「ふっ……リベンジに来てあげたわモフモフ。さぁ、吸血鬼の恐ろしさ、今日こそ思い知らせてあげるわ!」
「「きゅー…」」ブルブル
「お嬢様、震えてる子もいますので…」
「レミィ、弱い者苛めは楽しい?」
「えっ。ご、ごめんね……」ナデナデ
怯えるすくすく大ちゃんとすくすくメディスンに頭を下げながら、慰めるように2匹を撫でる吸血鬼。レミちゃんは悪いことをしてもちゃんと謝れる良い吸血鬼なのだ。
ちなみに、あの2匹を泣かせると、すくすくチルノに氷付けにされた後で、すくすくゆうかりんに砕かれる。たぶん。
割と命拾いしたレミちゃんであった。
――――――
レミちゃん、咲夜さん、パチュリーさんを席に案内し、オーダーをとる。
それにしても、こんな日中に来店とは驚きました。 太陽が弱点じゃなかったんですか?
「フッ、私を誰だと思っているのよ? 弱点は克服するもの。今の私に、太陽なんて赤子当然よ!」
「では、帰りの日傘は要りませんねお嬢様」
「きゅー」
「……パ、パチェの魔法があれば!」
「魔力切れ。なうよ」
「むきゅー」
「……2人ともぉ……少しは見栄を張らせてよ……」
紅魔館内でのレミちゃんの立場がよくわかるやり取りはともかく、吸血鬼でも太陽の下を歩く手段は幾らかあるようだ。
「……ごほん! ところで、例のモフモフはいるかしら?」
気を取り直すよう咳払いをした後、レミちゃんはそう聞いてくる。
はい、こちらに。
「きゅ!」
レミちゃん因縁のモフモフ、すくすく正邪です。相も変わらずいたずらっ子なモフモフですよ。
最近は妙な道具を使っていろいろやりたい放題している。瞬間移動でお客さんを脅かしたり、透明になって走り回ったり。
まぁ、めっ!って叱るとやめるんだけどね。
「ふっふっふ。あれから私も強くなったのよ! あのときのように勝てると思わないことね!」
「きゅーっ!」
臨戦態勢のレミちゃんとすくすく正邪。まぁ、今日は他のお客さんもまだいないし、しばらく放っておこう。
「懲りないわねレミィも。ねぇ」モフモフ
「むきゅー」
「もふもふのわたしー……」モフモフ
「きゅー!」
咲夜さんとパチュリーさんはこたつに入りながら、すくすくとモフモフ戯れている。
紅魔館って、平和な所なんだろうなぁ。
――――――
料理を運んできたら、勝敗は決していた。
「きゅーっ!」
「……ば、ばしゅっ……ごぉぉぉ……」
地面に這いつくばるレミちゃんと、その頭に乗っかって小槌を振り回しているすくすく正邪。どっちが勝ったかなんて、火を見るより明らかである。
傍観していた2人に聞くと、すくすく正邪の圧勝だったとか。あまのじゃく恐るべし。
それはそれとして。こちら、ご注文のたい焼きです。アンコ増量中ですよ。
レミちゃんが負けていじけてるが、甘いもの食べて元気だそうね。
「うー…子ども扱いするな! と言うか、 そのレミちゃんってのやめろ! 私はお前より何十倍も大人なのよ! この『たいやき』だっけ? こんな料理で吸血鬼の舌を唸らせることができるなんて思っ」
パクっ
「あまーい!!」
レミちゃん大満足。
きっとアンコが舌に合うのだろう。
「「きゅー?」」
レミちゃんが美味しそうにたい焼きを頬張っていると、上から2匹のモフモフが飛んできて、こたつ机にポフッ着地した。
どうやら、たい焼きに興味を持っている様子。
「あら、この子はお嬢様と妹様の……はいどうぞ」
すくすくレミリアとすくすくフランは、咲夜さんが差し出したたい焼きをパクッと頬張る。
「「きゅーっ!!」」
さすがスカーレット姉妹のすくすくだ。間違いなく『あまーい!』って言ってる。可愛いなぁホントにもう。
せっかくなので、お土産分のたい焼きをサービスしよう。紅魔館でお留守番してるフランちゃんや門番さんに分けてあげてください。
紅魔館って他に誰かいますかね? 今日は大盤振る舞いしちゃいますよ。
「それなら、うちの小悪魔分も欲しいわ」
「妖精メイドたちの分も大丈夫でしょうか?」
「ホフゴブリンどもの分もよろしく頼むわ」
…………今日は赤字かな。