静かな教室という空間に合わせて【三人の男女が入ってくる】。三人はドアを閉め、真ん中に寄せられた三つの机に添えられている椅子に座った。
「はぁ……これで俺達もここから去るのか……」
「少し寂しいところではありますね」
「まあ、そうね。ここにはいろいろな思い入れがあるもの」
一番最初に話した【男性の名前は
三人共、毎日放課後にこの教室に集まっていた集団だ。
「まあ、今日で卒業なんだし仕方ないよな」
「そうですね。この教室どころかこの学校から去るんですから」
「……そんな辛気くさくならないの‼今日は私が持ってきたゲームをやるつもりなんだから‼」
二人が思い入れに浸っているなか青山が大きな声を出す。その声に男子二人はビビりながらも反応した。
「ゲーム?」
「何をやるつもり何ですか?」
「今から説明するわよ。二人はうみねこの泣く頃にというゲームは知ってる?」
青山からの質問に男子二人は頭を抱える。
「……亮平は知ってるか?」
「僕も知らないですね」
「……まあ、そうだとは思ったわよ。じゃあ質問を変えるけど屁理屈推理合戦という物は?」
「ああ、それなら知ってるぞ。提出者が出した一つの問題に対して、推理者が質問を提出側に問う。それに提出者がはいかyesで答えるってゲームだろ?」
「それ、ウミガメのスープってゲームじゃない……しかもはいとyesで答えるって……」
青山は黒谷の予想外の返しに頭を抱える。そんな中、緑川は青山に質問を投げた。
「とりあえずその屁理屈のスープってゲームの詳細を教えて下さいよ。」
「屁理屈推理合戦ね。他のゲームと混ぜるのは止めなさいよ……じゃあ、ルールを説明するわよ。まず、このゲームを行う際には魔女側と探偵側に別れるわ」
「魔女?魔女ってなんだ?」
「いちいち話に突っ込まないでよ。まだ、完全に説明し終わってないんだから……まあ、説明を続けるわよ。魔女側は一つの事件を起こすわ。例えるなら[Aが死亡。Bに毒を飲まされて死亡した。]とかね」
青山はどこから持ち出したのか、二つの人形を取り出す。そして、それを机の上に載せると、片方の人形を無造作に倒し、もう片方の人形には薬を持たせた。
「それ、推理する必要ないじゃないか。速くそいつを刑務所に突っ込めよ。」
「もしもそれがAとBは何メートルも離れていたとしたら?」
「何?」
「このゲームを行う際には赤き真実という物があるわ。例えばこのゲームにはにはAとBしか存在しない、これが赤き真実よ。」
青山はそう言うと紙に赤い文字でさっき言った事を書く。
「【赤き真実に嘘はない】。逆に言えば【赤き真実以外には嘘が含まれてるかもしれない】わ。」
「待て、それじゃあAは毒殺ではないかもしれないということか?」
「そういうことよ。まあ、今回はAはBに毒殺されたことは確実よ。」
「なんかスルーされているけどゲームって何?」
「ああ、説明し忘れていたわ。ゲームというのは魔術側が起こした事件。勿論、ゲーム開始時とゲーム終了時があるわ。今回ならゲーム開始時はAが毒殺される五分前、ゲーム終了時はAが毒殺された瞬間ってところかしらね」
そう言って青山は紙にゲーム終了時と書いて、その下ににAが死んだと書いた。そしてそこから矢印を引き、その上に五分前と書き更にゲーム開始時と書いた。
「更に魔女は宣言するわ。ゲーム中、BはAの見えない場所に居るとね。そして魔女はこう言う、Bは魔法を使って毒物をAの見えない所からAの口に入れ毒殺したと。」
「なるほどね。つまり探偵側はそれが魔法以外で殺されたと見抜いたら良いのか。」
「……いや、待ってくれよ。流石に情報が足りなくないか?」
「勿論、この情報から謎を解こうするのは至難の技よ。けど、探偵にはとある技があるの。青き真実という武器が‼」
「青き……真実……?」
「これは探偵の推理と言ってもいいわ。まあ、今回のゲームに例えるとBはゲーム前に風邪薬としてAに薬を渡し、AはそれをBの見えないところで飲んだってね」
青山は更に紙を取り出し、さっきの内容を青色で書き出す。
「【魔女側は青き真実に赤き真実で返さないといけない】の。さっきの推理ならAはBから薬を受け取ってないと赤を返してその推理を否定することができるわ。」
「そうやって魔女から情報を引き出していくって訳か」
「けど、それじゃあとんでもない仮定から作っていかないといけない時もある気がするけど」
「そこで探偵側は魔女側にこう聞くことでその仮定を赤き真実として聞き出せるわ。聞きたい事に復唱要求と前につけることでね。まあ、今回なら復唱要求[AとBは知り合いである]とかがいいんじゃないかしら?そして魔女は答える。AとBは知り合いであるってね。」
「そうやっても魔女から情報を聞き出せるのか。」
「けど、忘れてはいけないのは、別に【復唱要求すれば魔女から赤き真実が確実に帰ってくるわけではない】わ。【魔女側は復唱要求を拒否することも可能】なの。」
青山は例えばこんな復唱要求には赤き真実を返さないと言いながら[Bは魔法を使っていない][Bは二人いる][Aは二人いる]と黒い文字で書いていった。そして、その上から大きな×を書く。
「これでルールも理解したでしょうし、この例題を解いていきなさい。まあ、この問題は簡単だから復唱要求は五回だけにしてもらうわ。まあ、その代わり出来るだけ復唱要求には答えるつもりだけど」
「じゃあ復唱要求。[Bが魔法を使って無いことを証明出来なければBを刑務所に入れることは出来ない]」
「ちょっと待て⁉大切な復唱要求を何に使ってんだお前⁉」
「……Bが魔法を使っていないことを証明出来なければBを刑務所に入れることはできない。流石にこの復唱要求は予想外よ」
「なるほど、多分僕は解けたから健二は復唱要求を三回使っていいよ」
「お前さっきので解けたのか⁉」
緑川の言った事に驚きまくる黒谷。対して魔女役の青山は嘘だと思っているのか全く焦っていない。まあ、さっきの復唱要求で分かったと言われれば嘘だとも思うだろう。
「うん。それより、自分で早く推理してくれ。その間僕は本を読んでいるから」
「……分かったよ。推理、Bは毒物をAの口にAの見えない場所から投げ入れたとかどうだ?」
「残念だけどAはA以外に誰も居ない家の中に居るわ」
「なるほどな……ならAはゲーム前に毒が回るのが遅い毒をBに飲まされていたなら……」
「またまた残念ね。毒は即効性。飲んだ十秒後には死ぬのよ」
自分の推理をことごとく否定され頭を抱える黒谷。数分、考えていたようだが全く分からなかったのか緑川に聞き始めた。
「亮平は答えが分かってんだろ?ヒントとか教えてくれよ」
「まず最初に言っておく健二。お前はこれから復唱要求を……三回だけしてもいい」
「唐突なジョジョは止めろ……自分で考えろってことだろ?えっと……復唱要求[ゲーム開始前、AとBは会っている]。」
「良いところに目をつけたわね。けど、その要求は拒否させて貰うわ。その代わり、ゲーム開始前にBはAと会っていなくてもAに毒を飲ませる事が可能と言っておきましょう。これは魔女からのサービスよ」
「ゲーム開始前はさほど重要では無いってことか……」
そう呟いた黒谷に対して青山は少し微笑んだ。
「復唱要求[Aは毒を毒とは知らなかった]」
「Aは毒を毒と知らなかった。まあ、今回の謎では当然のことね」
「更に復唱要求[Aは自分の意志でその毒を飲んだ]。」
「……これは難しいわね。拒否させて貰うわ」
「ふっ、それは認めてるようなものだろ?Aは広告等で食べ物Xに興味を持ち、Bから渡されたその毒が入った食べ物XをBが去った後、食べてしまったでどうだ?」
「それは既出のゲーム開始前にBはAに会ってなくても毒を飲ませる事が可能で切れるきもするけど……まあいいわ。Aは広告等には流されない人物であった。」
頭を振り絞り考えた、推理を意図も容易く赤き真実で否定され黒谷は何も思いつかなくなっていた。
「……BはどうやってAに毒を飲ませたんだ?」
「もう復唱要求も三回したみたいだし、ここからは僕がやらせて貰うよ。復唱要求[Bはゲームが起こる前に第三者を通してAに毒を渡した]。」
「ゲームの登場人物はAとBだけじゃなかったか?」
「ゲームにはAとBしか存在しないだろうね。けど、僕が言ってるのはゲーム前の話だ。で、魔女さん。復唱してくれるの?拒否するの?」
「……拒否させて貰うわ」
「そうかい。じゃあ、青き真実で聞くよ。Bは第三者を通してBから送られてきたと分かるように毒の入った食べ物をAに渡し、ゲーム途中に電話等でAにその食べ物を食べるように誘導した……ってところじゃないかな?」
自信満々に言う緑川に対して青山は驚いていた。だが、すぐに我にかえり
「問題が簡単だったて言うのはあるけど初めてなのにやるわね……おめでとう。ここにリザインを宣言するわ」
「……リザインってなんだ?」
「察しなよ、健二。降参って意味さ」
「……つまり謎は解けたって事か?」
「その通りだけど……本番はここからだろうね」
「うん、亮平の言う通りよ。今回のはお試し版の簡単過ぎる問題に過ぎないわ。言うところに言えば、数分で解かれてしまうようなね」
「あのな謎を数分で解く……⁉」
自分が全く歯が立たなかったというのもあるのか目を見開く黒谷。
「さて、本番へといきましょう。次の謎は簡単に解かれるつもりは無いわよ?」
そう言うと青山はどこから持ってきたのかマントを背負い、魔女が被るような帽子を被った。