指摘があったので小説のタイトルをちょっとだけ変えました。
どこかのビルの屋上に俺とオールマイトは着地した。
「全く!階下の方に話せば降ろしてもらえるだろう。私は時間がないのでマジでこれで!!」
「待ってください!!」
「待たない!」
俺は、今このチャンスを逃したくないんだ!聞かなきゃならないんだ!!
「個性がなくても、ヒーローは出来ますか!」
「っ……」
よし!オールマイトが止まった!
「個性のない人間でも、あなたみたいになれますか!」
「個性が……!?」
「個性がないせいで…そのせいだけじゃないですけど、ずっと馬鹿にされてきて、だからかは分からないけど、人を助けるってめちゃくちゃカッコイイって思うんです…!」
俺の思いが届かなくてもいい…!俺は、この人に聞きたい!
「恐れ知らずの笑顔で助けてくれる!あなたみたいなヒーローに俺もぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!??」
顔を上げるとそこには骸骨みたいな人がいた。いや、髪が金髪ってことは…!
「萎んでる!?オールマイトが萎んでる!?」
「よく私がオールマイトってわかったね。確かに私はオールマイトさ」
『劇的ビフォーアフターだな……』
「…恐れ知らずの笑顔、か……」
なぜここまでの体に…?それに栄養がしっかり取れてない体だ。なぜここまで…?
「見られたついでだ少年。間違ってもネットには書き込むな?」
そう言ってオールマイトが服をめくった。そこには普通にはありえないほどの傷跡と手術の跡があった。
「5年前…ある敵の襲撃で負った傷さ」
「酷い…!」
「呼吸器官半壊、胃臓全摘。度重なる手術と後遺症で憔悴してしまってね。私のヒーローとしての活動時間は今や1日約3時間程なのさ」
「5年前…毒々チェーンソーの事件ではないですよね……」
「詳しいな。あんなチンピラにはやられはしないさ!」
やっぱり違うんだ。つまり表沙汰にはなっていない事件ってことなんだ。
「これは世間には公表されていない。公表しないでくれと私が頼んだ」
なぜそう頼んだか、俺には分かる気がした。
「人々を笑顔で救い出す“平和の象徴”は決して悪に屈してはいけないんだ」
「ッ……!!」
「私が笑うのはヒーローの重圧、そして内にわく恐怖から己を欺く為さ 」
そうだ。やっぱりそうだった。オールマイトも、一人の人間だ。ただ、個性が強くて、心が人一倍強い人間なんだ。
「プロはいつだって命懸けだよ。『“個性”が無くとも成り立つ』途轍もじゃないが…口に出来ないね」
「…………」
「人を助ける事に憧れるなら警察官って手もある。『敵受け取り係』なんて揶揄されちゃいるが、あれも立派な仕事だ!」
オールマイトはよろめきながら立ち、扉を開ける。
「……夢見るのは悪いことじゃない。だが…相応に現実も見なくてはな少年」
そう言ってオールマイトは立ち去った。
「……やっぱり、ドライグの言ってた通りなんだね」
『あぁそうだ。戦うのであれば、必ず命をかけることがある』
「うん……でも、オールマイトは口には出来ないって言ってた。可能性は十分あるってことさ」
『フッ、いい顔をしているな相棒』
「そうかな…?まぁ、これからもよろしくな、ドライグ」
『あぁ、よろしく……おい、なんか聞こえないか?』
「え?」
耳を澄ませ、周囲の音を聞く。すると、遠くから爆発の音が聞こえる。
『そういえば言い忘れていたが……』
「……嫌な予感しかないんだけど、なに?」
『あのヘドロ男が入っていたペットボトル、落ちてったぞ?』
「…………それを早く言えよぉぉ!!!」