冬の終わり頃、
僕、フォスフォフィライトは、アンタークチサイトがさらわれてから、1人で冬の担当をしていた。
「今日は緒の浜見に行ってみようかな…」
見回りついでに緒の浜に行くことにした。
多分なり損ないばっかだと思うけど…
僕が大岩を眺めていると、ズルッ、と何かが出てきた。
「っ!?」
なり損ないなんかじゃないと気付いた僕は拾いに行く。
その宝石は、青から紫、紫から赤に煌めいていた。
「そんなことより先生の所に…!」
僕はその名も解らぬ宝石をお姫様抱っこのような形で抱え、先生の所へ急いだ。
学校ー
「先生!」
「どうした、フォス…」
カッと目を見開く先生。
僕がピクッ、と動く宝石を先生に渡すと、
「少し待っていろ」
きっとあの宝石を綺麗に削って整えるのだろう。
名前、何だろうな…
カッカッ、と削る音がする。
ちょっと長めに時が流れた。
白い布を体に巻いた、新しい生命。
身長は…僕よりもちょっぴり小さいや。
「フォス、この子はタンザナイトだ。」
「タンザ、ナイト」
「この子はとても覚えがいい。言葉も理解して、少しは話せるようだ。
フォス、教育係は任せたぞ。」
「はい」
すると、聞いていたのかタンザナイトは
「よろしく、おねがいします。」
「キエェエ!シャベタァァア!!!」
「フォス、静かに。」
先生に怒られてしまった。
え、喋るの早くない?フォスお兄ちゃん泣きそう…
とりあえず、少ない服のなかに、白い冬用があったので着せる。
「似合ってるよ、えっと、タンザナイト、じゃ呼びにくいか、ん~、よし!タンザ?」
「ん、」
少し軽めに頭を撫でると、嬉しそうに微笑みながら返事を返すタンザナイトことタンザ。
「タンザ、とりあえず、ここ、『学校』の中にある施設、見ていこう!」
「お~」
軽く手を繋いで歩く。
医務室ー
「ここが医務室。やぶ医者、ルチルがいつもは居る、
もしヒビとか割れちゃったりしたらここに糊とかあるから、何かあったら言ってね、手伝うから。」
タンザが首をかしげながら聞いてきた。
「ルチル、どこ?」
「あ~、冬は先生と、冬の担当しか起きてなくて、他の皆は冬眠してるんだ。」
答えるとタンザはなるほど、とうなずいた。
夜ー
校内の紹介も終わり、先生の所に戻って来た。
「今日はもう遅い、タンザナイト、もう寝なさい。」
先生はタンザに寝るように言ったが、タンザは僕に引っ付いて離れない。
「や、フォスといっしょ。」
やれやれ、と先生はフォス、任せた、と言って奥の方に行った。
クラゲの居る長椅子ー
座っている僕に寄り掛かるように座っているタンザ。
いきなりタンザは聞いてきた。
「せんせ、ほうせき?」
少し驚いたけど、落ち着いて答える。
「そうなんじゃないかな~」
「ん」
「でもタンザ、疑うことも…って寝てるか、
アンターク、僕はどうするべきなのかな…今はただ、」
ー君に会いたい。
この腕だって、この髪だって、今は誇りに思えるんだ。
君の、おかげで。
そんなことを考えていると、気付くと、もう外から白い、白い、朝日が登って来ていた。
どうも、壇壇(だんだん)です。
処女作です。いろいろおかしな点があるかもしれませんが、ご了承くださいまし。
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タンザナイト
硬度6半
「タンザニアの石」を意味するタンザナイトは、その名が示すとおり、キリマンジャロの夕暮れ時の空を映し出したような美しい青紫色をしている。多色性という特徴を持っており、見る角度によって青色や紫色が強くなる宝石である。同時に青と紫、紫と赤を有することもある。また自然光の下では透明感に満ちた美しい群青色に、夜のライトや白熱灯の下では高貴な紫色に、蛍光灯の下では青色に輝く変化も見られる(ただしアレキサンドライトの変色性ほど劇的ではないため、変色性があるとは言わない)。この特長により、ブルーサファイアとの鑑別が容易であると言える。以前はタンザナイトがブルーサファイアに似ていたこともあり、多色性が少なく、青味が強いもののほうが高い評価を受けていたこともあった。しかし、タンザナイトはサファイアとは全く違った観点から評価を下すものという動きに変化し、現在では多色性の強いものほど高い評価を得ている。色に関しては濃い紫、濃い青が出るものほど財産的価値は上昇し、反対に色が薄くなればなるほど価値は下がる。タンザナイトの原石そのものはインクルージョン(内包物)が多い。青色の透明色を出すためには、原石を加熱加工する。
タンザナイトはモース硬度が低く、宝石の中でもかなり傷がつきやすい部類に入る。しかも、劈開性という衝撃に対してもろい性質も持つため、大切に扱わないと割れてしまったり、欠けてしまうこともある。超音波洗浄器は禁忌である。
石言葉は、「誇り高き人(高貴)・冷静・空想」。
まるごとね。