ダンジョンにエルフを求めるのは間違ってるだろうか   作:遊真

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遅くなりすみません、受験勉強をしていましたので、携帯をいじることもしていませんでした。受験が無事終わったので、これから更新していきます。やっぱり不定期更新になってしまうんですが、どうぞよろしくお願いします


【サポーター】

一人の勝者として成り上がったユウマは、拳を突き上げた後、そのまま後ろに倒れ、気絶していた。

壁が崩れ、リヴェリアはユウマと会う。ユウマが勝っていたことは知っていた。戦闘が少しでも長引けば、戦局は変わり、ユウマがワイヴァーンのように屠られていたかもしれない。

 

「本当にお前は私を飽きさせないな、私ももう少し若ければ、私も闘志に火が付いていたかもな」

 

ユウマを背中に背負い、地上に向けて歩き出す。

地上に着くと、怪物祭り(モンスターフィリア)は終わっていて、夕陽は眩しく照り付いていた。リヴェリアはユウマを背負いながら、手で太陽を覆う、だがその眩しさは隠していても、眩しかったように感じた。

 

「私も少し頑張ってみようか」

 

そう誰が呟いて、街の中に溶けていった。

 

******

 

「君も大変な目にあっていたんだね」

 

「いやまあ、リヴェリアさんがいなかったら多分死んでいた気がします」

 

オレはヘスティア様にホームでステイタス更新を受けていた。あのあとリヴェリアさんが背負って、ここまで送り届けてくれたらしい。1日ほどオレは寝込んでしまっていて、起きて今この状況に至っているということになっている。

 

ベルとヘスティア様の話もステイタス更新しながら聞いた。怪物祭り(モンスター・フィリア)から逃げ出した怪物と戦っていたという、その時にベルは神様(ヘスティア)ナイフという、ものをもらった。オレの場合は、神様(ヘスティア)ガントレットらしい。

 

今ベルはというと、ダンジョンに行くためにポーションやらを買っているらしい、そのままダンジョン前の噴水で待ってると言われたので、オレもステイタス更新が終われば、すぐに向かうつもりだ。

ステイタス更新が終わったのか、背中に違和感がなくなる。

 

「けどユウマくんが無事でよかったよ。............はい、ステイタス更新終わり」

 

ステイタスを写した紙をオレに渡してくる。

 

ユウマ・アルセルド

Lv.1

力 : F 302→ D 567 耐久:G 207→ D 507 器用 :F 374→ C 608 敏捷 :F 348→ C 624 魔力 :H 97→ E 400

《魔法》

【ブースト】

・五段階詠唱

・身体能力強化

・唱えるごとに魔力(マインド)大量消費

・詠唱式【強化(ブースト)

・解呪式【弱体(ロスト)

《スキル》

大切守護(ライカルムノーヴェ)

・守りたい思いが強ければ強いほど早熟する。

・守りたい思いが続く限り効果持続。

・絶望から立ち上がる時、超効果向上。

 

「ほんと、今回の君の成長速度はありえないほど上がってるね」

 

「こ、ここここここれ!?ほんとですか!?」

 

「自分の子供たちに嘘なんてつかないさ」

 

ヘスティア様はため息混じりにこめかみを抑えながら答えた。ヘスティア様は立ち上がり、向かいにあるソファに座った。

 

「あと君に朗報があるんだ」

 

「朗報?」

 

「.............ランクアップができるよ」

 

「ほんとですか!?それ!?けど、Lvの表示が1のままなんですけど」

 

「だから言ったろ?できるってさ」

 

ということはできるけど、してない。っていうことになるのか。なんでそんなことを?ランクアップした方がLv1とLv2差は歴然と言われるほど、差が開く。ならばランクアップした方が得ということになる。

 

「ヘファイストスに聞いたんだ。ランクアップするならステイタスがSがついた時にあげた方がいいってね。その方がランクアップした時に、もっと成長するって前に言ってたのを思い出したんだ」

 

前というのはどのくらい前なのだろう、神さまがいう前というのは、神以外からしたらずっと昔ということになるのだろうか。

そんな、くだらないことを考えていると、ヘスティア様は話を進める。

 

「もし君がランクアップしたいというなら、ボクは止めはしない。ランクアップしよう。けれどボクを信じてくれるというならば、ステイタスが成長するまで待って欲しいんだ」

 

ヘスティア様は自分を信じて欲しいと懇願する。ヘスティア様は「眷属を持ったのは初めてで至らない点ばかりでごめん」とか「ボクがしっかりしてないばっかりに負担をかけてごめん」など、何度も聞いている。

 

けどヘスティア様がオレたちを想ってる気持ちは、普通の神様よりも優っていると思っている。オレらのためにヘファイストス様から武器を作ってもらったり、バイトをしてくれたりなど。オレらのためにしてくれてる神様を信じないわけがないだろう。

ならオレが答える言葉は決まっている。

 

「そんなのきまってますよ、ヘスティア様を信じます」

 

オレはヘスティア様に恩返しをまだしていないと思っている。ヘスティア様は「君たちがいるだけで幸せだよ!」などと言ってくれているが、オレはそれだけでは足りないと思う。なら返せるものがあれば返していきたいとそう決意した。

 

「ユウマくん...........ユウマくん!やっぱり君はいい子だね!ベルくんと同じくらいいい子だよ!」

 

ソファから飛び出しオレが座っているベットの方へ飛びついてくる。目標はベットではない、オレにだ。ヘスティア様の豊満な胸が顔に当たって自分が赤面しているのがわかる。

 

「ちょっ!?抱きつかないでください!!」

 

「そういえば」とオレは呟いてから、ヘスティア様と触れて思い出した。

ヘスティア様をひっぺがしてから、オレが伝えてなかった言葉を、言い忘れていた言葉を今伝える。

 

「ヘスティア様。ヘスティア様の武器ありがとうございました。あれがなければ、死んでしまってもおかしくない状況でした。ヘスティア様のおかげでまだこの命を繋いでいられます。この命、ヘスティア様に捧げることを誓います」

 

オレはベットから降りて、片膝を曲げて頭を下げる。

 

「そ、そんな硬くならないでくれ、ボクと君との仲じゃないか!今まで通りにしていてくれ!ボクは君たちが好きでこんなことをしたんだ」

 

ヘスティア様はオレの行為に慌てながら、訂正していく。ヘスティア様はその後に、「けど」と付け加え話を続ける。

 

「ボクは眷属がいなくて、ずっと一人ぼっちだったんだ。勧誘したけど断られ、勧誘して断られ続けたんだ、けどすぐにでもボクのファミリアに入りたいと言ったのはユウマくんとベルくんだけだったんだ。嬉しかった、涙が出そうだったよ」

 

微笑みながら、胸に手を当て、何かを思い出すように、上を向いていた。ヘスティア様の瞳が潤んでいるのは気のせいだろうか。

 

「だから、君たちに恩返しをしたいとそう思えたんだよ」

 

「ヘスティア様.........」

 

「だからボクのもとにずっといてくれるかい?」

 

ヘスティア様はオレに手を差し出して、女神様が微笑んでいた。その答えももちろん決まっている。

 

「はい、ずっとそばにいます」

 

差し出した手をオレは壊れないように、握りしめた。握りしめた手もオレの手を優しく包み込んだ。

 

******

 

「わるい!遅くなった!」

 

「ううん、全然大丈夫だよ」

 

オレは両膝に手を当てながら、肩で息をして謝罪をすると、ベルはそんなことを気に留めてもないように、首を横に振った。

オレは汗をぬぐいながら、顔を上げると栗色の髪をして、大きなバックパックをその子の2倍、3倍、いやそれ以上の大きさを背負っていた。フードを深くかぶっているが小柄なので小人族(パルゥム)だろうか?

 

「あ、あの、そんなに見つめられたら恥ずかしいです............」

 

「お、おう!?すまん!」

 

オレが注意深くその子を見ていたらしく、その子は顔を赤らめさせながら呟くと、オレは反射的に一歩下がってしまった。

 

「えーっとその子は?」

 

「えっとこの子はサポーターなんだけど、この子も今日はパーティーに入れようかなって」

 

「ふーん」

 

何か怪しかった気がした。この感情は直感に過ぎなかった。そう、ただの直感、オレはベルの決定したこともあって、断ることができなかったが、彼女の瞳が怪しく輝いていた気がした。

 

******

 

「ファミリアはどこのファミリアなんだ?」

 

「【ソーマ・ファミリア】ですよ、黒髪のお兄さん。割と有名な派閥だとリリは思います」

 

ダンジョンの1階層、そこに移動して会話を交わす。モンスターの警戒も怠らない。1階層〜4階層はゴブリンやコボルトといった低級モンスターばかりで種類も多くない。今のオレやベルに比べればダンジョンで居眠りをしない限りやられることはまずないだろう。ベルもステイタスがEまでいったと聞いた。

 

そして彼女が呟いた【ソーマファミリア】確か主神がお酒を作ってるファミリアと聞いたことがある。そして団員も問題を起こす人達が多いらしい。お金に困ってるわけでもないのに、お金を異様に求めたりするらしい。彼女もそうなのだろうか?ベルから聞いたところ、お金が少なくなってきたから稼ぎにきたと、そう言ってた。

 

「あ、ごめん、自己紹介まだしてなかったな、オレはユウマ・アルセルド、ベルと同じファミリアの団員だ、君は?」

 

「私はリリルカ・アーデですよ、ユウマ様。自己紹介が遅れて申し訳ありません」

 

「よろしく、リリルカ。えーっと君は小人族(パルゥム)でいいのかな?」

 

「いえ、違います」

 

するとリリルカは深くかぶっていたフードを脱ぎ、ぴょこっと揺れ動く、可愛らしい獣の耳があらわになった。

 

「リリは犬人(シアンスロープ)です」

 

「リリルカは犬人(シアンスロープ)なのか、てっきり小柄だから小人族(パルゥム)かと」

 

「あと、リリのことはリリルカではなく、リリとお呼びください」

 

「わかった、リリ。でなんでオレに様付けしてるんだよ。そういうのむず痒いんだが」

 

「ねぇ、ユウマ」

 

リリは首を大きく振り、オレに近寄ってきた。

 

「冒険者様とサポーターは違うんです!

 

「そんなことないと思うけどなぁ」

 

「ねぇ、ユウマ!」

 

「いいえ!あるんです!だからリリは様付けで呼んでいるんです」

 

「ユウマったらッ!!」

 

声がする方に、振り向くとベルは一人でコボルトと接敵をしていた。

 

「お願いだから戦ってよ!!!!」

 

オレが見たことないほどの顔を怒りに染めて、オレとリリに唾を飛ばす勢いで、怒鳴っていた。

 

「す、すまん」

 

無意識的にオレは謝ってしまっていた。まあ、実際オレが悪いから謝るのは普通なんだけどもね。

 

******

 

「ベル様、ベル様。あの方は何か他の駆け出し冒険者とは違う動きなんですが、ユウマ様は本当に駆け出し冒険者何ですか?」

 

今僕たちは1階層を攻略し、4階層へと歩き出していた。僕も戦いに参加したいけれど、ユウマが鍛錬をしたいと言っていたので、手は出さずにユウマ一人でモンスターを狩っていた。

 

その姿を見ていたリリは僕に話しかけた。たしかにあの動きは駆け出し冒険者の動きではない。視野が広く、背後にいるモンスターなど位置を把握していたように、軽々不意打ちを躱し、後ろ回し蹴りで、モンスターを屠った。あれが駆け出し冒険者というなら、今の僕たちはなんなのだろうかと卑下してしまうほど動きが素早く、一撃が重かった。

 

「見てたんですけどベル様も確かに冒険者になったばかりだとは思えない強さなんですけど、ユウマ様は何か一皮向けたような....うまく言葉にできなくてもどかしいのですけれど」

 

確かに、怪物の祭(モンスターフィリア)が終わってから僕と、いや僕よりも大変な事態に陥ったと、そう神様から聞いた。やっぱりそこで一皮向けたのだろうか。このままじゃユウマに置いていかれるばかりだ。なら追いつかないと、ユウマを追い抜かないと、ヴァレンシュタインさんに追いつくなんて、夢のまた夢だ。

 

「ユウマ!僕も戦うよ!」

 

「お、そうか?なら一緒に片付けるか」

 

神様ナイフを構えて眼前の敵を見据える。

僕、ユウマよりも強くなりたい!守られるだけじゃない!今度は僕が守ってあげるんだ!

 

「「はああああああああああッッ!!」」

 

強くなろうとする二人をリリは冷えた瞳で、彼らのことを見ていた。さっきまでとは雰囲気が違う、元気よく話していた彼女はいない。

 

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