インフィニット・ストラトス ~七つの大罪をその身に宿した者~   作:ぬっく~

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登場人物を更新しましたので、よろしければ見て下さい


十四話

IS学園―――一年一組

 

「はーい、皆さん。静かにして下さい!」

 

山田先生の明るい声で、いつものようにショートホームルームが始まる。

だが今日は、教室の空気がどこか違っていた。

 

「今日はですね、皆さんにお知らせがあります!」

 

ざわめきが広がる中、山田先生は少しだけ間を置き――にこりと笑う。

 

「今日から皆さんと一緒に勉強する転校生を紹介します!

シャルル・デュノア君と、ラウラ・ボーデヴィッヒさんです!」

 

教室の扉が開き、二人の転校生が姿を現す。

 

一人は中性的な雰囲気を纏った少年――シャルル。

もう一人は鋭い視線を持つ銀髪の少女――ラウラ。

 

ざわめきは一気に大きくなった。

 

---

 

## ◇

 

## リオネス家

 

「どうやら、無事に転校生が来たようね」

 

バルコニーで紅茶を傾けながら、ジャンヌが呟く。

その背後には、静かに控えるエドの姿があった。

 

「らしいな。フランスであれだけ派手にやっておいて、よく通したもんだ」

 

エドの言葉には呆れが混じっている。

 

「うちの力を舐めてはダメよ」

 

ジャンヌは当然と言わんばかりに微笑んだ。

 

フランスで起きた“災害級の騒動”。

その裏でジャンヌは、一部情報の提供と引き換えに、シャルル・デュノアの出国許可を強引に取り付けていたのだ。

 

「さて……次の一手を打ちましょうか」

 

モニターに映る一年一組の様子を眺めながら、ジャンヌは楽しげに目を細める。

 

ラウラに叩かれている十秋の姿を確認すると、モニターを消した。

 

「戦争の準備を始めましょう」

 

その笑みは、まるで新しい玩具を手に入れた子供のようだった。

 

---

 

## ◇

 

## IS学園―――生徒会室

 

「……ふぅ」

 

書類の山に囲まれながら、更識楯無は淡々と処理を進めていた。

 

授業免除の身である彼女は、日中の大半をここで過ごしている。

 

「一組に転校生、ね」

 

手に取った報告書に目を通す。

 

「フランスとドイツ……」

 

数日前の情報が脳裏をよぎる。

フランスで発生した異常な規模の事件――。

 

(どう考えても、リオネス家が関わってるわよね)

 

そして、もう一つ。

 

「ドイツは……現役軍人、兼……ん?」

 

ラウラの資料に目を走らせた瞬間、楯無の目が止まる。

 

「これは……一筋縄じゃいかなさそうね」

 

ラウラ・ボーデヴィッヒ

IS戦術教官――織斑千冬

 

その文字が、はっきりと記されていた。

 

「千冬の教え子、か……」

 

軽く息を吐いた、その時。

 

ピロッ♪

 

端末に通知音が鳴る。

 

「……リオネス?」

 

送り主を見た瞬間、楯無の表情がわずかに引き締まる。

 

「嫌な予感しかしないんだけど」

 

メールを開いた瞬間――

 

「これは……」

 

内容を読んだ楯無は、思わず言葉を失った。

 

扱いを誤れば、甚大な被害を生む情報。

そして添えられていた注意書き。

 

――“その日まで手を出すな”

 

「……つまり、彼に処理させるつもりね」

 

指定された日付を確認する。

 

「トーナメント当日、か……」

 

楯無は小さく息を吐いた。

 

---

 

## ◇

 

## IS学園―――屋上

 

『元気にしているかい? イチカ』

 

屋上で寝転んでいた一夏の耳に、ジャンヌの声が届く。

プライベート・チャンネルだ。

 

一夏は目を閉じたまま答える。

 

「何ですか、いきなり」

 

『相変わらず教室に行ってないでしょうから、ちょっとした情報をね』

 

「どうせ碌でもない話だろ」

 

一夏は投げやりに返す。

 

『近いうちにね、大浴場が週二回解放されるそうよ』

 

「……風呂なら家でいいだろ」

 

一夏は〈暴食〉の能力で瞬間転移が可能だ。

わざわざ学園の風呂を使う理由はない。

 

『そうはいかないのよ……今回は』

 

その一言で、一夏の眉がわずかに動く。

 

「どういう意味だ」

 

『一年一組に転校生が二人来たのよ』

 

「……それがどうした」

 

嫌な予感が、確信に変わる。

 

『その子たちと一緒にお風呂、入ってきてね』

 

「…………は?」

 

思考が、止まった。

 

『そういうことだから、よろしく♪』

 

「おい待て――」

 

通信は一方的に切られた。

 

「……あの女」

 

深いため息が漏れる。

 

「無茶振りにも程があるだろ……」

 

しばらく空を見上げた後、一夏はゆっくりと起き上がった。

 

「……あいつに聞くか」

 

脳裏に浮かぶのは一人の女。

 

更識楯無。

 

「どうせ、何か知ってるだろ」

 

そう呟くと、一夏は屋上を後にし、生徒会室へと向かった。

 

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