あれから数ヶ月経ち、試験日。
出久は雄英の前にいた。
「……よし、勉強も頭に詰めた。特訓もしっかりした。行くよ、ドライグ」
『あぁ、ようやくここまで来たな』
出久は一度止まり、雄英を見ていると後ろから聞きなれた声をかけられた。
「おい、悪いが早くど……なんだ、デクか」
「あ、かっちゃん。おはよう」
「おう。そうだデク」
「ん?」
「絶対に俺が首席で入学してやる。首洗って待っとけ!」
「あぁ!俺だって負けないさ!」
「行くぞ」
「うん……あ」
「あ?」
出久は行こうとすると、目の前で転びそうになっている女子がいた。出久はすぐさま移動し、女子を受け止める。
「へっ!?」
「大丈夫か?」
「え、あ、だ、大丈夫!ありがとね」
「うん。一緒に受験頑張ろう!」
「うん!」
この時、この女子はさっきまでそっちにいたはずなのにと疑問に思いながらも入っていった。ちなみにその光景を見ていた勝己はと言うと。
「……そういや、あいつの力って異性にも影響されるんだったか?いつか刺されるんじゃねぇのか?」
と出久を心配していた。それともう一つ。
(……あれ?あいつ女子とまともに話すのって初めてじゃねぇか?)
そう思っていると、出久は初めて女子と話したことに思い付き、ちょっと顔がアレな感じになっていた。
***
筆記試験を終え、今は実技試験の説明である。
『今日は俺のライブにようこそー!!! エヴィバディセイヘイ!!!』
シーン……
『この状況で掛け声をする奴などいなかろうに……』
(まぁね……けどよく見ると抑えてる人もいるよ)
『マジか』
出久の指摘にドライグは出久の目を通して辺りを見る。すると本当に抑えてる人もいた。
『こいつぁシヴィーー!!!受験生のリスナー!実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ!!!Are you ready!?YEAH!!!』
シーン……
『なんか……』
(ここまで来ると不憫だなぁ…プレゼンマイク……)
『入試要項通り!リスナー達にはこの後!10分間の「模擬市街地演習」を行ってもらうぜ!!持ち込みは自由!プレゼン後は各自指定の演習会場へ向かってくれよな!!』
勝己は出久に目配せをしてお互いの指定された場所を見る。
「同校同士で協力させないってことか」
「どうやらそのようだね」
『演習会場には仮想敵が
「……かっちゃん」
「…あぁ、今回はぶっ飛ばすしかないな」
「うん」
プレゼンマイクが説明した内容に、ヒーローとはなにかのヒントを察した二人である。今回同じ演習会場ではないことが本当によかったと言える。
「質問よろしいでしょうか!?」
『!』
プレゼンマイクの説明に一人の受験生が立ち上がる。
「プリントには
(覚悟あるなぁあの人……)
『オーケーオーケー受験番号7111くん、ナイスな便りサンキューな!四種目の敵は0P!そいつは言わば
「なるほど…避けて通るステージギミックか…」
「まんまゲームみてえな話だこりゃ」
「有難う御座いました!失礼します!」
(……なにか引っかかるな)
出久はその四種目の敵になにか違和感を感じていた。
『俺からは以上だ!!!最後にリスナー達へ我が校の校訓をプレゼントしよう!』
『かの英雄ナポレオン=ボナパルトはこう言った!「真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者と」!!』
『“Puls Ultra”!!それでは皆いい受難を!!』
***
出久は個性のプレゼンが終わり、バスで指定された演習会場に着いていた。
「広っ………」
『さすが雄英と言った所か?』
「だな」
(しかし、ほかの人達の個性を見るとすげぇな。こりゃ気が抜けないな)
出久は赤龍帝の篭手を展開して準備運動をする。ちなみに準備運動をしながら朝に受け止めた女子がいるのを確認していた。
『はいスタート!!』
『Boost』
プレゼンマイクの声が聞こえた瞬間出久は1回目の倍加をして前回走った時よりも速いスピードで走り出す。そして時を同じく勝己もスタートの声を聞き爆破で飛んでいく。
『どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねぇんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!?もう動いてる奴なんかいるんだぞ!!』
それにより、出久と勝己以外の受験生達は出遅れていた。