モフモフ幻想郷   作:アシスト

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セルフオマージュ落ち回。



俺氏、落ちを察する。

 

 

 

――― GSチャット・命蓮寺 ―――

 

 

@南無三

>みなさーん、そろそろ門限の時間ですよ。

>遅れずに帰ってきてくださいね。

 

@オラオラ入道

>すみません姐さん…。

>私たち、帰れそうにありません。

 

@南無三

>えっ?

 

@タイタニック

>もう無理……抜け出せる気がしない……

 

@ハングリータイガー

>私は、ここまで、です……

>後は……頼みますね……

 

@オラオラ入道

>だめ!起きて星!

>寝たらナズと同じ運命を辿ってしまうわ!

 

@南無三

>み、みなさん一体何処に!?

>今すぐ私が助けに!

 

 

 

――――――

 

 

 

 

「『いえ、この窮地を乗り越えてこその修行! 姐さんの助けは不要です!』っと……」ポチポチ

 

「『必ず……帰るから……! だから待ってて……聖……!!』」ポチポチ

 

「おやすみなさい……ぬくぬく……くぅ……」

 

「……zzz」

 

「きゅー??」

 

 

すくすくが『あの人たちは何やってるの?』的な感じで首を傾げている。

 

あれはね。『こたつから出たくない!』って理由で、チャットで聖さん相手に一芝居打っている命蓮寺の方々だよ。

 

 

俺は別に構わないけどさ。

なんかもう、落ちが見えるよね。なむさん。

 

 

 

――――――

 

 

 

命蓮寺の方々が喫茶店に来ることは珍しいことではないが、こうやって集まっているのは初めて見る。

 

しかし、彼女たちは揃って来店した訳ではない。

 

 

「ナナスケさーん、宝塔ありませんかー……あっ、こたつ!」

 

始めに、いつも通り落とし物を探しにやって来た寅さんがこたつに吸い込まれ。

 

「済まない。ここにご主人が来ていないか?……むっ、こたつか」

 

次に、宝塔を頭に乗せたナズさんがこたつに引き寄せられ。

 

「やっほー。このモフモフって、ここの子じゃない? って、こたつあるじゃん!」

 

「きゅー!」

 

その後、両手でモフモフを抱えたキャプテンがこたつに飛び込み。

 

「村紗とここで待ち合わせしてるのですが……あら、こたつ」

 

最後に、頭巾を脱いだ一輪さんがこたつに一直線。

 

 

その結果があれである。

こたつ、恐るべし。

 

お寺は戒律が厳しいと聞くが、まぁ、なんだ。俺は何も見ていないってことで。仕事に集中しよう。

 

 

「きゅー…zzz」

 

 

キャプテンが連れてきたモフモフは、すくすく星。寅さんやナズさんと一緒に、こたつで丸くなっている。

 

命蓮寺の近くに潜んでいるところをぬえちゃんが見つけたのだと。他にもいそうだし、今度行ってみようかな命蓮寺。座禅とかやってみたい。

 

 

「すみませーん。注文いいですかー?」

 

 

はーい。直ぐに伺いまーす。

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

こちら、ご注文のレアチーズケーキです。

 

 

「待ってましたー! やっぱおやつと言ったらケーキだよね! 煎餅は飽きた!」

 

「姐さんには申し訳ないけど……美味しいなぁ」

 

「きゅー!」

 

「おっ、モフモフのナズも食べる?」

 

 

必死に手を伸ばしてチーズを欲しがるすくすくナズに、キャプテンがケーキの切れ端を与える。

 

『きゅー♪』と嬉しそうなすくすくナズ。すくナズはチーズには目がないのだ。

 

 

「……はっ! チーズ!」

 

 

チーズに釣られて飛び起きる小さな賢将。ネズミの性である。

 

 

会話から察するに、命蓮寺では煎餅やオカキが3時のメインおやつのようだ。食生活も戒律で縛られているのだろうか。

 

命蓮寺に行くときは、手土産にも気を付けておこう。

 

 

 

カランカラン

 

 

 

日もかなり落ち、閉店の時間が近いにも関わらず、外側から入口の扉が開かれる。

 

あっ、いらっしゃいませ。

皆さんなら、あちらに。

 

 

「あ゛ぁ~幸せ……ここから動きたくないわー…私もここで寝る……」

 

「いや、流石にそろそろ帰らないと姐さんに怒られるわ。星も起こさないと」

 

「一輪、もう少しだけ待ってくれないかな。私もチーズケーキが食べたい」

 

「また今度よナズ。只でさえ門限破ってるんだから、怪しまれない内に帰らないと」

 

「きゅーっ!!」

 

「ほら。 姐さんのモフモフだって早く支度しろって怒っ………」

 

 

 

「誠に哀しく、眥裂髪指(しれつはっし)である」

 

 

 

ドゴゴゴゴゴゴと、頭にモフモフを乗せたにっこり聖さんの修羅のオーラにより、喫茶店が揺れている。

 

揺れによってすくすくたちがきゅーきゅーと大騒ぎしているが、今はそれどころではなさそう。

 

 

「ああああ姐さん……これは、その……」

 

「言い訳を、一言のみ許しましょう」

 

 

聖さんの言葉に、こたつを囲いながら必死にアイコンタクトを取り合う3人と、未だスヤスヤ眠っている寅さん。

 

何を言っても助からないと言う結論に至ったのか、3人を代表してキャプテンが口を開いた。

 

 

「……こたつには勝てなかったよ」

 

 

その夜、南無三という掛け声と共に、ピチューンと何かが弾けた音が4つ、喫茶店にこだましたのだった。なむさーん。

 





眥裂髪指(しれつはっし)……髪の毛が逆立つぐらい激怒すること。
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