オレたちはいつも通りファミリアを探していると、路地裏で迷い、途方に暮れていた。けれどオレたちには一生忘れられない出来事が起こった。
「ねえ、君たち僕の
そこに黒い髪をツインテールにして、体格に合わないほどの巨乳、そんな神様に出会った。
******
「さあ!ここがボクのホームだぜ!」
神ヘスティアに連れてこられたのは、オンボロ教会。としか言えなかった、ベルなんて顔が引きつってるぞ。
まあ、こんなオンボロ教会なら自分の家でオレは暮らすけどな。
「むっ!君たちこの教会を侮ってはいけないぜ!ここにはまだ秘密があるんだ!」
ヘスティア様はグッっと右手の親指を立て、俺たちに公言した。いやこの教会のものならたかが知れてるんだよなぁ〜なんて思いながら面では、いい笑顔でベルと同じように「すごいですね、神様ー」なんて言っとく。
「君はおもってないだろぉ!!」とヘスティア様はオレに向かって言葉を飛ばしてくる。
「ほらどうだい?教会の地下は広いだろ?」
いやただ子供の秘密基地としか思えん。ベットやら家具やらはいろいろ揃ってるから生活はできるな。
「さあさあ!君たちに僕の恩恵を刻むぜ!服を脱いでくれ」
「え!?全部ですか!?」
ベルは驚きながら言うが、絶対上半身だけだろと心の中で思う。「いや、上半身だけでいいよ」なんてヘスティア様が言ってるから、やっぱりそうなんだろうな。
先にベルが服を脱いで、ベットに寝転がる。
さあこれで恩恵を刻む準備が整った。
「さあ、最初はって!ボクはまだ君たちの名前も聞いてないじゃないか!!!!」
ベルの腰にまたがって、刻もうとした瞬間ヘスティア様は叫び出す。たしかにオレたち名前言ってなかったな。ていうか、元気だなこの神様。
「すいません神様まだ自己紹介してませんでしたね。僕はベル・クラネル。そしてこっちの黒い髪の人はユウマ・アルセルドです」
オレまだ自己紹介してくれるなんてありがたい。オレは「よろしくお願いします」と付け加える。
「あぁよろしく。さあ、ベルくん!今日から君はボクのファミリアだ!ボクの恩恵を刻むぜ!」
青白い光がベルを包んでいく、ベルの体に【
ベル・クラネル
Lv.1
力 : I 0 耐久: I 0 器用 : I 0 敏捷 : 0 魔力 I : 0
《魔法》
【】
《スキル》
【】
ベルの背中にはいくつもの漆黒の文字が刻まれている。ヘスティア様は紙を【
「はいベルくん、これが君のステイタスだぜ?」
ベルは自分の『ステイタス』を見るとわなわなと震えて、「全部ゼロ?」なんて呟いていた。ヘスティア様がポンポンとベルの肩を叩き、「これが普通なんだぜ?」なんて呟いていた。
「さあ次はユウマくんの番だ、さあそこに寝るんだ」
「は、はい」
オレは服を脱いで、ベットに横になり【
ユウマ・アルセルド
Lv.1
力 : I 0 耐久: I 0 器用 : I 0 敏捷 : 0 魔力 I : 0
耐久:I
《魔法》
【】
《スキル》
【
・守りたい思いが強ければ強いほど早熟する。
・守りたい思いが続く限り効果持続。
・絶望から立ち上がる時、超効果向上。
「うん、これで君の『ステ......ふぁぁぁぁぁぁ!?!?」
ヘスティア様が、転がっていく。え?どうしたんだ?オレのステイタスなんか不備があったのか?
「いや、不備はないだけど...不備なのか?いや不備だね!君がもう『スキル』が発現してるなんて!」
「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」
「う、嘘でしょ!?」
「あり得ないだろ」
ベルはオレに一気に近づいてきて、オレはベットから大きく飛び上がる。オレとベルも目を大きく見開き、汗がブワッと出た。
ヘスティアさまは「あり得ないよ!あり得ないだろ!」とか叫びながら、【
普通初めて恩恵を刻む時、ほとんどの下界の子供達は0から始まる。けれどオレは四日前に、ダンジョンに潜り一度地獄を経験している。きっとそれが影響しているんだろうが、まさかその際にスキルが発現するなんて思ってもいなかった。
「えーっとこれってどうなるの?」
「知らないよ!!どうするんだよ!これ!ユウマくん、君何をしたんだい!?」
オレはヘスティア様に三日前に起きた出来事を全て話した。ヘスティア様はふんふん、なんて言って頷く。もう夜は薄暗く、魔石灯が輝いていた。ベルはキッチンを借りてコーヒーなどを作っていた。
「って感じです。すいません隠していて」
「なるほどね。君の話を聞いてわかったことがあるよ」
ヘスティア様はコーヒーを一口飲みニッコリ笑った。
「君はとっても優しいね」
「はへ?」
ヘスティア様はオレの顔を胸に埋めた。ヘスティア様の体は柔らかく、とてもいい匂いがした。
神様なら「お前は大切な人を傷つけて恥ずかしくないのか?」と言われるかと思った。
「君は誰かを傷つけさせたくなくて、君は誰かを守りたかったんだねだから君は優しい」
オレの頭を撫でだす。その撫でられる心地がとても気持ちよくて、とても暖かかった。
「君は誰かを守りたいならもっと強くならなくちゃね、もっと強くなって、誰かを守れるぐらい強くならないと」
「何者にも奪われない強さを、まだ誰も辿り着いてない強さを、そんな強さをボクとベルくんと一緒に目指してくれないか?」
オレの目頭が熱くなる。オレについていた鎖みたいなものが全てほどけていくような心地があった。ヘスティア様とベルはにっこり笑ってオレに微笑みかけてくれた。それがなんとも嬉しくて、このファミリアでオレは成長していきたいと改めて思った。
「はい、オレはもっと強くなって大切なものをもう失わないように頑張ります」
「ああ!今回みたいな無理はダメだぜ?僕はユウマくんもベルくんも一人でもかけたらボクは泣いてしまうぞ」
ヘスティア様はにっこり微笑みながらそんなことを言った。何を言ってるオレは、オレ達は............
「「大丈夫です神様。オレは(僕は)神様を一人なんかにさせません」」
オレはこの【ヘスティア・ファミリア】の眷族として、冒険をしよう。
******
『ブモォォォォォォォォ!!』
「ほぁああああああああ!?」
なんで!なんでこんなところにミノタウロスが!?僕はミノタウロスに追われている。なぜかと言うと、僕が
「はぁ!............はぁ!............はぁ!...........」
今も息を荒げながら逃げ回る僕と追いかけるミノタウロス。
クソッ!クソッ!なんでだよ!なんでこんななところにミノタウロスが!!こんなところで終わりたくない!
必死に逃げ回る、ミノタウロスの追いかける足音が聞こえる。その度に僕の心臓は高鳴っていく。
なんでこんな時にユウマはいないのおおおおおおっ!?
******
ベルの悲痛の泣き声が聞こえた気がするが、気のせいかと押し込みギルドに向かう。
「あれ?ユウマくん?ダンジョン探索は終わったの?」
「あぁ、今終わったところ。ほら換金にきたぞー」
オレは探索が終わり、魔石を換金しにくる。
「ほら6000ヴァリスな」
「どうも」
オレはヴァリスを受け取り、自分の小袋に入れる。
「あれ?今日は結構稼げたんだね?ベルくんがいないけどどうしたの?」
「オレとベルは今日は別行動。ベルが「ちょっと今うちのファミリア金欠だから僕に構わずお金を稼いできて」って言ってきたからオレはベルより下の階層行っただけ」
するとエイナさんは身を乗りだし、オレに顔を近づけてきた。ちょ!近い近い!あまりの近さにオレの心臓は高鳴り出す。ま、まあ、エイナさんめっちゃ可愛いし、エルフだからめっちゃ好みなんだけど、ちょっと順序ってものが!
「今日は何階層まで潜ったの?」
「へ?」
「こ・た・え・て!」
「は、はぁひぃ」
ギルドの脇にある、ソファに腰掛け、エイナさんと話していた。エイナさんの顔は笑顔だが目が笑ってない。エイナさんは心配性すぎるんではないだろうか?
オレたちがダンジョンに初めて行く時なんか、俺たちに上層モンスターの特徴とか覚えるまで行かせてくれなかったからね。ほんと辛かった。
「えぇーとですね。オレは7階層まで............」
「そうなんだ7階層ね.........はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!?」
エイナさんがオレに掴みかかって、オレを前後に揺らす。や、やめて!脳が揺れる脳が!
「君はまだ冒険者になったばっかりだよね!?なんで君はもう7階層なんかにいるのかな!?」
「い、いやオレ上の
「む・り・に!に決まってるでしょ!!なんで君は7階層なんかに!いつも言ってるでしょ?『冒険者は冒険しちゃいけない』って」
「で、でもそれは............「エイナさあああああああんっっ!」............ん?」
オレの言葉を遮るかなように、大きな声がギルドに、いやギルド付近に響き渡る。
声が聞こえた入り口付近をエイナさんと見てみると、血だらけになったベルだった。
「うわあああああああああ!?」
「うおおおおおおおおおお!?」
「アイズ・ヴァレンシュタインさんの情報をおしえてくださあああああいっ!」
******
「ダメじゃないベルくん、そんな血だらけになったならシャワーくらい浴びないと」
体を洗ってさっぱりした僕の前でこれみよがしにため息をついた。ギルド本部のロビーに設けられた小さな一室。今、僕とエイナさんはテーブルを挟んでお互いの椅子に座っていた。
ユウマは僕の隣に座って何やってんだ?みたいな目で僕を見ている。
「で?ミノタウロスに5階層で追いかけられて、アイズ・ヴァレンシュタイン氏に助けられたってこと?」
僕はミノタウロスに
「で、なんでそのアイズなんちゃらさんって言う人の情報が欲しいんだよ?」
「アイズ・ヴァレンシュタインさんね、ユウマくん。あのLv5の【剣姫】と謳われてる冒険者の中でもトップクラス中のトップクラスの冒険者って知らないの?」
エイナさんはユウマの瞳に焦点を合わせる。じっと見つめられて少し照れているのか、ユウマはそれを誤魔化すように咳払いをして、話題の先に行った。
「で?そのヴァレンシュタインさんにお近づきになりたいってことか?てことはベル、ヴァレンシュタインさんのこと好きになったのか?」
「そ、そんな直球に聞かないでよ!」
「ベルくん〜図星なんだねぇ?」
「うっ!は、はぃ.........」
僕は羞恥心に見舞われて、顔を真っ赤にして俯く。
そしてここから僕のヴァレンシュタインさんへの質問が始まるが、そこまで収穫を得られずに、夕方になっていく。
「次からは気をつけるんだよ、二人とも私が許した階層しか言っちゃダメなんだからね?」
「「は、はい」」
「よろしい!じゃあねユウマくん、ベルくん」
エイナさんは小ぶりに手を振りながら笑顔で見送ってくれた。僕は神さまが待っているだろう教会へ向かう。エイナさんに僕とユウマは手を振ったら僕は駆け出した。
アイズ・ヴァレンシュタインさんと出会ってから数時間しか経ってないが、今僕に映る全てが美しい光景に見えた。僕は神様がいるホームへ歩き出した。
「あれ?こっちくるの遅かったね?」
僕が歩いていると駆け足でユウマが走って来た。少しの間僕が一人で街を歩いていたからそんな疑問を投げかけてみた。
「ん?あぁ、ちょっとエイナさんと話しててな」
******
(はあ、なんであんなこと言われてちょっと喜んでるんだろ)
時はほんの少しだけ戻り数分前、ベルが駆け出した後。ユウマはエイナのところに行き、こんなことを言っていた。
「エイナさん」
「あれ?ユウマくん?どうかした?」
「オレエイナさんを残して死にませんから、絶対生きて帰ります。それを伝えにきました。エイナさん、また明日」
ユウマはエイナの元から離れていき、ベルの元へ走って行く。ユウマはベルに追いつくと、ユウマとベルは笑い合いながら夕日に照らされながら、帰っていく。
エイナの『冒険者は冒険してはいけない』という言葉、エイナにはユウマがスキルが発現していることはエイナは知らない。それは主神のヘスティア様に止められているから彼は誰にも話せない。エイナは冒険者になった駆け出しでLv.1の彼が7階層を探索していることを心配している。ユウマはエイナを安心させるために呟いた言葉である。
エイナは少し羨ましいと思ってしまった。誰かと笑い合い、誰かと共有する。そんなことはエイナもよくしていることだった。ギルドには友達はいるし、笑って仕事をしているつもり、けれどなぜか羨ましかった。そしてちょっぴり嬉しい。
次からはベルとユウマは酒場に行きます。
そう豊穣の女主人に向かいます。そこで出会うのは言うまでもありませんここから少しずつエルフのキャラを出していきます。
今回はエイナさんです。そして次はって感じですね。エイナさん今回出したと言っても、あまり関わってないので、内容が進んだらもっとエイナさんを出したいと思います。
※追記
感想の欄で原作の根本的なものを変えるのは無理だと言われました。確かにごもっともだと思います。まず設定が根本的に変わっている場所が、恩恵をもらってもいないのに、Lv.2上がっていることです。まずこの状況はありえないことは知っていました。恩恵をもらってから経験値を積まないと、Lvが上がらないことも、知ってはいました。正直迷ったんですけど、Lv1に変更して、スキルを発現というのもありかなと思いました。8月14日をもちまして、お気に入り登録が100を突破している状況で変えてしまったら、それはどうなんだろ?と悩んでいるからです。途中から、「レベル1でもよかったんじゃね?」と書きながら思っていました。悩んだ末に、
【書き直し】
という形でよろしいでしょうか。お気に入りを消してもらっても構いません。けれど僕はダンまちが特に好きな作品で今回の感想の方のものを見ると、少し胸が痛くなりました。
今回変えるところはレベル2からレベル1へダウン。そして今までのエイナさんの対応やベートと戦った対応などを変えていきます。
今回は設定を膨大に変えることになります。なので今この作品が気に入ってる方には申し訳ありません。今回感想で指摘をくれた方、ありがとうございますと感謝の言葉を述べます。
原作に早く追いつくように、これからも【ダンジョンにエルフを求めるのは間違っているだろうか】をよろしくお願いします。