――― GSチャット ―――
@DIO
>『モフモフ』と言う喫茶店の店主は貴様だな
@ナナスケ三世
>!?
@DIO
>噂は聞いている。
>なんでも面白い生物がいるらしいな。
>料理も中々の腕だと聞いている。
@ナナスケ三世
>え、は、はぁ……恐縮っす……
@DIO
>是非とも行きたいのだが、私は吸血鬼。
>憎き太陽の昇る時間には行けぬのだ。
>この意味は、わかるな?
@ナナスケ三世
>は、はい!
>どこへでも出張させていただきます!
@DIO
>では地図を送る。
>今夜、我が館で待っているぞ。
DIOさん が
画像を 送信しました!
――――――
「えっ。だって外の世界では吸血鬼のことをそう呼ぶってパチェが…」
「えっ。あんな嘘信じたのレミィ」
「えっ」
本当にDIO様が幻想入りしてるのかと思ったよ。サイン用色紙持って来たのに。少し残念である。
地図を頼りに進んだ先には紅魔館。何回か迷ったが、何とか辿り着くことができた。
そして、目の前にいる彼女こそ、かの有名な気高き吸血鬼、レミリア・スカーレット殿。
「きゅー」
「あら。これが例のすくすくね。パチェの言ってた通りのモフモフ」
「きゅー!」
「あ、ちょ、こらー! 帽子を取るなー! かえせー!」
……幼き吸血鬼、レミちゃんである。
生で見るカリスマブレイクは、すくすくにも負けない可愛らしさであった。
――――――
紅魔館の厨房を借りて、料理を作るぜ。
レミちゃんからは『この私を満足させられる一品を所望するわ』と言われた。
頭を捻って料理を考えてたら『お嬢様の舌はお子様ですので、甘いものなら問題ないかと』と咲夜さんが教えてくれた。
よし、あれ作ろうか。いちご大福。
「きゅー!」
すくすく咲夜も賛成してくれた。
よっしゃ、一緒にがんばろうぜ。
「モフモフの私が料理してる……がんばってー、モフモフのわたしー……」
短い手足で料理をするすくすく咲夜を、遠くで見守る咲夜さん。
我が子を見守るお母さんみたいでした。
――――――
「フッ……フフフ……やるわねモフモフ。この私を出し抜くなんて、褒めてあげるわ」
「レミィ、顔が真っ赤よ」
「うるさーい!」
何があったかわからないが、レミちゃんの頭の上に、すくすく正邪が乗っている。下克上成功と言わんばかりに満足した顔である。
ともあれ、作った料理を並べる。すくすくたちも大好きないちご大福。
たくさん作ったので、皆さんもどうぞー。
「(くっ……このままだと、この男に吸血鬼の威厳を全く見せ付けられずに終わってしまうわ! 私は紅きカリスマ、レミリア・スカーレット! いちご大福とやらがどれだけ美味しくても、こう言ってやるのよ!『ふん……人間にしては悪くない料理だが……吸血鬼が口にするには、少し甘過ぎるな』ってね!)」
パクッ。
「あまーい!」
レミちゃん大喜びである。
「あー! 美味しそうなもの食べてる! わたしも食べたい!」
カラフルな翼を持った少女が乱入。フランちゃんである。
彼女はモフモフを抱えながら近づいてきて、いちご大福を一口頬張る。
「あまーい!」
やっぱ姉妹なんだなぁ…。
「妹様。そのお抱えになっているものは…?」
「図書館にいたの、かわいいでしょ。 あ! お姉様の頭に乗ってる子もかわいー!」
フランちゃんが抱えていたのは、ドアノブカバーのような帽子を被った紫色のすくすく。
すくすくパチュリー。
これで3魔女が揃ったね。
「あれ、この子…私?」
「……むきゅー?」
「私だ……」
どうやら、他のすくすくと鳴き声が異なるようだ。
紅魔館には紅魔館の住人のすくすくが何処かに隠れているのだろうか……でも、すくすく咲夜とかは何処からともなく現れたし、あまり関係ないか。
この日の出来事以降、咲夜さんが頻繁に和菓子を買いに来るようになりました。
スカーレット姉妹が気に入ったらしい。販売は専門ではないが、嬉しい限りである。期間限定で深夜営業もやってみてもいいかもしれない。