――― GSチャット ―――
@ナナスケ2号機
>今こそ積もった借りを返すとき
>モフモフたちも準備万端
>オープンは朝8時
>お待ちしています
@ばんきっき
>……。
>行かなきゃ、だめ?
@ナナスケ2号機
>きてー(´・ω・`)
――――――
お客様第1号サービスと言うことで無料ですよっと言ったらOKしてくれた。よかったよかった。
幻想郷に来て、今日で丁度2ヶ月。
ついにこの日がやってきた。
すくすく喫茶『モフモフ』。
何を隠そう、俺の夢は喫茶店を開くこと。
念願叶って今日オープン。
うむ。
涙が出てきた。
「きゅー」
すくすく白沢がハンカチをくれた。
ありがとう。これもお前たちのお陰だよ。
さぁ、もうすぐばんきさんが来る。
歓迎の準備は万端だ。
すくすくたちとわくわくしながら待っていると、ついに入口の扉がカランカランと開いた。
「……なんか、地味ね」
開口一番、厳しいお言葉。
内装に改善の余地ありか……。
――――――
早速席に案内し、注文を伺う。
メニューは多くはないが、種類はそれなりにある。オススメはあんこを使った和スイーツだ。
注文を受け取り、料理ができるまでは、すくすくたちと戯れてもらう。
「きゅー」「きゅー」「きゅー!」
すくすくわかさぎ姫。
すくすくばんきっき。
すくすく影狼。
ばんきさんが来ることをとても楽しみにしていた3匹。
モフモフして欲しいのかばんきさんに頬擦りしている。
「……ふふふ、そんなに遊んで欲しいか。かわいい奴らめ、後悔するぐらいモフモフしてやろう」
「「「きゅー!」」」
モフモフに囲まれて満更でもない様子のばんきさんなのであった。
――――――
厨房に行って調理開始。基本的に料理は俺とすくすく咲夜が担当。
すくすく咲夜は料理がとても上手。
基本なんでも作ることができる。
「きゅー!」
うん。頼りにしてるぞ。
できた料理は俺が運搬するが、すくすく妖夢にも手伝ってもらっている。
「きゅー」
すくすくは料理の乗ったお盆を頭に乗せ、落とさないよう器用に運ぶ。
ばんきさんが頼んだのは水ようかん。
これからの季節にはピッタリの和菓子。
ばんきさんの食べる姿をドキドキしながら見守る。
「…………おいしい」
おっしゃぁ!
――――――
存分にすくすくたちと戯れた後、そろそろ帰るとばんきさんが席を立つ。
ばんきさんへの借りは1つや2つではないので、お土産としてあんパンをプレゼント。お友達と食べてください。
今度はお友達と来てくださいと言ったら「考えとく」と言ってくれた。やったぜ。
「地味なのはあれだけど、まぁ、今日はわりと良かった。……またね」
うん。またのご来店、お待ちしています。
――――――
『喫茶店開業おめでとうございます!』
ばんきさんを見送った後で、阿求さんと小鈴ちゃんがご来店。
開業祝いと言うことで花束をくれた。
「きゅー…!」
これにはすくすくたちも感動。
みんなきゅー!とお礼を言っている。
花束を受けとると、モフッとした感触が。
まさかと思って花束を覗くと、中にはお花に囲まれた優雅なすくすくがいた。
「きゅー」
ひまわりの髪飾りを付けた緑のモフモフ。
流石すくすくゆうかりん。
華麗な登場だぜ。
幻想郷でも大物を模したすくすくと言うこともあり、阿求さんと小鈴ちゃんは少し警戒していた。
「風見幽香のすくすく…」とすくすくゆうかりんを指でツンツンする阿求さん。
はむっと、阿求さんの指を甘噛みするすくすくゆうかりん。
その仕草にズギューーンと心奪われる2人。
その後はすくすくたちをモフモフしてもらいながら、料理を楽しんでもらいました。
阿求さんたち以外にも、人里からそれなりにお客様がやってきた。
スタートダッシュとしてはなかなか上々。
これからも楽しみだ。