い降りた。雷に撃たれたような衝撃が、ユイトの身体を走る。

 

「……!?……待てよ……いける……いけるぞ!シンイチ、マイクをよこせ!そして、9人を一旦下げろ!」

 

「おう…!」

 

戸惑いながらも、マイクを渡すシンイチ。

 

9人が舞台裏に戻る。

「何があったニャー!?」

「心配です……」

「今は……ユイトを信じるんや!」

 

 

深呼吸して、ユイトはマイクを通して、観客に語りかける。

 

「こんばんは、みなさん。サプライズイベントとして、最後に、彼女達『μ’s』が、『μ’s』と呼ばれる所以、その彼女達の美しさを、幻想的な雰囲気の中で、十分にご堪能あれ……!」

 

 

「なんだなんだ……!?」

「事故じゃなかったのかよ!?」

 

会場がまた、湧いた。

 

「えwwサプライズイベントかよwwwww」

「手が込んでるなwwwww」

「期待大です!」

 

と、生放送にも、どんどんとコメントが書き込まれている。

 

 

「いいですかみなさん、先ほど配布したペンライトを、ステージの周辺に投げてください。他の人に当たらないよう注意して投げてください。また、危険なので、ステージ上でなく、周辺に投げ入れて下さい」

 

観客らは、指示に従い始めた。

ステージまで届きそうにない、後ろの方の客は、前の客にペンライトを託す。

そうして、リレー方式で、ペンライトが、少し高く組まれたステージの周辺に、集められた。

 

 

これが……この展開を打破するアイデア!

事前配布したペンライトを、照明として、用いる!

 

それらは、間接照明と化し、夕闇の中でステージを7色の光で、幻想的に照らしていた。

 

 

 

「凄いニャ……」

 

「だから言ったやろ?」

 

「ユイト……流石です……」

 

9人も、ユイトのその神的な機転に、心を震わせていた。

 

 

「みんな……もう一回だ!」

 

 

ユイトが叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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