モフモフ幻想郷   作:アシスト

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お気に入りが1000を超えました。全ては読者様の応援のお陰です。本当にありがとうございます。

これからもモフモフ執筆するのでよろしくお願いします。


俺氏、病院へ出張。

 

 

 

 

 

――― GSチャット ―――

 

 

 

@セーラー戦士・キュアラビット

>あのぅ……いきなりですみません。

>明日の夜、出張をお願いできませんか?

 

@ナナスケは砕けない

>夜ですか? 大丈夫ですよー。

>いつでもどこでも、モフモフを提供します。

 

@セーラー戦士・キュアラビット

>良かった!ありがとうございます!!

>これで純狐さんに売られずに済みます!!!

>本当にありがとうございます!!!!

 

@ナナスケは砕けない

>えぇ……

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

優曇華さんって借金でも抱えてるのかな……人身売買って只事ではないよな……うむむ……。

 

いや、考えても仕方ない。せめて今日は優曇華さんに目一杯癒されてもらおう。少しでも心に安らぎを与えられるように努めるのだ。すくすくたちも頼むぞ。

 

 

「着いたよナナスケ。ここが永遠亭だ」

 

「きゅー!」

 

 

そんなわけで、永遠亭に出張である。

 

 

すくすくもこたんを抱っこした妹紅さんに連れられて、漸く到着、永遠亭。

 

病気とは無縁の生活をしてたから、来るのは初めて。ちょっとドキドキしてきた。

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

「あら妹紅……もう来ないのかと思っていたわ。まぁ無理もないわね。死なないとは言え、敗けるのは死ぬほど痛いし悔しいものねぇ?」

 

「ははっ。そういう軽口はあんまり叩かない方がいいよ、輝夜。死なないとは言え、敗けたとき死ぬほど恥ずかしくなるよ?」

 

 

 

「……覚悟は良いみたいね」

 

「……ああ、いつでも来な」

 

 

 

 

 

「「いけぇ!もふもふ!」」

 

「「きゅーっ!!」」

 

 

ポカッ、モフッ、ポコッ、モフッ。

 

平和な戦闘音を響かせながら戦うすくすくかぐやとすくすくもこたん。なんでも大昔、よくこうやって戦わせて競っていたとか。

 

2人とも、ホントは仲良しでしょ。

 

 

 

 

さて、俺も仕事をしないといけないね。

キッチンを借りて、早速料理を作ろう。

 

 

「ナナスケさん、今日はご足労頂きありがとうございます。 お料理なら私もお手伝いするので、何でも言ってください!」

 

 

いえ! 結構です! 優曇華さんはすくすくたちとモフモフしててください! お前たち、 頼んだぞ!

 

 

『きゅー!!』

 

「え? ちょ、うわーっ!もふもふーっ!」

 

 

すくすくもみじ。

すくすくらん。

すくすく影狼。

すくすくあうん。

すくすく文。

 

 

名付けて、モフモフ四天王。阿求さんが厳選した、癒しに特化したモフモフたち。優曇華さんを頼んだぜ。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

さて、とくに要望を聞かないでキッチンに来てしまったが、何を作ろうかね。

 

今日は十五夜だし、やっぱりお団子かな。きな粉とかあんこを乗せたものも作ってみよう。

 

 

「きゅーっ!」

 

 

偶然にも、永遠亭に来る途中の竹林で、杵を持った青い兎のすくすくを保護した。

 

餅をつきたいのかウズウズしてるので、団子作りは任せよう。俺は他の準備をしようかね。

 

 

 

『……じーっ』

 

 

料理中、ウサ耳の生えた少女が数人、キッチンを覗いていた。

 

よかったら味見する?と声をかけると、ピョコピョコと寄ってきて、お団子を一口。

 

 

『……!!』

 

 

目を輝かせながら、少女たちはお団子を頬張る。ウサ耳が激しく動いていることから、味は問題無さそうだ。

 

 

それにしても、この娘たちのウサ耳。すくすく並みにモフモフしている。 普通の手入れだけではここまでモフモフにはならないハズだ 。

 

 

これは、もしかして……。

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

「へぇ…… 流石はあの二人が認めた人間ね。こんなにも早く正体を見破るなんて」モフモフ

 

 

じゃあ、やっぱり貴女が……モフモフ……。

 

 

「天才美人女医改め、モフモフソムリエ八意永琳。お会いできて光栄よ」モフモフ

 

「きゅー!」

 

 

作った料理を縁側に運ぶと、待っていたのは、膝に乗せた兎を撫でている永琳さんと、未だ仲良くケンカ中の妹紅さんと姫様。

 

兎とすくすく青兎を交換し、モフモフする俺と永琳さん。やはり、並みのモフモフではない。モフモフソムリエの称号は本物のようだ。

 

 

「職業上、永遠亭(ここ)を離れる訳にはいかないの。 今日貴方を呼ぶように優曇華に頼んだのは、久しぶりにすくすくをモフりたかったから。 でも驚いた、昔以上に『良いモフ』だわ」

 

「きゅー…」

 

 

永琳さんの見事なモフテクニックに、骨抜きにされているすくすく。

 

気持ち良さそうで何よりである。

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

「まぁ…! こんなに美味しいお団子は久しぶりだわ!」

 

「ホントに旨いな! 特にきな粉のが良いな!」

 

「は? あんこの方が美味しいでしょ?」

 

「は??」

 

「は???」

 

 

 

キノコとタケノコ然り、甘いものは時として争いを産んでしまうことがある。仕方ない仕方ない。

 

 

「「きゅーっ!」」

 

 

本人たちのと比べて、すくかぐとすくもこはそんなに不仲ではない。今は仲良く団子を食べている。

 

外のすくすくたちも、永遠亭の兎たちと仲良くやっている。モフモフ同士、気が合うのかもしれない。

 

 

「きゅー」

 

 

あ、兎の中にウサ耳のすくすくも混じってら。

 

すくすく優曇華に良く似たモフモフ、すくすくてゐ。何故か穴を掘っている。

 

 

……あれ。そういえば優曇華さんは?

 

 

「鈴仙ならさっきお狐様と一緒にお散歩へ行ったウサ。しばらくは帰ってこないウサよー」

 

 

なんと。永遠亭には狐もいるのか。

今度モフらせてもらおう。

 

 

 


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