自動人形〈オートマトン〉と生きる第二の人生   作:寅好き

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少女?幼女?敵現る

 ドボンという音が二つ、そして他の一つの影は着水したと思った時には水面を蹴り、僕達がいる浮島に飛び移っていた。

 蹴られた水面は凍りついている、そこからもいろりだと判断できる。

 もう一つの小さな影が二つの影が落下した付近を旋回している、シグムントである。

「十六夜悪いんだけどシグムントが旋回している辺りに雷真とシャルがいるだろうから助けてもらえる?」

「分かりました」

十六夜は水面を滑るように移動し、目的地に着くと、両腕を水の中につき入れ、雷真とシャルを引き上げる。

 すると再び水面を滑るように移動し、浮島に到達する。

「いらっしゃい。大丈夫?」

「ああ、大丈夫だありがとな」

僕の問いかけに雷真は気丈に答える。

 だだし、少し顔をしかめているので落下したさいにどこか痛めたのかもしれないので後で回復してあげようと考える。

「シャルも大丈夫?」

「一応礼は言っておくけど、できれば水に落ちる前に助けて欲しかったわね」

シャルは服やスカートの裾を絞りながらぼやいている。

「………」

僕の視線は濡れたシャルの姿に釘付けになる。

 水で濡れたシャルの下着がスケスケになっているのだ、見ないという選択肢はなかった。

「何見てるのよ……キャー変態、痴漢見ないでよ」

僕の視線に気づいたシャルが自分の姿を見てようやく自分があられもない姿になっていることに気づくと、真っ赤になりながらも怒りの形相でそこら辺に落ちている石や瓦礫を投げつけてくる。

 ほとんどが見事に命中し僕はボロボロになってはいたが、後悔することは微塵もなかった。

「ごめんなさい。男の本能には逆らえなくて…」

「本当に最低の変態野郎ね。もう話もしたくないわ」

真っ赤になりながら目を潤ませそっぽを向くシャル、そして謝罪をする僕、皆は遠巻きにそれを眺めているだけである。

 自業自得でありながらも見てないで誰か助けてと思った時だった。

「落ちてきたね!」

「うん、落ちてきたね!」

地下空間に少女のあどけない笑いが交じった声が響く。

 声のするほうを見ると、二人の少女?いや幼女?と二体の騎士がいた。

 二人の少女?は左右対称の姿をしている。

 穢れを知らぬ無垢な瞳、幼さ溢れる愛らしい容貌、成長途中の小柄な体型。

 年の頃12歳前後と見た。

(いかん、ドストライクだ!!)

断じてロリコンではないが、敵である二人の少女?に魅了されていた。

 そんなときだった。

「イタタタタタ!!」

強烈な力で耳を引っ張られる、見るとシャルが青筋を額に出しながら僕の耳を引きちぎらんばかりに引っ張っている。

「あの二人はヴァイツゼッカー姉妹よ。どっちがどっちか分からないムカつく相手だけど強敵よ。2VS2では三回生最強のペアよ」

(三回生!?合法ロリ!!)

「イタタタタタ!」逆の耳に激痛が走る。

見ると僕の心中を読んだのか、蔑みの目で見ながら無言で耳を引っ張る十六夜が。

 両手に花?いやいや、とんでもない状態である。

「三回生って…あれで俺たちの先輩なのか!?」

雷真も驚きの真実を信じられないといった表情で呟く。

「あー、疑ってる!私たちを年下の子供と思ってる!」

雷真の呟きを聞いたのか姉妹の片方が怒りだす。

 すると続けて片割れの一人が。

「頭にきちゃうね。私たちがお姉さんだってとこ見せちゃう?」

といい、それに呼応し

「うん見せちゃお!」

と二人で頷きあうと、二人の少女は信じられない行動を起こす。

 着ているブラウスをはだけさせ、可愛らしい胸部を露出させたのだ。

「グハッ!」

「なななな、何やってるのよ!見ないでよ変態!」

「見ちゃいけません!」

両側から目隠しをさせられる。

 しかし、目隠しをされる寸前に僕はその光景を目に焼き付けていた。

 記憶は抽象的に捉えた光景を記憶するもので、時間が経てば劣化するが、そうしないように特技『記憶する』で詳細に記憶した。

「ららら、雷真殿も見ちゃダメです!」

隣からはあわてふためくいろりの声が、どうやら雷真もいろりに目隠しをされたらしい。

 少女のいたほうから服を直す音が聞こえると視界を遮るものが取り除かれ視界が復活する。

「ふう。凄まじい攻撃だった」

僕は流れ出る血液を押さえながら感想を呟かなくてはいられなかった。

そして、決断したことを述べる。

「ここは僕が引き受けた。皆は先に行ってくれ!」

一度言ってみたかった台詞。

 しかし、皆の反応は薄かった。

「鼻血を出していなけりゃかっこいいのにな」

と雷真。

「死亡フラグですよ零夜殿」

といろり。

「………」

「………」

シャルと十六夜は無言でこちらを睨み付けるしまつ。

「今までの行動のつけだと思うぞ」

シグムントさえも素っ気ない反応。

 沈黙に包まれ居たたまれなくなった時だった。

「はあ、私も残るわ。雷真先に行っててちょうだい」

深いため息をついた後に疲れたような表情でシャルはそう雷真に告げた。

「シャル僕のことを心配して…」

「ち、違うわよ。勘違いしないでよね。あの姉妹の貞操が心配なのよ!貴方のようなケダモノを置いていくとね」

顔を赤らめながらもとんでもないことを仰るシャル。

「…零夜はどんなことをするつもりなのですか…」

気配もなしに背後に現れた十六夜が、恐ろしい殺気を放ちながら凍りつくような声で問いかけてくる。

「なななな、何もしようとは思ってはいませんよ。戦って倒すだけですよ。さあさっさと倒して夜々さんを助けにいきましょう」

恐怖に声が裏返りながらもなんとか言いきった。

「…分かりました。さっさと片付けましょう」

冷酷にいい放つ十六夜。

 恐ろしい。

「あっそれと、あちらからシンの魔力反応を感じます。お姉さまもあちらにいるはずです」

十六夜が雷真に指を指して方向をしめす。

「あ、ありがとな、じゃあ後は任せた」

「お願いします」

雷真といろりはそう言うと、そそくさと十六夜が指を指す方角に走り去っていった。

 雷真といろりが去った後、嫌な沈黙が場を支配していた。

 沈黙に耐えられなくなった僕は二人に話しかける。

「どうしようか?」

「好きなようにしたら」

「ええどうぞお好きに」

シャルと十六夜の抑揚の全くない声での答え。

「はい。ではいかせてもらいます…」

僕の孤独な戦いが始まる。

 

 

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