モフモフ幻想郷   作:アシスト

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俺氏、クリスマス。

 

 

 

「きゅーきゅー♪」テレレレレー♪

 

「きゅきゅきゅーきゅー♪」テテテンテン♪

 

 

「「きゅーっ!」」テテーン!

 

 

すくすくリバーWithHとすくすく二楽坊の演奏に合わせて、歌って踊るモフモフが2匹。

 

1匹はすくすくミスティア。もう1匹は新しく見る、 ダックスフンドのような犬耳が生えた緑のモフモフ。

 

すくすく響子。本人たちの鳥獣伎楽と比べて、とても耳に優しいライブである。

 

 

「ひゅーっ! かわいいぞー!」

 

「すくすくさーん! こっち向いてくださーい! 」パシャパシャ

 

「アンコール! アンコール!」

 

『きゅーっ!!』

 

 

お客さんたちもすくすくたちも大盛り上がり。

 

 

「……今日は珍しく賑やかね」

 

 

1人静かにコーヒーを飲むばんきさんがそう呟く。

 

何言ってるんですかばんきさん。今日は『クリスマスイブ』ですよ。

 

今日と明日限定でクリスマスツリーやイルミネーションも実装した。喫茶店とは思えないほどピカピカしているが、クリスマスぐらい派手だっていいよね。

 

もちろん、今日のスイーツはケーキです。ささっ、ばんきさんもどうぞ。

 

 

「クリスマスね……す、すっかり忘れてたわ。……ケーキうまっ」

 

 

世間的には特別な人とイチャコラする日ですけど、こうやってみんなでワイワイするのも楽しいですよね。

 

プレゼントもすくすくたちのは用意したけど……幻想郷ってサンタさんいないのかなぁ……俺もプレゼント欲しい。

 

 

「……」

 

 

「「きゅーっ♪」」

 

 

おっ。すくすく鳥獣伎楽がアンコールに答えるようだ。今度はもふもふなバックダンサー付きみたい。

 

変わった帽子を被り、それぞれ笹の葉と茗荷(みょうが)の葉を持った2匹のすくすく。演奏に合わせてノリノリで踊っている。

 

なんだか、見てると元気が出るなぁ。

 

 

『きゅーっ♪』

 

 

2匹の踊りに釣られるように、他のすくすくたちも短い手足を懸命に動かしながら、楽しそうに踊り始める。

 

モフモフダンス、なんという破壊力。

あっ、遠くで阿求さんが萌え倒れた。

 

 

 

 

 

―――後日―――

 

 

 

 

 

「きゅー!」ボッフンボッフン

 

 

モフモフが俺のお腹の上で跳ねる衝撃で起床。

おはよう、どしたのすくすくばんきっき。

 

すくすくが指すのは、俺の枕のすぐ横。そこには、赤いリボンで包装された四角い箱が置かれていた。

 

 

どこからどうみても、クリスマスプレゼント。

 

 

いるじゃん。サンタさんいるじゃん。

来年は寝たふりで待ち伏せよう。

 

 

プレゼントの中身は、黄色の石が付いたネックレス。いろんな人に聞き回ったところ、これは『シトリン』と呼ばれる宝石らしい。商売繁盛をもたらすパワーストーンなんだとか。

 

 

なかなかお洒落なプレゼントである。

ありがとうサンタさん。

 

 

 

 


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