モフモフ幻想郷   作:アシスト

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嵐前の静けさ回。



俺氏、嫌な予感。

 

 

 

 

 

青髪のポニーテール。

 

水色の新品エプロン。

 

フードの中にはすくすくが2匹。

 

 

「こんなに綺麗な衣装初めて……! よろしくね!すくすくちゃん!」

 

「「きゅー!」」

 

 

紫苑ちゃん、ウェイターフォームの完成だ。

とても良く似合っている。

 

 

『働かざる者食うべからずなの! 私も働くわ!』と頼み込まれたので、紫苑ちゃんにも接客業を手伝ってもらうことにした。

 

とは言え、彼女は仮にも貧乏神。何が起こるかわからないので、一応彼女のフードにすくすくを入れてみた。

 

 

「きゅ?」「きゅー」

 

 

すくすくてゐとすくすく星である。紫苑ちゃんのポニーテールが気になるのか、猫じゃらしに反応する猫のように髪をつついている。

 

この2匹と一緒なら、貧乏神パワーもプラマイゼロ、むしろマイナスだろう。幸福を呼ぶ貧乏神の誕生である。

 

 

よしっ。そろそろ開店の時間だ。今日はこころちゃんがお休みだから少し大変かもしれないけど、頑張ろうね紫苑ちゃん。

 

 

「うん! 私、がんばるわ! だから見ていてください店長さん!」ギュ! パシャパシャ!

 

「「きゅー!」」

 

 

やる気満々の紫苑ちゃんはそう言って俺の手を握る。すくすくもフードから紫苑ちゃんの両肩に移動していた。

 

昨日の今日で、別人のように明るくなったなぁ。やっぱり女の子はこうでなきゃね。うんうん。

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

紫苑ちゃんの反響は意外にも大きかった。

 

 

いろんな人から驚かれたり、「大丈夫なの?」って聞かれたが、特に問題が起こることなく、気がつけば閉店の時間になっていた。

 

一番驚いていたのはばんきさんだったと思う。珍しく口をあんぐりさせて固まっていた。

 

その後「……な、何故居るの?」って聞かれたから「いろいろあって、住み込みで働いてもらってます」って答えたら、ばんきさんの後ろに何故か鬼の形相をした華扇さんの姿が見えた気がした。なんだったんだろうね。

 

 

「お仕事って、こんなにも楽しいものだったのねー♪」クルクル

 

「きゅー」クルクル

 

 

嬉しそうにクルクル回る紫苑ちゃんとすくすく。

 

貧乏神も厄を撒き散らさなければ、ただの女の子である。

 

 

「店長さん! 私、これからもがんばる! あなたが私に幸せをくれたように、今度は私が、あなたに幸せをあげられるようになるわ!」ギュ! パシャ!

 

 

そう言って腕に抱きついてくる紫苑ちゃん。

何だか、娘ができた気分である。

 

 

「もちろん、すくすくちゃんにも!」ギュ!

 

「「きゅー!」」

 

 

すくすくてゐとすくすく星にも抱き付く紫苑ちゃん。みんな幸せそうである。

 

 

紫苑ちゃんとすくすくが戯れてる光景を見ながら和んでいると、不意に、ズボンの裾を引っ張られる感触が。

 

 

「きゅー……」

 

 

足元には、さっきまで紫苑ちゃんと一緒にクルクル回っていた、赤いフリルを身に付けた緑色のモフモフが妙な目付きで俺を見ていた。

 

どうしたすくすく雛?

もしかして、何か厄い?

 

 

「きゅ!」

 

 

ビシッと、モフモフの短い手で俺を指差す。

 

 

……マジかー。




次回、ばんきっき視点による昼 ド ラ。
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