出久は教室の扉を開ける。すると聞き覚えのある声が聞こえる。
「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」
「朝から疲れてんだから仕方ねぇだろ!!てめぇどこ中だよ!」
(なにやってんのかっちゃん!?そしてメガネの君!?)
『……朝から疲れるなこいつら』
「ぼ…俺は私立聡明中学校出身飯田天哉だ」
「聡明……エリートじゃねぇか。さすがだな。ま、頑張ろうぜ」
「あ、あぁ……む?」
「あ、デク」
2人が話していると出久は教室に入ってきていた。
「おはようかっちゃん」
「なに寝坊してんだおめぇは」
「あはは……」
「俺は私立聡明中学校の……」
「聞いていたから大丈夫。俺は緑谷出久だ。よろしく!」
自己紹介をすると飯田は出久に悔しそうな顔をしていた。
「緑谷くん…君はあの実技試験の構造に気付いてたのだな」
「あれか。俺とかっちゃんは気付いてたよ」
「なに!?」
そう言って飯田は勝己にも悔しそうな顔をする。
「俺は気付けなかった…!悔しいが君達の方は上手だったようだ!」
飯田が悔しそうな顔を続けてると前髪を立てた男子が話しかけてくる。
「いや〜あん時は凄かったぞ!俺切島鋭児郎!よろしくな!」
「あ、よろしくね」
「あの0Pの奴に立ち向かったと思ったらなんか鎧来てたもんだからビックリしたぞ!」
「あ、デクくん!!」
出久は後ろから話しかけられる。そこには入試の時助けてそれ以来電話とかで話していた麗日お茶子がいた。
(……制服姿やっべぇぇ!?)
『耐性があるのかないのかハッキリしてくれ……』
「おはよ!」
「お、おはよう…」
出久はその子の言葉に顔を赤くする。それを見た勝己はこれからの出久の学校生活が心配になった。過保護かよ。
「今日って式とかガイダンスだけかな?先生ってどんなに人なんだろうね。緊張するよね」
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」
麗日の後ろから声が聞こえる。みんながそっちに振り向くと、寝袋に入った人がいた。
「ここは…ヒーロー科だぞ」
(((なんかいるぅぅ!?)))
『芋虫みたいだな……』
(ドライグやめて!?そう見えちゃってくるからさ!!)
「ハイ。静かになるまで8秒かかりました。時間は有限。君達は合理性に欠くね。俺は担任の相澤消太だよろしくね」
(((担任!?)))
クラス全員の心の声が揃ってる時相澤は寝袋から雄英の体操服を取り出す。
「早速だが体操服着てグラウンドに出ろ」
(生温かそう……)
***
『個性把握テスト!?』
出久達はグラウンドに集合させられ、相澤から伝えられた。
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ。雄英は“自由”な校風が売り文句。そしてそれは“先生側”も、また然り」
その時、勝己と出久はここで察する。もうヒーローに向けての試練は始まっているんだと。
「中学の頃からやってるだろ?“個性”禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録をとって平均を作り上げ続けてる。合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ」
相澤はそう言ってボールを取り出す。
「入試首席の緑谷出久。中学の時ソフトボール投げ何mだった」
「え、あ、はい!確か77です」
それを聞くと相澤は出久にボールを渡す。
「じゃあ個性を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ。思いっきりな」
「分かりました」
出久はボールを受け取り、円の中に入る。そして倍加をしてワン・フォー・オールを発動させる。
(フルカウル5%!)
『Boost』
「DRAGON…SMASH!!!」
一気に解き放たれたのは正に弾丸。スナイパーライフルの弾丸と同じ速さで飛んでいき、見えなくなった。。
「……2308.2mか」
「2kmを越えた…!?」
「すげぇ……!」
「なんだこれ!!すげー面白そう!」
「個性思いっきり使えるんだ!さすがヒーロー科!」
その言葉に相澤の雰囲気が変わった。それに気付いたのは出久と勝己だけであった。
「面白そう……か…ヒーローになる為の3年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのか?」
出久と勝己は相澤の雰囲気で冷や汗をかく。
「よし、こうしよう。トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分しようとしよう」
「はあああ!?」
『ほぅ……こいつ、なかなか分かっているな』
(あぁ。プロになるためには生半可な気持ちでなれるようなものじゃないことを証明しようとしている。そしてあの目は本気だ)
「生徒の如何は先生の“自由”だ」
「最下位除籍って……!」
「入学初日ですよ!?いや初日じゃなくても理不尽すぎる!!」
「自然災害、大事故、身勝手な敵達……いつどこから来るか分からない厄災、日本は理不尽にまみれている。そういう理不尽を覆していくのがヒーローだ。放課後マックで談笑したかったならお生憎、これから3年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける」
相澤は生徒達に挑発する。
「“Plus Ultra”全力で乗り越えて来い」
その言葉を聞いた出久と勝己は周りとは違い笑う。
((上等だ!!))
***
・50m走
『2秒01』
「やっぱりちょっと反応が遅いかな…」
「くっ…まさか抜かれるとは……!」
・握力
「あ……」
「おいデクてめぇ何壊してんだゴラァ!!」
「あ、やっべ。次かっちゃんだった」
「俺の記録を超えられただと……?」
・立ち幅跳び
「フッ!!」
『105m』
「おい、あいつ地面に穴開けたぞ」
「場所小さいなぁ…」
・反復横跳び
『991回』
「やっべ。穴また開けちゃった」
「緑谷こえええええ!!」
・ソフトボール投げ割愛
・持久走
『2分3秒』
「体力強化しててよかった……」
「ぬ、抜かれた……」
・上体起こし
『321回』
「ありがとう障子君」
「いや、お前の個性で何とかなった。こちらこそありがとう」
・長座体前屈
『85cm』
「普通だ」
「普通だな」
***
それぞれの体力テストが終わり、出久達は相澤の所に集まっていた。相澤はそれぞれの順位が映されたホログラムを出している。
「んじゃ、パパっと結果発表だが……ちなみに除籍は嘘だ」
「!?」
相澤初めまして薄ら笑いを作る。
「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」
「「「はーーー!!??」」」
「あんなのウソに決まってるじゃない……ちょっと考えればわかりますわ……」
しかし出久と勝己は合理的虚偽ということが嘘だと気付いてた。
(……先生が見込みはあるって感じたことなんだろうな)
『あぁ。だが油断するな。これからの生活はより一層厳しい試練が来るぞ』
(あぁ)
***
俺達はあれから色々と話したりして帰る準備をしていた。
「いや〜凄かったな緑谷の記録!」
「まさかあの握力計を壊すとはな…」
それについては本当にやりすぎてしまった…反省せねば。
「次人がいる時に壊したら爆発させる」
「ひっ!?」
かっちゃんの目がマジだ!?
『さすがに俺はそれには同意だな…』
ドライグまで!?
「帰っぞ。デク」
「あ、うん!」
「私も!」
そうして俺と麗日さんとかっちゃん、そして途中来た飯田と一緒に帰ってった。なんかこういった学校生活は新鮮だな……
これから頑張らないとな!