思わず怒りに任せてすごいことをメディアとヒーローの前で言っちゃったぞ俺!!
「……明日の学校行きたくない…」
『まぁ…どんまい、相棒』
そんなフォローいらねえ!いるのは癒しと休学だちくしょう!
「おいデク!」
あ、やっべ。そういやかっちゃんのこと忘れてた。
「あ、かっちゃん!大丈夫か!?」
「あぁ、何とか無事だ」
よかった〜……かっちゃんに何も怪我なくてよかった。
「それと……その…ありがとな」
「え?」
「助けてくれたことだよ!俺は行くぞ!」
顔を赤くしながらかっちゃんは帰っていく。……ふむ。
『ツンデレだな、あいつは』
あ!それ俺が言おうとしてたのに!?
『フンっ、俺らもさっさと帰るぞ』
「はいはい……」
「私が来た!!!」
突然目の前にオールマイトが出てきたァ!?
「オールマイト!?ビックリさせないで!!てかなんでここに!?さっきまで取材班に囲まれていたんじゃ……」
「HAHAHA!!抜けるワケないさ!何故なら私はオールマゲボォッ!!!」
『一つのお家芸か?』
「ちょっ!?大丈夫ですか!?」
「あ、あぁ大丈夫さ。それと、少年。君には礼と訂正、そして提案をしにきたんだ」
「へ?」
礼はさっきの行動か?けどあれはある意味知らない人からすると危ない行動だしな……
「君がいなければ…君の質問を聞いてなければ、口先だけのニセ筋になるところだった!!ありがとう!!」
『その姿だと確かにニセ筋だろうな…』
「いやいや、今回は運がよかったんですよ。それに、俺は仕事の邪魔をしちゃったし、すごい御大層なことも言っちゃったし……」
「そうさ!!」
「あの場の誰でもない!“無個性”の君だったから!!あの言葉があったから!!私は動かされた!!」
俺の…言葉……?
「トップヒーローは学生時代から逸話を残している……彼らの多くが話をこう結ぶ!!【考えるより先に体が動いていた】と!!」
その言葉で、俺の師匠達の言葉を思い出していた。
《お前ならやれるさ》
《君なら、最高のヒーローになれる》
「君もそうだったんだろう!?」
「はい……!」
「君は、ヒーローになれる!!!」
あぁ、そうだ。俺は師匠や、こんな最高のヒーローに言われたかったんだ。この言葉を!
***
「すみません、みっともない所を見せてしまって……」
「ノンノン!気にしないでくれたまえ!」
こんな嬉しいことがあるだろうか?ましてや俺が憧れるヒーローに言われたのが更に拍車をかけているよ。
『……よかったな、相棒』
うん…!本当によかった……!!
「君なら、私の“力”を受け継ぐに値する!!」
「……え?」
力を、受け継ぐ……?
「HAHAHA!!何て顔をしているんだ!?『提案』だよ!本番はここからさ。いいか少年……」
オールマイトは真剣な顔になる。
「今日見た、ヒーロー達を見てどう思った?」
「!!」
「今のヒーロー達は、ヒーローの本質を理解していない人が多いと私は実感した。だが!君は違った!!」
血を吐いてるがビシッと音をたてながら俺に指を指す。
「君はヒーローの本質を理解している!!ならばこんなにもいいチャンスを逃す訳がないさ!!」
「チャンス……?」
「そしてここからは私の個性の話だ少年」
「写真週刊誌には幾度も“怪力”だの“ブースト”だの書かれインタビューでは常に爆笑ジョークで茶を濁してきた。“平和の象徴”オールマイトはナチュラルボーンヒーローでなければならないからね」
「一体、どんな個性なんですか…?」
「私の個性は聖火の如く引き継がれてきたものなんだ」
「引き継がれてきた…もの!?」
『なに…!?』
これは俺もドライグも驚いた。まさか、引き継がれてきた個性があるなんて……
「私は隠し事は多いが嘘はつかん!」
「個性を“譲渡”する個性…それが私の受け継いだ“個性”!冠された名は!!」
【ワン・フォー・オール】
「ワン…フォー・オール……」
「一人が力を培い、その力を一人へ渡し、また次へ…そうして救いを求める声と義勇の心が紡いできた力の結晶!!!」
「それを……俺に…?」
「私は元々後継は探しに来ていたのだ…そして君になら渡しても良いと思ったのさ!!さぁ、どうする?」
どうするかって?そんなの決まっている!!!ドライグ!君も手伝ってくれるか?
『フッ、分かっているんだろう?相棒』
ハハッ、やっぱりそうだよな!!
「お願いします!!」
「即答…そう来てくれると思ったぜ。明後日の朝、海浜公園に来なさい!」
「はい!!」
俺は、最高のヒーローになる!!!