赤き龍の宿りし少年   作:blackcat☆

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ヒーローとは

「クソっ…!」

 

「待ちやがれェ!!」

 

目付きが悪い少年、爆豪勝己は今、路地裏でヘドロ男のヴィランに辺りの建物を壊されながら追われていた。まさか、蹴ったペットボトルにヴィランが入ってるとは誰も思わないだろう。

 

「捕まえた奴はなにしてたんだよクソがァッ!!!」

 

「大人しく乗っ取らせろ…!」

 

「誰が乗っ取らせるかボケッ!!!」

 

爆豪は焦る。ここで個性を使えば雄英には行けなくなる。だが逃げるだけではいつかは捕まってしまう。そんな焦りが爆豪の心の中に生じてしまう。

 

(誰か…!早く何とかしてくれ……!)

 

 

***

 

 

ヘドロ男が逃げたことを知った出久はヘドロ男が暴れている所を目指して走っていた。

 

「クソっ…!俺の私情のせいで……!!」

 

『今焦っても仕方ないだろ!早く追うぞ!あのヘドロ男がなぜあんなにも派手に暴れているのかは分からんが丁度いい!!そのまま目指すぞ!!』

 

「分かってる!!それに必要なものも揃えたし、ドライグ!」

 

『おう!』

 

『Boost!!』

 

瞬間、出久は人離れした速さで街を走り抜く。走り抜き、暴れていた場所に着く。そこには、幼馴染の爆豪勝己が、捕まる瞬間であった。周りは野次馬や、プロヒーロー達がいるが、立ち往生していた。

 

「ッ…………!!」

 

そして、爆豪勝己がこっちを見た顔が、出久を奮い立たせた!

 

「うおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

「ッ!?おい!止まれ!!」

 

「止まりなさい!!」

 

プロヒーロー達が止めてくる。だが、そんなのは出久にとっては知ったこっちゃない。

 

「止めるな!!」

 

「はァッ!?」

 

走りながらヒーロー達に叫ぶ。

 

「お前らなぜそこで止まってやがる!!」

 

「なっ……」

 

「ヒーローってのは……!!」

 

ヘドロ男のそばまで走る。バッグから内装用の粉を出して袋を切り、ヘドロ男にぶちまける!!

 

「誰かを助ける為の!奴らだろ!!!!」

 

「ケッ!それがなんの役に…!?」

 

実は内装用の粉は、セメントを作る時に使われる粉である。床用、壁用等色々あるが、この粉はある特徴がある。

 

『不純物が混ざっていると固まるのが早くなる』

 

そして周りはヘドロ男が暴れたせいで炎が立ち上っている。つまりは、ヘドロ男は固まり、動けなくなってしまう。

 

「グッ…!?」

 

「かっちゃん!」

 

「デクッ……!」

 

「助けに来た!!」

 

「待ちやがれ…!」

 

だが勝己を助けようと出久が近付こうとするが、まだ動けるヘドロで出久を捉えようとするその時!

 

「え……?」

 

「君を諭しておいて…己が実践出来ないなんて!!!」

 

「オールマイト!?」

 

オールマイトがヘドロ男の攻撃を庇った。

 

「プロはいつだって命懸け!!!!!」

 

オールマイトは右腕を振りかぶる。

 

『DETROITSMASH!!!!!!!!』

 

その一撃は、天候をも変えた。上昇気流が発生し、雨雲が生まれ、雨を降らせた。そして周りの炎を鎮火させる。

 

『これがオールマイト、か……』

 

「すげぇ……」

 

出久の隣で勝己はオールマイトの力に驚き、そして放心している。ドライグはその光景を出久の目から見て、オールマイトに感心していた。

 

「……これが、俺が超える存在…!」

 

出久は、己が超える存在に戦慄していた。

 

 

***

 

 

ヒーロー達が集まり、周りの撤去作業等をしている中、出久はヒーロー達から小言を言われていた。

 

「君が出る必要はなかったんだぞ!」

 

「もっと自分を大切にしろ!」

 

「…………うるさい」

 

『ッ!?』

 

だが出久はこの場のヒーロー達に怒りを覚えていた。

 

「なぜヒーローが彼を助けなかった?」

 

「それは」

 

「個性の相性が悪かったから?そんなの知るか!」

 

「相性が悪かった?近付けなかった?そんなの言い訳にしかなんないんだよ!!!」

 

未だ倍加が解けておらず、地面に足がめり込む。

 

「ヒーローはなんの為にいる!?ヒーローはなんの為に活躍している!?いいか!!ヒーローは誰かの為に動く奴のことを言っているんだ!!ヒーローの意味を履き違えてんじゃねぇよ!!!!』

 

それは出久の心からの叫びであり、ドライグの叫びであった。

 

「…………では」

 

その場を去った出久を止めること等出来ず、ヒーロー達やTVスタッフ達は動けなかった。後に、出久の言葉によりはヒーロー達から尊敬や感謝の感情を向けられることになる。

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