モフモフ幻想郷   作:アシスト

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俺氏、勧誘失敗。

 

 

――― GSチャット ―――

 

 

@ナナスケ三世

>リーダー。

>貴女に聞きたいことかあります。

 

@バイトリーダーたっきー

>何かね。急に改まって。

 

@ナナスケ三世

>女性が怒るときって

>どんなときですか?

 

@バイトリーダーたっきー

>「三十路手前なのに彼氏すらいないとかw」

>って言われたら、私は人を殺すことを(いと)わない。

 

@ナナスケ三世

>ふむふむ

 

@バイトリーダーたっきー

>SNSで同級生が結婚したことを知ったとき

>怒りと悲しみが溢れだす。

 

@ナナスケ三世

>交際関係ばっかですね

 

@バイトリーダーたっきー

>察しろ。

>まあ、あとは、そうだな。

>50過ぎの上司に尻を触られたときは

>渾身の右ストレートでKOさせた挙げ句

>次の日に辞表を出すほど怒ったかな。

 

@ナナスケ三世

>なるほど。

 

 

 

――――――

 

 

 

 

つまり、あれか。

 

俺はばんきさんに、お尻を触ることと同等の行為をしてしまったと言うことか。

 

 

バイトの勧誘しただけなのに。

俺、変なこと言ったかな?

 

 

「きゅー」

 

 

すくすく皆に頷かれた。

 

 

……反省しよう。

 

 

 

――――――

 

 

 

 

右ストレートでぶっ飛ばされたが、なんとか誤解は解いた。

 

しかし、勧誘に対してばんきさんの返答はNO。他のバイトが忙しいからって。それなら仕方ない。

 

 

そんなわけで、今日もいつも通り俺とすくすく達で業務をこなす。

 

バイトが断られたのはしょうがないとしても、最近はお客様が増えて、人手とモフ手が足りないのは事実。

 

特にキッチンが忙しい。サンドイッチみたいな簡単なものならともかく、スイーツ作りができるのは俺、すくすく咲夜、すくすく妖夢だけだ。

 

「きゅー」

 

すくすくゆうかりんも作れるけど、お花の手入れで忙しそうだし。

 

 

ううむ……他のすくすく達にも料理を教えてみようか……。

 

 

そう考えていたら、オーブンがらチーン!と音が鳴る。

 

 

あれ、オーブンなんて使ってたっけか。

 

「きゅー!」

 

すくすくメディスンに良く似た、赤いリボンを着けた黄色いモフモフがオーブンを開けると、クッキーの焼けたいい香りが。

 

 

すくすくアリスだ。よく見ると、小さなすくすくが頭の上に乗っている。

 

 

人形たちもモフモフなのか……。しかし、これでモフ手が増えたぞ。やったねナナスケ!

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

すくすくアリスが焼いたクッキーは、お客様に無料で配布することに。

 

 

「これは紅茶に合いますね、とても美味しいです! すくすくさんも一口どうぞ」

 

 

当然のように今日も来ている阿求さん。膝の上に乗せているすくすく片翼(仮名)にクッキーを与える。

 

 

「……(きゅー!)」モグモク

 

 

モゴモゴさせている口を両手で押さえながら鳴くモフモフ。その姿は餌を頬張ったリスのよう。

 

 

「ああ… もう本当に……尊いッ……!!」

 

 

モフモフモフモフモフモフモフモフと。

モフモフモフモフモフモフモフモフと。

 

めっちゃモフモフする阿求さんを見て思う。

 

 

流石にモフりすぎです。

 

 


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