ダンジョンにエルフを求めるのは間違ってるだろうか   作:遊真

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このタイトルは最後の方に関係してくるものになります。結構急に入ってくるかもしれませんが、まあ、入れるならここかなって思ったので入れました。


【決意】

「ベル様、ユウマ様。今日の報酬の話なんですが............」

 

「うん。こんなに手伝ってもらったし、普通に山分けで............」

 

「ああ、別に山分けで構わない。リリには結構助けてもらったしな」

 

オレとベルとリリはダンジョン探索を終え、バベルの塔を登っている途中だった。

 

「いえ、回収した魔石とドロップアイテムは全てベル様とユウマ様にお渡しします。どうか懐を温めてください」

 

「ええっ!それじゃあリリ、タダ働きだよ!?」

 

「これでベル様とユウマ様から信用を得られるなら安いものです。今日はリリの価値付け、信用に得られる相手なのか見極める通過儀礼なのですから」

 

「うっ、バレてたのか」

 

「むしろそのくらいやってくれないとリリが困ります。流石に見知らぬ人をホイホイと信じられる方とダンジョンに潜りたくはありませんからね」

 

そんな話をしていると、バベルの塔をいつの間にか抜けていて、夕日がオレたちのことを照りつけていた。

 

「では、リリはこの辺で、また雇いたいと思ってくれたならば、リリはバベルにいますから、いつでも会えます。リリは決して逃げませんから、ゆっくりお考えになってくださいね」

 

そして彼女は満面な笑みを浮かべて、街の中へ溶けていった。

 

******

 

「へぇ〜【ソーマ・ファミリア】のサポーターかぁ〜」

 

「エイナさん何か知ってるんですか?」

 

オレは魔石を換金しに行ってる時に、エイナさんとベルはリリ、サポーターのことを相談しているようだった。

 

「【ソーマ・ファミリア】って探索系のファミリアなんだけど、お酒も少し売ってて、【ソーマ・ファミリア】の冒険者はどこか必死っていうか」

 

「え?それって結構問題なんですか?」

 

ベルが少し興味深そうに尋ねると、エイナさんは右の人差し指を口角に当て、少し考えてから口を開く。

 

「いや、問題ってわけではないんだけど、やっぱりなんか普通のファミリアじゃないっていうか、でも最後にはベル君とユウマ君が決めるんだから、雇うからには、ちゃんと責任取ってあげないとダメだよ」

 

たしかに最後にはオレたちが決める、そんな当たり前なことを忘れていた。エイナさんから貰えるのは実質助言(アドバイス)のようなもの、エイナさんがとやかく決めることではない。オレたちが今見てきたことを判断して雇うのだ。

 

「そうですよね、わかりました。ありがとうございますエイナさん」

 

「うん、ベル君も気をつけてね、あとユウマ君も」

 

ニッコリとエイナさんは笑顔で送り出してくれる。オレにも笑顔を向けてきて、うっかり顔が赤面する。こんなことで赤面するとは、オレもベル並みに女の子に耐性がないのだろうか。

 

軽く伸びをしてから、ギルドの出入り口へとつま先を向ける。

 

「あれ............ベル君?」

 

「何ですか?」

 

「ナイフ、どこにやったの?」

 

「「ナイフ?」」

 

ベルの腰のあたりにいつも装着していた、神様ナイフが鞘だけがあり、肝心の中身が空だった。

ベルも確かめようと自分の腰についているナイフを探そうと手探りで触り出す。ベルもないということに気がついたのか、ベルの顔から血の気が引いていく。

 

「お、落としたぁああああああああああ!?」

 

オレのガントレットと形見の剣はあった、よかった......................。じゃねぇわ、ベルのナイフ探さないと!!

 

オレとベルは速攻でギルドから全速力で駆けだした。

 

******

 

「こんな業物のナイフがこんな安値なはずがない」

 

暗がりな路地を歩きながらリリは呟く、先ほどまでベルが使っていたナイフを左手に持ちながら、このナイフが業物のナイフだと認めさせるには、鞘が必要だ、危険な賭けだが、鞘を持ち去ることを考慮しなければ。

 

「こんな路地通って大丈夫なの?リュー?」

 

「こちらの道の方が時間短縮ができます、道さえ覚えてしまえば、なんてことはないです、シルも覚えてしまえば便利ですよ」

 

「そう意味じゃないんだけどなぁ........」

 

リリの向かい、前方から緑のエプロンを着た、エルフとヒューマンがこちらに向かって降りてきた、とっさにリリはナイフを左手の袖の内に隠した、自然に下を向いて歩いていく。

 

 

「待ちなさい」

 

 

ビクッとリリの肩が揺れる、リリは足を止めて、汗が吹き出しそうなのを抑える。この声音は先ほどのエルフだろう。後ろを見てると顔にボロがでてしまうかもしれないので、リリは後ろを振り向かず、ナイフをギュと握りしめた。

 

「そのナイフを見せて欲しい、知人のナイフに似ているもので」

 

「み、見間違いではないですか?このナイフは私の.........」

 

ここでリリと名乗れば、素性がバレてしまうかもしれないと思ったリリは、自分のことをリリと言わなかった。この窮地を脱出するためには、誤魔化し通すしかない、だがリューからすれば、子供の駄々に過ぎなかった。逃げれば、回り込み無理やり確認するまでのこと、どう選択肢を取ったとしても、運命は決まっているというとことだ。

 

 

「抜かせ」

 

 

「【神聖文字(ヒエログリフ)】が刻まれたナイフの持ち主など私は二人しか知らない」

 

「ぎゃぁッッ!?」

 

お使いで買ってきた林檎をリリが持っている左手にリューの神速を持って当てる。リリの左手に林檎が当たり、林檎が砕け散る。それがどれほどの威力か、言うまでもない。

 

リリはナイフを道端に落とし、そのまま一目散に逃げようと思ったが、リューはリリに詰め寄り、左足を振り上げながら呟いた。

 

「歯を食いしばった方がいい」

 

ふざけるな、この姿勢(モーション)はまるで子供たちが遊ぶ、球蹴り遊びのように、左足を自分の体に振り抜くつもりだ。

 

「ふんぎゃあ!?」

 

リリはボールのように、路地の奥へと吹き飛ばされていく

 

******

 

ベルはダンジョンに落としてないかと調べに行き、オレはというと来た道に落としてないかと来た道を戻っていた。汗をダラダラかきながら道を走っている人物とは結構滑稽に見えるものだろうか?

 

走っていると路地裏から大きな音が聞こえた。呑気にゴロゴロしていた猫たちが、路地から走ってでてくる。そのことに奇妙を覚えたオレは路地をのぞいてみた。

 

「ふにゃあぁ!?」

 

「うおおおぉッ!?」

 

リリがオレの体にぶつかり、そのまま受け止めきれずに、倒れてしまう。オレは背中を強打したので、背中をさすりながら、リリが立ったタイミングでオレも立ち上がる。

 

「リリ?どうしてこんなところに、ってか何したんだお前」

 

「ふぇ?ユウマ様?」

 

すると勢いよく次に飛び出してきたのは、豊穣の女主人ではたらくリューさんだった。

 

犬人(シアンスロープ)?」

 

リューさんが疑問を抱いてるときに、リューさんの後を追いかけてきたように見える、シルが飛び出してきた。

リューさんはリリに何か恨みがあるように見えたので、リューさんの顔を見ながら口を開く。

 

「リューさんこの子になんか恨みがあったんですか?」

 

「いえ、勘違いのようでした」

 

「ふーん、そうなんだ。って!リューさん!シル!ベルのナイフ!真っ黒のナイフ見ませんでした!?」

 

オレは慌てて、リューさんとシルに尋ねる。リューさんとシルはオレの慌てぶりを見た後、リューさんとシルは顔を見合わせて笑っていた。

 

「これですか?」

 

リューさんから下から上まで真っ黒のナイフを見せられる。

............あった、あった!!良かったという安堵と喜びに襲われオレはつい自分のことのように興奮してしまった。

 

「リューさんありがとうッ!!」

 

「ちょっ!?ユウマ!!」

 

オレは嬉しさのあまり、リューさんに抱きつき、感謝の意を表したのだが、今考えると命知らずのことをしていたと思う。エルフは人と接触するのを嫌がる。心を許した人にしか、触れられない。そのことを忘れオレは抱きついていた。

 

「は、離れてください.......」

 

「あ、す、すいません」

 

オレは言葉を聞いた瞬間、我に戻り、手を離し一歩下がる。殴られると思い、恐る恐るリューさんの顔を見てみる。顔を赤くし、オレの方を見ずに、足元を見て、モジモジしているのを見えた。その姿を見て、一層オレは顔を赤くしてしまった。側から見れば恋人同士が、初めてキスをしようとしてるようなそんな雰囲気。

 

「リューやるねぇ、このまま.....」

 

「シ、シ、シル!!な、な、なにをバカなことを!?」

 

リューさんがシルにこれ以上口を開かせないように、両手に持ってる荷物を下に瞬時において、シルの口をふさぐ。

シルは「むううぅぅ!!」と苦しそうになにか訴えているが、オレが助けに行けば、オレが逆にリューさんに矛先を向けられそうで怖いので、動かずに立ち尽くす。

 

「こ、これ、お探しのものです!!シル行きますよ!!」

 

「ベルさんによろしく言っといてくださーい」

 

リューさんはナイフをオレに胸に押し付け、シルの手を引いて帰っていく。シルはリューに手を引かれながら、こちらに手を振っていた。オレも合わせて手を振るが、オレはリューさんの今の反応を見て心臓が高鳴っていた。

もしかしてあの反応リューさんオレのこと?いやいや、ありえない!そ、そんなことよりベルにこのナイフ返さないと!

 

「あ、リリ。多分明日もダンジョンに行くからバベルの塔にいてくれ、多分明日もサポーターを頼むと思うから」

 

「え?」

 

オレはリリの返事を聞く前にダンジョンに向かって走り出す。流石に下の方まで入ってないだろと思いながら、走り出す。

 

******

 

「ありがとうユウマ!今度豊穣の女主人に行ってお礼しないと。あぁ神様もう落としたりしません」

 

ベルはナイフを大事そうに胸にしまいながら、思いを込めていた。けどリリ、なんでリューさんに追いかけられていたんだろうか、見間違いと言っていたが、高レベルの冒険者が見間違いなど起こすだろうか?リリには何かある。

 

ならば明日ダンジョンに行く約束なんてするべきではないと思うだろう、それは大間違いだ。オレは探索してるときにリリを観察していた、オラリオにずっといるせいか、いい奴と悪い奴の区別はついてきた。

 

多分彼女はいい子だろう。けれど今の彼女には何かある。何かあるのなら守ってあげたい。理由はオレであるから。オレは困ってる人がいるなら助かるし、悪い奴がその子を害を及ぼしているのなら、悪を倒す。英雄を目指すと言うのはそういうことだ。

 

ベルもきっと同じ気持ちなんだろう。英雄を目指すオレたちにとっては、きっと救わなければいけない。ベルが言っていた。「女の子は守るもの」だと、ならば救わない手はないだろう。けれど彼女は何を隠しているのだろうか。

 

「帰ろうユウマ、きっと神様がお腹すかせてまってるよ」

 

「ああ、そうだな。早く飯作ってあげないとな」

 

オレとベルは目指すものは同じものだけれど、きっとオレとベルは同じ道を辿って英雄になることはできないだろう。なぜなら、オレはまっすぐなベルと何かズレている。決定的なものが。この感覚は直感、もしかしたら俺の勘違いなのかもしれない。

もしも、オレが道から外れた時、ベルはまた救ってくれるだろうか。

 

だらんと下がっている左手にギュッと力を込める。

きっとリリを助けたいという気持ちは間違いではない、オレはリリルカ・アーデを助ける。

 




友達に結構いい質問をもらったので勝手にQ&Aをやっていきます。

Q1 ヘスティア結局誰が好きなの?ユウマ?ベル?
A1 どちらもです。ベル君のことを原作のように愛しているし、同時に入ったユウマのことも愛しています。

Q2 ユウマってリヴェリアさんのこと好きだけど、ハーレムエンド目指してないの?
A2 こちらも原作と同じです。ベル君がアイズさんのことが好きなようにベルに好いている人はたくさんいますよね?つまりそういうことです。

Q3 決意の部分読んだけどベル君とやっぱりなんか違う道行くの?闇落ちルートある?
A3 闇落ちルートはないです。けれどユウマの直感は当たります。少し後に出てきます。ユウマはベルと目指すものは同じなんですけど、まあベル君よりは鈍感じゃないですけど、女の子に耐性がないのはベル君と同じです。ベル君と違うというか彼は............いやネタバレになるからやめます。この事実は1話を書き直すときに思いついたものです。まあ、結構後になりそうだなぁ。

これぐらいですかね、あとはリューさんがユウマに惚れてるか惚れてないかなんですけど、今はまだ惚れてないですね、あのことを引きずっているから、それが解決したあとはどうなるかわかるな?(威圧)
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