朝、すくすくリバーの音楽で眠りから覚めたら、目の前が真っ暗だった。
なにも見えない。
なんだこれは。
身体は動く。体調が悪いわけでもない。
ただただ、なにも見えない。
俺の身にいったい何が起こっている。
「きゅー……zzz」
いや、なるほど、わかった。
すくすくよ。
俺の顔は敷き布団ではないぞ。
顔の上で寝ているモフモフを起こさないように持ち上げで、身体を起こす。
モフモフの正体は、緑のチャイナ帽を被った赤色のすくすく。
すくすくめーりんかぁ……。
その後、すくすくめーりんはすくすく咲夜にきゅー!と叱られていた。
2匹の関係は模した2人と同じみたい。
――――――
「おい見ろ! わたしだ! モフモフしてるぜ!」
「きゅー?」
「咲夜と門番のもいるのね。門番は本人よりしっかりしてそう」
「きゅー!」
「ごめんなさいナナスケさん。騒がしくしちゃって」
構わないッスよアリスさん。
賑やかなのは良いことです。
アリスさんが約束通り、魔女仲間たちと共にご来店。
魔理沙さんとパチュリーさん。まさか本人と会える日がくるとは思ってもみなかった。
魔理沙さんはすくすくが気に入ったのか「なぁ、一匹借りても良いか?」と聞いてきた。
二度と帰ってこない気がするのでダメです。
「きゅー」
すくすくもホッとした様子。
ケチだなーと言われたがダメなものはダメです。
――――――
3人の目的はあくまでも魔法についての話し合いらしく「料理は手軽に食べられるものでおまかせします」とのオーダーをもらった。
おまかせとはなかなか難しい。
ふむ、何を作ろうか。
「きゅー!」
皆に問いかけると、すくすく阿求が反応した。
唯一文字を書けるすくすく阿求は筆を口に咥え、用紙に文字を書き始める。
ど
ら
や
き
綺麗に書けて満足げなすくすく阿求。
よし、それで行こう。
すくすく咲夜は接客中なので、今日は俺一人で調理。やったるでぇ。
3人分のどら焼きを作り終えてテーブルに運ぶと、魔理沙さんとパチュリーさんが神妙な顔つきですくすく達をモフモフしていた。
「……いや、わたしの方がモフモフだ」
「……いえ、咲夜の方がモフモフよ」
魔法のについての話し合いではなさそう。
どうやらすくすくまりさとすくすく咲夜、どちらがよりモフモフか言い争っているようだ。
なんて平和な論争。
ちなみにアリスさんは「どっちも一緒でしょ…」と二人を横目で見ながら、膝の上で眠っているすくすくめーりんを撫でていた。
――――――
「おお、アリスが勧めるだけあるな。ほら、私も食べてみろ」
「きゅー!」
「たまには和菓子も悪くないわね。ねぇ、テイクアウトってできる?」
「あ、私もお願いしたいです」
少し不安だったが、西洋系の魔女にも和菓子は好評。美味しいは全国共通のようだ。
すくすくは駄目だけど、料理のテイクアウトならオーケー。むしろうれしい。いっぱいサービスしよう。
――――――
お会計の時まで魔理沙さんは「やっぱ1匹…」と言っていた。だめ。
お店でならいくらでもモフモフしていいですので、また来店してください。モフモフだけなら無料です。
「シャンハイそろそろ帰るわよー……あら?」
モフモフー
ナカーマ
コンパロ!
「きゅー…」
テーブルの下でお人形さんに遊ばれている、不安そうな顔の黄色いモフモフが1匹。
すくすくメディスン。
他のすくすくより少し小さいな、何やら怯えている様子。
3魔女さんがお店を出た後。優しくモフモフしながらすくすくのたまり場に連れていくと、すくすくゆうかりんにすり寄っていった。
とっても安心した様子のすくすくメディスン。
あの二匹は家族みたいな関係なのだろうか。すくすくにもいろいろあるみたいだ。